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レビュー・評価の概要
VAIO SX12はシリーズの中で最小化かつ、900gを切る軽さが魅力のモデルです。
小型ながら随所に妥協がなく、生産性を落とさないためのフルサイズキーボードや外出先でのネット接続をスムーズにするSIMフリーモバイル通信対応、さらに、豊富なインターフェイスを備えたパソコンとなっています。
発売年度 | 2020年 |
プロセッサ | Core i7-1070U Core i5-10210U Core i3-10110U Celeron 5205U |
RAM | 4~16GB |
ストレージ | 128GB~2TB |
画面サイズ | 12.5インチ |
GPU | Intel UHD Graphics |
USB-PD | 対応 |
モバイル通信 | 対応モデル有 |
重量 | 890g |
Cinebench R20 | 1872pts |
※スペック情報は執筆時のものです。現在の情報は以下から公式サイトでご覧ください。
本記事ではメーカーより貸し出しを受けて、テストを行っています。
特徴
ここではVAIO SX12の一般的な特徴について解説しています。実際に筆者が使った感想、レビューについてはメリット・デメリットの項目をご覧ください。
900gを切る軽さ
VAIO SX12のメリットは何といっても、その軽さ。12.5インチなのでコンパクトなのはもちろんのこと、何とメーカー交渉値887gの超軽量モデルとなっています。外出での移動シーンが多い人でも、気兼ねなく持ち出せるデバイス設計になっています。

フルサイズのキーボードを搭載
コンパクトノートパソコンは総じて、その設計ゆえにキーピッチが小さくなる傾向がありますがVAIO SX12はフルサイズのキーボードを搭載しています。持ち出し用だから生産性を犠牲にするのではなく、外出時にも作業性を落とさない設計になっています。
モバイル通信に対応
VAIO SX12は過去モデルや上位モデル同様にモバイル通信にも対応しており、外出先のネット環境をよりスムーズに構築することができます。
多くのインターフェイスに対応
VAIO SX12はコンパクトボディとは裏腹に非常に数多くのインターフェイスに対応しています。フルサイズHDMIはもちろんのこと、VGAまで使えるのでビジネスシーンで使われるインターフェイスはほぼ網羅していると言えます。

価格とコストパフォーマンス
VAIO SX12は軽量性をはじめとしたスペック面での優位性があることに加え、VAIOブランドのモデルのため価格はかなり高めです。ただ、国産ブランドであるため保証やサポート面に強みがあることや、優れたデザイン性なども考えると妥当な値段帯とも取れます。
スペック
今回レビューしたVAIO SX12のスペックは以下の通りです。
マシンスペック(技術仕様)
発売年 | 2020年 | |
サイズ | 203.3×287.8×15.7mm | |
重量 | 本体 | 890g |
アダプタ | 240g | |
CPU | Core i7-10710U | |
GPU | Intel UHD Graphics | |
メモリ(RAM) | 8GB | |
ストレージ | 1st | 256GB |
2nd | – | |
ディスプレイ | サイズ | 12.5インチ |
解像度 | 1920×1080 | |
アスペクト比 | 16:9 | |
形式 | 液晶 | |
リフレッシュレート | 60Hz |
フロントカメラ | 画素数 | 207万画素 |
物理シャッター | 無し | |
リヤカメラ | 画素数 | 無し |
Wi-Fi | a/b/g/n/ac/ax | |
bluetooth | v4.1 | |
モバイル通信 | 非対応 | |
光学ドライブ | 非搭載 | |
バッテリー | サイズ | 公式記載なし |
公称値 | 13.0~14.5時間 |
レビュー機種以外にも詳細のカスタマイズが可能です。細かなスペック内容についてはテーブル下の公式サイトのリンクからご覧ください。
ベンチマーク結果一覧
CINEBENCH
CINEBENCH(シネベンチ)のベンチマーク結果は以下の通りです。R20は1回の測定、R23は10分間の連続測定結果を掲載しています。
バージョン | 測定モード | 測定値[pts] |
---|---|---|
Cinebench R20 | マルチ | 1872 |
シングル | 405 | |
Cinebench R23 | マルチ | 4547 |
シングル | 1089 |
Crystal Disk Mark
Crystal Disk Mark(クリスタルディスクマーク)の測定結果は以下の通りです。
Read[MB/s] | Write[MB/s] | |
---|---|---|
SEQ1M Q8T1 | 3408.99 | 2346.69 |
SEQ1M Q1T1 | 1640.31 | 1462.15 |
RND4K Q32T16 | 596.49 | 1873.16 |
RND4K Q1T1 | 46.57 | 163.86 |
ゲームベンチマーク
FF15
ファイナルファンタジー15のベンチマーク結果は以下の通りです。全てフルHD品質でテストを行っています。
モード | スコア | 評価 |
---|---|---|
最高品質 | – | – |
高品質 | – | – |
軽量品質 | 828 | 動作困難 |
PC温度測定
平常時とCinebenchR23(multi)で10分負荷をかけた後にFLIR One Proのサーマルカメラを用いて温度測定を行いました。中央から左側に向かって温度が上がる傾向が見られています。また、ファンが上げしく回る影響で机の上の温度も上昇しています。ただし、パームレストへの影響が少ない点は評価できます。
通常時

