VAIO S15(ALL BLACK EDITION)のレビュー概要
高い質感の15インチノート
VAIO S15はシリーズの中で最も大きい15インチサイズのノートパソコン。Hシリーズのプロセッサを搭載し、他のVAIOシリーズと比較してもパフォーマンスにも優れたモデルです。
多くのインターフェイスや光学ドライブ(ブルーレイにも対応)しており、一台で多くのことがこなせます。
こんなタイプにマッチ
- スタイリッシュなPCが欲しい人
- 光学ドライブ搭載PCが欲しい人
簡易スペック表
発売日 | 2019年9月 |
CPU | Core i9-9980HK Core i7-9750H Core i5-9300H |
RAM | 8~32GB |
ストレージ | 128GB~1TB SSD 500GB~1TB HDD |
画面サイズ | 15.6インチ |
GPU | Intel UHD グラフィックス630 |
USB-PD | 非対応 |
LTE・5G通信 | 非対応 |
MSオフィス | 搭載可能 |
重量 | 2115g |
Cinebench R20 | 3415pts |
※詳細スペックはこちら。その他性能は目次よりベンチマーク結果をご覧ください
VAIO S15(ALL BLACK EDITION)の目次
実際に使った感想(主観)はメリット・デメリットからご覧いただけるとわかりやすくなっています。購入を悩んでいる場合はおすすめかどうかをチェックください。
※本記事ではメーカーより貸出を受けて、テストを行っています。
VAIO S15(ALL BLACK EDITION)の特徴
ここではVAIO S15(ALL BLACK EDITION)の一般的な特徴について解説しています。実際に筆者が使った感想、レビューについてはメリット・デメリットの項目をご覧ください。
15インチのVAIO
VAIOには3つのシリーズがありますが、その中でも最も大きいサイズになる15インチのモデルがこのVAIO S15です。VAIOシリーズはこのモデル以外は軽量化をコンセプトに据えていますが、S15では大型モデルの筐体を活かしてデスクトップ級のパフォーマンスと多彩なインターフェイスを持つモデルとなっています。
パフォーマンスの高いHシリーズを搭載
VAIO S15ではHシリーズのintel Coreプロセッサを採用しています。そのため、他のモバイル向けプロセッサを搭載するSシリーズの12インチ、及び14インチと比較するとパフォーマンスが高いメリットがあります。なお、今回レビューしている最上位モデル「ALL Black Edition」では、Core i9-9980HKを搭載しています。
最強のALL BLack Edition
今回レビューしているモデルはVAIO S15の中でプレミアムモデルとなるALL Black Editionです。元々スタイリッシュさがウリのVAIOですが、ALL Black Edtionではより端正に仕上げられています。
VAIO S15(ALL BLACK EDITION)の価格とコストパフォーマンス
VAIO S15は2021年9月27日現在で128,180円からとなっています。2020年からAMD Ryzenプロセッサのコストパフォーマンスが高まっているため、マシンパワーを基準にすると相対的にコストパフォーマンスが下がってしまっています。VAIOであることのブランドやデザイン性を前提として購入検討する方が良いでしょう。
VAIO S15(ALL BLACK EDITION)のスペック
今回レビューしたVAIO S15(ALL BLACK EDITION)のスペックは以下の通りです。
マシンスペック(技術仕様)
発売日(月) | 2019年9月 | |
製品名 | VAIO S15(ALL BLACK EDITION) | |
型式 | ALL Black Edition(VJS1541シリーズ) | |
サイズ | 254.3×361.4×22.0~26.0mm | |
重量(実測) | 本体 | 2115g |
電源アダプタ | 365g | |
CPU | Core i9-9980HK | |
GPU | intel UHD グラフィックス630 | |
メモリ(RAM) | 32GB | |
ストレージ | 1st | 1TB SSD |
2nd | 1TB HDD | |
ディスプレイ | サイズ | 15.6インチ |
解像度 | 3840×2160 | |
アスペクト比 | 16:9 | |
形式 | 記載なし | |
リフレッシュレート | 記載なし | |
生体認証 | 指紋 | 有り |
顔認証 | 有り | |
フロントカメラ | 画素数 | 207万画素 |
物理シャッター | 無し | |
リヤカメラ | 画素数 | 無し |
Wi-Fi | a/b/g/n/ac/ax | |
bluetooth | v5.0 | |
LTEモジュール | 対応の可否 | 非搭載 |
SIMカードサイズ | ー | |
光学ドライブ | 非搭載 | |
バッテリー | サイズ | 記載なし |
公称値 | 4.5~5.5時間 |
※レビュー機種以外やカスタマイズ内容などの詳細スペックはこちらからご覧ください。
VAIO S15(ALL BLACK EDITION)のベンチマーク
CINEBENCH R20
