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レビュー・評価の概要
Archer AX73は2021年2月に登場したWi-Fiルーターですが、この時点で全てのルーターの決定版と言えるほど万能性が高いモデル。高い最大通信速度、そしてIPv6プラスにも準拠しており、昨今のトレンドをガッチリ抑えた一台になっています。
デメリットで書いているようにワンルームなどの環境であれば廉価モデルでも良いですが、そういったことでなければ将来の投資も含めてこのモデルを迷わずに買っておくべきWi-Fiルーターと言えるでしょう。
発売年度 | 2021年 |
理論速度(5GHz) | 4804Mbps |
理論速度(2.4GHz) | 574Mbps |
本検証での最大速度 | 652Mbps |
メーカー | TP-Link |
ストリーム数 | 6本 |
最大接続台数 | 80台 |
IPoE | 対応 |
推奨環境 | 戸建て3階建て、4LDK |
※スペック情報は執筆時のものです。現在の情報は以下から公式サイトでご覧ください。
本記事ではメーカーより貸し出しを受けて、テストを行っています。
特徴
ここではArcher AX73の一般的な特徴について解説しています。実際に筆者が使った感想、レビューについてはメリット・デメリットの項目をご覧ください。
Wi-Fi6とIPv6プラスの対応機種
Archer AX73は高速通信規格Wi-Fi6と混雑を避けて通信ができるIPv6プラスに対応しています。両方に対応している機種は珍しい上に本機種ではさらに高い最高通信速度を誇ります。
豊富な有線ポート
Archer AX73には背面のLANポートが4つ備えられています。ゲームに有線で繋いだり、LAN経由でNASを構成したり使い道が広がるインターフェイスになっています。
5000Mbps超えにしてはコンパクト
5GHz、2.4GHz帯合わせて5000Mbpsを超える構成になっていますが、意外にもコンパクト。アンテナも小さくはありませんが黒で根本から先端までが均一な長さになっているためシンプルでコンパクトな作りになっています。
価格とコストパフォーマンス
Archer AX73は税込1万円台で買えるWi-Fiルーターです。IPv6プラスに対応していることや、合計5000Mbpsを超える通信速度になっていることを考えれば、他メーカーも含め現在発売されているWi-Fiルーターの中でもコストパフォーマンスは非常に高いです。
スペック
今回レビューしたArcher AX73のスペックは以下の通りです。
マシンスペック(技術仕様)
サイズ | 147.2×272.5×49.2mm | |
CPU | 1.5GHz トリプルコアCPU | |
最大受信速度 | 2.4GHz | 574Mbps |
5GHz(1本目) | 4804Mbps | |
5GHz(2本目) | – | |
最大接続台数 | 80台 | |
アンテナ本数 | 6本 | |
ストリーム数 | 6本 | |
LANポート数 | 4個 | |
ビームフォーミング | 対応 | |
メッシュWi-Fi | 対応 | |
Wi-Fi6 | 対応 | |
IPv6プラス | 対応 | |
推奨環境 | 戸建て3階、4LDK |
外観
本体は角ばったデザインになっています。アンテナは本体から6本でています。天板は光沢部分と肉抜きされたデザインになっています。

背面には壁掛け穴とそれぞれのパスワードが掲載されています。

背面には電源コネクタ、電源ボタン、WAN、LANポート4つが有ります。1Gbpsポートになっています。

本体左側にUSB-A 3.0が搭載されています。

ACアダプタは黒色でコンパクトになっています。コンセント一体型なのでタコ足配線を用いる時は注意してください。

通信環境(Wi-Fi)のテスト
測定環境
Wi-Fiの通信環境テストを行いました。テスト環境は光1Gbps(IPv6対応)でWi-FiにはArcher 10 Proを用いました。
テスト環境は以下の通りで戸建て環境の1階、及び2階で測定を行っています。幅方向約10.5m、奥行き方向8.2mの環境です。
1階部分

