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レビュー・評価の概要
2021年度に新しく登場したZenfoneシリーズ「8」。今回からFlipモデルだけでなく、コンパクトな無印モデルも発売するようになりました。
5.9インチのコンパクトに刷新した筐体はこれまでASUSにはなく、皆が待ち望んでいたFelica、防塵防水対応となっています。さらにSIMフリーモデルということもあり、デュアルSIMに対応。Snapdragon888、コンパクト、デュアルSIMの組合せは日本で技適を取っている機種では唯一と言える存在になっています。
発売年度 | 2021年 |
プロセッサ | Snapdragon888 |
RAM | 8~16GB |
ストレージ | 128~256GB(UHS3.1) |
画面サイズ | 5.9インチ |
重量 | 169g |
※スペック情報は執筆時のものです。現在の情報は以下から公式サイトでご覧ください。
本記事ではメーカーより貸し出しを受けて、テストを行っています。
特徴
ここではZenfone8の一般的な特徴について解説しています。実際に筆者が使った感想、レビューについてはメリット・デメリットの項目をご覧ください。
Snapdragon888搭載
Zenfone8は2021年のハイエンドSoCであるSnapdragon888を搭載しています。しかも、RAMが8GBあることやシステムモードでハイパフォーマンスを選択することで他機種よりも高いAntutuベンチマークテスト値をたたき出すことが出来ています(ベンチマークテスト結果で後述)。
メモリは最大16GB
Zenfone8では、ROG Phone5と同等レベルの16GBを選択することも可能です。実際に使うかどうかはわかりませんが、16GB搭載の超ハイエンドモデルでも税込み11万円を超えない点は驚きです。
通常版はフリップカメラ無しでコンパクト
Zenfone8にはラインナップが2種類あり、一般的なスマートフォン形状のものとアウトカメラが回転するZenfone8 Flipが存在します。今回レビューしたのは通常版。こちらはコンパクトさがうりで、5.9インチの手のひらに収まるサイズ感が魅力のスマホとなっています。
Felica搭載で防水防塵に
本モデルでこれまでZenfoneシリーズで搭載してこなかったFelica、防水防塵に対応するスマートフォンとなりました。コンパクトな筐体のため、本体をポケットに入れておき改札を通るときにさっと出すことも出来るようになっています。
価格とコストパフォーマンス
ZenFone8にはRAM、ストレージのバリエーションで値段が変わりますが、基本的に最廉価モデルでも十分以上に使えるスペックを持ちながら、79,800円(税込)スタートとなっています。
さらにここからキャンペーンを適用することも可能で、特にZenFoneを既に使っているユーザーは乗り換え特割クーポンで10%OFFになり、値段帯を考えれば非常にお得と言えます。
スペック
今回レビューしたZenfone8のスペックは以下の通りです。
マシンスペック(技術仕様)
発売年 | 2021年 | |
サイズ | 148×68.5×8.9mm | |
重量 | 169g | |
プロセッサ | Snapdragon888 | |
メモリ(RAM) | 8GB | |
ストレージ | 256GB | |
ディスプレイ | サイズ | 5.9インチ |
解像度 | 2400×1080 | |
アスペクト比 | 20:9 | |
形式 | OLED | |
リフレッシュレート | 120Hz |
bluetooth | Ver5.2 | |
コネクタ | USB Type-C | |
おサイフケータイ | × | |
防水 | × | |
OS | Android11 | |
SIMサイズ | nanoSIM | |
バッテリー | サイズ | 4000mAh |
リバースチャージ | × | |
ワイヤレスチャージ | × |
外観
背面はシンプルでセンターにロゴがあります。写真ではわかりませんが、カメラの右側にFelicaを搭載しています。

カメラは縦2個の組合せになっています。カメラバンプは低め。

表面です。インカメラはパンチホール形式で、ベゼルは狭めです。

上部にはヘッドフォンジャックを備えています。

本体右側には電源ボタン、音量ボタンがあります。電源ボタンはアクセントカラーになっています。

本体左側には何もありません。

本体下側にはSIMスロット、スピーカー、USB Type-Cジャックを備えています。

SIMスロットを開いた様子です。裏表で設置するタイプになっています。

付属品です。電源は30Wとなっています。

本体にはプラスチックケースが付属します。非常によくできていて、厚みはあまりなく、カメラバンプ高さをカバーしている構造です。わざわざケースを買う必要はないでしょう。

ベンチマーク結果一覧
GEEKBENCH5
GEEKBENCH(ギークベンチ)のベンチマーク結果は以下の通りです。
測定モード | 測定値 |
---|---|
シングル | |
マルチ |
通信環境(Wi-Fi)のテスト
測定環境
Wi-Fiの通信環境テストを行いました。テスト環境は光1Gbps(IPv6対応)でWi-FiにはArcher 10 Proを用いました。
テスト環境は以下の通りで戸建て環境の1階、及び2階で測定を行っています。幅方向約10.5m、奥行き方向8.2mの環境です。
1階部分