CinebenchR23(10分測定後)

通信環境(Wi-Fi)のテスト
測定環境
Wi-Fiの通信環境テストを行いました。テスト環境は光1Gbps(IPv6対応)でWi-FiにはArcher 10 Proを用いました。
テスト環境は以下の通りで戸建て環境の1階、及び2階で測定を行っています。幅方向約10.5m、奥行き方向8.2mの環境です。
1階部分

2階部分

測定項目 | ダウンロード | アップロード | PING |
単位 | Mbps | Mbps | ms |
ルーター前 | 509.77 | 353.08 | 9 |
ポイント② | 454.78 | 259.3 | 7 |
ポイント③ | 515.36 | 386.56 | 12 |
ポイント④ | 475.68 | 336.68 | 9 |
ポイント⑤ | 400.08 | 254.68 | 8 |
ポイント⑥ | 261.35 | 145.04 | 9 |
通信スピードテストの評価
USB-C(PD)による充電テスト
USB-Cの充電テストを行いました。「〇」は通常通り充電、「△」は充電されるものの低速表示、「×」は充電できないことを示します。
W数 | 充電の可否 | 検証に用いた機種 |
---|---|---|
20W | 〇 | PowerPort Ⅲ Nano |
30W | 〇 | PowerPort Atom Ⅲ Slim 30W |
45W | 〇 | PowerPort Atom Ⅲ Slim 45W |
61W | 〇 | RP-PC133 |
100W | 〇 | AUKEY PA-B7 |
外観
今回レビューしたのは最上位モデルとなるAll Black Editionです。本体がブラックでさらにメッキまでブラックに仕上げられているこだわりの筐体となっています。

背面もブラックです。天板とは仕上げが異なっており、成形されたままのようです。

開いた様子です。上部ベゼルは比較的広めですが、左右は狭めです。発色は鮮やかで見やすい印象です。

最大開き角は約130°となっています。

上部ベゼルです。

下部ベゼルです。下部はPCを開いた時にリフトアップする部分と重なるため、正面から見るとほぼゼロになります。

キーボード全体です。12.5インチの小型筐体にフルサイズキーボードを載せています。そのためキーピッチの幅が広く、入力しやすくなっています。

ミツトヨのデジタルノギスでキーピッチを算出したところ、18.79mmとなりました。キーは剛性感の強い素材でしっかりと打ち込むことができます。静音タイプなので静かに入力することができます。

タッチパッド幅を計測したところ、80mmとなりました。12インチクラスらしく小型なタッチパッドです。クリック音がカチカチなるタイプなので気になる方はマウスを併用する方が良いかもしれません。

