MateBook D15のレビュー概要
低価格で買える薄型15インチノート
MateBook D15は他の15インチではあまり見ないコンパクトなRyzen搭載のノートパソコンです。本体重量が1.53kgと同クラスの中ではかなり軽量です。
今回の検証の結果、Ryzen5モデルでもCinebench R20で測定した値がCore i7のUシリーズを超えるほどの実力を持っており、実用性は十分のモデル。それでいて、定価が10万円を切っているモデルです。
15インチではUSB-Cによる充電にも対応している点が魅力を増している点のうちの一つとなっています。
簡易スペック表
CPU | Ryzen7 3700U Ryzen5 3500U |
RAM | 8GB |
ROM | 256~512GB SSD |
画面 | 15.6インチ |
GPU | Radeon Vega 8 Graphics |
USB-PD | 対応 |
LTE | 非対応 |
重量(実測) | 1.53 kg |
CINEBENCH R20 | 1462 pts |
※詳細スペックはこちら
MateBook D15実機レビュー目次
実際に使った感想(主観)はメリットからご覧いただけるとわかりやすくなっています。
※本記事はメーカーからお借りしてレビューしています。
MateBook D15の特徴
ここではMateBook D15の一般的な特徴に触れています。筆者が使用した感想については、メリット・デメリットからご覧ください。
ベゼルが狭い15インチモデル
現在日本で発売されている15インチモデルの多くはエントリーモデル、もしくはゲーミングモデルが中心になっています。そのため、コンパクトさが軽視される傾向にあるように感じます。
その中でMateBook D15は市場的には珍しくベゼルを削って、コンパクトさに振り切ったモデルになっています。後述しますが、本機はフロントカメラをキーボード内のポップアップカメラを搭載しており、ディスプレイベゼルから取り除くことでよりコンパクトな外観を実現しています。
価格の割に性能が高い
MateBook D15の素晴らしいところは価格です。コンパクトさと値段は往々にしてトレードオフの関係にありますが、MateBook D15はとにかく安い。
持ち運びができる15インチモデルとして、価格帯的にもラフに扱える魅力があるモデルになっています。もちろんRyzen5モデルでも十分な性能を持っているので事務作業やネットサーフィンは軽々とこなす実力を持っており、満足度も高くなっています。
MateBook D15の価格とコストパフォーマンス
MateBook D15はとにかくコストパフォーマンスが高いです。Ryzen5モデルでもMateBook X ProのCore i7モデルよりも高いベンチマーク結果が出ています。内臓GPUのみなので映像系に取り組む場合には難しい側面もありますが、事務作業、ネットサーフィンが中心なら十分以上の性能を発揮してくれることでしょう。
価格情報について
現在の価格については、各通販サイトをご覧ください。
MateBook D15のスペック
今回レビューしたMateBook D15のスペックは以下の通りです。
マシンスペック(技術仕様)
発売日(月) | 2020/04/10 | |
製品名 | MateBook D15 | |
型式 | - | |
サイズ | 357.8×229.9×16.9 | |
重量(実測) | 本体 | 1530 g |
電源アダプタ | 530 g | |
CPU | Ryzen 3500U | |
GPU | RadeonVega 8 Graphics | |
メモリ(RAM) | 8GB | |
保存(ROM) | 1st | 256 GB SSD |
2nd | - | |
ディスプレイ | サイズ | 15.6インチ |
解像度 | 1920×1080 | |
形式 | IPS液晶 | |
生体認証 | 指紋 | 〇(電源ボタン共有) |
Windows Hello | × | |
フロントカメラ | 画素数 | 〇 |
物理シャッター | - | |
リヤカメラ | 画素数 | - |
Wi-Fi | a/b/g/n/ac | |
bluetooth | 5.0 | |
LTEモジュール | 対応の可否 | - |
SIMカードサイズ | - | |
光学ドライブ | - | |
バッテリー公称値 | サイズ | 42 Wh |
JEITAによる基準 | 8.2 |
※詳細仕様はこちら
スペックの解説
MateBook D15はHUAWEIのパソコンの中では珍しいAMDを搭載したノートパソコンです。Ryzen5とRyzen7モデルがあります。どちらも定価は10万円以下でリーズナブルなモデルです。
