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レビュー・評価の概要
ROG FLOW X13はRyzen9 5900HSとGTX1650を搭載した超強力ノートパソコンでしかも、本体重量が1.35kgと軽量さが特徴の13.4インチです。
さらにROG Flow X13は薄型高性能なだけでなく、専用の外部GPU「XG Mobile」を接続することにより、RTX3080をグラフィックボードとして利用することが可能。
USB-PDに対応しているためモバイル性の使い勝手も良く、外では軽量高性能モバイルノートとして、家ではRTX3080を利用したハイパワーパソコンとして使える非常に魅力的なモデルです。
発売年度 | 2021年 |
プロセッサ | Ryzen9 5900HS |
RAM | 16~32GB |
ストレージ | 512GB~1TB |
画面サイズ | 13.4インチ |
GPU | GeForce GTX1650Ti Max-Q GeForce RTX3080(XG Mobile) |
USB-PD | 対応 |
モバイル通信 | 非対応 |
重量 | 1350g |
Cinebench R20 | 4805pts(Turbo) |
※スペック情報は執筆時のものです。現在の情報は以下から公式サイトでご覧ください。
本記事ではメーカーより貸し出しを受けて、テストを行っています。
特徴
ここではROG FLOW X13とXG Mobileの一般的な特徴に触れています。筆者が使用した感想については、メリット・デメリットからご覧ください。
Ryzen9 5900HS搭載の超高性能な薄型機
ROG FLOW X13は13.4インチノートパソコンとしては薄型かつ軽量なモデルですが、中身はモンスタープロセッサであるRyzen9 5900HSを搭載しています。
ベンチマークでも後述しますが、CinebenchR20で4800ptsクラスとなっており、1.35kgのパソコンとして非常に高い能力を誇ります。
XG-mobileとの組み合わせでパワーアップ
単なる薄型コンパクト機であれば、過去にも高性能モデルがありましたが、ROG FLOW X13の魅力は専用の外部GPUであるXG-mobileを組み合わせることによって、強力にパワーアップできる点にあります。GPUとしてはRTX3080を搭載し、さらにイーサネットコネクタやUSB-Aなどのインターフェイスも備えるため自宅環境でドッグとしての使い勝手も兼ね備えたモデルと言えるでしょう。
価格とコストパフォーマンス
ROG FLOW X13はPCとしての本体価格が約22万円となっており、Ryzen9 5900HS、GTX1650、さらにRAM32GBを積んだモデルとしては格安と感じるほど。
さらにXG-mobile自体は3070モデルが税込約12万円、3080が約15万円となっているため、ROG Strix SCAR 17インチクラスの価格にもう少しプラスするだけで購入できます。この点から見ても、コストパフォーマンスが非常に優れたモデルと言えるでしょう。
スペック
今回レビューしたROG FLOW X13とXG Mobileのスペックのスペックは以下の通りです。
マシンスペック(技術仕様)
発売年 | 2021年 | |
サイズ | 299×222×15.8cm | |
重量 | 本体 | 1350g |
アダプタ | 295g | |
CPU | Ryzen9 5900HS | |
GPU | GeForce GTX1650 | |
メモリ(RAM) | 32GB | |
ストレージ | 1st | 1TB |
2nd | – | |
ディスプレイ | サイズ | 13.4インチ |
解像度 | 3840×2400 | |
アスペクト比 | 16:10 | |
形式 | 液晶 | |
リフレッシュレート | 120Hz |
フロントカメラ | 画素数 | 92万画素 |
物理シャッター | 無し | |
リヤカメラ | 画素数 | 無し |
Wi-Fi | a/b/g/n/ac/ax | |
bluetooth | 有り | |
モバイル通信 | 非対応 | |
光学ドライブ | 非搭載 | |
バッテリー | サイズ | 公式記載なし |
公称値 | 9.1時間 |
レビュー機種以外にも詳細のカスタマイズが可能です。細かなスペック内容についてはテーブル下の公式サイトのリンクからご覧ください。
ベンチマーク結果一覧
CINEBENCH
CINEBENCH(シネベンチ)のベンチマーク結果は以下の通りです。R20は1回の測定、R23は10分間の連続測定結果を掲載しています。
まず以下はサイレントモードで測定した様子です。
バージョン | 測定モード | 測定値[pts] |
---|---|---|
Cinebench R20 | マルチ | 3898 |
シングル | 528 | |
Cinebench R23 | マルチ | 9883 |
シングル | 1359 |
次にターボモードで測定した様子です。
バージョン | 測定モード | 測定値[pts] |
---|---|---|
Cinebench R20 | マルチ | 4805 |
シングル | 578 | |
Cinebench R23 | マルチ | 11982 |
シングル | 1491 |
Crystal Disk Mark
Crystal Disk Mark(クリスタルディスクマーク)の測定結果は以下の通りです。
Read[MB/s] | Write[MB/s] | |
---|---|---|
SEQ1M Q8T1 | 2451.85 | 1993.35 |
SEQ1M Q1T1 | 1803.40 | 1972.72 |
RND4K Q32T16 | 1137.53 | 518.40 |
RND4K Q1T1 | 46.52 | 158.83 |
ゲームベンチマーク
FF15
ファイナルファンタジー15のベンチマーク結果は以下の通りです。全てフルHD品質でテストを行っています。
モード | スコア | 評価 |
---|---|---|
最高品質 | 3337 | 普通 |
高品質 | 4547 | やや快適 |
軽量品質 | 5938 | やや快適 |
また、XG-mobileを接続しFF15ベンチマークを行ったところ、高品質でスコアが「10268」、評価が「非常に快適」と大幅に改善されました。
通信環境(Wi-Fi)のテスト
通信環境テストを行いました。テスト環境は光1Gbps(IPV6対応)でWi-FiにはArcher 10 Proを用いました。全エリアで非常に快適な速度が得られています。
1階部分

