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レビュー・評価の概要
Intel 第12世代プロセッサを搭載した正統進化モデル。前モデルと比較して大幅なパフォーマンスアップが施されています。
充実したインターフェイスはそのままにタッチパネルやモバイル通信にも対応しつつ、豊富なカスタマイズ性を備えた隙のない一台です。
発売年度 | 2022年 |
プロセッサ | Core i7-1260P Core i5-1240P Core i3-1215U Celeron 7305 |
RAM | 8~32GB |
ストレージ | 128GB~2TB |
画面サイズ | 14インチ |
GPU | 内蔵グラフィックス |
USB-PD | 対応 |
モバイル通信 | 対応 |
重量 | 1135g |
Cinebench R20 | 3955pts |
※スペック情報は執筆時のものです。現在の情報は以下から公式サイトでご覧ください。
本記事ではメーカーより貸し出しを受けて、テストを行っています。
特徴
ここではVAIO SX14の一般的な特徴について解説しています。実際に筆者が使った感想、レビューについてはメリット・デメリットの項目をご覧ください。
intel 第12世代プロセッサを搭載
VAIO SX14はintel第12プロセッサを備えており、高いパフォーマンスを誇るモデルになっています。詳しくはベンチマーク結果で後述します。
軽量性は過去モデル同様魅力的
VAIO SX14と言えば、過去モデルから1kgを切る軽量性が非常に魅力的なモデル。持ち運びがが多い人は是非検討してほしい一台です。
豊富なインターフェイス
本モデルではウルトラブックでありながら、豊富なインターフェイスを持つことが特徴。特にフルサイズHDMIを搭載するため、外出先でプレゼンが多い人などはすぐに対応できる点が魅力と言えるでしょう。
モバイル通信にも対応
オプションでモバイル通信に対応することができます。さっと取り出した瞬間からテザリングなしでそのままモバイル通信でネットが使えるようになります。
タッチパネル搭載でスタイラスペンに対応
過去モデルは普通のディスプレイでしたが、タッチパネルと専用のスタイラスペンを付属するようになっています。クラムシェル構造のため、積極的には使わないかもしれませんが、書類修正指示を行ったりする人は便利でしょう。
Wi-Fi6Eに対応
VAIO SX14では最新の規格の中でも珍しいWi-Fi6Eに対応しています。
価格とコストパフォーマンス
昨今の一般的な構成から考えるとCore i5-1240Pと16GBのメモリ、256GB第四世代SSDでカスタマイズすると約238,000円となります。もしワイヤレスWANを搭載すれば、さらに+25,000円がかかります。スペックだけでのコストを考えれば、相対的に高めです。
VAIOというブランド性であることやフラッグシップであることを前提に考えておきましょう。
スペック
今回レビューしたVAIO SX14のスペックは以下の通りです。
マシンスペック(技術仕様)
発売年 | 2022年 | |
サイズ | 222.9×320.4×13.3〜17.9mm | |
重量 | 本体 | 1135g |
アダプタ | 160g | |
CPU | Core i7-1260P | |
GPU | Intel Xe Graphics | |
メモリ(RAM) | 16GB | |
ストレージ | 1st | 256GB |
2nd | – | |
ディスプレイ | サイズ | 14インチ |
解像度 | 1920×1080 | |
アスペクト比 | 16:9 | |
形式 | 液晶 | |
リフレッシュレート | 60Hz |
フロントカメラ | 画素数 | 207万画素 |
物理シャッター | 無し | |
リヤカメラ | 画素数 | 無し |
Wi-Fi | a/b/g/n/ac/ax | |
bluetooth | v5.1 | |
モバイル通信 | 非対応 | |
光学ドライブ | 非搭載 | |
バッテリー | サイズ | 公式記載なし |
公称値 | 15.0~19.5時間 |
レビュー機種以外にも詳細のカスタマイズが可能です。細かなスペック内容についてはテーブル下の公式サイトのリンクからご覧ください。
ベンチマーク結果一覧
CINEBENCH
CINEBENCH(シネベンチ)のベンチマーク結果は以下の通りです。R20は1回の測定、R23は10分間の連続測定結果を掲載しています。
バージョン | 測定モード | 測定値[pts] |
---|---|---|
Cinebench R20 | マルチ | 3955 |
シングル | 573 | |
Cinebench R23 | マルチ | 7381 |
シングル | 1635 |
Crystal Disk Mark
Crystal Disk Mark(クリスタルディスクマーク)の測定結果は以下の通りです。
Read[MB/s] | Write[MB/s] | |
---|---|---|
SEQ1M Q8T1 | 6424.37 | 2686.46 |
SEQ1M Q1T1 | 3859.58 | 2672.77 |
RND4K Q32T16 | 2265.28 | 2614.14 |
RND4K Q1T1 | 92.97 | 236.20 |
ゲームベンチマーク
FF15
ファイナルファンタジー15のベンチマーク結果は以下の通りです。全てフルHD品質でテストを行っています。
モード | スコア | 評価 |
---|---|---|
最高品質 | – | – |
高品質 | – | – |
軽量品質 | 2642 | やや重い |
モニター評価(色域)
モニターの色域カバー率は以下の通りです。測定はi1 Display Proを用いてデータ測定後、Color ACにてIICプロファイルからカバー率などのデータを作成しています。
測定項目 | カバー率[%] | カバー比[%] |
---|---|---|
sRGB | 96.7 | 98.6 |
Adobe RGB | 71.9 | 73.1 |
通信環境(Wi-Fi)のテスト
測定環境
Wi-Fiの通信環境テストを行いました。テスト環境は光1Gbps(IPv6対応)でWi-FiにはArcher 10 Proを用いました。
テスト環境は以下の通りで戸建て環境の1階、及び2階で測定を行っています。幅方向約10.5m、奥行き方向8.2mの環境です。
1階部分