CINEBENCH R20の測定値は3415pts、シングルコア464ptsという結果になりました(パフォーマンスモードで測定)。ノートパソコンとしては非常に高性能です。他機種のデータについてはCINEBENCHの結果一覧をご覧ください。
CINEBENCH R23
CINEBENCH R23の測定値は6984pts、シングルコア1245ptsという結果になりました(パフォーマンスモードで測定)。他機種のデータについてはCINEBENCHの結果一覧をご覧ください。
Crystal Disk Mark
Crystal Disk Markの測定結果は以下の通りです。ALL Black Editionでは上位のPCIe Express x4が搭載されているため、約2800MB/sと高速になっています。
ゲームベンチマーク
FF14
ファイナルファンタジー14 漆黒のヴィランズのベンチマーク結果は以下の通りです。全てフルHD品質でテストを行っています。第9世代のプロセッサということ、dGPUを搭載していないことからスコアはあまり伸びませんでした。第11世代の方がグラフィックスは良い結果が出ます。他機種の結果はFF14のベンチマーク結果一覧をご覧ください。
モード | スコア | 評価 |
最高品質 | - | - |
高品質 | - | - |
標準品質 | 2795 | やや快適 |
FF15
ファイナルファンタジー15のベンチマーク結果は以下の通りです。全てフルHD品質でテストを行っています。他機種の結果は、FF15のベンチマーク結果一覧をご覧ください。
モード | スコア | 評価 |
最高品質 | - | - |
高品質 | - | - |
軽量品質 | 1003 | 動作困難 |
CPU-Z
CPU-Zでの検証は以下の通りです。クリックで拡大することができます。
騒音テスト
騒音に関する評価は以下の通りです。CPUテストはCinebench R20、GPUテスト時はFinalFantasy15のベンチマーク測定時に測定を行っています。今回は性能の高いCore i9-9980HKを使っていることもありますが、通常時からファンの音は気になります。次の温度測定結果も合わせてチェックして下さい。
モード | 評価 |
通常時 | ファンが時々回り、しっかりと音が聞こえる |
CPUテスト時 | ファンが回りっぱなしで音が気になる |
GPUテスト時 | ファンが回りっぱなしで音が気になる |
PC温度測定
平常時とCinebenchR23(multi)で10分負荷をかけた後にFLIR One Proのサーマルカメラを用いて温度測定を行いました。VAIO S15の排熱は背面になく、左のみに偏っています。そのため見てのとおり左パームレストから左の通気口あたりが熱くなる傾向が見られます。熱風の影響により机自身も熱くなる傾向が見られています。
VAIO S15(ALL BLACK EDITION)のモニター評価(色域・トーンカーブ)
モニターの評価結果は以下の通りです。タブで色域の評価結果とトーンカーブの測定データを切り替えることができます。測定はi1 Display Proを用いてデータ測定後、Color ACにてIICプロファイルからカバー率などのデータを作成しています。VAIO S15はカバー率が高めの結果になっています。
トーンカーブの評価結果は以下の通りです。
VAIO S15(ALL BLACK EDITION)の通信環境(WI-Fi)のテスト
測定環境
Wi-Fiの通信環境テストを行いました。テスト環境は光1Gbps(IPv6対応)でWi-FiにはArcher 10 Proを用いました。テスト環境は以下の通りで戸建て環境の1階、及び2階で測定を行っています。幅方向約10.5m、奥行き方向8.2mの環境です。
検証結果
スピードテストを行った結果です。ポイント⑥になるほど実質的な距離が大きくなります。
ダウンロード数値比較
アップロード、PING、ジッターを計測した数値を表にまとめています。
測定項目 | ダウンロード | アップロード | PING |
単位 | Mbps | Mbps | ms |
ルーター前 | 364.12 | 286.59 | 9 |
ポイント② | 390.81 | 204.93 | 7 |
ポイント③ | 420.01 | 270.95 | 8 |
ポイント④ | 342.41 | 164.75 | 8 |
ポイント⑤ | 191.75 | 116.32 | 7 |
ポイント⑥ | 93.08 | 48.24 | 7 |
通信スピードテストの評価
どのエリアでも十分な通信速度が得られています。ただ、Wi-Fi6には対応していないため、400Mbsを超えるスピードは出ていない点が残念です(Wi-Fi6対応のモデルだと弊環境では600Mbpsほど測定される)。
VAIO S15(ALL BLACK EDITION)のUSB-C(PD)による充電テスト
VAIO S15はUSB-PD充電には非対応です。
VAIO S15(ALL BLACK EDITION)の外観
今回はALL Black Editionをレビューしています。天板はマットなブラックで、VAIOの文字はブラックメッキされています。
背面はプラスチック素材になっています。
開いた様子です。ベゼル幅は広めです。ディスプレイはFHDと4Kとなっていますが、今回は4Kモデルです。フロントカメラにはIRカメラを搭載しており、Windows Helloに対応しています。
