Tour box Eliteは複数のダイヤル、ボタン、十字キーを兼ね備えた特徴的な形の左手デバイスです。ダイヤル操作による数値コントロールの効率化はもちろん、ショートカットキーを指定したり、マクロを組むことで作業をよりスムーズにしてくれるアイテムです。
Tourbox Eliteの目次
特徴の項目ではメーカーのセールスポイントをまとめています。筆者が使った主観的な感想が知りたい場合はメリット・デメリット項目からご覧ください。
本記事はメーカーより提供を受けレビューを実施しています。
Tourbox Eliteの特徴
一見キワモノなボタン類
Tourbox Eliteでは三つのダイヤル、十字キー、そして複数のボタンを備えています。デフォルトとしてすでに割り当てられたキーを利用したり、自分で設定して利用することができます。
また、自分で作りたくない人には先人たちが作った設定を活用する方法もあります。
Bluetooth接続が選べるように
先代モデルのTourboxでは有線接続が必須でしたが、今回のモデルから乾電池式となり、bluetooth接続が選択できるようになりました。ワイヤレスで接続できるため、自分が操作したい位置により楽に配置することができるようになっています。
また、2代のデバイス間でスイッチが容易なので、2台以上のPCを並べているような人にとって、より有用なデバイスとなっています。本体は充電式ではなく、単4電池を利用して使う形になります。
カラーは3種類
今回レビューしたモデルはオパークスモーク(半透明のブラックなスケルトン)ですが、他にもアイボリーホワイト、クラシックブラックを選択することができます。一般的に左手デバイスは黒が多いので、ホワイトの選択肢がある点はこの製品の魅力の一つとも言えるでしょう。
Tourbox Eliteの価格とコストパフォーマンス評価
3/31時点で現在キャンプファイアにて発売されています。カラーによっても価格が異なりますが、2万円前半の価格となっています。他の左手デバイスの価格帯と比較すると少し高めです。
ただ、できることが単純比較できない上に、メリットでも後述するダイヤル操作による時間の短縮化を考えると、価格に見合っただけの価値があると感じました。
Tourbox Eliteの外観
今回レビューしたのはスケルトンのオーパークスモークです。スケルトンですが、安っぽさはありません。外観は11個のボタンと3つのダイヤルで構成されています。
上部に加え、サイド側にもボタンがあります。また上部には接続用のUSB Type-C端子が備わっています。
上部には「tourbox」のロゴが入っています。
背面には乾電池とワイヤレスで使う場合のスイッチがあります。電池を抜いた状態で有線接続して使うことも可能です。
本体には持ち運び用のポーチが付属します。
さらに乾電池、USB Type-Cケーブルが付属します(両端子ともにUSB Type-C)。
化粧箱はブラック基調でシンプル。箱自体に重み、厚みがあり高級感があります。
サイズは成人男性の手でちょうど掴める程度です。大きく指を移動させることなく全てのボタンにアクセスすることができます。
TourBox Eliteのメリット・魅力
ダイヤル操作の効率化が大きい
筆者は主にLightroomでのTourboxを利用していますが、これまで非常に面倒だったマウスでの各項目の調整が非常に楽になり、作業効率化できています。
ダイヤル操作でできることはもちろんのこと、設定でダイヤルを回した時の振動音を調整することができ、このクリック感が堪らない感じになっています。表現が難しいですが、ダイヤルを回す時ギヤが噛み合ったような質感で使うことができます。
エクセル作業が効率化できる
Ligtroomと同じくらい便利なのがエクセル作業です。個人的にはこちらの方がメリット大きいかもしれません。
画面で表示させるタイプの左手デバイス(STREAM DECK)も所有していますが、等間隔でボタンが配置されているため、「STREAM DECKを見る→操作ボタンを確認する→処理」と3アクション必要になってしまっています。
TourBox Eliteはボタンの形が全てバラバラになっている分、手に覚え込ませればスムーズに作業することが可能になります。それぞれのデバイスで一長一短あるものの、「ボタンの操作回数が多く、目視したくない」人にとってはTourBox Eliteは最適解になる可能性が高いです。
ショートカットは利用アプリでオートスイッチ可能
作成したプリセットはオートスイッチして使うことができます。アプリごとにショートカットを設定でき、非常に便利です(Adobe製品は最初からプリセットとしてオートスイッチされます)。
ダイヤル操作の質感が格別