2階部分

測定項目 | ダウンロード | アップロード | PING |
単位 | Mbps | Mbps | ms |
ルーター前 | 671.57 | 68.99 | 13 |
ポイント② | 678.43 | 28.11 | 14 |
ポイント③ | 669.69 | 129.3 | 15 |
ポイント④ | 605.34 | 144.03 | 14 |
ポイント⑤ | 498.31 | 79.15 | 12 |
ポイント⑥ | 220.36 | 72.58 | 13 |
通信スピードテストの評価
Wi-Fiテストを行なった結果、ダウンロードは問題ありませんでしたが、アップロードが全体的にかなり低い結果となりました。
USB-C(PD)による充電テスト
USB-Cの充電テストを行いました。「〇」は通常通り充電、「△」は充電されるものの低速表示、「×」は充電できないことを示します。
W数 | 充電の可否 | 検証に用いた機種 |
---|---|---|
20W | 〇 | PowerPort Ⅲ Nano |
30W | 〇 | PowerPort Atom Ⅲ Slim 30W |
45W | 〇 | PowerPort Atom Ⅲ Slim 45W |
61W | 〇 | RP-PC133 |
100W | 〇 | AUKEY PA-B7 |
外観
今回はファインブラックのモデルをレビューしています。VAIOのロゴも含め、黒に統一されており非常にカッコ良い外観となっています。

背面です。排熱用のスリットは設けられておらず、左右に設置されています。スピーカーは背面にあり、音質はノートパソコンとしては並み程度です。少し人の声にギザギザ感があるので、必要に応じてスピーカーを使う方が良いかもしれません。

開いた様子です。昨今のPCとしては上側ベゼルが大きめの設計になっています。横はかなり細めの設計です。

最大開き角は180°となっています。

上部ベゼルです。

下部ベゼルです。

キーボード全体です。全てのキーが独立しています。また癖がなく、打ちやすい印象を受けました。今回レビューしたのは日本語キーのモデルですが、オプションで英字キーのモデルも存在します。

ミツトヨのデジタルノギスでキーピッチを算出したところ、18.1mmとなりました。また、SHINWAのデップスゲージでキーストロークを測定したところ、1.5mmとなっています。キーストロークは深めで、キーボード自体の剛性が高めで打ちやすい印象を受けました。

タッチパッド幅を計測したところ、110mmとなりました。タッチパッドは110mmと14インチモデルとしては広めになっています。昔のモデルでは、14インチでもタッチパッドが小さかったので、買い替え時には広さに驚くでしょう。

