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レビュー・評価の概要
QIDI Technologyから発売されている一般向けの中でも大型に位置する3Dプリンタで300×250×300mmのアイテムが印刷できることがメリットの機種。また、標準で高音用のエクストルーダーが付くためポリカーボネートなどの樹脂の印刷も可能になっている。
大型機であるが、印刷は静かで夜に回していてもあまり気にならないレベル。ミュート設定も可能なため電子音を出さずに操作可能で気を遣わないで良い点も嬉しい3Dプリンタとなっています。
造形サイズ | 300×250×300 mm |
造形精度 | 0.05~0.4mm |
ヘッド径 | 0.4 mm |
ヘッド最高温度 | 記載なし※ |
プラットフォーム 最高温度 | 120℃までは確認 |
プレート取り外し | 可能(磁石式) |
ボディサイズ | 60×54×57 mm |
重量 | 36.5 kg |
データ転送方式 | USBメモリ、LAN |
消費電力 | 記載なし |
※PCが印刷できるレベル
本記事では製品を購入し、テストを行っています。
特徴
家庭用として最大クラスの印刷能力
QIDI X-MAXは300×250×300mmでの印刷が可能になっています。日本で流通している3Dプリンタの多くが150mm角であることを考えると面積にしてかなり大きな印刷が可能です。
高温フィラメントに対応
QIDI X-MAXは通常のエクストルーダーの他に高温印刷に対応したエクストルーダーが付属します(ホットエンドが真鍮であるのに対して、ステンレスで出来たもの)。行うかどうかは別にして、2つのエクストルーダーが付いてくるとお得感があります。
ミュート印刷設定が可能
X-MAXというよりもQIDIの特性ですが、ミュート印刷(電子音を鳴らさない設定)が可能になっています。
価格とコストパフォーマンス
300mm四方の3Dプリンタは20万円を超えるものが多いため、エンクロージャー(囲い)付きの大型機としてはコストパフォーマンスが高い機種です。メリットでも後述しますが、大型機のため他の機種と異なり4軸でZ軸を固定しているためプラットフォームの歪みが少ない点を考えれば、大型印刷でも失敗しづらく価格以上の価値がある機種と言えるでしょう。
外観
外観です。フィラメントローラーは上側にありそこから送り出します。また電源ボタンは全面に、USB接続部は全面下側にあります。

エンクロージャー(囲い)付きの3Dプリンタは背面に電源ボタンがあることが多いですが、本機種は前面にあるためオンオフが楽なメリットがあります。

付属のUSBを差し込んだ様子です。

フィラメントホルダーです。本体から直接プラスチックアームが伸びそこで支える形になります。ベアリング機能はないためただ支えるだけです。

サイドには取っ手が設けられています。

内部写真です。プラットフォーム上に載っているのは付属している専用のベッドです。本体を購入すると2枚付いてきます。

プラットフォームシートを取り外すと以下のようになっています。各所リベット打ちされています。

奥側にはリールを取り付けるための穴があります。フィラメントの温度をエンクロージャー内で事前加熱しておきたい人向けに使います。

エクストルーダーです。ダイレクト形式になっています。大型ですが、比較的静かです。

こちらは付属の高温用エクストルーダーです。ノズル先が真鍮ではなく鉄になっています。

メリット・魅力
大型で印刷が出来る
QIDI X-MAXの最大のメリットはやはり大型ならではの印刷能力です。3Dプリンタは便利ですが幅の制約を受けることが多いため、製造物が制限されることがよくあります。大型機であればそういった懸念がほぼないのは嬉しいポイントです。
4軸で固定されるため大型ベッドでも安定
最も心配していたのが大型機でプラットフォームの歪みですが、別途のZ軸調整を兼ねて4軸で固定されているため歪みが発生している感じはありません。また水平出しをプラットフォーム端で行うため、結果的に小さい印刷物ならセンター付近でより正確にレベリングできている点が魅力と感じました。
磁石式プラットフォームが便利
QIDI X-MAXではプラットフォームが磁石で取り外せるタイプになっています。

