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本記事ではメーカーより貸し出しを受けて、テストを行っています。
レビュー・評価の概要
HPが発売しているノートパソコンの中で最もハイエンドに位置するSpectreシリーズの14インチモデルです。
同メーカーはデザインに優れたPCを数多く出していますが、中でも突出した美しさを持っています。また見た目だけでなく、3:2アスペクト比、有機ELディスプレイ、Optaneメモリ、プライバシースクリーンなど機能面でも抜かりのない仕上がりでまさにフラッグシップに相応しいノートパソコンです。
発売年度 | 2022年 |
プロセッサ | Core i5-1135G7 Core i7-1165G7 |
RAM | 8~16GB |
ストレージ | 256GB~1TB |
画面サイズ | 14インチ |
GPU | Intel Xe Graphics |
USB-PD | 対応 |
モバイル通信 | 非対応 |
重量 | 1285g |
Cinebench R20 | 1353pts |
※スペック情報は執筆時のものです。現在の情報は以下から公式サイトでご覧ください。
現在の価格は以下の公式サイトで必ずご確認ください。なお個人であっても法人モデルを買える点は覚えておきましょう。
特徴
ここではSpectre x360 14-ea0000の一般的な特徴について解説しています。実際に筆者が使った感想、レビューについてはメリット・デメリットの項目をご覧ください。
高級モデルに相応しい外観
HPのSpectreシリーズは過去モデルより高い質感を誇るハイエンドノートパソコンであり、本モデルもそのデザインが継承されています。天板、キーボード、タッチパッドなどの質感に加えて、高級モデル側面エッジがダイヤモンドカットされた上でゴールドに装飾されており、より高級感を演出しています。
3:2の縦長ディスプレイ
これまで発売されてきたSpectreシリーズは16:9のディスプレイが基本でしたが、本モデルでは3:2の縦長ディスプレイが採用されており、書類作成やネットサーフィンにマッチする構成となりました。
有機ELで高精細な画面(キャリブレーション済)
Spectre x360 14-ea0000は有機ELディスプレイを採用し、さらにキャリブレーション済みとなっているためカラーを扱う人にとって有利。dGPU非搭載のためハードなクリエイティブ作成は難しいものの、カラーチェックを外でするような人にはマッチするでしょう。
2in1でスタイラスペンが付属
2in1モデルのためタブレットでの利用も可能となっており、本体購入時にスタイラスペンが付属します。本体横に取り付けることもできるため持ち運びにも便利です。
価格とコストパフォーマンス
Spectre x360 14-ea0000はどこにフォーカスするかによって、コストパフォーマンスの考え方が大きく変わります。
絶対的なスペック、軽量性から考えると他にも優秀なパソコンがたくさんあるため、コストパフォーマンスが悪くなりますが、本体の質感、キーボード・タッチパッドの操作性、キャリブレーションされたディスプレイ、3:2のアスペクト比などを考慮すると10万円後半で買えるのはかなり割安です。
また本体性能の他にスタイラスペンが付くだけでも、本来別で買えば1万円前後するはず。こういった観点で考えれば、価格に対して価値の高いパソコンと言えるでしょう。
現在の価格は以下の公式サイトで必ずご確認ください。なお個人であっても法人モデルを買える点は覚えておきましょう。
スペック
今回レビューしたSpectre x360 14-ea0000のスペックは以下の通りです。
マシンスペック(技術仕様)
発売年 | 2022年 | |
サイズ | 220×298×17mm | |
重量 | 本体 | 1285g |
アダプタ | 310g | |
CPU | Core i7-1165G7 | |
GPU | Intel Xe Graphics | |
メモリ(RAM) | 16GB | |
ストレージ | 1st | 1TB |
2nd | – | |
ディスプレイ | サイズ | 13.5インチ |
解像度 | 3000×2000 | |
アスペクト比 | 3:2 | |
形式 | OLED | |
リフレッシュレート | 60Hz |
フロントカメラ | 画素数 | 92万画素 |
物理シャッター | 無し | |
リヤカメラ | 画素数 | 無し |
Wi-Fi | a/b/g/n/ac/ax | |
bluetooth | v5.0 | |
モバイル通信 | 非対応 | |
光学ドライブ | 非搭載 | |
バッテリー | サイズ | 4セル |
公称値 | 10.5時間 |
レビュー機種以外にも詳細のカスタマイズが可能です。細かなスペック内容についてはテーブル下の公式サイトのリンクからご覧ください。
ベンチマーク結果一覧
CINEBENCH
CINEBENCH(シネベンチ)のベンチマーク結果は以下の通りです。R20は1回の測定、R23は10分間の連続測定結果を掲載しています。
バージョン | 測定モード | 測定値[pts] |
---|---|---|
Cinebench R20 | マルチ | 1353 |
シングル | 436 | |
Cinebench R23 | マルチ | 3183 |
シングル | 1280 |
Crystal Disk Mark
Crystal Disk Mark(クリスタルディスクマーク)の測定結果は以下の通りです。
Read[MB/s] | Write[MB/s] | |
---|---|---|
SEQ1M Q8T1 | 2269.68 | 1675.03 |
SEQ1M Q1T1 | 1462.77 | 1196.62 |
RND4K Q32T16 | 341.40 | 354.81 |
RND4K Q1T1 | 92.33 | 66.80 |
ゲームベンチマーク
FF15
ファイナルファンタジー15のベンチマーク結果は以下の通りです。全てフルHD品質でテストを行っています。
モード | スコア | 評価 |
---|---|---|
最高品質 | – | – |
高品質 | – | – |
軽量品質 | 1668 | 動作困難 |
PC温度測定
平常時とCinebenchR23(multi)で10分負荷をかけた後にFLIR One Proのサーマルカメラを用いて温度測定を行いました。かなりびっくりしたのですが、温度変化が少なく、負荷がかかった状態でもあまり熱くなりませんでした。
Cinebench R20の結果の通りスコアが低い分、熱的影響が抑えられているのかもしれません。
通常時