本体右側にはUSB Type-C、フルサイズHDMI、USB. Type-C、USB Type-Aポートがあります。

本体左側にはセキュリティロック、USB Type-Aポートが付属します。

本体の重量を測定したところ、1135gとなりました。

充電器込みの重量を測定したところ、1295gとなりました。充電器単体では160gとなります。

以下はファインレッドのVAIOストア限定カラーです。天板にはVAIOロゴが配置されています。

背面カラーは黒になっています。

パームレスト側も天板と同じく赤色になっています。こちらはヘアライン加工された金属が用いられているため、より高級感があります。

パームレスト左側にはVAIOのロゴが刻印されています。

側面は銀メッキ加工されています。

ディスプレイを広げ、後ろから見た様子です。目を引くカラーリングで、高級感も兼ね備えている点がこのファインレッドの魅力と言えるでしょう。

付属品としてレザーカバーがついてきます。赤ステッチやVAIOのロゴマークがかっこいいアイテムです。

内部は柔らかい素材となっており、本体が傷つかないようになっています。

レザーケースにパソコンを収納した様子です。ぴったりサイズです。

メリット・魅力
持ち運びはやはり魅力
やはりなんと言っても、持ち運びはひじょうに魅力的です。本来トレードオフになる軽さとサイズを両立しているため、外出先でもパフォーマンスを落とさずに作業することができます。
プロセッサのパフォーマンスアップで静かに
今回intel第12世代プロセッサを搭載したことで、今までVAIOが苦手としてきた高負荷時の熱問題が緩和されていると感じました。性能があがったことで、高負荷になる閾値が下がり通常利用では少しのファン回転程度で使えるシーンが多くなったと感じます。
キーボード回りの剛性感が高い
あくまで感覚的な話ですが、キーボード回りは世代を重ねるごとに熟成していると感じます。しっかりとした打鍵感を持つキーボードに仕上がっていることで、作業性を落とさずに業務することができます。
デメリット・欠点
対性能面のコスパは低め
過去モデル同様にVAIO SX14はフラッグシップということもあり、対性能で見た場合のライバル製品とのコストパフォーマンスは下がる傾向にあります。
高負荷時の廃熱が気になる
intel 第12世代プロセッサを採用していることで排熱はマシになっていますが、それでも高い負荷をかけた場合の熱は大きいです。背面ではなく、横から排出されるため、熱を感じやすい点もデメリットと言えるでしょう。
選択するディスプレイでバッテリー持続時間が大きく変わる
VAIO SX14はディスプレイに複数の選択肢があり、フルHD、4K、タッチパネル搭載型のフルHDがあります。解像度が低く、非タッチディスプレイの場合は公称値で最大27時間ですが、4Kでは14.8時間まで減少します。
USB PDに対応しているため外での充電時に困りにくい利点はあるものの、そもそもバッテリー持続時間が長い方がメリットが大きいため、購入時にはよく検討しましょう。
おすすめなタイプ
持ち運びが多い人
普段から持ち運びが多い人にはぴったりな一台と言えるでしょう。軽量性とモバイル通信ができることは大きな強みになります。
キーボード入力が多い人
本体のキーボードの剛性が高くしっかりとしているため、打鍵感がよく、生産性を落とさずに使うことができます。
プレゼンが多い人
外部インターフェイスが充実しているため、ハブを用いることなくさまざまな機器に接続でき、外出先でプレゼンを求められるシーンでも使いやすいモデルになっています。
おすすめできないタイプ
コスパを気にする人
VAIO SX14はフラッグシップということもあり、対性能で見た時のコストパフォーマンスは低めになっています。
フラッグシップならではの質感の高さはもちろん持ち合わせているので、そのあたりを天秤にかける必要があると言えるでしょう。
カスタマイズ・モデルの選び方
VAIO SX14のカスタマイズ性は非常に高く、プロセッサ、メモリなどを幅広い範囲から選ぶことができます。筆者のおすすめはCore i5以上でメモリ16GBのモデル。これだけあれば、十分使えるでしょう。
第四世代のSSDも魅力的ではあるものの、SSDはもともと速いので値段に対する変化を感じにくいポイントとなり、好みの部分となるでしょう。外出先でモバイル通信をスマホのテザリングなしで使いたい人にはWWANのオプションを忘れないようにしてください。
さらに、ディスプレイの選択肢でバッテリー持続時間が大きく変わります。もし外出先で長時間使うなら、フルHDを優先的に検討しておく方が良いでしょう。
実機レビューのまとめ

VAIO SX14は前モデルから正統進化しました。新しく購入する人はもちろん、過去からのSX14ユーザーもこれまでと変わらない感覚で新モデルを購入できるでしょう。
安く買う方法・コツ
VAIO SX14に限らず、VAIO(バイオ)のパソコンを安く買う方法については以下の記事でまとめています。購入前に必ずご確認ください。
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