2階部分

なお、今回2台目のDeco X50はポイント⑥の部屋の入り口に設置しており、家のほぼ中心部となる位置にセッティングしています。
iPhoneの検証結果
iPhone 13 Proを用いてスピードテストを行った結果です。ポイント⑥になるほど実質的な距離が大きくなります。
測定項目 | ダウンロード | アップロード | PING | ジッター |
単位 | Mbps | Mbps | ms | ms |
ルーター前 | 477 | 463 | 6 | 0.63 |
ポイント② | 384 | 435 | 6 | 0.24 |
ポイント③ | 373 | 485 | 6 | 1.1 |
ポイント④ | 393 | 391 | 6 | 0.87 |
ポイント⑤ | 439 | 371 | 6 | 0.81 |
ポイント⑥ | 62.5 | 103 | 6 | 31 |
Androidの検証結果
ROG Phone 5 Proを用いて、スピードテストを行った結果です。ポイント⑥になるほど実質的な距離が大きくなります。
測定項目 | ダウンロード | アップロード | PING | ジッター |
単位 | Mbps | Mbps | ms | ms |
ルーター前 | 582 | 573 | 6 | 1 |
ポイント② | 520 | 405 | 6 | 0 |
ポイント③ | 418 | 387 | 6 | 1 |
ポイント④ | 454 | 381 | 6 | 1 |
ポイント⑤ | 345 | 337 | 6 | 1 |
ポイント⑥ | 96.3 | 26.6 | 7 | 3 |
MacBookの検証結果
MacBook M1 Pro(14インチ)を用いてスピードテストを行った結果です。ポイント⑥になるほど実質的な距離が大きくなります。
測定項目 | ダウンロード | アップロード | PING | ジッター |
単位 | Mbps | Mbps | ms | ms |
ルーター前 | 620 | 557 | 7 | 12 |
ポイント② | 502 | 415 | 7 | 1.8 |
ポイント③ | 652 | 546 | 8 | 1.1 |
ポイント④ | 565 | 419 | 7 | 4.5 |
ポイント⑤ | 423 | 331 | 8 | 1.1 |
ポイント⑥ | 30.1 | 25.7 | 7 | 1.5 |
通信スピードテストの評価
Archer AX73は期待通り、非常に高速な通信速度が得られており、最大でMacbook Pro M1を用いた際に652Mbpsという驚異的な数値をたたき出しています。1Gbpsベストエフォートの通信環境でこの数値は素晴らしい結果です。またPINGの数値が総じて10msを切っており、Wi-Fiルーターとしては最高クラスになっています。一般ゲーマーであればこのレスポンスは魅力的な数値と言えます。
ただし、残念なことに最長距離にあたるポイント⑥においてはダウンロード、アップロードの数値がガクッと落ちる結果となっています。ルーターの近く(一部屋挟んだ程度)で利用するのが理想的な端末と言えそうです。
メリット・魅力
低価格帯でIPv6プラスに対応
Archer AX73は一部のインターネットが対応するIPv6プラスに対応しています。IPv6を提供しているインターネットサービスでは、専用のモデムを貸し出すところもありますが、Archer AX73を用いれば貸し出しモデムを使わずに一台でWi-Fi環境までを構築することができます。
超高速な通信規格
TP-LinkにはIPv6に対応しているルーターとしてArcher A10 Proがありますが、これと比較して無線能力が強化されさらに高速化が図られています。速度が強化されているだけでなく、結果的に範囲が広くなっていることも大きなメリットでしょう。
本体がコンパクト
5000Mbps超えのWi-Fiルーターは見た目が仰々しくなるパターンが多いですが、このArcher AX73はそういったことはなく、アンテナは大型ですが本体は黒一色で角ばったシンプルな形になっています。
壁掛けも可能
Archer AX73は背面に穴が空いており、壁掛けすることができます。本体サイズはアンテナまで含めると大きいですが、意外と薄いためテレビの後ろなどのスペースを利用して隠すことが可能です。
USB-コネクタがある
Archer AX73にはUSBコネクタがあるため、簡易NASを構築することが可能です。
デメリット・欠点
長距離で数値が落ちる結果に
ベンチマークの結果からも分かるように長距離テストでは速度がガクッと落ちる結果となっています。使う部屋が分散していたり、距離が離れている場合はメッシュWi-Fi環境を構築する方が良いでしょう。Archer AX73自体はメッシュWi-Fiを構成することができるため、合わせて利用すると良いでしょう。
USBコネクタのみ側面設置が必要
Wi-Fiルーターは一方向にインターフェイスが集中することが普通ですが、Archer AX73ではUSBコネクタのみ側面に配置されています。NAS構築する場合など側面にUSBを設置する場合、長さがあるものをつかうと飛び出してしまうので注意が必要です。
10Gbpsの光回線契約ユーザー
Archer AX73のWANは10Gbpsに対応せず、1Gbpsとなっています。10Gbpsのネット回線を契約している場合は全ての能力が出しきれないため、注意が必要です。
おすすめなタイプ
ほとんど全ての人におすすめ
Archer AX73はWi-Fi6に対応、さらにIPv6プラスにも対応している現在の規格としては弱点のないモデルです。またUSBコネクタにも対応しているため、簡易的なNASも作れることからまさに弱点のないモデルと言えるでしょう。
IPv6プラスユーザー
インターネットの規格であるIPv6プラスは対応しているだけで大幅に通信回線環境を改善できるネット回線。一方で、対応しているWi-Fiルーターを使う必要がありますが、本ルーターはその面でも抜かりのないモデルです。
低価格で高性能なコスパを求める人
このArcher AX73はこれだけの性能を持ちながら、価格は定価で税込一万円台と驚異的な値段帯になっています。これだけで他のルーターが選択肢から消えるほど、コスパで有利な一台になっています。
おすすめできないタイプ
ワンルームや1LDKに住む人
Archer AX73は高機能、高コスパであるので万人におすすめできますが、ワンルームや1LDKの場合はオーバースペックになってしまいます。その場合はArcher A10 Proを選択するようにして下さい。ただ、最高速度重視であったり、今後引越しの可能性がある人はこのモデルでも良いでしょう。
4LDK以上の人は考慮が必要
Archer AX73は優れたルーターですが、長距離で電波が落ちてしまう傾向があります。メッシュWi-Fiを組むことも可能ですが、Archerが対応するOneMeshシリーズは残念ながら中継機の性能が高くありません。
もし頻度高く使う場所がルーター直下から遠い場合はDecoシリーズを検討することをおすすめします。
実機レビューのまとめ

Archer AX73は2021年3月時点で買うなら、どんな人にもおすすめできる魅力的なWi-Fiルーターです。IPv6プラスを使ってる人でも、これから使うことを検討してる人(引っ越しを検討している人)など今後の環境にも柔軟に対応できるモデルです。買って後悔しないモデルと言えますが、本文でも買いた通りワンルームなどはオーバースペックになってしまうためその点だけは廉価グレードも考慮に入れておきましょう。
安く買う方法・コツ
Archer AX73は各種通販サイトで取り扱いがあるため、価格を比較した上での購入をおすすめします。以下の記事で安く買うためのコツを掲載しています。
また、Amazonでクーポンが発行されるケースも多いため必ずチェックするようにして下さい。
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