※本記事ではメーカーより貸出を受けて、テストを行っています。
Spectre x360 14-ea0000のレビュー概要
高級感のあるハイエンドノート
HPが発売しているノートパソコンの中で最もハイエンドに位置するSpectreシリーズの14インチモデルです。
同メーカーはデザインに優れたPCを数多く出していますが、中でも突出した美しさを持っています。また見た目だけでなく、3:2アスペクト比、有機ELディスプレイ、Optaneメモリ、プライバシースクリーンなど機能面でも抜かりのない仕上がりでまさにフラッグシップに相応しいノートパソコンです。
こんなタイプにマッチ
- 高級感のあるPCが欲しい人
- クリエイティブ用途で使う人
- スタイラスペン入力したい人
簡易スペック表
発売日 | 2020年12月8日 |
CPU | Core i5-1135G7 Core i7-1165G7 |
RAM | 8~16GB |
ストレージ | 256GB~1TB |
画面サイズ | 14インチ |
GPU | インテル Iris Xe グラフィックス |
USB-PD | 対応 |
LTE・5G通信 | 非対応 |
MSオフィス | 選択可能 |
重量 | 1285g |
Cinebench R20 | 1353pts |
※詳細スペックはこちら。その他性能は目次よりベンチマーク結果をご覧ください
Spectre x360 14-ea0000の目次
実際に使った感想(主観)はメリット・デメリットからご覧いただけるとわかりやすくなっています。購入を悩んでいる場合はおすすめかどうかをチェックください。
Spectre x360 14-ea0000の特徴
ここではSpectre x360 14-ea0000の一般的な特徴について解説しています。実際に筆者が使った感想、レビューについてはメリット・デメリットの項目をご覧ください。
高級モデルに相応しい外観
HPのSpectreシリーズは過去モデルより高い質感を誇るハイエンドノートパソコンであり、本モデルもそのデザインが継承されています。天板、キーボード、タッチパッドなどの質感に加えて、高級モデル側面エッジがダイヤモンドカットされた上でゴールドに装飾されており、より高級感を演出しています。
3:2の縦長ディスプレイ
これまで発売されてきたSpectreシリーズは16:9のディスプレイが基本でしたが、本モデルでは3:2の縦長ディスプレイが採用されており、書類作成やネットサーフィンにマッチする構成となりました。
有機ELで高精細な画面(キャリブレーション済)
Spectre x360 14-ea0000は有機ELディスプレイを採用し、さらにキャリブレーション済みとなっているためカラーを扱う人にとって有利。dGPU非搭載のためハードなクリエイティブ作成は難しいものの、カラーチェックを外でするような人にはマッチするでしょう。
2in1でスタイラスペンが付属
2in1モデルのためタブレットでの利用も可能となっており、本体購入時にスタイラスペンが付属します。本体横に取り付けることもできるため持ち運びにも便利です。
Spectre x360 14-ea0000の価格とコストパフォーマンス
Spectre x360 14-ea0000はどこにフォーカスするかによって、コストパフォーマンスの考え方が大きく変わります。絶対的なスペック、軽量性から考えると他にも優秀なパソコンがたくさんあるため、コストパフォーマンスが悪くなりますが、本体の質感、キーボード・タッチパッドの操作性、キャリブレーションされたディスプレイ、3:2のアスペクト比などを考慮すると10万円後半で買えるのはかなり割安です。
また本体性能の他にスタイラスペンが付くだけでも、本来別で買えば1万円前後するはず。こういった観点で考えれば、価格に対して価値の高いパソコンと言えるでしょう。
Spectre x360 14-ea0000のスペック
今回レビューしたSpectre x360 14-ea0000のスペックは以下の通りです。
マシンスペック(技術仕様)
発売日(月) | 2020年12月8日 | |
製品名 | ||
型式 | 14-ea0048TU | |
サイズ | 220×298×17mm | |
重量(実測) | 本体 | 1285g |
電源アダプタ | 310g | |
CPU | Core i7-1165G7 | |
GPU | intel Iris Xe グラフィックス | |
メモリ(RAM) | 16GB | |
ストレージ | 1st | 1TB |
2nd | - | |
ディスプレイ | サイズ | 13.5インチ |
解像度 | 3000×2000 | |
