SIMフリースマホの先駆け的存在と言えば「Huawei(ファーウェイ)」。じつはHuaweiの世界における市場シェアは、あのAppleを抜いて世界第2位!
現在、猛烈な勢いで成長を続けている企業なのです。コストパフォーマンスに優れたHuaweiのスマホは、今や世界中でなくてはならない存在。そんなHuaweiがどんな会社なのか、とても気になりますね。

Huaweiとは?(ファーウェイ、ハーウェイ)
Huawei Technologies(ファーウェイ・テクノロジーズ)は中国で設立された、大手通信機器メーカー。
もともとは中国を中心に携帯電話のインフラ整備のための機器を重点的に取り扱っていましたが、現在ではスマートフォンなどの通信端末の開発にも力を入れており、世界中で大きなシェアを占めるまでに成長しました。
日本国内では、以前からポケットWi-Fiやフォトフレーム端末などを提供。そして近年では、「Pシリーズ」「novaシリーズ」「honorシリーズ」など、お手頃価格でありながら性能にも優れたスマホを続々と打ち出し、人気を博しています。

Huaweiの事業ラインナップ
Huaweiと言えばスマホというイメージが強いですが、Huaweiではスマホ以外にも、様々な事業ラインナップを展開しています。その大きな柱となっているのが、以下で紹介する3つの事業。
コンシューマー向け端末事業
- スマートフォン
- ノートパソコン
- タブレット
- ウェアラブル
- モバイルブロードバンド(ポケットWi-Fi等)
- ホームメディアデバイス(dTVターミナル等)
- スマートフォンアクセサリー(ワイヤレス充電等)
まず、コンシューマー向け(一般消費者向け)事業としては、スマートフォンを始めとして、タブレットやノートパソコンなどの情報通信端末を提供。

タブレットやノートパソコンを選ぶ時にも、今や必ずHuaweiの製品を見かけるようになりましたね。
法人向けICTソリューション事業
そして次に、法人向けのICTソリューション事業。
- スイッチ
- ルーター
- WLAN
- サーバー
- ストレージ
- トランスポートネットワーク
- アクセスネットワーク
- 他、クラウドコンピューティング等のソリューション
一般的にはコンシューマー向け事業のほうが注目を浴びがちですが、じつはHuaweiが展開している事業の中でも、ICTソリューション事業は最も高い成長が続いている部門なんですよ。

通信事業者向けネットワーク事業
そして3つ目の柱となっているのが、通信事業者向けネットワーク事業。
- 無線ネットワーク
- 有線ネットワーク
- クラウドコアネットワーク等
Huaweiは通信事業者向けネットワーク事業においても、世界で大きなシェアを占めています。
このように、Huaweiは個人向け、法人向け、通信事業者向けとどの方面においても、現在トップクラスの成績を収める企業となっています。
ファーウェイのスマホ出荷量・市場シェア
世界では第2位
世界のスマホ出荷量は、長らくAppleとサムスンの一騎打ちが続いていました。
しかし2018年第2四半期、HuaweiはついにAppleを超えて出荷量・市場シェアともに世界第2位となり、Apple・サムスンというトップ2の間に割って入ることに成功しています。(引用:IDCの記事、英文です)
2018 出荷台数 (単位:100万) |
2018 市場シェア |
2017 出荷台数 (単位:100万) |
2017 市場シェア |
前年比 | |
1. Samsung | 71.5 | 20.9% | 79.8 | 22.9% | -10.4% |
2. Huawei | 54.2 | 15.8% | 38.5 | 11.0% | 40.9% |
3. Apple | 41.3 | 12.1% | 41.0 | 11.8% | 0.7% |
4. Xiaomi | 31.9 | 9.3% | 21.4 | 6.2% | 48.8% |
5. OPPO | 29.4 | 8.6% | 28.0 | 8.0% | 5.1% |
その他 | 113.7 | 33.2% | 139.5 | 40.1% | -18.5% |
合計 | 342.0 | 100.0% | 348.2 | 100.0% | -1.8% |
スマートフォン市場全体で見れば前年比は-1.8%と落ち込んでいる中、Huaweiは驚異の前年比40.9%。市場シェアはAppleに3%以上もの差をつけ、今にもサムスンに追いつかんばかりの勢いです。
トップであるサムスンも前年比-10.4%と行き詰まりを見せているので、Huaweiがサムスンを抜いてトップに君臨する日もそう遠くはないかもしれません。
ヨーロッパにおけるHuaweiのシェアは16.1%
Huaweiは中国を始めとした、アジア圏でのシェアばかりが高いと思っている人も多いでしょうが、じつはヨーロッパでも高いシェアを占めています。
Canalysの調査では、2018年第1四半期、欧州におけるHuaweiのシェアは16.1%。これはサムスン、Appleについで第3位という好成績です。
さらにサムスン、Appleの成長率がマイナスに落ち込んでいるのに対し、Huaweiの成長率は+38.6%。この時点でのシェアはサムスンの半分ほどではありますが、成長率を考慮すると、近い内にヨーロッパでもHuaweiが首位争いに食い込んでくるでしょう。
意外にもアジア圏でのシェアは少ないのはライバルが強いから
世界やヨーロッパで大躍進中のHuaweiですが、アジア圏全体で見ると、シェアはそれほど多くありません。NNAの調査記事によると、中国では№1のシェアを占めていますが、日本においても韓国においても、Huaweiのシェアが少ないのがわかります。
やはりアジア圏では世界シェア№1であるサムスンが君臨していることや、Appleの根強い人気、そして同じく中国企業であるOPPOやVIVOなどの台頭が理由として考えられますね。
日本におけるHuawei(ファーウェイ)のスマホシェア
日本国内で根強い人気を誇っているのは、やはりApple社のiPhoneです。しかし格安SIMやSIMフリースマホの普及が爆発的に進んでいる現在では、Huaweiの人気も侮れません。
MMD研究所の調査では、Huaweiのスマホを使っている人の割合は4.3%。Androidのみに限定して計算すると約8%です。数字だけ見るとかなり少なく感じてしまうかもしれませんが、これは他のメーカーに比べても決して悪い数字ではありません。
サムスンや富士通ともほぼ横並びであり、これからの状況次第では、一気に国内利用率4位に躍り出る可能性も高いです。