大型機の場合、低面積が大きくなる分、かなり剥がしにくくなりますが、磁石式のプラットフォームで取り外せる上、簡単に折り曲げできるので容易に印刷物を取り外しができます。なお、PLA、PETGの定着性が高く、ノリ不要で十分くっつきます(ABSは厳しいです)。
ヘッドのオーバーホールが簡単
QIDI X-MAXでは何度かオーバーホールを行っていますが、非常に簡単です。構成部品が少ないこと、さらにそれぞれのネジの長さが違い間違え辛いことから初心者でもオーバーホールしやすいエクストルーダーと感じました。
QIDIのスライサーソフトが使いやすい
X-MAXで使うスライサーソフトは操作が簡単かつ、直観的で初心者でもとても使いやすくなっています。エキスパート設定をすれば、かなり細かく設定ができたり、エキスパートモードから自分が使う設定だけを操作画面に表示しておいたりもできるので自分の利用用途に合わせた操作画面を実現しています。
問い合わせがスピーディー
日本で購入する場合、QIDIはAmazonでの問い合わせがメインになりますがとにかく返答が速いです。Amazonのページでも24時間で返信するとありますが、筆者も正月を除けば24時間以内で返ってきています。
デメリット・欠点
消耗品が売り切れやすい
QIDI X-MAXで使う消耗品には主にベッドプレートとホットエンドノズルがあります。人気があることの裏返しとも取れますが、これがどちらも売り切れやすいことが欠点。購入時、もしくは購入してから早いうちにに最低一つは予備品を購入しておくことをおすすめします。
3Mシートは活用が難しい
プラットフォームをより活用するために3Mシートを使う人は多いと思いますが、QIDI X-MAXとの相性は悪いです。利用する際は標準のプラットフォームシートを反転させ、ここにシートを張る必要があります。まず大型な時点で気泡が入りやすく貼り付けが難しい欠点があります。

その割にもっとも期待するABSでの定着性が悪く、印刷がままなりませんでした(PLA、PETGは問題ありませんが、標準シートでも印刷可能)。また大型機であればその分3Mのシートも高くなってしまい、ランニングコストが高い点を考えると最初からプラットフォームへの定着性がそれなりにあるフラッシュフォージ製品を利用する方がメリットが大きいと考えます。
滑りが悪い樹脂はロードに負荷がかかる
PETGで経験したことですが、滑りが悪い樹脂は標準のホルダーから印刷するときにフィラメントが回転せずモーターに負荷をかけてしまいます(PLAでは問題なし)。この機種に限ったことではありませんが、可能ならフィーダー用のローラーを購入しておく方があとあと困ることはありません。筆者はベアリングが搭載されている乾燥用ヒートボックスをフィーダー代わりに利用しています。
オプションパーツは中国からの取り寄せになる
エクストルーダーなどの内部パーツの交換品を取り寄せようとすると中国からの取り寄せになります。メールフォームでの利用になりますが、英語になるのでそれなりにハードルはあります。
おすすめなタイプ
大型印刷したい人
3Dプリンタの大型機としては非常にコストパフォーマンスが高いため、色々と3Dプリンタで試したい人にはもってこいの機種です。3Dプリンタは基本的に大は小を兼ねる側面が強いので、大型機を買っておけば困ることはありません。メリットでも書いたように大型機ですが、小さいものでも印刷しやすいです(小型機とノズルサイズが同じなのでその点も安心)。
夜でも印刷したい人
大型機だと音が懸念されるかもしれませんが、X-MAXはかなり静かです。しかも何より操作時の電子音がミュートできることが嬉しいポイント。夜でも気軽に操作できる点は有難いです。
おすすめできないタイプ
場所を確保できない人
QIDI X-MAXは大型機なので場所の確保ができないとかなり厳しいです。しかも本体サイズだけでなく、気を付けて欲しいのがフィラメントローラーなどの設置場所も必要な点(純正で本体上部に設置できますが、個人的にはベアリング付きのローラーで設置しておく方が無難です)。
ABSをメインにしたい人
何度かトライしていますが、QIDI X-MAXはABSの印刷がしづらいです。3Mのシートを使っても定着性が悪かったため、ABSをメインで使うなら他の機種をおすすめします。
検証したフィラメント
QIDI X-MAXを使うにあたり当サイトで問題なく快適に使えたフィラメントを紹介します。ただし、PETGは全て純正のローラーではなく、ベアリング式のフィラメントホルダーを用いてフィードしているので注意して下さい(本体上部のホルダーでは摩擦が大きくモーターに負荷がかかります)。全てAmazonにリンクしています。
- Pxmalion PLA
- SHINA 蓄光PLA(グリーン検証済み)
- SainSmart 3D Pro-3シリーズ(ブラック検証済)
実機レビューのまとめ
300mm四方の大型機は市場のメインストリームが20万円を超えていることを考えると非常にコストパフォーマンスが高い製品と言えます。
大型機であっても小さなモデル印刷も可能なので、大は小を兼ねる側面があり使いやすく、音もそれなりに静かなため3Dプリンタとしては使いやすい機種と言えるでしょう。