15インチノートパソコンとしては、比較的軽量な1.53kgですがバッテリー容量が小さめでJEITAの公称値で8.2時間しかありません。ただし充電形式はUSB-Cが使えるため、電源を差しっぱなしにする前提でも持ち運びの荷物は少なくできるメリットがあるモデルになっています。
MateBook D15のベンチマーク(CINEBENCH他)
ベンチマーク結果は以下の通りです。
CINEBENCH R20
CINEBENCH R20の計測値は通常時でマルチ1462pts、シングル345ptsとなりました。
Crystal Disk Mark
Crystal Disk Markの測定結果は以下の通りです。3000MB/sを超えており、非常に高速です。
騒音テスト
テストの結果、比較的静かな印象を受けました。ベンチマーク計測時の測定で45~48デジベル程度となっています。
ベンチマーク時の熱について
ベンチマーク測定時の温度データです。最高温度は81℃でした。
MateBook D15の通信環境(WI-Fi)のテスト
MateBook D15の通信環境テストを行いました。テスト環境は光1Gbps(IPV6非対応)でWi-FiにはWi-Fi6非対応のLYNKSIS VELOPを用いています(クリックで拡大します)。
MateBookは一戸建てで最長距離でも比較的安定した通信速度が得られていますが、PINGの値が30msまで振れることがあった点が気になりました。
MateBook D15のUSB-C(PD)による充電テスト
USB-PDによる充電テストを行いました。18W、30W、61Wで検証したところ、全てにおいて充電が確認できました。実測は以下の写真の通りです。クリックにより拡大できます。
MateBook D15の外観
天板です。HUAWEIのロゴのみで非常にシンプルです。
背面です。スリットが3か所に設けられています。手前側はスピーカー用のスリットです。
開いた様子です。ベゼルが狭く高級感があります。
ベゼルは6mmとなっています。
ベゼルの下側は大きめです。
キーボードです。F6とF7の間にカメラポップアップがあり変則ですが、その他は使いにくいということはありません。
キーストロークは0.9mm、キーピッチは2つのキーの端から端までの距離を2で割り返す形で計測したところ、17.91mmでした。
タッチパッドの幅は120mmです。
物理カメラはポップアップします。
電源ボタンは指紋認証を兼ねています。
本体重量はA&Dの質量計を用いて計測したところ、1525gでした。
純正の付属品を含めた重量は1720gでした。
MateBook D15のメリット・魅力
軽量で持ち運びに優れる15インチ
15インチクラスは持ち運びを躊躇するモデルがたくさんありますが、このモデルは軽量薄型のため持ち運び前提でもサイズ感が気になりません。
画面が大きい方が何をするにおいても作業しやすいので、軽量であることはユーザーにとっては助かります。
USB-Cによる充電が可能
本機はUSBーCによる充電が可能です。そのため、AndroidスマートフォンでUSB-Cに対応したモデルを選べば、充電器を共有化することができます。
HUAWEIのスマートフォンもP40 lite Eを除けば、2019年からほとんどがUSB-Cとなっています。
対性能で見てコスパが高い
最も際立つメリットはやはりコストパフォーマンスでしょう。Ryzenシリーズを搭載していることもあって、性能に対してコスパが高いです。
またSSDのリード、ライトともにこの価格帯では非常に速く、それに伴い高速起動が可能となっています。
HUAWEIシェアの利用が可能
MateBook D15にはHAUWEI製品同士で利用可能なHUAWEIシェアの機能があります。例えば以下はHUAWEIシェアによる画像の転送です(本体はMateBook X ProとP40 Proの組合せですが、D15でも同じことができます)。
HUAWEIシェアです。
スマホはP40 Pro。 pic.twitter.com/i8dXpsrGI2
— SIMPC|シンプシー公式 @楠リカ (@simpc_jp) June 22, 2020
本体の下部のHUAWEIシェアの部分に当てるだけで画像を転送できるので、HUAWEIスマホで撮影した画像を利用することが多い人はMateBookとの連携性を一つのメリットとしてとらえておくと良いでしょう。
MateBook D15のデメリット・欠点
15インチの中ではインターフェースが少なめ
15インチモデルはSDスロット、VGAなどのインターフェースが付くことが多いですが、MateBook D15はインターフェースが少なく、USB-C、USB-A、ヘッドフォンジャック、HDMIのみです。余計なものが付いていないので好感が持てる一方で、ビジネスで多用する人にとっては厳しいかもしれません。