Huaweiのスマホの特徴
Huaweiのスマホラインナップの特徴は、価格帯やスペックを自分に合わせて選べるという点にあります。「Huaweiと言えば格安スマホ」というイメージ強く、「安くてそれなりなスペックの端末しか無いんじゃないの?」と思っている人も多いでしょう。
しかし、Huaweiのスマホは3万円以下で購入できるローエンドクラスはもちろんのこと、5万円以上する高価格帯かつハイスペックなスマホも数多く登場しているのです。
- そんなにスペック良くなくていいから安いスマホが欲しい
- ほどほどのお値段でほどほどのスペックのスマホが欲しい
- 少々値段が高くても、スペックの高いスマホが欲しい
Huaweiのスマホならそんな三者三様の要望に合わせて、自分にピッタリのモデルを選ぶことができるのです。
Huaweiの注目すべき3つのポイント
売上の14%を投資する莫大な研究開発費
企業が成長する上で重要なもの、それは研究開発費。研究開発費がすべてというわけではありませんが、やはり研究開発費を惜しまない企業が、目覚ましい成長を遂げることは間違いありません。
Huaweiは多額の研究開発費を投入することでも有名であり、ファーウェイの公式データによると、2016年の研究開発費はなんと約1兆2787億円!これは売上高全体の14.6%にあたる額です。
多額の研究開発費の投入が、着実に成果として表れているのがよくわかりますね。
ユニークな経営体制「輪番CEO」
CEO(最高経営責任者)というのは、何か不測の事態でも起こらない限りは、長期間に渡り任期を務めるのが当たり前というイメージが強いですよね。
しかしHuaweiでは、「輪番CEO」という体制を採用しており、なんとわずか半年ごとにCEOが交代するんです。そんなにコロコロCEOが変わるなんて、混乱を招くだけでは…と思われるかもしれませんが、輪番CEOにはメリットも多くあります。
- 一人の意見に左右されない柔軟な体制
- 多忙なCEO業務の分担
- 社会の多様な変化への対応力
- 相互牽制による不正防止
輪番CEO制度は、確実にHuaweiの著しい成長を支える柱の一つでしょう。
今後の国内でのHuaweiの展開は?
世界で大きなシェアを誇るHuawei。しかし現在、アメリカを初めとした各国でHuawei製品排除の動きがあると、大きなニュースになっていますね。
これはアメリカ同盟国である日本も例外ではなく、日本政府はHuaweiからの製品調達をしない方針を決定しました(参考ニュース)。
大手キャリアも、今後の通信設備にHuawei製品を使わない方針を固めており、日本国内でHuaweiは今後どのような展開を見せるのか注目です。
今すぐに一般消費者に影響があるようなことは無いでしょうが、もしかすると、今後大手キャリアからはHuawei製品が排除される可能性も0ではありません。
「Huaewi(ファーウェイ)ってどんな会社?」のまとめ
設立から今現在まで、著しい成長を続けるHuawei。アメリカや日本などのHuawei製品排除の動きによる影響が気になるところですが、世界シェア第2位に食い込んだ実力は本物です。
世界的には5G回線普及を控えて、さらなる成長が見込まれるのは間違いありません。
Huaweiは今後も、成長や動向に注目すべき企業と言えるでしょう。