上部ベゼルです。
下部ベゼルです。
キーボード全体です。テンキーを搭載しています。なお、右下に指紋認証を搭載しています。
タッチパッド幅は104mmとなっています。
本体左側には通気口、有線イーサネットコネクタ、VGAコネクタ、フルサイズHDMI、USB Type-A、USB Type-Cとなっています。
本体右側には光学ドライブ、USb Type-A×2を搭載しています。
光学ドライブを開いた様子です。
本体の重量を測定したところ、2115gとなりました。
充電器込みの重量を測定したところ、2480gとなりました。充電器単体では365gとなります。
VAIO S15(ALL BLACK EDITION)のメリット・魅力
一台で全てをカバーするインターフェイス
VAIO S15の最大のメリットは一台でどんな環境にも対応できるインターフェイスと言えます。昨今、15インチパソコンでも外部接続が削られる傾向にあり、光学ドライブ搭載パソコンは数少なくなっています。そんな中、VGAアダプタをはじめ、ほぼ全てをカバーできるのはVAIO S15ならではの魅力と言えます。
ALL Black Edtionならではのパフォーマンス
今回レビューしているAll Black Editionは最上位モデルで唯一Core i9を搭載しています。、ベンチマークの結果からも分かるように非常に高いパフォーマンスを誇っています。
光学ドライブを搭載
VAIO S15では光学ドライブを採用し、下位モデルではDVD、上位モデル(Core i7モデル以上)ではブルーレイディスクに対応しています。PCでレンタルしたビデオを見たり、DVDを作成したりを気軽に行えます。
VAIO S15(ALL BLACK EDITION)のデメリット・欠点
USB-PDには非対応
昨今の15インチノートパソコンでもUSB-PDに対応しているモデルがいくつかありますが、本モデルは非対応です。
dGPUは非搭載
残念ながら、VAIO S15にグラフィックボードを搭載しているモデルはありません。プロセッサのパフォーマンスが非常に高いだけに残念です。
モバイル通信非対応
VAIOはラインナップの多くがモバイル通信対応ですが、S15は非対応です。もし公式サイトで購入する場合はピクセラのUSBドングルを合わせて買う形になります。
バッテリー持続時間が課題
今回レビューしたALL Black Editionの場合、Ultra HD(4K)ディスプレイを搭載しているため、バッテリー持続時間が4.5~5.5時間となっています。下位グレードのCore i5搭載モデルでも6.5~8.0時間となっています。バッテリーを利用した仕様にはあまり向きません。
みんなの口コミ
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VAIOならではの本体の仕上がりが魅力的な一台。最廉価グレードのCore i5-9300Hは本体の充実度に対して、意外と安く買えるので、お得感があります。
女性目線の口コミ
普段、Let's NoteのSZシリーズを使っている妻からコメントをもらいました。ライトユーザーとしての一意見として捉えて頂ければと思います。
女性目線のコメント
- 真っ黒で見た目がかっこいい
- 重くて持ち運びには向かない
VAIO S15(ALL BLACK EDITION)がおすすめな人
15インチの国内PCを探す人
国産のノートパソコンの中で15インチクラスで考えると、Core i5モデルは実は意外と安くなります。しかも、モバイル向け省電力プロセッサではなくHシリーズを搭載しているため、一般的な15インチノートパソコンよりもパフォーマンスが高く動作に優れます。
光学ドライブを使う人
光学ドライブ搭載のノートパソコンはかなり数が減ってきています。もし光学ドライブ付きを検討しているなら、ぜひ候補に入れてみて下さい。Blue-Rayまで対応させることができます。
VAIO S15(ALL BLACK EDITION)がおすすめではないタイプ
持ち運びする人
VAIO S15はパワフルでインターフェイスが多い分、非常に重いパソコンです。持ち運びには向きません。
値段を重要視する人
VAIOは国産でデザイン性に優れたパソコンです。そのため、コストを最重要視する人には向きません。そういった人は15インチで海外製のパソコンを探すことをおすすめします。
VAIO S15(ALL BLACK EDITION)のカスタマイズ・モデルの選び方
VAIO S15はフルカスタマイズして注文することができます。その際のポイントとして、SSDが挙げられます。下位モデルのSSDでも十分使えますが、PCIeに対応したSSDを選択しておけばより、読み書きがより高速になり、効率的に作業することができます。自分に合ったモデルにカスタマイズして使いたい場合は、Core i5モデルを選択肢そこからフルカスタマイズしていくと良いでしょう。
VAIO S15(ALL BLACK EDITION)の実機レビューまとめ
VAIO S15(ALL BLACK EDITION)を安く買う方法
VAIO S15(ALL BLACK EDITION)に限らず、VAIOのパソコンを安く買う方法については以下の記事でまとめています。購入前に必ずご確認ください。
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