Fire HD 10 タブレットとPlusモデル(2021)のレビュー概要
もっさり感のないノンストレスタブレット
2021年に発売された新しいFire HD 10タブレット(Plus含む)ではプロセッサのベンチマークスコアはほぼ変化がないものの、メモリ量が増加したことからか非常に快適な動作性を誇るタブレットになっています。さらに本体を狭ベゼル化、さらに背面素材が指紋が付きづらいように改良されています。
また純正キーボードが発売されたこと、MicroOfficeに対応したことでパソコンライクな付加価値をプラス。全シリーズ通じて、FIre HDタブレット10は現時点(2021年5月)において最も選択すべきAmazonタブレットで買う価値のあるモデルです。
簡易スペック表
発売日 | 2021年5月27日 |
SoC | MediaTek MT8183 |
RAM | 3/4GB |
ROM | 32/64GB |
画面サイズ | 10.1インチ |
重量 | 465g |
5G | 非対応(モバイル通信非対応) |
※詳細スペックはこちら。その他性能は目次よりベンチマーク結果をご覧ください
Fire HD 10 タブレットとPlusモデル(2021)の目次
実際に使った感想(主観)はメリット・デメリットからご覧いただけるとわかりやすくなっています。購入を悩んでいる場合はおすすめかどうかをチェックください。
※本検証はAmazon公式で2機種と純正キーボードを購入し、テストを行っています。
Fire HD 10 タブレットとPlusモデル(2021)の特徴
ここではFire HD 10 タブレットとPlusモデル(2021)の一般的な特徴について解説しています。実際に筆者が使った感想、レビューについてはメリット・デメリットの項目をご覧ください。
ノーマル版とPlus版が存在
2021年版のFire HD 10タブレットにはノーマル版とPlus版の2種類が存在しており、Plus版ではメモリ量、ワイヤレス充電対応、カラーラインナップが異なります。
詳しくはメリット・デメリットで後述しますが、性能差は小さいので実質的にワイヤレス充電と専用スタンドによるAlexa利用をするかどうかで価値が決まります。
Plus版では充電スタンドに対応
上でも書いたようにPlus版はFire HD 8 Plus同様にワイヤレス充電スタンドに対応しています。専用設計になっているため、ジャストフィットして置いておくことができます。Alexa利用を想定しての角度になっていると考えられます。
純正キーボードに対応
2021年度の大きな変化として、Fire HD 10タブレット専用の純正キーボードが発売されました。
パソコンライクに使えるようになり、検索したりするときの入力の煩わしさから解放されます。また剛性がしっかりとあるので、動画鑑賞時のスタンドとしても良いでしょう。
Officeソフトが使えるように
2021年のFire HDタブレットからOfficeソフトを付属するかどうかを選択できるようになりました。OfficeソフトはWord、Excelに加え、PowerPointまでも使えます。
また純正アプリということもありMicrosoftアカウント連携でログインできます。作成した書類を同期することができるため、実用性が高まっています。
メモリ量が全モデルからパワーアップ
Fire HD10の前モデルではメモリ量は2GBでしたが、今回のアップデートで無印が3GB、Plusが4GBに増量されています。
Fire HD 10 タブレットとPlusモデル(2021)の価格とコストパフォーマンス
多くの新品のタブレットは3万円台からとなっています。FIre HDの場合はOSが異なるという点もありますが、ベースはAndroidで実用性の面でほぼ変わらないことを考えれば、非常にコストパフォーマンスが高いです。
またAmazon用に特化されているため、プロセッサの性能が低くても専用アプリの動作は軽めな点も評価できます。kindleやAmazonプライムの利用が主であれば、買って損はない価格帯です。
Fire HD 10 タブレットとPlusモデル(2021)のスペック
今回レビューしたFire HD 10 タブレットとPlusモデル(2021)のスペックは以下の通りです。
マシンスペック(技術仕様)
発売日(月) | 2021年5月27日 | |
製品名 | Fire HD 10 タブレットとPlusモデル(2021) | |
型式 | 記載なし | |
サイズ | 247×166×9.2mm | |
本体重量 | 465g | |
ディスプレイ | サイズ | 10.1インチ |