2階部分

USB-C(PD)による充電テスト
USB-Cの充電テストを行いました。「〇」は通常通り充電、「△」は充電されるものの低速表示、「×」は充電できないことを示します。
W数 | 充電の可否 | 検証に用いた機種 |
---|---|---|
20W | × | PowerPort Ⅲ Nano |
30W | △ | PowerPort Atom Ⅲ Slim 30W |
45W | △ | PowerPort Atom Ⅲ Slim 45W |
61W | △ | RP-PC133 |
100W | 〇 | AUKEY PA-B7 |
外観
背面です。ゲーミングモデルになりますが背面が光るなどはありません。

背面のスリットは控えめです。スピーカーは下部にあります。

開いた様子です。16:10のディスプレイになっており、縦に長いことが特徴です。

360°回転してタブレットモードにした状態です。

キーボードです。変則はありませんが、スペースやエンターキーなどが隣接しています。またキーボードの上側には、モード切替のボタンがあります。

ミツトヨのデジタルノギスで2つのキーから割返して計測したところ17.5mmでした。またキーストロークは1.6mmとなっています。

タッチパッドの幅は105mmとなっています。

本体の右側のインターフェイスはファン、USB-C、USB-A、電源ボタンとなっています。

左側です。XG-mobileの接続用コネクター、HDMI、ヘッドフォンジャックになっています。

XG-monileの写真です。スリットでROGと描かれています。起動時は内部が赤く光ります。

逆側面にはスタンドがあり、立てることができます。

上側にはUSB-A×4、HDMI×2、イーサネットコネクタを備えています。

上部にはSDスロットを備えます。

XG-Mobileのコネクタです。

実際に接続した様子です。コネクタを接続後、スイッチをオンにすることで接続します。

本体質量を測定した結果、1350gとなっています。

充電器を含めた測定結果は1745gとなっています。充電器単体で295gです。

ROG XG-mobileを含めた質量は2905gとなっています。

メリット・魅力
コンパクトさと超高性能の両立
ROG FLOW X13の魅力はなんといってもコンパクトさと超高性能。しかも、外部GPUを使った強化機能まであります。これまでノートパソコンはパフォーマンス的にデスクトップの代わりになることが厳しかったですが、この組み合わせを使えることで成り代われるモデルが登場したとも言えるレベルです。
優れたコストパフォーマンス
ハイパフォーマンス、軽量、そして専用GPU接続とハイエンドの極みのようなモデルですが、ROG FLOW X13は本体が20万円以下で買えるため、非常にコストパフォーマンスが高いと言えます。XG-mobile自体は安くは無いものの、ROG Strix SCAR 17とほぼ同価格になることを考えれば、ギミック付きでこの値段は破格と感じます。
サイレントモードが魅力
ASUSの昨今のノートパソコンはサイレントモードが強化され、ノイズを大幅に減らす企業努力がなされています。このROG FLOW X13もその一つで、サイレントモードを使うことでファンの音がほぼ無くなります。
USB-PDに対応
昨今のノートパソコンでは標準になりつつあるUSB-PDに対応しています。純正もUSB-Cによる充電形式になっており、かつ本体の充電器自体もコンパクトな点が魅力です。
外部でも内部GPUを変わらない性能