CinebenchR23(10分測定後)

モニター評価(色域)
モニターの色域カバー率は以下の通りです。測定はi1 Display Proを用いてデータ測定後、Color ACにてIICプロファイルからカバー率などのデータを作成しています。
測定項目 | カバー率[%] |
---|---|
sRGB | 100 |
Adobe RGB | 94.9 |
通信環境(Wi-Fi)のテスト
測定環境
Wi-Fiの通信環境テストを行いました。テスト環境は光1Gbps(IPv6対応)でWi-FiにはArcher 10 Proを用いました。
テスト環境は以下の通りで戸建て環境の1階、及び2階で測定を行っています。幅方向約10.5m、奥行き方向8.2mの環境です。
1階部分

2階部分

測定項目 | ダウンロード | アップロード | PING |
単位 | Mbps | Mbps | ms |
ルーター前 | 620.92 | 540.06 | 6 |
ポイント② | 543.15 | 355.89 | 6 |
ポイント③ | 587.38 | 553.75 | 6 |
ポイント④ | 587.16 | 570.76 | 7 |
ポイント⑤ | 504.57 | 329.66 | 8 |
ポイント⑥ | 127.92 | 134.53 | 7 |
通信スピードテストの評価
全エリアで安定した数値が得られており、快適にインターネットが使えます。他のノートパソコンだとポイント⑥で100Mbpsを切ることもありますが、このPCではなく、しっかりと電波をつかんでいるようです。
USB-C(PD)による充電テスト
USB-Cの充電テストを行いました。「〇」は通常通り充電、「△」は充電されるものの低速表示、「×」は充電できないことを示します。
W数 | 充電の可否 | 検証に用いた機種 |
---|---|---|
20W | × | PowerPort Ⅲ Nano |
30W | 〇 | PowerPort Atom Ⅲ Slim 30W |
45W | 〇 | PowerPort Atom Ⅲ Slim 45W |
61W | 〇 | RP-PC133 |
100W | 〇 | AUKEY PA-B7 |
外観
今回レビューしたのはポセイドンブルーのモデルです。センターにはハイエンドモデルのみに適用されるHPのロゴが光ります。

背面も天板同様にポセイドンブルーのカラーとなっています。背面の通気口とスピーカーがあります。スピーカーのパンチングホール自体もこだわりを感じる造形となっています。

開いた様子です。写真からもわかるように有機ELディスプレイで非常に美しく、深い色合いになっています。3:2のアスペクト比のため縦長で情報量を多く取れる点がポイントです。

2in1コンバーチブルモデルのため、テントモードが可能です。動画視聴に向きます。

上部ベゼルです。ベゼルが非常に薄く、高級感があります。

下部ベゼルです。

キーボード全体です。静かでしっとりとした打ち心地となっています。クセが無く打ちやすい点も魅力。右下、矢印キーの横に指紋認証を備えます。また、上部にはスピーカーがあります。