2階部分

測定項目 | ダウンロード | アップロード | PING |
単位 | Mbps | Mbps | ms |
ルーター前 | 661 | 210 | 15 |
ポイント② | 267 | 192 | 16 |
ポイント③ | 596 | 283 | 16 |
ポイント④ | 362 | 270 | 15 |
ポイント⑤ | 309 | 162 | 14 |
ポイント⑥ | 139 | 144 | 16 |
通信スピードテストの評価
最長距離に置いても100Mbpsを超える結果が出ており十分なパフォーマンスが確保されています。
カメラのテスト
カメラスペック
タブからイン・アウトカメラスペックを切り替えられます。クリックしてご覧ください。
カメラ | 有効画素 | F値 | 光学手振れ補正 |
---|---|---|---|
①広角 | 万画素 | 記載なし | 対応 |
②超広角 | 万画素 | 非対応 | |
③マクロ | 万画素 | 非対応 |
カメラ | 有効画素 | F値 | 光学手振れ補正 |
---|---|---|---|
① | 400万画素 | 1.8 | 非対応 |
撮影作例
作例を掲載しています。
0.5倍

1倍

2倍

5倍

8倍

明るい色、暗い色の花の撮影時にピントを合わせ、ホワイトバランスによる変化を検証しました。
明るい花の写真

黒い花の写真

被写体によるホワイトバランスの変化を検証しました。
黒のカメラに焦点

緑の葉に焦点

ピントの合う位置で接写能力を検証しました。
硬貨を撮影

50に合わせて撮影

前後でピントを調整し撮影しました。
前の花にピント

後ろの花にピント

キャンドルライトを使って夜景モードテストをしました。
1個

4個

8個

12個

メリット・魅力
Snapdragon888搭載機種の中でコンパクト
Androidスマートフォン全般に言えることですが、Snapdragon888を搭載したモデルは総じて大型ディスプレイを搭載する傾向にあります。その中でZenFone8はコンパクトな設計になっており、持ちやすさの点でメリットがあります。
基本的なハイエンド機能を全て搭載
ZenFone8が最も良い点はハイエンド端末に必要な機能をコンパクト機種ながら、ほぼ全て網羅していることにあります。ZenFone8では120Hzハイリフレッシュレート、240Hzタッチサンプリングレート、Felica、指紋認証、防水防塵を備えており、特にFelicaは待ち望んでいたZenFoneユーザーも多かったと思います。
フリップではないがカメラを妥協しているわけではない
ZenFone8は上位版のFlipと異なり、カメラが動く仕組みを採用していないためカメラに力を入れていないと感じられるかもしれませんが、実際はかなり良く撮影できます。ポートレートを使わなくてもボケ味の強い写真が撮影できますし、ピントもパキっと合います。インカメラで同じレンズを使えない弱点はありますが、そういった人はフリップを使う方が良いでしょう。
システムからパフォーマンスの切り替えが可能
Snapdragon888搭載機種はZenFone8に限らず、発熱が厳しい傾向にありますが、Zenfone8ではパフォーマンスを電源モードからコントロールすることが可能になっています。意図的にパフォーマンスを落とすことで熱を抑えられるのは大きなメリットと言えるでしょう。
コンパクトハイエンドのデュアルSIMでは唯一無二
Snapdragon888はそもそもコンパクトなモデルが少なく日本で技適があるのはGalaxy S21くらいですが、ここにデュアルSIMの要件を入れるとZenfone8だけになります。筆者個人としてはFelica搭載よりもデュアルSIM搭載したコンパクトモデルという点で魅力を感じます。
デメリット・欠点
状況によってかなり熱くなる
Zenfone8を利用しているとびっくりするほど熱くなるシーンがありました。試しにAntutuを回した状態で温度測定を行うと45℃を超える状況に。3Dゲームなど負荷のかかりやすい環境でよく使う人は注意しておいた方が良いでしょう。

おすすめなタイプ
コンパクトサイズでハイエンドが欲しい人
Zenfone8はコンパクトサイズのハイエンドAndroidが欲しい人にジャストフィット。Snapdragon888搭載で5インチ台のモデルは日本では非常に珍しい存在であり、小型高性能が欲しい人にズバっと刺さるモデルと言えるでしょう。
おすすめできないタイプ
頻繁にハードな負荷をかける人
デメリットで書いた通り、Zenfone8で負荷をかけると本体がかなり熱くなる現象が見られました。タッチサンプリングレート240Hzなのでゲームがしたくなるかもしれませんが、負荷をかけ続ける前提ならROG Phone5などのゲーミングモデルを購入する方が良いでしょう。
実機レビューのまとめ

熱の問題はあるもののシステムモードからの抑え込みが出来る点、さらに日本人が必要とする要件を全て抑えつつ、コンパクトに仕上がったボディは日本のAndroid業界では唯一無二となっています。
それでいて本体価格は約8万円とハイエンドスマホとしては安めの設定になっており、非常にコストパフォーマンスに優れたモデルです。
安く買う方法・コツ
Zenfone8に限らず、ASUS製品を安く買う方法については以下の記事でまとめています。購入前に必ずご確認ください。