解像度 | 1920×1200インチ | |
形式 | 液晶 | |
リフレッシュレート | 記載なし | |
バッテリー | 容量 | 記載なしmAh |
ワイヤレス充電 | 無し | |
リバースチャージ | 無し | |
急速充電 | 無し | |
SoC(CPU) | MediaTek MT8183 | |
GPU | 記載なし | |
メモリ(RAM) | 3GB/4GB | |
メモリ(ROM) | 32GB | |
コネクタ | USB-C | |
外部メモリ | 形式 | microSDカード |
最大容量 | 1TB |
通信速度 | 上り数字 | モバイル非対応 |
下り最大 | モバイル非対応 | |
Wi-Fi6 | ー | |
bluetooth | バージョン | v5.0 |
最大接続台数 | 記載なし | |
生体認証 | 指紋認証 | ー |
ディスプレイ内指紋認証 | ー | |
顔認証 | ー | |
光彩認証 | ー | |
おサイフケータイ | 無し | |
緊急避難速報 | 無し | |
防水 | 非対応 | |
ワンセグ/フルセグ | 非対応 | |
赤外線通信 | 無し | |
OS | 無し | |
OS | FIre OS7(Android9ベース) | |
SIMサイズ | ー | |
DSDV | 無し | |
5G通信 | 無し |
※レビュー機種以外やカスタマイズ内容などの詳細スペックはこちらからご覧ください。
Fire HD 10 タブレットとPlusモデル(2021)のベンチマーク
GEEKBENCH5
GeekBench 5の値は以下の通りです。その他の機種比較についてはGeekbench 5測定データまとめをご覧ください。画像はクリックで拡大できます。
まずこちらが無印版のGeekbench5のスコアです。
続いてこちらがPlus版のスコアです。シングルコアのスコアは上昇していますが、マルチコアのスコアはほとんど変わりません。おそらく誤差の範囲です。
なお、旧Fire HD10のスコアはシングルコア「1581」、マルチコア「6671」なのでほとんど差はありません。
Fire HD 10 タブレットとPlusモデル(2021)の通信環境(WI-Fi)のテスト
測定環境
Wi-Fiの通信環境テストを行いました。テスト環境は光1Gbps(IPv6対応)でWi-FiにはArcher 10 Proを用いました。テスト環境は以下の通りで戸建て環境の1階、及び2階で測定を行っています。幅方向約10.5m、奥行き方向8.2mの環境です。
検証結果
まずはFire HD10のスピードテストを行った結果です。ポイント⑥になるほど実質的な距離が大きくなります。
ダウンロード数値比較
アップロード、PING、ジッターを計測した数値を表にまとめています。
測定項目 | ダウンロード | アップロード | PING |
単位 | Mbps | Mbps | ms |
ルーター前 | 270 | 172 | 8 |
ポイント② | 171 | 121 | 8 |
ポイント③ | 259 | 182 | 9 |
ポイント④ | 234 | 252 | 7 |
ポイント⑤ | 181 | 162 | 9 |
ポイント⑥ | 39.7 | 36 | 6 |
続いてFire HD 10 Plusのスピードテストを行った結果です。測定ポイントは同様です。
ダウンロード数値比較
アップロード、PING、ジッターを計測した数値を表にまとめています。
測定項目 | ダウンロード | アップロード | PING |
単位 | Mbps | Mbps | ms |
ルーター前 | 276 | 230 | 6 |
ポイント② | 192 | 139 | 8 |
ポイント③ | 247 | 242 | 7 |
ポイント④ | 230 | 190 | 7 |
ポイント⑤ | 189 | 224 | 9 |
ポイント⑥ | 74 | 60.3 | 9 |
通信スピードテストの評価
FireHD 10ではWi-Fi6には対応していませんが、今回のテストでは最大276Mbpsのダウンロードと非常に安定した数値が得られています。ダウンロード速度が十分出ているので、kindle本のダウンロード、動画のダウンロードも安定しています。
Fire HD 10 タブレットとPlusモデル(2021)のカメラスペック
カメラスペック
タブからイン・アウトカメラスペックを切り替えられます。
有効画素 | F値 | 手振れ補正 | ||
光学 | 電子式 | |||
広角カメラ | 500万画素 | ー | ー | ー |
