Deco X50のレビュー概要
ポートが増えたメッシュWi-Fi
Deco X50はイーサネットコネクタが3個に増えたメッシュWi-Fiです。
Decoシリーズで今まで弱点だった、ポートの少なさを解決したモデルになっており、PCに直接LANを繋ぎたい人やNAS接続したい人が選択肢を増やせる無線LANとなっています。
こんなタイプにマッチ
- LANポートが必要な人
- NASユーザー
- 自宅が広い人
簡易スペック表
発売日 | 2022年4月7日 |
理論速度(5GHz) | 2402Mbps |
理論速度(2.4GHz) | 574Mbps |
本検証での最大速度 | 614Mbps |
メーカー | TP-Link |
ストリーム数 | 4本 |
最大接続台数 | 150台 |
IPoE | 非対応 |
推奨環境 | 台数によって異なる |
重量 | 公式記載なし |
※詳細スペックはこちら。その他性能は目次よりベンチマーク結果をご覧ください
Deco X50の目次
実際に使った感想(主観)はメリット・デメリットからご覧いただけるとわかりやすくなっています。購入を悩んでいる場合はおすすめかどうかをチェックください。
※本記事ではメーカーよりDeco X50を提供頂き、テストを行っています。ただし、内容に関する指示は一切受けておりません。
Deco X50の特徴
ここではDeco X50の一般的な特徴について解説しています。実際に筆者が使った感想、レビューについてはメリット・デメリットの項目をご覧ください。
Decoシリーズのミドルレンジモデル
TP-LinkのDecoシリーズにはたくさんのモデルがありますが、本モデルはミドルレンジモデルとなっています。(過去、ハイエンドクラスでしたが、X90が発売されたことで実質的にミドルレンジモデルになりました。
他社製品と比較するとハイエンドな位置付けです)。上位モデルはより高速であったり、ストリーム数が多いという違いがあります。
すっきりとしたデザインでどこにおいても違和感がない
Decoシリーズは過去からいくつかモデルがありますが、Xシリーズになってシンプルな形状となりリビングに置いても違和感のないデザインとなっています。
有線用のポートが3つに
Deco X50シリーズは、背面のイーサネットコネクタの数が変更されており、3つになりました。このため、PCへ直接ポート接続しつつNASに接続するなど多くのパターンに対応することができます。
Deco X50の価格とコストパフォーマンス
Deco X50は2パックセットで想定価格が27,800円(税込)、Wi-Fiルーター全体から見ると、高額ですが、メッシュWi-Fiのくくりで考えると低価格なモデルになります。1パックで追加購入もできるので、家庭の事情に合わせたセッティングを追加して行うことも可能です。
Deco X50のスペック
今回レビューしたDeco X50のスペックは以下の通りです。
マシンスペック(技術仕様)
発売日(月) | 2022年4月7日 | |
製品名 | Deco X50 | |
サイズ | 110×110×114mm | |
CPU | 1GHzデュアルコア | |
最大受信速度 | 2.4GHz | 574Mbps |
5GHz(1本目) | 2402Mbps | |
5GHz(2本目) | - | |
最大接続台数 | 150台 | |
アンテナ本数 | 2本 | |
ストリーム数 | 4本 | |
LANポート数 | 3個 | |
ビームフォーミング | 対応 | |
メッシュWi-Fi | 対応 | |
Wi-Fi6 | 対応 | |
IPv6プラス | 非対応 | |
推奨環境 | パック数で異なる |
※レビュー機種以外やカスタマイズ内容などの詳細スペックはこちらからご覧ください。
Deco X50の外観
正面から見た様子です。Deco X60やDeco X20と同じシンプルなデザインになっています。
背面は3ポートが並んでいます。さらに電源ポートはその下にあります。
有線LANが付属します。電源コネクタはコンセント一体型で邪魔になりにくくなっています。
サイズ感確認のため、手のひらに持った様子です。
Deco X50の通信環境(WI-Fi)のテスト
測定環境
Wi-Fiの通信環境テストを行いました。テスト環境は光1Gbps(IPv6対応)で接続しています。テスト環境は以下の通りで戸建て環境の1階、及び2階で測定を行っています。幅方向約10.5m、奥行き方向8.2mの環境です。
なお、今回2台目のDeco X50はポイント⑥の部屋の入り口に設置しており、家のほぼ中心部となる位置にセッティングしています。
iPhoneの検証結果
iPhone 13 Proを用いてスピードテストを行った結果です。ポイント⑥になるほど実質的な距離が大きくなります。