本体右側です。VGA、フルサイズの優先LAN、フルサイズHDMI、USB Type-C、USB Type-A、フルサイズSDスロットを搭載しています。

本体左側は電源ポート、排熱用のスリット、ケンジントンロック、USB Type-A×2、ヘッドフォンジャックを備えます。

本体背面はリフトヒンジを支えるためのゴム脚が付いています。

スピーカーは本体パームレスト裏側にあります。高音、中音は普通ですが低音はほぼ出ていないのでスピーカー性能はあまり期待してはいけません。

本体の重量を測定したところ、890gとなりました。

充電器込みの重量を測定したところ、1130gとなりました。充電器単体では240gとなります。

メリット・魅力
他にはない軽量性が魅力
VAIO SX12の魅力は何といっても軽量性で、ここまで軽いノートパソコンは日本で発売しているモデルを見てみてもあと何種類かしかありません。しかも、VAIOシリーズは昔から軽量性に拘っていることもあり、コンセプトが熟成されている点も魅力といえます。
フルサイズキーボードで打ちやすく剛性が高い
本モデルではフルサイズキーボードを搭載しており、普段使いのパソコンと比較して違和感が少なく打てる点が非常に魅力です。ピッチだけでなくストロークもしっかりしており、ブレなく打てるためキーボードを使う人が生産性を落とさずに作業できる点がメリットと言えるでしょう。
モバイル通信対応はメリットが大きい
VAIO SX12はモバイル通信に対応しているため、開いて少ししたらすぐにネット接続できます。外出先環境では、「PCを開いて、スマホをテザリング状態にする」という2ステップを踏む必要がありますがSX12ではそれをワンステップにできます。
インターフェイスの多さは魅力
コンパクトPCという括りを除いても、VAIO SX12のインターフェイスの多さは素晴らしく、日本で使う接続系はほぼ全て網羅しているといっても過言ではありません。ビジネスシーンで手間取ることなく使えるメリットがあります。
デメリット・欠点
PC本体が熱くなりやすい
ベンチマーク結果で掲載している通り、コンパクトボディということもあってかPCが熱くなりやすい欠点があります。特に左側のファン排熱部は温度が高くなりやすいので要注意です。
タッチパッドのクリック音が気になる
VAIOのモデル全てに言えることですが、タッチパッドのクリックは静音ではなくカチカチと音が鳴るタイプです。キーボードが静音モデルだけに非常に残念なポイントです。
おすすめなタイプ
外出先への持ち出しが多い人
VAIO SX12は軽量であること、さらにモバイル通信可能なことから外出先への持ち出しが多い人には最適です。しかもビジネスシーンで営業先で急遽プレゼンすることになっても、無理なく対応できるインターフェイスを備えている点も大きなポイントです。
電車で使うことが多い人
筆者自身がVAIO SX14ユーザーだったこともある上での経験ですが、電車で使うことがある人に軽量コンパクトかつモバイル通信PCは非常におすすめです。膝の上に乗せてパソコン作業を気軽にスタートできるため、電車移動のちょっとした時間を使ってメール返信等が可能です。
おすすめできないタイプ
排熱が気になる人
VAIO SX14はファンがアイドル時でもファンが回り続けることが多く、熱が篭りやすい印象のあるモデルです。温度測定の結果でも掲載しているように、排熱でファン周りがかなり熱くなる傾向があるので、温度を気にする人にはお勧めできません。
グラフィックス性能が気になる人
グラフィックスを重視する場合、VAIO SX12の中でもグラフィックスに「Iris Xeグラフィックス」を採用しているものを選ぶと良いでしょう。世代が違うため、プロセッサのパフォーマンスも変わりますが、グラフィックス性能は段違いでアップします。
色域カバー率が必要な人
VAIO SX12に限りませんが、色域カバー率を併せ持った軽量モデルは非常に少ないです。14インチまでサイズアップしてしまいますが、1kgの質量を切るDAIV 4Pを検討することをおすすめします。
カスタマイズ・モデルの選び方
VAIO SX12はバリエーションがかなり豊富でノーマルモデルから今回レビューしたAll Black Editionや勝色エディションなどがあります。見た目はさておきスペック面で見ると、Core i5+8GBモデルあたりが約17万円で買えるため、価格とパフォーマンスの性能が取れていると感じます(モバイル通信が標準装備な点も考慮が必要です)。また気を付けておいた方が良い点がストレージ。
標準ではPCIe NVMeになっていますが、256GBにアップする際、5500円差で第3世代のSSDを選ぶことができます。ストレージの読み書きは快適性に直結するので、この価格差なら出しておく方が良いでしょう。
実機レビューのまとめ

VAIO SX12は日本で発売されている12インチモデルの中で、最高レベルにスタイリッシュな筐体とビジネスシーンでも便利に使える装備、そしてどこにでも連れていける軽さを備えた端末です。
値段は張りますが、その分買って後悔することのないエッジの効いた端末と言えるでしょう。
安く買う方法・コツ
VAIO SX12に限らず、VAIO(バイオ)のパソコンを安く買う方法については以下の記事でまとめています。購入前に必ずご確認ください。
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