アスペクト比 | 3:2 | |
形式 | 有機EL | |
リフレッシュレート | 記載なし | |
生体認証 | 指紋 | 有り |
顔認証 | 無し | |
フロントカメラ | 画素数 | 92万画素 |
物理シャッター | 無し | |
リヤカメラ | 画素数 | 無し |
Wi-Fi | a/b/g/n/ac/ax | |
bluetooth | v5.0 | |
LTEモジュール | 対応の可否 | 非搭載 |
SIMカードサイズ | ー | |
光学ドライブ | 非搭載 | |
バッテリー | サイズ | 4セル |
公称値 | 10.5時間 |
※レビュー機種以外やカスタマイズ内容などの詳細スペックはこちらからご覧ください。
Spectre x360 14-ea0000のベンチマーク
CINEBENCH R20
CINEBENCH R20の測定値は1353pts、シングルコア436ptsという結果になりました(パフォーマンスモードで測定)。第11世代のCore i7-1165G7モデルとしてはCinebench R20のスコアが低くなっています。おそらく4Kディスプレイに処理を持っていかれていると推測されます。他機種のデータについてはCINEBENCHの結果一覧をご覧ください。
CINEBENCH R23
CINEBENCH R23の測定値は3183pts、シングルコア1280ptsという結果になりました(パフォーマンスモードで測定)。他機種のデータについてはCINEBENCHの結果一覧をご覧ください。
Crystal Disk Mark
Crystal Disk Markの測定結果は以下の通りです。Readが約2200となっており、ノートパソコンではトップクラスではないものの十分高速です。
ゲームベンチマーク
FF14
ファイナルファンタジー14 漆黒のヴィランズのベンチマーク結果は以下の通りです。全てフルHD品質でテストを行っています。他機種の結果はFF14のベンチマーク結果一覧をご覧ください。
モード | スコア | 評価 |
最高品質 | - | - |
高品質 | - | - |
標準品質 | 4447 | 快適 |
FF15
ファイナルファンタジー15のベンチマーク結果は以下の通りです。全てフルHD品質でテストを行っています。他機種の結果は、FF15のベンチマーク結果一覧をご覧ください。
モード | スコア | 評価 |
最高品質 | - | - |
高品質 | - | - |
軽量品質 | 1668 | 動作困難 |
CPU-Z
CPU-Zでの検証は以下の通りです。クリックで拡大することができます。
騒音テスト
騒音に関する評価は以下の通りです。CPUテストはCinebench R20、GPUテスト時はFinalFantasy15のベンチマーク測定時に測定を行っています。
モード | 評価 |
通常時 | ほぼ無音 |
CPUテスト時 | ファンが聞こえる |
GPUテスト時 | 同上 |
PC温度測定
平常時とCinebenchR23(multi)で10分負荷をかけた後にFLIR One Proのサーマルカメラを用いて温度測定を行いました。かなりびっくりしたのですが、温度変化が少なく、負荷がかかった状態でもあまり熱くなりませんでした。Cinebench R20の結果の通りスコアが低い分、熱的影響が抑えられているのかもしれません。
Spectre x360 14-ea0000のモニター評価(色域・トーンカーブ)
モニターの評価結果は以下の通りです。タブで色域の評価結果とトーンカーブの測定データを切り替えることができます。測定はi1 Display Proを用いてデータ測定後、Color ACにてIICプロファイルからカバー率などのデータを作成しています。有機ELディスプレイを搭載していること、キャリブレーションをメーカーがアピールしていることもあり色域のカバー率は非常に優秀です。クリエイティブ用途でも十分使えるでしょう。
トーンカーブの評価結果は以下の通りです。
Spectre x360 14-ea0000の通信環境(WI-Fi)のテスト
測定環境
Wi-Fiの通信環境テストを行いました。テスト環境は光1Gbps(IPv6対応)でWi-FiにはArcher 10 Proを用いました。テスト環境は以下の通りで戸建て環境の1階、及び2階で測定を行っています。幅方向約10.5m、奥行き方向8.2mの環境です。
検証結果
スピードテストを行った結果です。ポイント⑥になるほど実質的な距離が大きくなります。
ダウンロード数値比較
アップロード、PING、ジッターを計測した数値を表にまとめています。
測定項目 | ダウンロード | アップロード | PING |