ダウンロード数値比較
アップロード、PING、ジッターを計測した数値を表にまとめています。
測定項目 | ダウンロード | アップロード | PING |
単位 | Mbps | Mbps | ms |
ルーター前 | 489 | 468 | 12 |
ポイント② | 168 | 199 | 14 |
ポイント③ | 421 | 264 | 13 |
ポイント④ | 345 | 310 | 14 |
ポイント⑤ | 352 | 377 | 13 |
ポイント⑥ | 114 | 26.1 | 14 |
2台目のDeco X50をセットし、iPhoneで測定した様子です。
ダウンロード数値比較
アップロード、PING、ジッターを計測した数値を表にまとめています。
測定項目 | ダウンロード | アップロード | PING |
単位 | Mbps | Mbps | ms |
ルーター前 | 532 | 581 | 12 |
ポイント② | 226 | 242 | 13 |
ポイント③ | 216 | 300 | 13 |
ポイント④ | 393 | 382 | 13 |
ポイント⑤ | 315 | 212 | 11 |
ポイント⑥ | 140 | 83.2 | 12 |
Androidの検証結果
ROG Phone 5 Proを用いて、スピードテストを行った結果です。ポイント⑥になるほど実質的な距離が大きくなります。
ダウンロード数値比較
アップロード、PING、ジッターを計測した数値を表にまとめています。
測定項目 | ダウンロード | アップロード | PING |
単位 | Mbps | Mbps | ms |
ルーター前 | 578 | 538 | 13 |
ポイント② | 397 | 366 | 14 |
ポイント③ | 577 | 513 | 13 |
ポイント④ | 437 | 380 | 13 |
ポイント⑤ | 390 | 323 | 15 |
ポイント⑥ | 243 | 164 | 16 |
2台目のDeco X50を設置して測定した様子です。
ダウンロード数値比較
アップロード、PING、ジッターを計測した数値を表にまとめています。
測定項目 | ダウンロード | アップロード | PING |
単位 | Mbps | Mbps | ms |
ルーター前 | 614 | 572 | 14 |
ポイント② | 380 | 330 | 14 |
ポイント③ | 508 | 427 | 14 |
ポイント④ | 410 | 394 | 13 |
ポイント⑤ | 434 | 375 | 15 |
ポイント⑥ | 294 | 203 | 14 |
MacBookの検証結果
MacBook M1 Pro(14インチ)を用いてスピードテストを行った結果です。ポイント⑥になるほど実質的な距離が大きくなります。
ダウンロード数値比較
アップロード、PING、ジッターを計測した数値を表にまとめています。
測定項目 | ダウンロード | アップロード | PING |
単位 | Mbps | Mbps | ms |
ルーター前 | 478 | 527 | 13 |
ポイント② | 394 | 288 | 13 |
ポイント③ | 445 | 404 | 13 |
ポイント④ | 416 | 288 | 14 |
ポイント⑤ | 388 | 304 | 21 |
ポイント⑥ | 65.8 | 22.1 | 13 |
こちらは2台目を設置して測定を行った様子です。
ダウンロード数値比較
アップロード、PING、ジッターを計測した数値を表にまとめています。
測定項目 | ダウンロード | アップロード | PING |
単位 | Mbps | Mbps | ms |
ルーター前 | 445 | 404 | 13 |
ポイント② | 416 | 288 | 14 |
ポイント③ | 388 | 304 | 21 |
ポイント④ | 65.8 | 22.1 | 13 |
ポイント⑤ | 424 | 263 | 18 |
ポイント⑥ | 359 | 199 | 17 |
通信スピードテストの評価
Deco X50一台では同じ部屋、および隣り合った部屋では十分な速度が出ているものの、部屋を挟むと速度が落ちてしまう印象を受けました。それに対して、2台設定しメッシュWi-Fiを構築することで最も遠い環境で、明らかな速度アップの結果が得られています(MacBookでのテスト、部屋⑥がわかりやすく大幅にスピードアップしています)。
今回はスピードテストだけの結果ですが、現在シリーズの他の機種(Deco X60)を普段から使っていても同じように感じるので、ルーターが部屋の端にある場合はメッシュWi-Fiの効果がわかりやすいと言えるでしょう。