また、MateBook X Proではハブが付属しますが、MateBook D15では接続用のハブが付属しません。安いとはいえプラスαのお金がかかるので注意しておきましょう。
メモリは8GBのみ
本機種はRyzen5とRyzen7の2モデルですが、両方ともメモリは8GBとなっているので注意が必要です。
テンキーレス
好みに寄りますが、私は15.6インチの魅力の一つはテンキーと考えています。これにより数字の入力作業が格段に速くなるからです。残念ながらMateBook D15には付属していません。
みんなの口コミ
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低価格で購入できる15インチノートパソコン。定価10万円以下なのに、高性能で事務作業やネットサーフィンが中心ならこれで十分快適に使えるモデル。
特にHUAWEIスマホを使っているなら、HUAWEIシェアにより画像、データの連携性を高めることができ、それだけでも購入検討する価値があるパソコン。
女性目線の口コミ
普段、Let's NoteのSZシリーズを使っている妻からコメントをもらいました。ライトユーザーとしての一意見として捉えて頂ければと思います。
女性目線のコメント
- 15インチの割には小さい
- 天板の装飾が好み
- 普段使っているパソコンと比べると重い
見た目 | |
重さ | |
打ちやすさ |
MateBook D15がおすすめな人
コスパに優れたPCが欲しい人
MateBook D15の対象になる人は、コスパに優れたノートパソコンが欲しい人です。Ryzen5が低価格かつ高性能なこともあって、コストパフォーマンスに優れた15インチPCとなっています。
コンパクトで低価格な15インチが欲しい人
MateBook D15はもともとナローベゼルをウリとしている上に、キーボード上のポップアップカメラとなっているため、ディスプレイがギリギリまで削られています。
前述しましたが、15インチノートパソコンはエントリーモデルかゲーミングPCが多く、ナローベゼルになっているものは意外と少なくなっています(価格が安いものだとなおさら)。
そのためコンパクトなノートPCを低価格で欲しい人にはぴったりとなっています。
安いモデルでカメラの物理シャッターが欲しい人
低価格ノートパソコンはフロントカメラに物理シャッターが付いていないケースが多くなっています。MateBook D15はポップアップカメラ形式にすることで物理的にシャッターがかかるようになっています。
15インチでUSB-PD対応のノートが欲しい人
15インチでUSB-PDに対応したノートパソコンで10万円以下を両立できるモデルは意外とありません。MateBook D15はRyzen5、Ryzen7ともに両立できます。
JEITAの公称値が示すようにバッテリーの耐久時間は短いですが、スマホとパソコンの充電器を共用としてけるので電源コネクタの持ち運びも不便しないでしょう。
ただし、純正で付属しているACアダプタは重いのでRAV-POWERの65W電源を使うことをおすすめします。
MateBook D15がおすすめではないタイプ
動画編集する人
性能面では悪くありませんが、動画編集をするならメモリ・GPUの観点で力不足になる可能性が高いです。かなり大柄になりますが、同価格帯でK700があるのでこちらを選ぶか、ワンランクアップしてMateBook13でGe Force MX250搭載モデルを選ぶと良いでしょう。
ゲームをする人
ゲームも動画編集と同様です。より映像に重きを置くならGTX1650を搭載したIdeaPad S540ゲーミングエディションが15インチでは良いでしょう。D15に限らず、MateBookシリーズは現時点では高性能グラボを搭載したモデルがないので、ゲーミング用途ではどうしても弱くなっていまいます。
MateBook D15のカスタマイズ・モデルの選び方
MateBook D15はRyzen5とRyzen7の2ラインナップとなっています。この2機種は価格差が意外と小さいのでできれば、高性能なRyzen7を購入することをおすすめします。
MateBook D15の実機レビューまとめ
MateBook D15を安く買う方法
MateBook D15は通販サイトで発売されています。比較してみて最も安く買えるところで購入しましょう。またHUAWEI製品は型落ちやタイムセール、楽天市場のポイントアップでの還元があるパターンがあるので実質価格だけでなく、ポイントの還元率も確認しておきましょう。
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