日本での知名度はそれほど高くないものの、アジア圏ではナンバーワンのシェアを誇る人気メーカー「OPPO」。おひざ元である中国でも2016年にはシェアトップに君臨しており、Huaweiなど他の中国メーカーとトップ争いを繰り広げています。
そんなOPPOが2018年、ついに日本のスマートフォン市場に参入し、じわじわと国内でのOPPOのシェアは高まりつつあります。
OPPO:オッポとは?
OPPOは中国大手の電気機器メーカー、「BBK(歩歩高:ブーブーガオ)」の傘下にある企業。BBK傘下のグループにはスマートフォン部門である「OPPO社」、AV機器ブランドである「OPPO Digital社」などがありますが、単にOPPOと呼ぶときは、スマートフォンを含むモバイル部門を指すことがほとんど。
同じくBBK傘下のグループには、「One Plus」や「VIVO」など他のスマホメーカーも存在しますが、お互いに関してはライバル関係ということです。
OPPOは設立以降、長らくヒットを飛ばせず低迷時期が続いていましたが、2011年の「Find」シリーズの発売をきっかけに、人気に火が付きました。
その後は中国国内だけではなく、欧州や米国、東南アジア、そして2018年には日本のスマートフォン市場にも参入を果たしています。
OPPO(オッポ)の事業ラインナップは「モバイル」と「オーディオ」
OPPOは大手電気機器メーカーBBKの傘下であるため、OPPOそのものの事業はさほど多くありません。
大きく分けると、スマートフォンに代表される「モバイル部門」と、オーディオ機器などを取り扱う「AV部門」の2つです。
モバイル部門
- スマートフォン
AV部門
- Hi-Fi
- ホームシアター
- オーディオ機器
OPPOは事業によって、モバイル部門を担当する「OPPO社」、そしてAV部門を担当する「OPPO Digital社」の2社に分かれています。
今でこそスマホメーカーとして日本での知名度は上がっていますが、以前はAV機器メーカーとしての知名度の方が上でした。現在でもAV部門では、オーディオマニアも納得のハイクオリティな製品を提供しています。
スマートフォンのシェアについて
世界シェアは8.6%
日本国内ではそう知名度が高くないOPPOですが、2018年第2四半期のIDC調査では、世界シェアは8.6%、第5位という好成績。
2017年から2018年にかけて驚異的な成長を見せたXiaomiに4位の座を明け渡すことになってしまいましたが、2017年~2018年第1四半期の数字を見ても、ほぼ横ばいで一定のシェアを保っていることが分かります。
同じBBK傘下であるVIVOやOnePlusと合せると、そのシェアは実質世界2位だとも言われています。
爆発的な人気はないながらも、手堅くシェアを確保するOPPO。その理由は、アジア圏での市場参入に成功したことにあります。
アジア圏ではシェア第1位
先ほど少し触れましたが、OPPOのシェアを支えているのは、アジア圏での高い人気に理由があります。DNA(デジタル・ニュース・アジア)の記事によるとアジア圏でのOPPOのシェアは15%で、堂々の第1位。
日本では最近名前を聞くようになったばかりというイメージがあるので、アジアシェア第1位というのは驚きですよね。
アジア経済ニュースの記事によると、国別に見てみると、中国のスマートフォン市場では、世界シェア2位であるHuaweiについで高いシェアを占めています。
現在、押しも押されもせぬ勢いのHuaweiと、中国国内のシェアに僅かな差しかないというのは予想外でした。
残念ながら韓国ではサムスン一強となっているため、OPPOが食い込むことはできませんでしたが、タイ、ベトナム、インドネシア、インドではいずれもシェア10%以上。
特に中国に次いで大きな市場となるインドへの進出成功が、OPPOの躍進を後押ししているのは間違いありません。
アジア以外ではシェアが低くランク外
アジア圏ではトップシェアを誇るOPPOではありますが、じつはアジア以外の地域でのシェアは、それほど高くありません(参考:Digital News Asia)。
アジア圏での人気が世界シェア第5位に繋がっているのは先ほども言いましたが、逆に言えばアジア圏以外での人気がないために世界シェアのトップ争いに食い込めていない…ともいう見方もできますね。
ただしアメリカや欧州ではOPPOと同じBBK(歩歩高)傘下であるVivoやOnePlusの人気が高いため、シェアが分散されているというのも一つの理由でしょう。
