Deco X60レビューの概要(ポイント)
Wi-Fi6対応で3000MbpsのメッシュWi-Fi
Deco X60はTP-Linkから発売されているメッシュWi-Fiで最もハイグレードにあたるモデルで、バンド合計で3000Mbpsで通信できるWi-Fiルーターです。
ハイエンドモデルでありながら、高性能無線LANルーターにありがちな仰々しさや派手なアンテナはなく、シンプルな見た目でどんなインテリアにも合う一台になっています。
簡易スペック表
発売日 | 2020年11月26日 |
受信最大速度 | 3000 Mbps (バンド合計) |
本検証での 最大受信速度 | 430 Mbps |
メーカー | TP-Link |
推奨環境 | ルーター数による |
※公式スペック表はこちら。
Deco X60 実機レビュー目次
忙しい方はまず特徴をご覧ください。筆者が実際に使った主観的な感想についてはメリット・デメリットで記載しています。
※本製品はTP-Link社より提供を受けてレビューしています。なお記事内容に関する指示は一切受けておりません。
Deco X60の特徴
ここではDeco X60の一般的な特徴について書いています。もし、主観的な使用感を知りたい場合はメリット・デメリットの項目からご覧ください。
最高峰クラスの性能を誇るメッシュWi-Fi
Deco X60はバンド合計3000Mbpsに対応したメッシュWi-Fiで、現行で出回っているメッシュWi-Fiの中では最高峰クラスの性能を誇ります。当サイトでは前モデルのDeco X20もレビューしていますが、こちらは最大1800Mbpsとなっているため、大幅なスピードアップが図られています。
白ベースでシンプルなデザイン
前モデル同様にシンプルさが特徴で白をベースとした円柱デザインとなっています。メッシュWi-Fiは既存のルーターに加えて、買い足しして家庭用のルーター環境をさらに強化することが可能ですが、Deco X60は前モデルと全く同じ筐体デザイン(サイズも同じ)になっているため追加しても違和感がない特徴があります。
Deco X60のスペック
今回レビューしたDeco X60のスペックは以下の通りです。
マシンスペック(抜粋)
発売日 | 2020年11月26日 |
メーカー | TP-Link |
最大受信速度 | 2402 Mbps(5GHz) 574 Mbps(2.4GHz) |
最大送信速度 | 記載なし |
メッシュWi-Fi | 〇 |
ビームフォーミング | 〇 |
質量 | 550 g |
サイズ | 110×110×114mm |
ディスプレイ | なし |
対応規格 | a/b/g/n/ac/ax |
最大接続台数 | 150 台 |
アンテナ | 4本 |
アンテナ仕様 | 公式記載なし |
LANポート数 | 2本 |
USBポート数 | 0本 |
IPV6プラス | 非対応 |
推奨環境 | ルーター数による |
※さらに詳細の仕様書は公式サイトをご覧ください。
スペックの解説
Wi-Fi6対応のメッシュWi-Fiルーターとしては最高クラスの性能を誇ります。また前モデルのDeco X20と比較して、4ストリームから6ストリームに進化しているところも特徴。なお本体サイズは全く同じとなっています。
Deco X60の外観
外箱の外観です。白とブルーグリーンベースで爽やかさのあるデザインです。
封を開けるとDeco X60がのトップが見えます。
取り出した様子です。本体二つと電源アダプタ、さらに写真にはありませんがLANケーブルが付属します。
本体を手に持ったイメージです。手のひらより少し大きいくらいの底面になっています。
電源アダプタです。かなり大きい印象を受けます。ケーブルは柔軟性があるタイプとなっています。
Deco X60の通信スピードテスト
Deco X60の通信テストを行いました。環境はベストエフォート1Gbps、IPv6プラスの非対応で行っています。テスト画像は、全てクリックで拡大して見ることができます。
iPhoneでのテスト
iPhone12 ProでDeco X60を一つにした状態でのテスト結果です。4か所で測定しています。ほとんどで300Mbpsくらいの速度が出ていますが、最長距離に当たる部屋2では速度がガクンと落ちてしまっています。
続いて、Deco X60を2か所に増やしてみた様子です。注目して欲しいのは最長距離に当たる部屋2です。下りの速度が大幅にアップしており、300Mbps以上出ておりメッシュ化の効果が見られます。
Androidでのテスト
Android(P30)のテスト結果です。場所によってはiPhoneを超えるほどの速度結果が得られています。
以下はDeco X60を2つに増やした結果です。2個にしても変化はなくなぜか低下する傾向が見られました。
MacBookでのテスト
MacBook Pro(M1)のテスト結果です。iPhone以上の速度が得られていますが、iPhone同様に最長距離である部屋2において速度が低下する現象が見られています。
こちらはDeco X60を2つに増やした様子です。iPhone同様に最長距離である部屋2で大幅に速度が向上する結果が得られています。
Deco X60のメリット・長所
Wi-Fi6対応のメッシュWi-Fiとしては非常に高いコスパ
Deco X60の魅力はなんといっても、最高峰の速度を誇りつつメッシュWi-Fiであることですが、それ以上に知っておくべきは価格メリットです。同等クラスのメッシュWi-Fiは他メーカーからもいくつか出ていますが、価格がかなり抑えられています。メッシュWi-Fiに挑戦したい人でも最初からハイエンドにチャレンジしやすい価格になっていると言えます。