Deco X50のメリット・魅力
他シリーズ同様のシンプルなデザイン
Deco X50は他のDecoシリーズと同じタイプのデザインになっています(X20やX60とはポート数を除き、形状が全く同じ)。DecoシリーズはメッシュWi-Fiをシリーズが異なってもネットワーク上に追加することができるので、グレードが異なってもデザインが同じというのは大きなメリットと言えます。
有線LANポート増加で端末の自由度がアップ
これまでのDecoシリーズでは上位モデル含め、イーサネットコネクタの数は2つとなっていましたが、X50では3ポートとなりました。これにより、PCに直接接続してレスポンスを高めたい人や、NASに接続したい人が新たにDecoを追加しなくても1つで完結できるようになっています。
1パックから購入可能
Dexo Xシリーズ全てに言えることですが、1パックから購入可能なため、これから引っ越ししてWi-Fiが増える可能性がある人やこれまでDecoを使っていて、メッシュWi-Fiルーターを追加したい人に向いています。
バンドステアリングでも速度が安定
今回、通信速度テストは2.4GHzと5GHz帯の自動切り替えモードでテストしていますが、スムーズに切り替えができており、Wi-Fiの切断などはありませんでした(あくまで主観ですが、過去モデルよりも安定しているイメージです)。
また、長距離では2.4GHz帯に自動切り替えされるはずですが、本来速度の出づらい2.4GHzでも十分なパフォーマンスが出ていたので満足です。
Deco X50のデメリット・欠点
上位モデルとの価格差が小さい
Deco X50自体にはデメリットというデメリットがありませんが、シリーズで見ると6ストリームのDeco X60との価格差が小さいために、コストパフォーマンスという意味で価格の優位性が落ちてしまいます。LANポートの数が少なくても良いのであれば、Dexo X60を選択する方が良いでしょう。
みんなの口コミ
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複数台設置することで、届きにくい自宅の端でもネット環境を快適にできる優れものです。ポートが多いのでNASなどを使うユーザー向け。速度やストリームは上位モデルには劣るものの、実質ほとんどの人はオーバースペックだと思うので問題ないでしょう。
Deco X50がおすすめな人
自宅のLANポートが隅にある人
筆者の環境もそうですが、自宅のLANポートが部屋の隅にあるタイプの人はメッシュWi-Fiの優位性が抜群に発揮されます。実際に使っていても、メッシュWI-Fiの範囲の広さは実感することができます。
NASを使う人
有線のポートが3種類あるのは非常に便利。中でもNASを使うユーザーは優先ポートが必須なので、数が多いにこしたことはありません。
ネットゲームをする人
基本的にネットゲームは速度、レスポンスが重要なためモデムから優先で直結が良いですが、距離が離れていて有線で対応できない場合はメッシュWi-Fiとして繋いだ先で有線LAN接続させると良いでしょう。
Deco X50がおすすめではないタイプ
自宅を無線環境のみで構築している人
デメリットでも書いていますが、有線LANを使わずにメッシュWi-Fiを構築する場合はLANポート3本の優位性が見出せないため、Wi-Fiルーターとしてのスペックが優れたDeco X60の方がメリットが大きくなるため、こちらを買う方が良いでしょう。
必要ならDeco X60の2パックと、Deco X50を1パックという組み合わせでも良さそうです。Deco X60のレビューは以下を参考にしてください。
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TP-Link Deco X60の実機レビュー
Wi-Fi6対応のメッシュWi-Fiで3000Mbpsクラスに対応している最速クラスのルーターでありながら、コストパフォーマンスが非常に高い機種で当サイトでも高評価な一台です。
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Deco X50の実機レビューまとめ
NASなどの有線環境を作る人に
結論
Deco X50はシリーズの中で初めて、3本のイーサネットコネクタを搭載したモデル。有線接続してデバイスを繋げたい人はぜひ検討してみてください。
Deco X50を安く買う方法
Deco X50は各種通販サイトで取り扱いがあるため、価格を比較した上での購入をおすすめします。また、Amazonでクーポンが発行されるケースも多いため必ずチェックするようにして下さい。
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