感性の部分に近い話なので、思い切り主観ですが、ダイヤル操作の質感がよくできています。振動エフェクトを入れた時のギヤが噛み合いつつ回るような感覚も良いですし、MX Masterのような無段階調整も素晴らしいです。
また、コンソールパネルからダイヤルそれぞれをどちらの設定にするか変更できるので、三つのダイヤルで振動エフェクトを使い分けることも可能です(またオートスイッチ機能を使うことでアプリごとに振動エフェクトを変更することもできます)。
TourBox Eliteのデメリット・欠点
左手デバイスとして割り当てが少ない
他の左手デバイスの場合、ディスプレイ表示がセットになっているものが多く、画面切り替えによりショートカットを実質無限に作ることができます。しかし、TourBox Eliteではダブルクリックや同時押しで増やせるものの、ディスプレイ形式の左手デバイスと比較するとどうしても制限されてしまいます。
標準のコネクタがUSB Type-Cである
昨今のノートPCではUSB Type-C出力が基本なのであまり気になりませんが、デスクトップPCの場合USB Type-Cがついていないものがあります。Bluetooth接続できるので、あまり気にならないかもしれませんが、有線接続で使いたい人にとっては覚えておくと良いでしょう。
電池形式である
USBによる充電ではなく、乾電池による方式になっています。好みが分かれるところですが、人によっては気になると思うのでデメリットとして挙げておきます。個人的には、有線接続で使っているので全く気になりません。
TourBox Eliteの口コミ・評判
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独特の形状なので、人によっては違和感を感じる人がいるかもしれませんが、この形状そのものが目で見ずに使えるので、とても良いです。アプリごとにショートカットを割り当てられ、オートスイッチできるためより自然と作業効率化が可能です。Bluetoothは便利ですし、2台接続もメリット大きいですが、個人的には「有線でも無線でも使える」という選択肢があること自体が嬉しいポイントでした。
TourBox Eliteがおすすめのタイプ
パラメータ調整が必要なソフトを使う人
筆者もそうですが、AdobeのLightroomを使う際、非常に効率化できました。同じように細かなパラメータ調整が必要なソフトウェア(Adobe製品、FinalCut Pro、ペイント系ソフトウェアなど)は作業の時短が可能となるでしょう。
スクロールを多用する人
ダイヤルが3つあることで、スクロールパターンを増やすことができます。横スクロールやショートカットキーを利用した拡大・縮小を一動作で完結でき、効率化することができます。
エクセルユーザー
個人的に最もおすすめなのが表計算ソフトウェアを使うユーザーです。Tourboxは多くのショートカット、スクロールを必要とする表計算ソフトでは別格の力を発揮します。
筆者もそうですが、ショートカットをよく使うユーザーはTourboxでよく使うコマンドを登録しておくことで、更なる時短が可能になります。以下が表計算ソフト(スプレッドシート)で設定している動作ですが、よく使うショートカットを登録したり、スクロールの形を活かして、横スクロール使えるようにしているので驚くほど便利です。
左手デバイスを見ずに作業したい人
上記の3つと重なる部分もありますが、TourBox Eliteの最大の魅力は左手デバイスを見なくても、独特のボタン群を手で判断して入力できるところにあります。イチイチ確認しなくて良いため、スピーディなボタン入力が可能です。
TourBox Eliteをおすすめしない人
より複雑なマクロを組みたい人
TourBox Eliteでもマクロは組めますが、ディスプレイを搭載した左手デバイスの方がよりビジュアル化されているのでより簡単に、かつ複雑に組むことが可能です。特にテキスト入力をマクロに組み込みたい人はそちらがおすすめです。
ブラウザ系のブックマークを使いたい人
ブラウザ系のブックマークとして使いたい場合は、目視で確認できるディスプレイ型の左手デバイスの方が便利です。
TourBox Eliteのまとめ
2020年ごろから左手デバイスがガジェットユーザーの中でも流行り出し、たくさんの種類が出てきました。Tourbox Eliteはその中で「手元を見ずに効率化できるデバイス」としては、トップクラスに使いやすいアイテムだとレビューして感じています。
またショートカットを設定するコンソールの使いやすさが優れている点、Macでもストレスなく使える点など、メインではない部分の使いやすさもよくできています。
左手デバイスはクリエイター向けと思われがちですが、本文に書いたように表計算ソフトのショートカットで時短になるため、何かしらのショートカットキーを多用する人にはぜひ触ってみて欲しいデバイスです。