5GHz非対応デバイスを対応可能にできる
Deco X60シリーズではイーサネットコネクタを2つ持っており、有線で接続できるアクセスポイントを作ることができます。筆者の場合は、2.4GHzのみに対応しているプリンターがありますが、Deco X60を接続しておくことでメッシュWi-Fiとしてのポイントに加えて、5GHz環境でも使えるメリットがあります。
アプリが優秀で設定が楽
Deco X60に限らず、前モデルのDeco X20でも同様ですがアプリのDecoが非常に優秀で非常に設定が楽なメリットがあります。これだけでも選ぶ価値があると言えるでしょう。
WPA3 Personalが使える
セキュリティの中でも強固なWPA3 Personalでセキュリティ構成を作ることができます。しかも、特におすすめしたい理由が「アプリから簡単に設定変更できること」。セキュリティの設定はブラウザなどでの設定が必要となり複雑になるメーカーが多い中、アプリ内でこれだけ完結できるのはDecoシリーズならではの大きなメリットと言えます。
豆知識
WindowsでWPA3 Personalを使っていると「より強固なセキュリティに接続されました」との表示が出ます。
既存モデルとの置き換えが簡単
今回の検証にあたり、Deco X20からDeco X60に切り替えを行いましたが既存モデルとの置き換えが非常に簡単です。SSID、パスワードを全てそのまま置換することができるため、家の中に無線デバイスが多い人ほどメリットを得やすくなります。
Apple製品との親和性が高い結果
今回、Apple製品としてiPhoneとMacbookを検証していますが、最長距離の部屋での通信速度が大幅に改善する結果が得られています(Androidでは改善は見られず)。そのため、Apple製品を使っている人で長距離のWi-Fi接続性に悩んでいる人には改善が期待できます。
Deco X60のデメリット・欠点
IPv6プラスには非対応
Deco X60は高性能ですが、IPoE(IPv6プラス)には非対応となっています。そのため、もしIPv6プラス環境で使おうとした場合には対応のモデムをブリッジさせる必要があります。
簡易NASを作れないこと
メッシュWi-Fiの中にUSBを差し込んで使う簡易NASを使えないことがデメリットになります。Synologyなどを使って本格的なNAS構成を作るか、USB接続可能なWi-Fiルーター(Archer A10 Pro)を別途接続しておき、NASとして使う場合のみ接続切り替えする方法になります。
みんなの口コミ
ぜひ口コミをご投稿ください。速度測定結果も募集しています。
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3000Mbpsなのにコストパフォーマンスに優れる機種。MacbookとiPhoneがメインのPCになりつつあるので、親和性が高く快適度が高くとても嬉しい。また2.4GHzにしか対応してない機材にも有線で接続できるのが嬉しいところ。
Deco X60がおすすめな人
Apple製品ユーザー
今回のテストの結果から、Apple製品で長距離で使った際にメッシュWi-Fiの良さが出る結果が得られているため、同メーカー製品を多用している場合にはおすすめできるでしょう。
今後引っ越しを検討している人
メッシュWi-Fiの最大の利点は接続環境に応じて、ルーターを増やすことでより柔軟に家の中のアンテナ環境を増強できることにあります。今住んでいる環境からより広い部屋へ引っ越しを検討している人は、メッシュWi-Fiを検討しておけば引っ越した先でも追加ルーターを購入することで今買ったものを無駄にすることがありません。TP-LinkのDeco X60は他メーカーの同クラスに比べてコストパフォーマンスが高いため追加購入しやすい点もおすすめの一つです。
Deco X20からのステップアップに
現在Deco X20を使っていて、さらに各部屋でのWi-Fi環境を充実かさせたい人にもおすすめです(例えば、それぞれの部屋でゲームをすることがあるから増やしたいなど)。Deco X60はDeco X20と併用することも可能なため、純粋にルーターが増えるだけなくイーサネットコネクタ接続ができるため、Swtichなどを同メーカーの有線接続アイテムを使うことで各部屋でのより高速化した環境を作ることも可能になります。さらにメリットでも書いたように、SSIDやパスワードをそのままでステップアップできる魅力があります。
Deco X60をおすすめできない人
IPoE接続環境を持っている人
おすすめできないというよりも事前に検討しておいた方が良いという意味合いが強いですが、Deco X60で高速な通信環境を作るよりも安価なWi-FiルーターかつIPoEに対応したArcher A10 Proを使う方が高速化できるケースがあります。現在IPoE(IPv6)に対応した環境を持っているのであれば、先にArcher A10 Proを検討し、もしそれでも電波の飛びが悪ければブリッジしてDeco X60を追加購入して電波強化すると理想的でしょう。
Archer A10 Proについて
Archer A10 Proは優れたIPoE対応のWi-Fiルーターですが、接続が初心者にはややこしいことがデメリットになります。もしネットが苦手な初心者ならDeco X60から試してみると良いでしょう。こちらはアプリでの設定が非常に簡単です。
Deco X60の実機レビューまとめ