メインカメラ評価
アウトカメラの性能は500万画素と非常に低いです。おまけ程度で考えておくと良いでしょう。
有効画素 | F値 | 手振れ補正 | ||
光学 | 電子式 | |||
広角カメラ | 200万画素 | ー | ー | ー |
アウトカメラ評価
インカメラはアウトカメラよりもさらに低く200万画素なので最低クラスです。
Fire HD 10 タブレットとPlusモデル(2021)で撮影した作例
作例を掲載しています。各画像はクリックで拡大することができます。
被写体によるホワイトバランスの変化を検証しました。
明るい色、暗い色の花の撮影による変化を検証しました。
接写能力を検証しました。マクロを撮影するのはほぼ不可能です。ピントが全く合いません。
前後でピントを調整し撮影しました。ボケ味はほとんどありません。
Fire HD 10 タブレットとPlusモデル(2021)の外観
それぞれの天板です。右側がFIre HD 10 Plus、右側がFire HD 10のオリーブカラーです。
背面カメラです。Fire HD 10もPlusも同じスペックの物が搭載されています。
表面です。1920×1080の解像度で見やすいディスプレイです。
ベゼルです。過去モデルと比較して狭くなっていますが、昨今のタブレットから考えると大きめです。
本体左側にはスピーカーが2つ備えられています。
本体下側にはヘッドフォンジャック、USB-Cコネクタ、電源ボタン、音量ボタンがあります。
本体右側にはSDカードスロットがあります。
キーボードを装着した様子です。
キーボード装着時の厚みは23mm程度です。
キーボードはマグネットで止められおり、簡単に取り外しが可能です。
キーボードは英字ベースとなっておりクセがあります。特にEnterキーを慣れるまで押し間違えてしまう点、かな、英字切り替えがShift+スペースキーとなっている点に注意して下さい。なおタッチパッドはありません。
キーピッチは2点間のキーから割返して算出したところ16.5mm、キーストロークは1.4mmとなっています。
本体の開き角は120°であまり開きません。
キーボードはbluetooth接続となっており、USB-Cで充電可能です。
Fire HD 10 タブレットとPlusモデル(2021)のメリット・魅力
驚くほどスピーディになった動作
今回いくつかのクリティカルな改良がいくつかありますが、筆者として最も驚きを与えてくれたのは「処理速度の改善」でした。今まで感じていたもっさりとした挙動がなくなり、快適そのものになっています。無印の3GB、Plusの4GBどちらもスピーディでストレスがありません。
ちなみにFireHD 10の前モデルとはベンチマーク結果に差はありませんが、Fire 8 HDと比較すると1.8倍ほどプロセッサにベンチマーク差があります。
指紋のつきづらいディスプレイ
スマートフォンやタブレットの最大の敵である指紋がFire HD 10タブレットではなぜかほとんど付きません。触ってほぼ指紋が付かないことに驚きました。
保護フィルムを貼るとこのメリットが失われるという問題はありますが、安いタブレットだからこそラフに使いたい(保護フィルムを貼らない)人にとってはメリットが大きいと感じました。
背面がサラサラで触り心地が良い
前回のFire HD 10タブレットと比較して2021年モデルはよりサラサラな質感となり、触り心地が良くなっています。
指紋が付きにくいこともメリットとなっています。
キーボードは遅延がなくスムーズな入力が可能
今回から購入できるFire HD 10用キーボードはbluetooth接続で利用するタイプですが、本体プロセッサの性能アップもあってか遅延もなく快適に利用できます。キーボードの充電はUSB-Cで出来るため、本体と共通としておくことが可能です。
ステレオスピーカー搭載で音も十分
FIre HD 10タブレットは横向きにした時にスピーカーが下部に2つ来るタイプになっています。低価格帯タブレットではモノラルもあるため、ステレオというだけで十分メリットとなります。Amazonプライムビデオを見る人にとっては大きなポイントです。
Fire HD 10 タブレットとPlusモデル(2021)のデメリット・欠点
Plusとの差は感じにくい
2021年度のFire HD タブレットでは、無印とPlusがありそれぞれ3GBと4GBのラインナップとなりました。正直、Fire HDタブレットではネットサーフィン、Amazonプライムビデオ、kindle本を読む程度なのでハードな使い方はしません。そのため、充電機能を使わない場合Plusとの差が感じにくいと言えます。
