ASUSがマザーボードやノートパソコンの分野で高いシェアを占めていることを知っている人は多いでしょうが、スマートフォンでどのくらいのシェアを占めているのか…気になりませんか?
じつは、SIMフリースマホの中では国内第2位のシェアを誇るASUS(エイスース)。そしてASUS製品は、知られざる偉業も成し遂げていました。
ASUS:エイスースとは?
「ASUS」は台湾台北市に本社を置く「ASUS Tek Computer Inc.」という大手通信機器メーカー、およびその製品ブランドです。
「アスース」「アサス」「エーサス」など様々な読み方をされますが、正式な呼称は「エイスース」。
もともとはマザーボードなどパソコンパーツを主力として取り扱っていましたが、現在ではマザーボードはもちろんのこと、ノートパソコンやタブレット、スマートフォンなどの通信端末も展開しています。
日本国内では格安ノートパソコン「Eee PCシリーズ」がヒットしたのをきっかけに、2008年から日本法人である「ASUS JAPAN」も設立しました。
「ASUS」の由来は「Pegasus(ペガサス)」
「ASUS」という社名・ブランド名は、ギリシャ神話の空飛ぶ白馬「Pegasus(ペガサス)」から来ています。
ペガサスは学術や学問におけるインスピレーションの象徴と言われており、社名・ブランド名に使うことで「すべての製品に高い品質と独創性を吹き込み、ペガサスが象徴する強さ・創造性・純粋さを実現する」という意味が込められているそうです。
この由来の通り、ASUSの製品は独創的なものが多くありますね。
ASUSの事業ラインナップ
大まかに分類すると、ASUSはコンシューマー(一般消費者)向け事業と、法人向け事業の2つを展開しています。まず、コンシューマ向け事業を見てみましょう。
コンシューマー向け事業一覧
- スマートフォン
- ノートパソコン
- デスクトップパソコン
- タブレット
- ウェアラブル端末
- マザーボード
- ビデオカード
- 液晶&プロジェクター
- その他周辺機器
以前から高いシェアを占めていたマザーボードやパソコンに加えて、近年ではスマートフォンやウェアラブル端末事業にも参入しています。
どの製品にも共通するのは、ASUS独自の独創的かつ個性的な製品展開。
ゲーミングパソコンやゲーミングスマホなど、一部のユーザーをターゲットに絞った製品なども特徴です。さて、次は法人向け事業について。
法人向け事業
- ノートパソコン
- デスクトップパソコン
- 液晶ディスプレイ
- サーバー・ワークステーション
- デジタルサイネージ
- マザーボード
法人向けにはパソコンやディスプレイ、そして電子部品の提供を行っています。じつはAppleやソニーなどにも、部品の供給しています。マザーボードの生産量は世界一であり、なんと世界シェアの約40%を占めています(公式サイトデータ)。
世界中のコンピューターの3台に1台はASUS製のマザーボードを搭載している計算に。
世界市場におけるASUSのシェアは1.3%
日本国内では、SIMフリースマホと言えば必ずASUSの名前が上がるほど、知名度のあるメーカーです。しかし世界的に見ると、ASUSのスマホのシェアはわずか1.3%ほどしかありません(IC insghtsの調査)
思ったよりも世界でのシェアは低いようですが、2016年には前年比+25%という好成績を残しており、今後の成長には十分期待ができるでしょう。
台湾国内でのシェアは10.5%
2018年4月の調査では、台湾国内でのASUSのシェアは10.5%で、Apple、サムスンに次いで第3位という結果になっています(SOGIより引用)。
ただし第4位につけている中国メーカーOPPOは、3月の調査ではASUSを抑えて第3位となっており、4月の調査でもかなりの僅差。台湾メーカーとして、国内でのシェアを海外メーカーから奪い返せるかどうか、今後の動きに注目したいですね。
日本国内ではSIMフリースマホでシェア第2位
ASUSのスマホは、SIMフリースマホに限定すると、国内で高いシェアを占めています。2018年のBCNランキングによると、SIMフリースマホを使用している人のうち、ASUSのスマホを使っている人は全体の約20%。
これはHuaweiに次ぐ第2位という高成績であり、日本のSIMフリースマホ市場において、ASUSのスマホは欠かせない存在となっていることがよくわかりますね。
経過を見ると1位であるHuaweiとは僅差に迫ることもあり、国内のSIMフリースマホ市場で現在躍進中のHuaweiに、どれほど追いつけるかに注目です。
ASUSのスマホは「ZenFone」と「ROG Phone」
ASUSはまだスマホ事業に参入して日が浅いため、ラインナップは「ZenFoneシリーズ」と「ROG Phone」の2つのみ。
ZenFoneシリーズは2014年に日本国内で販売が開始されて以降、コストパフォーマンスの良さからSIMフリースマホの中でも首位を争う人気となっています。
3万円以下の低価格ながら十分な性能を備えたモデルや、ハイスペックなのに10万円以下というコストパフォーマンス最強のモデルまで、様々なニーズに合わせられるのが嬉しいですね。
そしてASUSスマホのもう一つのラインナップ、ROG Phone。ROG Phoneは2018年11月に発売されたゲーミングスマホです。
ASUSは以前よりパソコン分野において様々なゲーミングシステムを展開してきているため、ROG Phoneについてもゲーミングスマホとしての十分な性能が期待できます。
ASUSのここに注目!
ASUS製品の偉業の数々
ASUSはとても優秀な情報通信機器メーカーです。それを裏付けるのは、驚くほどの偉業の数々。
ASUSの偉業
- 600日間の宇宙旅行を通して不具合発生ゼロ
- 豪州ヘリコプターレスキュー隊の標準装備
- クロスカントリーレースでも活躍
- 世界初エベレスト登頂
- 南極・北極でも正常に機能
いずれもノートパソコンに関する業績ではありますが、これほどの実績を残したメーカーが作るスマートフォンが、適当なものであるはずがありません。
海外メーカーのスマホや格安スマホに不安感がある人も多いでしょうが、ASUSの輝かしい実績を見れば、不安感など消し飛びますね。
今後はこの業績一覧ページに、スマホ関連の偉業が掲載されることを期待したいです。
直営店「ASUS Store Akasaka」がオープン
ASUSは2018年3月、港区赤坂にASUS初の直営店・サポート拠点を兼ね備えた「ASUS Store Akasaka」をオープンしました。
これにより、直接ASUS端末を持ち込んで対面でのサポートサービスを受けることができるようになり、SIMフリースマホに対する不安感を解消できるようになったのです。やはり実店舗があるのとないのとでは、安心感に大きな違いがありますね。
スマホ事業縮小で格安スマホから撤退?
ASUSでは2019年のCEO交代をきっかけに、スマホ事業を縮小すると報道されています(参考:livedoorニュース)
スマホ事業縮小によって端末ラインナップの見直しが行われ、今後はハイエンドモデルやゲーミングスマホなど、一部のユーザーに焦点を当てた独創性の高いスマホ事業を展開するようです。
ASUSの格安スマホは人気が高かっただけに、少々残念な気持ちも…。
ただ、ASUSはこれまでもユニークな製品を数多く作り出してきた企業でもあるので、どんな独創的な端末が飛び出すか、楽しみでもありますね。
まとめ
ASUSの製品は独創的でターゲットを絞ったものも多いですが、スマートフォンの分野においては、幅広い層をターゲットにしたモデルも多くリリースされています。
使い方や価格など様々なニーズに合わせて自分にぴったりのものを選べるので、国内でのSIMスマートフォンシェア第2位というのも納得。今後もどんな製品が登場するのか、動向に注目しておきたいメーカーです。