日本で多数の3Dプリンタラインナップを展開するFlashForge(フラッシュフォージ)。エンクロージャー(囲い込み)があるタイプでは、随一と言っていいほど豊富なラインナップを取り揃えています。
このフラッシュフォージの3Dプリンタについてその違いを本記事でまとめました。
※当記事では熱溶解式(FDM方式)3Dプリンタのラインナップについて中心的に解説します。
FlashForge(フラッシュフォージ)の3Dプリンタ解説目次
先におすすめ端末を知りたい人はまず「FlashForge(フラッシュフォージ)のおすすめモデル」からお読みください。スペック一覧では、エクセル一覧で詳細スペックを比較できる表を用意しています。
FlashForege(フラッシュフォージ)の3Dプリンタの特徴
Flash Forgeの3DプリンタはFDM式と光造形式がある
有名なFlashForgeの3Dプリンタですが、樹脂を溶かして積層するタイプのFDM方式と光を使って硬化させるタイプの光造形式を販売しています。以下は私が所有するCreator Pro2です。
ラインナップ的には熱積層式のFDMの方が多くなっており、サイズ、ノズル形状のパターンから自分に合ったタイプのものを選ぶことができます。
国内サポートが充実
フラッシュフォージ自体は中国の会社が販売していますが、国内で販売を行っているのはApple Tree株式会社が代理店として行っています。
3Dプリンタの会社は基本的に海外メーカーがほとんどで、オプションパーツの補充、不明点のやりとりが英語になったり、海外輸送が当たり前になりハードルが高くなります。しかし、日本語でやりとりができる代理店がいること自体が大きなメリットになります。
合わせて、個人的に大きなメリットと感じたのが樹脂に関して見識が深い人が問い合わせ先にいることです。実際に問い合わせで樹脂のことについても聞きましたが、納得のいく回答を頂けました。樹脂研究の仕事をしていた時、機械屋さんは材料のことに疎いケースが多かったのでこれには驚きました。
プラットフォームが非常に優秀
FrashForgeで個人的に最も評価したいポイントは印刷面の台座。凹凸がしっかりとしており、アンカー効果によって樹脂が密着しやすくなっています。3Dプリンタの印刷では、ABSを使うこともあると思いますが反りが厳しく印刷は難しい樹脂。フラッシュフォージならABSでもマウントにアンカーが聴かせられるので、密着性が高く印刷しやすいメリットがあります。
FlashForge(フラッシュフォージ)の3Dプリンタの選び方
まずはサイズで絞り込み
3Dプリンタを選ぶ際に最も重要なことは「作りたいもののサイズがどれくらいなのか?」です。3Dプリンタはどんなものでも作れると思われがちですが、実は作れるサイズはかなり小さいことが注意点。
日本市場で出回っているエンクロージャータイプ(囲い込みがあるタイプ)はメーカーを問わずほとんどが「150×150×150mm」程度になっており、フラッシュフォージのラインナップではスタンダードモデルである「Adventer 3」になります。
以下は筆者が所有しているCreator Pro2の印刷プラットフォームです。Adventure3と比べると少しだけ大きいですが、定規と比べて頂くとあまり大きくないことが分かって頂けるかと思います。
サイズが大きいものを作る場合、もちろん価格も上がってしまうことや場所を取るという欠点はありますが、思っていたものが作れなければ話にならないので、まずは印刷できるプラットフォームのサイズを確認しましょう。
作りたい対象の細かさが重要
フラッシュフォージの熱積層式の3Dプリンタの場合、もう一つ重要なポイントがノズル。ノズルは樹脂の通り道となっており、機種によって0.3mmと0.4mmのものがあります。例えば、Adventure3の場合は、それぞれのノズルを入れ替えて使うことができます。一方で筆者が所有しているCreator Pro2では使えるノズルは0.4mmのみになります。
ノズルが細ければ細いほど、造形を細かくすることが可能になります。フィギュアをはじめ、造形が細かいアイテムを印刷したい場合は0.3mmノズルを選べるマシンを選択するべきです。
より細かい造形なら光で
この記事では熱積層式を主にピックアップしていますが、もし造形の精度にこだわるのであれば光造形を先に選択肢に入れておくことをおすすめします。表面の仕上がり、綺麗さは別物です。ただし、作れるサイズはかなり小さくなるので要注意です。
使える材料は機種によって異なる
フラッシュフォージの製品に限りませんが、基本的に機種によって使える樹脂が変わります。これは本体のスペックというよりもノズルの性質によるところが大きく樹脂に応じたノズルを選択することが基本です。
