フリーWi-Fiとは?その危険性と安全対策について解説

お店やホテルなど、最近では様々な場所で利用できるようになった「フリーWi-Fi」。出先でもデータ容量を気にせずに通信ができるので、お出掛けの際に重宝している人も多いでしょう。

しかし、じつはフリーWi-Fiには個人情報の漏洩やウイルス感染など、通信の安心を脅かす様々な危険も潜んでいます。

楠リカ
フリーWi-Fiの危険性を知った上でうまく活用していくために、ここではフリーWi-Fiの危険性について解説していきます。

 

フリーWi-Fiに危機意識を持とう

MMD研究所のアンケートによると、フリーWi-Fiによって迷惑メールや不正アクセス等、具体的に何かが起こった可能性があると認識している人は、利用者全体の18%近く。

しかしそれに対して、MMD総研の調査によると、フリーWi-Fiに接続する際に「セキュリティ対策はしていない/意識していない」と答えた人は、なんと31.5%。

フリーWi-Fiの危険性を頭では分かっていても、「自分は大丈夫だろう」「まさか自分に限って」と考えている人が多いのが現実です。迷惑メール程度ならまだましですが、クレジットカードの不正利用なんてされた日には、取り返しのつかない事態になることも。

フリーWi-Fiに対する危機意識を高めるために、まずはフリーWi-Fiによって引き起こされる具体的な事象を見てみましょう。

 

フリーWi-Fiによる危険

フリーWi-Fiを使うにあたって、考えられる危険性は数多くあります。例を挙げてみました。

個人情報の漏洩

  • クレジットカードの不正利用
  • ネットバンキングなどへの不正アクセス
  • 個人的な写真や動画の流出
  • アドレス帳や通話履歴などの流出

遠隔操作

  • 端末が初期化される
  • 端末のパスワードを変えられて使えなくなる
  • 遠隔操作により写真や動画を勝手に撮影される
  • ウイルスや危険なアプリをダウンロードされる
  • 電話の盗聴

ウイルス感染

  • 上記のような個人情報の流出や遠隔操作

 

特にクレジットカードやネットバンキングンを不正利用されたり、プライバシーが流出したりするような事は絶対に避けなければなりません。

遠隔操作によって端末にロックがかけられ、「ロックを解除したければお金を払え」というような、悪質な手口もあります。

 

公衆Wi-Fiと野良Wi-Fiの違い

公衆Wi-Fiと野良Wi-Fiの違い

一言でフリーWi-Fiといっても、大きく分けて「公衆Wi-Fi」と「野良Wi-Fi」と呼ばれる2つがあります。

公衆Wi-Fiというのは、お店やホテルなどが提供している公共のWi-Fi。それに対して野良Wi-Fiは、提供元が不明なWi-Fiのことです。SSID(アクセスポイント名)をよく確認して、接続しようとしているのが公衆Wi-Fiなのか野良Wi-Fiなのかを見極めましょう。

野良Wi-Fiの場合、悪意を持って誰かが引っかかるのを待ち構えている場合があるので、絶対にアクセスしてはいけません。

楠リカ
ただし、公衆Wi-Fiに偽造した野良Wi-Fiもあるから注意が必要だよ!

 

野良Wi-Fiなのに、さも公衆Wi-FiかのようにSSIDを似せて騙すケースもあるので注意しましょう。

例えば、「○○HOTEL-Wi-Fi」という公衆Wi-Fiがあったとすると、「O(オー)」の部分を「0(ゼロ)」に変えた「○○H0TEL-Wi-Fi」など、パッと見ただけではとても分かりづらいケースもあります。提供元の公式SSIDやパスワードをよく確認して、偽物の野良Wi-Fiに騙されないようにしてください。

楠リカ
だけど、公衆Wi-Fiなら絶対に安全というわけではないんだ。公衆Wi-Fiを使って悪さをするようなケースもあるから気をつけなくちゃいけないよ!

 

フリーWi-Fiを使うときの安全対策

暗号化されていないフリーWi-Fiは使わない

暗号化されていないフリーWi-Fiのコード

Wi-Fiのネットワーク一覧画面を表示した時に、SSID(アクセスポイントの名前)の横にカギのマークがついているものと、ついていないものとがありますよね。

カギマークがついていないものは暗号化がされていないので、通信内容が傍受されてしまう可能性があります。フリーWi-Fiを使うときは、カギマークがついているかどうかを必ず確認しましょう。

公衆Wi-Fiであっても、暗号化がされていないものは使わないのが無難です。

楠リカ
さらにWi-Fiの暗号化にもセキュリティレベルがあって、「WEP」→「WPA」→「WPA2」→「WPA3」の順で安全性が高くなっているよ。例えば暗号化がされているフリーWi-Fiでも、セキュリティがWEPの場合は安全性が低いと考えよう。

 

重要な情報は入力・やり取りをしない(アプリを使わない)

万が一、通信内容が盗み見られていた場合を考慮して、個人情報などの重要な情報は、フリーWi-Fi利用時には入力しないようにしましょう。

アプリやサイトへログインするためのID・パスワードにも要注意。クレジットカード情報の入力もご法度です。また、全く関係ないようなアプリなどから得たIDやパスワードで、ネットバンキングの認証を突破されてしまったりもするので、どんなアプリやサイトでもIDやパスワードの入力はしないのが無難です。

 

Wi-Fiを自動接続にしない

Wi-Fiの自動接続とウィルス

Wi-Fiに接続する時にとても便利な、Wi-Fiの自動接続という機能がありますよね。近くに利用できるWi-Fiがあれば、こちらで指定しなくても自動で接続を行ってくれるので、楽ちんです。

しかし常に自動接続を許可している状態だと、知らないうちに正体不明の怪しい野良Wi-Fiにアクセスしてしまう危険性があるのです。Wi-Fiを使いたい場所以外では、過去接続したWi-Fiに自動接続する設定にしておく方が安全です。

 

VPNの利用

暗号化されていないフリーWi-Fiのコード

VPNとはVirtual Private Network、直訳すれば「仮想プライベートネットワーク」。プライベートネットワークというのは、例えば社内だけのネットワークや家庭内だけのネットワークのような、部外者には接続できないネットワークのことです。

これをインターネット上で仮想的に作ってしまおう、というのがVPN。つまりユーザーと接続先のサーバーだけが行き来できる回線を作って、他の人からの傍受を防ぐということです。

ここでは詳しい説明は省略しますが、回線をトンネル化したり情報を暗号化したりすることによって、部外者からのアクセスをシャットアウトすることができる仕組みになっています。

そのため、フリーWi-Fiのような他者から傍受される危険性がある場合でも、安心して通信を行うことができる、というわけですね。

楠リカ
VPNはちょっと難しいけど専用のアプリソフトウェアを使うと利用できるようになるよ。

 

まとめ

結論を一言で言ってしまうと、ウイルスや情報漏洩の危機から通信機器を守る最善策は「フリーWi-Fiを使わない」ことです。しかしフリーWi-Fiは便利ですし、うまく活用すれば月々の携帯料金を節約することも可能です。フリーWi-Fiを使うなら、今回紹介したような安全対策をバッチリと行った上で使いましょう。

また、外出先でWi-Fiを使いたいけど、どうしてもフリーWi-Fiの利用に不安があるという場合は、WiMAXなどの携帯型Wi-Fiの利用や、よりセキュリティの高い有料のWi-Fiスポットを利用するのも一つの手です。