日本国内でも順調なシェアの伸びを見せる
今まで、日本でOPPOのスマホなんて見たことがなかったという人も多いでしょう。それもそのはず、日本のスマホ市場にOPPOが参入したのは、2018年2月とごく最近のことです。
まだ市場参入したばかりとあって、日本国内でのシェアは低め。BCRの調査結果では、2018年8月まではSIMフリースマホだけに限定してもシェアは2%以下で、1%を切ることも。
しかし2018年9月には「R15 Neo」と「R15 Pro」の登場により、シェアは一気に6.2%まで伸びています。
さらに2018年11月に発売された「Find X」の評価も上々で、今後は日本国内でのさらなる伸びに期待できるでしょう。
OPPO(オッポ)のスマホの特徴
OPPOのスマホの特徴は、カメラ機能にあります。日本初のOPPOスマホである「R11s」では、フロントカメラに2000万画素のセンサーを使用。
カメラアプリに人工知能を搭載するなどして、セルフィー(自撮り)に対する需要に上手く応えています。R17 Neoで撮影したセルフィー写真(インカメラ)ですが、こちらも非常にきれいです。
2018年11月発売の「Find X」ではフロントカメラ・リアカメラ共に本体に内蔵される仕組みになっており、それによってより広い画面かつフラットでスタイリッシュな外観を実現しています。
OPPO(オッポ)のここに注目!
レオナルド・ディカプリオを起用するなど莫大な広告費を投じたマーケティング
OPPOが中国で高いシェアを占める理由の一つに、莫大な広告費を投じた宣伝が成功したという点が挙げられます。
「Finder」ではレオナルド・ディカプリオをモデルとして採用しており、そのCM出演料は500万ドル(約4億4700万円)とも言われています(参考:エキサイト)。
中国でもそこかしこにOPPOの広告が掲げられており、大量の広告によって、OPPOは認知度の急上昇を果たしました。
ただ、広告費の高い日本において同様の戦略が成功するかどうかは不透明なので、今後の展開に注目していきたいです。
OPPOの社名の由来から見る世界進出にかける熱い意気込み
世界シェア第5位のOPPOですが、現時点ではそのほとんどがアジア圏でのシェアで占められています。
じつはOPPO、設立当初から、既に世界進出を視野に入れていたそうです。
OPPOという社名の由来も、「世界のどの国でも同じ発音で、変な意味を持たない」という点から採用されていますし、会社設立より3年も早く、約140か国でブランドの商標登録をするという入念さ(参考:ダイアモンド)
日本のスマホ市場参入も、その先に欧米への進出を見据えてのことだと言います。
既に日本ではOPPOのシェアがじわじわと上がりつつありますし、近い将来欧米でヒットを飛ばし、サムスン、Apple、Huaweiというトップ3の牙城を崩す時が来るかもしれませんね。
高価格・高性能な「フラッグシップモデル」にも注力
中国メーカーのSIMフリースマホと言えば、値段は安いけれどスペックもそれなり…というイメージがある人も多いのではないでしょうか。
しかしOPPOでは2万円台のリーズナブルで初心者でも手が出しやすいモデルはもとより、10万円を超える高価格・高性能なフラッグシップモデルの展開にも力を入れています。
代表的なのは、2018年11月に発売された「Find X」。
そして今後は10倍光学ズームを搭載した新モデルの発売も予定されており、こちらもフラッグシップ(最高位)としての名に恥じないモデルとなることは間違いありません。
もはや「中国メーカー=格安スマホ」という常識は過去のもの。
日本ではまだまだOPPOをはじめとした中国メーカーは安いもの、というイメージが強いですが、今後はどのくらいOPPOのフラッグシップモデルが日本のスマートフォン市場に食い込めるかに注目したいです。
まとめ
OPPOは中国を中心に、アジア圏で高いシェアを誇るスマホメーカー。
あのAppleが苦戦を強いられたインドのスマホ市場の攻略にも成功しており、今後さらに爆発的な成長を遂げることは容易に予想できます。
日本でもじわじわと人気を高めており、日本進出を足掛かりに、ヨーロッパやアメリカでも伸びを見せることでしょう。
現在はカメラ性能に重点を置いた製品展開がされていますが、AV部門のノウハウを生かして音楽性能に優れた製品なども期待したいですね。