ROG FLOW X13はXG-Mobileを用いることによって、大幅に性能アップが可能になります。接続方式にThunderboltを使わずに、専用のコネクタを準備することで、本PCではROG Strix SCAR 17(2021年モデル)とほぼ同じレベルのグラフィック性能を出しています。一般的に外部GPUを用いると性能ダウンするという例が多い中でこのベンチマーク結果は非常に魅力。しかも、電力供給、ハブ化(USB-A、SDカード、イーサネットコネクタ)もできるため利便性が高いパーツと言えます。
単独でもGTX1650が使える
ROG FLOW X13は機能的に外部GPUに注目が集まりそうですが、単独でもGTX1650を搭載しているためそれなりに動かすことができます。しかもRAMが32GBもあるためキャッシュが残りやすい作業でもそれなりに力を発揮させることができます。
AIノイズキャンセリング搭載
ROG FLOW X13はゲーミングノートPCの位置付けですが、AIノイズキャンセリングを搭載。ASUSの純正ノイズキャンセリングは非常に優れているため、テレワークでも活躍します。
デメリット・欠点
XG-mobileの価格をどう見るか
XG-mobileはRTX3080を搭載しているため、価格がそれなりにします。そのため、手を出しづらい人も多いかもしれません。ただベンチマークの結果の通り、ROGの上位モデルとほぼ同じ性能、かつ同じ価格帯ということを考慮しておくと良いでしょう。
ベンチマーク時の熱が気になる
ROG FLOW X13はベンチマークにキーボード上部が暖かくなる傾向が見られました。ハイパフォーマンスプロセッサなので、CPUの使用率が低い状態では気にならないかもしれませんが、常に高負荷をかける使い方をする場合は、PCクーラーなどを併用する方が良いかもしれません。
おすすめなタイプ
モバイルとデスクを一台で最適化したい人
ROG FLOW X13はモバイルノートパソコンと、デスクトップパソコンを一台で運用したいユーザーにぴったりです。純正ということもあり、接続がとても簡単なので、自宅に帰ってきて充電がてら接続し外部モニターを利用することも可能です。
書類作成仕事が多い人
ROG FLOW X13はディスプレイサイズがアスペクト比16:10となっており、一般的なノートパソコンよりも縦長のディスプレイになっています。そのため、縦の情報量を得やすいメリットがあります。また、キーストロークが深く打ち込みもしやすいので書類作成などの作業に向いています。
おすすめできないタイプ
GPUを使う作業をせずモバイルする人
ROG FLOW X13はハイエンドで外部GPUが接続できる特殊なノートパソコンですが、その分、ネットサーフィンやオフィス系ソフトしか使わないという人にはオーバースペックになります。GPUが不要であれば似たコンセプトで、より安く買えるYoga Slim750i Carbonがおすすめです。
カスタマイズ・モデルの選び方
ROG FLOW X13は1モデル展開のため、カスタマイズとしては追加オプションのXG-mobileを購入するかどうかが分かれ目になります。オプションを購入せずとも、プロセッサ性能から考えれば十分コストパフォーマンスに優れるのでぜひ検討してみてください。
実機レビューのまとめ

専用の外部GPUを接続して、コンパクトさと高性能を両立した非常に珍しいモデル「ROG FLOW X13」。珍しいわりに絶対性能から見れば価格がリーズナブルな点が魅力です。
単体で使っても良し、XG-Mobileを組み合わせて強化したり、外部モニターなどを接続するドッキングステーションのように使っても良しと、モバイルとデスクトップのいいところ取りした実用性の高いモデルとなっています。
安く買う方法・コツ
ROG FLOW X13とXG Mobileに限らず、ASUSのパソコンを安く買う方法については以下の記事でまとめています。購入前に必ずご確認ください。
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