カメラはおまけ程度
Fire HDタブレット全てに言えることですが、作例でも書いているようにインカメラ・アウトカメラ共にはおまけ程度になっています。
キーボードはクセがあるので使い慣れる必要がある
2021年モデルから発売された純正キーボードは元が英字キーボードになっているため、エンターキーをよく打ち間違います。また、それだけでもクセがあるのですが英字とかな変換が「Shitt+スペース」となっています。パソコンで使い慣れている方は違和感が強いので注意して下さい。普段パソコンを使わない人はあまり気にならないかもしれません。
YouTubeアプリの提供はなし
Fire HDタブレットというよりも、Amazonアプリ自体の問題ですがYouTubeアプリの提供はありません。もしYouTubeを見たい場合は、SilkブラウザからYouTubeを開く必要があるので注意して下さい。
初期の広告表示が面倒
Fireタブレットシリーズは起動時のロック画面が広告になる仕様になっています。ただしこれはオフにできます。設定から広告オフにしておきましょう。以下の「設定>アプリと通知>Amazonアプリの設定>広告」から以下の画面を出しオフにしておくと良いでしょう。
みんなの口コミ
ぜひ口コミをご投稿ください。
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2021年モデルは2019年モデルからいくつか改良ポイントがありますが、一番大きいのは体感速度が向上していること。画面スワイプや遷移でのストレスがほぼゼロになりました。メモリは3GBの無印の方でも十分なスピード感なのでワイヤレスを使わない人はそちらで良いでしょう。
女性目線の口コミ
普段、Let's NoteのSZシリーズを使っている妻からコメントをもらいました。ライトユーザーとしての一意見として捉えて頂ければと思います。
女性目線のコメント
- 片手で使うのは厳しいサイズ感
- 背面がサラサラで触り心地がいい
Fire HD 10 タブレットとPlusモデル(2021)がおすすめな人
kindle・動画を見るための端末を探している人
純正・専用品ということもあって、kindle本やAmazonプライムを見ようとしている人にとって最適なタブレットです。特に10インチあると動画も見やすいです。本体重量が軽いので、外で持ち出しして使っても良いでしょう。
安いネットサーフィン用のタブレットを探している人
今回のFire HD 10タブレットではプロセッサ性能が大きくアップしているため、ネットサーフィンが快適になりました。調べ物をするときにキー入力が多い人は合わせて純正用のキーボードも購入しておくと良いでしょう。
Fire HD 10 タブレットとPlusモデル(2021)がおすすめではないタイプ
YouTubeを見ることを目的にした人
安くて取り回しの良いタブレットですが、残念ながらYouTubeアプリが入っていないためそういった人にはおすすめできません。若干プロセッサの弱さが出てしまいますが、d-TAB 42Aなどを候補に入れると良いでしょう。
色の再現性を気にする人
基本的にFire HD 10タブレットは廉価タブレットのため、イラストの技法書や写真などの色を重要視する媒体は苦手と考えておいて下さい(おそらく技法書をデジタルで手に入れる方もいらっしゃるかと思います)。
その場合はiPadを購入する方が色域がソフトウェアキャリブレーションされているため、価格を出してもこちらを書いましょう。色を重要視するならiPad Pro Gen5、iPad Air Gen4あたりがおすすめです。
Fire HD 10 タブレットとPlusモデル(2021)の実機レビューまとめ
素晴らしい出来のFire HD タブレット
結論
Fire10 HD タブレットの2021年モデルではベンチマーク結果としてはほとんど変わりませんが、本体ベゼルが狭くなっていること、背面・ディスプレイともに指紋が付きづらくなっていること、そして体感で明らかに快適性が増していることなど優れた魅力を持っている一台です。
Fire HD 10 タブレットとPlusモデル(2021)を安く買う方法
Fire HD 10 タブレットとPlusモデル(2021)はAmazonの公式サイトのみの販売です。そのため、安く買う方法としてはAmazonチャージを利用する方法を活用することで、購入額に応じた還元を手に入れることができます。Amazonチャージの方法はこちらからご覧ください。
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