インターネットプロバイダの仕組み・役割についてやさしく解説

インターネットの利用を始めるときにまずぶつかる壁が、「プロバイダって何?」という疑問だという人も多いでしょう。

簡単に言うと、プロバイダはインターネットに接続するための入口であり、インターネットを利用するための許可証を発行してくれる業者。

楠リカ
ここではプロバイダの役割や必要性、そして仕組みについてわかりやすく解説していきます。

 

プロバイダとはインターネットへの入口

プロバイダの正式名称は「Internet Service Provider(インターネット・サービス・プロバイダ)」で、頭文字をとってISPと呼ばれることもあります。

Providerは直訳すると「供給者」や「調達者」といった意味になるので、インターネット・サービス・プロバイダとはその名の通り、インターネットサービスを提供する業者ということですね。

回線そのものを提供する回線事業者に対して、プロバイダの役割は回線をインターネットに繋げることです。

ただしインターネットに繋げると言っても、それは物理的な話ではありません。物理的な接続は、回線事業者が行いますからね。

楠リカ
それぞれ以下のように考えておくといいかもね。

 

インターネット回線を高速道路に例えた時に以下のイメージです。

回線事業者

道路を作ったり物理的に繋げたりする

プロバイダ

必要な免許証やナンバープレートの発行、料金所を設置してユーザーの出入りを管理

 

プロバイダの役割1.IPアドレスの発行

インターネットの利用には、IPアドレスが必要不可欠。IPアドレスはインターネット上の住所のようなものなので、手紙などの郵便物と同じく、住所がなければ情報を届けてもらうことはできません。

そこで、IPアドレスを手に入れるために必要なのが、プロバイダとの契約なのです。

プロバイダと契約するとIPアドレスを発行してもらえるようになるので、晴れてインターネットを利用できるようになる…というわけなんですね。

 

プロバイダの役割2.メールアドレスの発行

プロバイダには、メールアドレスの発行という役割もあります。携帯電話で言えば、キャリアごとに提供されるキャリアメールと同じ。

誰でも簡単に取得できるフリーメールと比べ、セキュリティが充実しているのに加えて、社会的信用が高いというメリットがあります。

例えば銀行のネット取引にはプロバイダのメールアドレスが必須となることも。メールアドレスの発行も、プロバイダの重要な役割の一つと言えるでしょう。

楠リカ
ただし、中にはメールアドレスの発行はオプションとしているプロバイダもあるから、事前によく確認しておこう。

 

回線事業者とプロバイダの関係

回線事業者とプロバイダの会社

頭を悩ませる人が多いのが、やはり回線事業者とプロバイダの関係性についてでしょう。前述したように、基本的には「回線の契約」と「プロバイダの契約」が両方揃って初めて、インターネットが使えるということになります。

まず回線の契約についてですが、主な回線サービスには以下のものがあります。

有名な回線事業者

 

それに対して、プロバイダは国内で数百社も存在しており、知名度の高いものだと以下のような会社があります。

有名プロバイダの一覧

  • BIGLOBE
  • OCN
  • Yahoo!BB
  • So-net
  • @nifty
  • ぷらら

 

これらのサービスの中から、回線とプロバイダを組み合わせて使うことになるのですが、どの回線とどのプロバイダの組み合わせでもOK!というわけではありません。回線とプロバイダの組み合わせ選びについて、2つのパターンを紹介します。

 

プロバイダ選択型

フレッツ光やauひかりでは、プロバイダを自由に選ぶことができます。ただし、全てのプロバイダが利用できるというわけではありません。

例えば、Yahoo!BBはフレッツ光には対応していても、auひかりには対応していないといった具合に、各回線ごとに対応しているプロバイダは異なります。

さらに同じフレッツ光でも、フレッツ光ネクストかフレッツ光ライトか、ファミリータイプかマンションタイプかといった条件によっても、対応しているプロバイダは変わるので、回線の契約内容をしっかりと確認しましょう。

プロバイダが自由に選べるということは、より料金や通信品質にこだわることができるということです。

 

プロバイダ一体型

プロバイダの選択肢がある回線に対して、はじめからプロバイダが決められている回線もあります。

代表的なのはNURO光。NURO光でインターネットをする場合は、プロバイダは必ずSo-netとなります。

CATVの場合も、プロバイダがあらかじめセットになっている場合が多いですね。

プロバイダ一体型の回線の場合、プロバイダ選択の自由度がない反面、契約手続きが一度で済む簡略さや、料金面でもお得になるというメリットがあります。

 

「光コラボレーション」の場合は回線とプロバイダがセット

回線とプロバイダの関係をより一層ややこしくしているのが、「光コラボレーション」の存在でしょう。

光コラボレーションとは、自社回線を持っているフレッツ光やauひかり、NTTのダークファイバー(使われていない回線)を独自回線として利用しているNURO光などとは異なり、NTTのフレッツ光回線をそのまま利用した上で、各事業者が独自のサービスを付加して提供する回線のこと。

楠リカ
イメージ的には以下の図のようになります。

提供している回線としては、以下のようなものが挙げられます。

光コラボレーションの回線事業者

  • ドコモ光
  • ソフトバンク光
  • OCN光
  • BIGLOBE光
  • So-net光
  • 楽天コミュニケーションズ光

 

光コラボレーションを提供している事業者の中でも、「プロバイダ選択型」と「プロバイダ一体型」の2つがあります。

楠リカ
例えば、ドコモ光だと対応プロバイダから好きなものを選べるけれど、プロバイダ系の光コラボレーション回線(OCN光やBIGLOBE光など)だと、自社のプロバイダとセット契約のところが多いよ。

ただし光コラボレーションの場合、プロバイダ選択型でも、契約自体は回線とまとめて行うケースが多いのが大きな特徴。

回線とプロバイダの窓口が一本化されるので、申し込み手続きやトラブル時の問い合わせなどがよりスムーズになります。

 

まとめ

プロバイダ契約をしなければ、インターネットに接続をすることはできません。

回線契約+プロバイダ契約が基本ですが、中には回線契約とプロバイダがセットになっているものもあるので、改めてプロバイダを個別契約する必要がないケースもあります。

手順としては、まず回線選びをして、そこからプロバイダ契約の必要性の有無や、対応プロバイダの確認・選択という順序になりますね。

スムーズにインターネット利用を始めるためには、プロバイダとはどういうものかをしっかりと理解しておきましょう。