FlashForgeの場合は樹脂に応じたノズルが販売されている機種とそうでない機種があります。例えば、Adventure 3ではより高温が必要なPC(ポリカーボネート)を印刷できるノズルの取り扱いがあります。
機種によってマウント方式が違うので注意
個人的に使い勝手の上で最も注目して欲しいポイントが「マウント方式」。樹脂を印刷した台座が取り外せるフレックスタイプと完全固定タイプがあります。初心者なら、絶対にフレックスタイプをおすすめします。
フラッシュフォージの3Dプリンタの台座性能は非常に良い一方で、密着性が高すぎる故に剥がすのがかなり大変です。フレックスタイプは印刷後折り曲げることで効率的に台座から外せるのでおすすめです。
以下は筆者が所有している別メーカーのフレックス素材を使ったマウントです。
このように印刷プラットフォームを取り外して曲げられる方が簡単に印刷物を取り外せるので楽です。Adventure3はこのフレックスタイプになっています。
音がどの程度許容できるかも検討に
3Dプリンタは機種によって駆動音がかなり違います。1日中回す人も多いと思うので、騒音は重要なところです。例えば筆者が所有しているCreator Pro2は比較的音が大きいモデルです(隣の部屋でも印刷音が聞こえます)。
音の面でもAdventure3がかなりおすすめで、低騒音な45db(デジベル)となっています。
Flash Forge(フラッシュフォージ)の機種ラインナップ一覧
この項目では、FlashForgeのラインナップについて掲載しています。
FlashForge(フラッシュフォージ)のおすすめ3Dプリンタ
ほとんどの人はAdventure一択
FlashForgeの3Dプリンタを選ぶなら、まずほとんどの人はAdventure3s一択です(印刷サイズが指定範囲に収まる前提です)。Adventure3はユーザーも多く、コミュニティも出来ていてFlashForge自体もアフターパーツを数多く出しています。
特に選び方の項目で書いた「0.3mmノズル」と「高温対応ノズル」の両方を取り揃えているため、自分がしたいことに対してワンランク上の印刷へステップアップする際にも適しています。
Adbenture3シリーズは通販サイトでの販売はありません。公式サイトでの購入になります。
デュアルヘッドを使いたいならCreator Pro2
FlashForgeにはデュアルヘッドモデルがいくつかありますが、中でも独立式と非独立式があります。個人的には独立式デュアルヘッドがおすすめ。理由は以下の通りです。
- 複製印刷で効率化ができる
- ノズルつまりに対して分解が一つで済む
- 樹脂除去用のフィンが優秀
もちろんデュアルヘッドのデメリットとしてXY軸の校正が必要という手間が一つ増えますが、そもそもデュアルヘッドを使う時点である程度3Dプリンタでは玄人だと思うので、あまり心配はないかと思います。
大型機ならGuider
家庭用で使うフラッシュフォージ製3Dプリンタで大型機ならGuider一択です。300mmに近い大型サイズの印刷が可能になります。
FrashForge(フラッシュフォージ)の発売日・発売価格・スペック一覧
FrashForgeから発売されている3Dプリンタのスペックをまとめています。この表から参考してデータを作られる場合、ご利用の場合は必ず当ページへリンクしてください。
補足
※スマホの場合、スクロールが上手く行かないことがあります。その場合は、再読み込みしてください。
マシンスペック
※ -は公式サイトに非掲載です
まとめ
この記事ではFlashForgeの3Dプリンタのラインナップについてまとめました。たくさん種類があるので難しく感じるかもしれませんが、まず初心者ならAdventure3シリーズ。
そして、それ以降2台目自分に合ったモデルを選択すると良いかと思います(そもそも、Adventure3でほとんどの人はスペックとオプションパーツ的に満足するはずです)。ぜひ素敵な3Dプリンタ生活が送れることを願っています。
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以下では当サイトにて実際に検証したFlashForgeの3Dプリンタレビュー記事を掲載しています。その他の3Dプリンタのレビューについてはこちらからご覧ください。
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Flashforge Creator Pro2の実機レビュー
フラッシュフォージ製の独立型のデュアルヘッドを持つコンパクトな3Dプリンタです。2色印刷やミラー印刷ができるモデルとなっています。