ミツトヨのデジタルノギスでキーピッチを算出したところ、19.62mmとなりました。

タッチパッド幅を計測したところ、116mmとなりました。サラサラとした触感、さらに静音クリックとなっており人が多いところでも快適に使えます。

本体の重量を測定したところ、1285gとなりました。

充電器込みの重量を測定したところ、1595gとなりました。充電器単体では310gとなります。

付属のスタイラスペンの太さは9.35mmです。

替え芯が二本付属します。

スタイラスペンは本体横にマグネットでくっつけることが出来ますが、あまり磁力は強くありません。

メリット・魅力
所有欲が満たされる一台
Spectre x360 14-ea0000は同メーカーの中でも、マスターピースに位置付けられるノートパソコンでとにかく優れたデザイン。他のノートパソコンとは別物で所有欲が満たされます。
プライバシーモードでビジネスシーンにも
HPのお家芸であるプライバシーモードは非常に優秀で、横からの覗き込みをほぼ確実に防ぐことができます。ビジネスマンの場合、NDAなど機密書類を扱う人は新幹線などで覗き見防止用のフィルムを貼る人を見ますが、一度プライバシーモードの便利さを知るとフィルムの付け外しには戻れないでしょう。
Optaneメモリー搭載でより高速化可能
NVMe M.2 SSDを搭載しているので読み書きは十分高速ですが、Optaneメモリーを搭載しているため一般的な構成よりもさらに速く読み出しが可能になり、快適に作業することができます。
色域が広くクリエイティブにも
Spectre x360 14-ea0000はカラーテストの結果、色域が広くカラーに関する商材を取り扱う人も使えるノートパソコンです。色域が広いだけでなく、出荷時にカラーキャリブレーションされている点も評価できます。
機能の割に価格が安い
ここまで書いた通り、デザイン性だけでなくそれ以外のオプション的な要素も含めて考えると、10万円後半ならコストパフォーマンスが高く感じます。しかも、PC本体だけでなくスタイラスペンやスリーブケースも付いてくるので、別途お金がかからない点もメリットです。
デメリット・欠点
2in1のため同クラスと比較すると重め
2in1ノートパソコンという特性上しょうがない部分ではありますが、同じ価格帯のノートパソコンと比較すると重めになります(14インチクラスは軽量化の競争が特に激しい)。十分コンパクトで小型ではあるものの、質量を最優先に考えるとデメリットになります。
モバイル通信には非対応
残念ながら、モバイル通信には非対応となっています。
おすすめなタイプ
タッチパッドメインで使う人
Spectre x360 14-ea0000はタッチパッドの性能が非常に良く、サラサラとした質感で生産性を上げることができます。外出先での仕事でタッチパッドを使うことが多い場合、便利でしょう。
外出先でビジネス書類を開く人
機密書類を取り扱うことの多いユーザーの場合、プライバシースクリーンは強い味方。これだけでもSpectre x360 ea-0000を買う価値があると言えるほどです。
クリエイティブな商材を扱う人
イラスト、デザイン、動画などクリエイティブな商品を扱う人にとって、色域の広いノートパソコンは強い味方になります。Iris Xe グラフィックスを搭載していることで、そこそこのグラフィックスソフトを動かせる点も評価できます。
おすすめできないタイプ
性能重視の人
10万円後半のノートパソコンでは、dGPU搭載モデルの中でもより高性能なモデルが選べるような価格帯になります。性能をとにかく重視するならおすすめはできません。
動画編集する人
上の条件と似ていますが、本機はIris Xe グラフィックスのみなので、動画編集など重めのクリエイティブ作業には向きません。
似た価格帯なら、DAIV 4Nが14インチでdGPUを搭載しており、コストパフォーマンス的におすすめです。
カスタマイズ・モデルの選び方
Spectre x360 ea-0000にはいくつかのモデルがありますが、有機EL搭載モデルならCore i7を搭載したモデルがおすすめです。ディスプレイの処理にプロセッサの性能が持っていかれるため、Core i7の方が余裕を作れるからです。
また、読み込みを高速化できるOpataneメモリは上位モデルのみの搭載となるので快適性を求めるなら、ぜひ選んでおいて欲しいポイントです。
もう一点注意しておくべきはディスプレイです。グレードによって有機ELと液晶の2タイプが用意されていますが、有機ELを選ぶと色域カバー率が高くなる代わりにバッテリー持続時間が約4.5時間落ちます。外で長時間使う前提なら、液晶タイプをおすすめします。
実機レビューのまとめ

Spectre x360 14-ea0000はデザイン性と機能を両立した素晴らしいノートパソコンです。
ハイエンドだけありコストもかかりますが、それに見合った価値のある素晴らしいノートパソコンとなっています。
現在の価格は以下の公式サイトで必ずご確認ください。なお個人であっても法人モデルを買える点は覚えておきましょう。
安く買う方法・コツ
Spectre x360 14-ea0000に限らず、HP(ヒューレットパッカード)のパソコンを安く買う方法については以下の記事でまとめています。購入前に必ずご確認ください。
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