単位 | Mbps | Mbps | ms |
ルーター前 | 620.92 | 540.06 | 6 |
ポイント② | 543.15 | 355.89 | 6 |
ポイント③ | 587.38 | 553.75 | 6 |
ポイント④ | 587.16 | 570.76 | 7 |
ポイント⑤ | 504.57 | 329.66 | 8 |
ポイント⑥ | 127.92 | 134.53 | 7 |
通信スピードテストの評価
全エリアで安定した数値が得られており、快適にインターネットが使えます。他のノートパソコンだとポイント⑥で100Mbpsを切ることもありますが、このPCではなく、しっかりと電波をつかんでいるようです。
Spectre x360 14-ea0000のUSB-C(PD)による充電テスト
USB-Cの充電テストを行いました。20WのPD充電器では使うことができませんでしたが、30W以上では低速表示が出ることもなく通常通り使うことができました。
USB-PD | 充電の可否 | 検証した充電器 |
20W | × | PowerPort Ⅲ Nano |
30W | 〇 | PowerPort Atom Ⅲ Slim |
45W | 〇 | PowerPort Atom Ⅲ Slim |
61W | 〇 | RP-PC133 |
100W | 〇 | AUKEY PA-B7 |
Spectre x360 14-ea0000の外観
今回レビューしたのはポセイドンブルーのモデルです。センターにはハイエンドモデルのみに適用されるHPのロゴが光ります。
背面も天板同様にポセイドンブルーのカラーとなっています。背面の通気口とスピーカーがあります。スピーカーのパンチングホール自体もこだわりを感じる造形となっています。
開いた様子です。写真からもわかるように有機ELディスプレイで非常に美しく、深い色合いになっています。3:2のアスペクト比のため縦長で情報量を多く取れる点がポイントです。
2in1コンバーチブルモデルのため、テントモードが可能です。動画視聴に向きます。
上部ベゼルです。ベゼルが非常に薄く、高級感があります。
下部ベゼルです。
キーボード全体です。静かでしっとりとした打ち心地となっています。クセが無く打ちやすい点も魅力。右下、矢印キーの横に指紋認証を備えます。また、上部にはスピーカーがあります。
ミツトヨのデジタルノギスでキーピッチを算出したところ、19.62mmとなりました。
タッチパッド幅を計測したところ、116mmとなりました。サラサラとした触感、さらに静音クリックとなっており人が多いところでも快適に使えます。
本体の重量を測定したところ、1285gとなりました。
充電器込みの重量を測定したところ、1595gとなりました。充電器単体では310gとなります。
付属のスタイラスペンの太さは9.35mmです。
替え芯が二本付属します。
スタイラスペンは本体横にマグネットでくっつけることが出来ますが、あまり磁力は強くありません。
Spectre x360 14-ea0000のメリット・魅力
所有欲が満たされる一台
Spectre x360 14-ea0000は同メーカーの中でも、マスターピースに位置付けられるノートパソコンでとにかく優れたデザイン。他のノートパソコンとは別物で所有欲が満たされます。
プライバシーモードでビジネスシーンにも
HPのお家芸であるプライバシーモードは非常に優秀で、横からの覗き込みをほぼ確実に防ぐことができます。ビジネスマンの場合、NDAなど機密書類を扱う人は新幹線などで覗き見防止用のフィルムを貼る人を見ますが、一度プライバシーモードの便利さを知るとフィルムの付け外しには戻れないでしょう。
Optaneメモリー搭載でより高速化可能
NVMe M.2 SSDを搭載しているので読み書きは十分高速ですが、Optaneメモリーを搭載しているため一般的な構成よりもさらに速く読み出しが可能になり、快適に作業することができます。
色域が広くクリエイティブにも
Spectre x360 14-ea0000はカラーテストの結果、色域が広くカラーに関する商材を取り扱う人も使えるノートパソコンです。色域が広いだけでなく、出荷時にカラーキャリブレーションされている点も評価できます。
機能の割に価格が安い
ここまで書いた通り、デザイン性だけでなくそれ以外のオプション的な要素も含めて考えると、10万円後半ならコストパフォーマンスが高く感じます。しかも、PC本体だけでなくスタイラスペンやスリーブケースも付いてくるので、別途お金がかからない点もメリットです。
Spectre x360 14-ea0000のデメリット・欠点
2in1のため同クラスと比較すると重め
2in1ノートパソコンという特性上しょうがない部分ではありますが、同じ価格帯のノートパソコンと比較すると重めになります(14インチクラスは軽量化の競争が特に激しい)。十分コンパクトで小型ではあるものの、質量を最優先に考えるとデメリットになります。
モバイル通信には非対応
残念ながら、モバイル通信には非対応となっています。
みんなの口コミ
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デザインだけでなく機能性も十分持ったノートパソコン。比較的軽量なので持ち運びも十分でき、それでいてキーボード、タッチパッドの質感が良いので出先での生産性を高めることができます。有機ELディスプレイなら色域カバー率が高いので、クリエイティブ用途に使える点も魅力です。
残念だったのはモバイル通信に非対応なこと。ここさえ選択できれば最強のモデルでした。
女性目線の口コミ
普段、Let's NoteのSZシリーズを使っている妻からコメントをもらいました。ライトユーザーとしての一意見として捉えて頂ければと思います。
女性目線のコメント
- 色が珍しくかっこいい
- エッジの仕上がりが良い
Spectre x360 14-ea0000がおすすめな人
タッチパッドメインで使う人
Spectre x360 14-ea0000はタッチパッドの性能が非常に良く、サラサラとした質感で生産性を上げることができます。外出先での仕事でタッチパッドを使うことが多い場合、便利でしょう。
外出先でビジネス書類を開く人
機密書類を取り扱うことの多いユーザーの場合、プライバシースクリーンは強い味方。これだけでもSpectre x360 ea-0000を買う価値があると言えるほどです。
クリエイティブな商材を扱う人
イラスト、デザイン、動画などクリエイティブな商品を扱う人にとって、色域の広いノートパソコンは強い味方になります。Iris Xe グラフィックスを搭載していることで、そこそこのグラフィックスソフトを動かせる点も評価できます。
Spectre x360 14-ea0000がおすすめではないタイプ
性能重視の人
10万円後半のノートパソコンでは、dGPU搭載モデルの中でもより高性能なモデルが選べるような価格帯になります。性能をとにかく重視するならおすすめはできません。
動画編集する人
上の条件と似ていますが、本機はIris Xe グラフィックスのみなので、動画編集など重めのクリエイティブ作業には向きません。似た価格帯なら、DAIV 4Nが14インチでdGPUを搭載しており、コストパフォーマンス的におすすめです。
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DAIV 4N(2021年モデル)の実機レビュー
約1.4kgで薄型軽量にもかかわらず、GeForce GTX1650Tiを搭載したノートパソコン。USB-PDに対応するため、ノマドワークに向くモデルです。2021年6月1日発売モデル。
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Spectre x360 14-ea0000のカスタマイズ・モデルの選び方
Spectre x360 ea-0000にはいくつかのモデルがありますが、有機EL搭載モデルならCore i7を搭載したモデルがおすすめです。ディスプレイの処理にプロセッサの性能が持っていかれるため、Core i7の方が余裕を作れるからです。また、読み込みを高速化できるOpataneメモリは上位モデルのみの搭載となるので快適性を求めるなら、ぜひ選んでおいて欲しいポイントです。
もう一点注意しておくべきはディスプレイです。グレードによって有機ELと液晶の2タイプが用意されていますが、有機ELを選ぶと色域カバー率が高くなる代わりにバッテリー持続時間が約4.5時間落ちます。外で長時間使う前提なら、液晶タイプをおすすめします。
Spectre x360 14-ea0000の実機レビューまとめ
デザインと機能性を両立したPC
結論
Spectre x360 14-ea0000はデザイン性と機能を両立した素晴らしいノートパソコンです。ハイエンドだけありコストもかかりますが、それに見合った価値のある素晴らしいノートパソコンとなっています。
Spectre x360 14-ea0000を安く買う方法
Spectre x360 14-ea0000に限らず、HPのパソコンを安く買う方法については以下の記事でまとめています。購入前に必ずご確認ください。
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