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レビュー・評価の概要
Let’s Note SV8は第8世代のintel Coreプロセッサを搭載したSVシリーズの正統進化モデルです(SV7でも第8世代が用いられていますが、バージョンが上がっています)。また最低容量のSSDが増加している他、HDDモデルが廃止されています。
過去モデル同様に、光学ドライブの選択であったり、LTE対応を選んでカスタマイズすることが可能となっています。
ベンチマーク結果から、Core i5モデルでも2021年でも十分使えるので、コストを下げるために型落ちを狙って購入しても良いパソコンと言えます。
発売年度 | 2019年 |
プロセッサ | Core i7-8565U Core i5-8265U |
RAM | 8~16GB |
ストレージ | 256~512GB |
画面サイズ | 12.1インチ |
GPU | Intel UHD Graphics 620 |
USB-PD | 対応 |
モバイル通信 | 対応モデルあり |
重量 | 930g |
Cinebench R20 | 1332pts |
※スペック情報は執筆時のものです。現在の情報は以下から公式サイトでご覧ください。
本記事ではメーカーより貸し出しを受けて、テストを行っています。
特徴
ここではLet’s Note SV8(SVシリーズ)の一般的な特徴について解説しています。実際に筆者が使った感想、レビューについてはメリット・デメリットの項目をご覧ください。
軽量で持ち運びしやすい本体
Let’s Note SVシリーズは軽量で持ち運びしやすい本体が特徴で、12インチサイズながら本体は1kgを切る設計になっています。
インチサイズが他のPCよりも小さめなこともあり、カバンの中で収まりがよくなります。また、USB-PDにも対応しているため、持ち運び時の手荷物を減らせるメリットもあります。
長時間駆動
レッツノートシリーズ全般に言えることですが、ビジネスパーソンを想定しているためか長時間駆動で使える端末が多くなっています。筆者自身も過去外に出る機会が多い時はレッツノートを愛用していましたが、外出先でもあまり困ったことはありません。
LTE通信にも対応
Panasonicは過去モデルから積極的にLTEに対応したパソコンを販売しており、SVシリーズはその代名詞的なモデルです。Let`s Noteバッテリーが取り外せる機構があることを活かし、内部にSIMカードをさせる設計となっており、脱落の心配がないようになっています。
光学ドライブも選択可能
今回レビューしている端末とは異なりますが、SVシリーズは12.1インチの小型ながら光学ドライブを選択することが可能となっています。
価格とコストパフォーマンス
Let’s Noteシリーズでは、SVシリーズは2021年7月20日現在、SV1が発売されています。価格は259,600円からとなっており、プロセッサの性能から考えるとバランスが取れませんが、Let’s Noteの場合は国産であること、ブランド性、耐久性など別軸が評価されているのである意味妥当な価格です。
もっと安く手に入れたいのであれば、型落ちを検討してください。今回レビューしているモデルも中古でクアリット(一部上場の横河電機のグループ企業)で12万円台で購入しました。Let’s Noteは流通量が多く、元の値段が高い分中古で値下がりしやすいのでこだわりがなければ中古も検討に入れると良いでしょう。
スペック
今回レビューしたLet’s Note SV8(SVシリーズ)のスペックは以下の通りです。
マシンスペック(技術仕様)
発売年 | 2019年 | |
サイズ | 203.8×283.5×24.5mm | |
重量 | 本体 | 930g |
アダプタ | 305g | |
CPU | Core i5-8265U | |
GPU | Intel UHD Graphics 620 | |
メモリ(RAM) | 8GB | |
ストレージ | 1st | 256GB |
2nd | – | |
ディスプレイ | サイズ | 12.1インチ |
解像度 | 1920×1200 | |
アスペクト比 | 16:10 | |
形式 | 液晶 | |
リフレッシュレート | 60Hz |
フロントカメラ | 画素数 | 207万画素 |
物理シャッター | 無し | |
リヤカメラ | 画素数 | 無し |
Wi-Fi | a/b/g/n/ac | |
bluetooth | v5.0 | |
モバイル通信 | 非対応 | |
光学ドライブ | 非搭載 | |
バッテリー | サイズ | 記載なし |
公称値 | 13時間(S)・20時間(L)時間 |
レビュー機種以外にも詳細のカスタマイズが可能です。細かなスペック内容についてはテーブル下の公式サイトのリンクからご覧ください。
ベンチマーク結果一覧
CINEBENCH
CINEBENCH(シネベンチ)のベンチマーク結果は以下の通りです。R20は1回の測定、R23は10分間の連続測定結果を掲載しています。
バージョン | 測定モード | 測定値[pts] |
---|---|---|
Cinebench R20 | マルチ | 1332 |
シングル | 403 | |
Cinebench R23 | マルチ | 3587 |
シングル | 1087 |
Crystal Disk Mark
Crystal Disk Mark(クリスタルディスクマーク)の測定結果は以下の通りです。
Read[MB/s] | Write[MB/s] | |
---|---|---|
SEQ1M Q8T1 | 537.99 | 523.89 |
SEQ1M Q1T1 | 491.02 | 477.15 |
RND4K Q32T16 | 397.46 | 340.64 |
RND4K Q1T1 | 30.99 | 78.61 |
ゲームベンチマーク
FF15
ファイナルファンタジー15のベンチマーク結果は以下の通りです。全てフルHD品質でテストを行っています。
モード | スコア | 評価 |
---|---|---|
最高品質 | – | – |
高品質 | – | – |
軽量品質 | 815 | 動作困難 |
モニター評価(色域)
モニターの色域カバー率は以下の通りです。測定はi1 Display Proを用いてデータ測定後、Color ACにてIICプロファイルからカバー率などのデータを作成しています。
測定項目 | カバー率[%] |
---|---|
sRGB | 51.1 |
Adobe RGB | 68.7 |
通信環境(Wi-Fi)のテスト
測定環境
Wi-Fiの通信環境テストを行いました。テスト環境は光1Gbps(IPv6対応)でWi-FiにはArcher 10 Proを用いました。
テスト環境は以下の通りで戸建て環境の1階、及び2階で測定を行っています。幅方向約10.5m、奥行き方向8.2mの環境です。
1階部分

2階部分

測定項目 | ダウンロード | アップロード | PING |
単位 | Mbps | Mbps | ms |
ルーター前 | 467.68 | 558.44 | 10 |
ポイント② | 439.82 | 466.36 | 18 |
ポイント③ | 543.63 | 551.55 | 23 |
ポイント④ | 402.52 | 457.64 | 30 |
ポイント⑤ | 296.87 | 392.9 | 25 |
ポイント⑥ | 150.43 | 161.54 | 18 |
通信スピードテストの評価
通信速度はほとんどのエリアで100Mbpsを超えるパフォーマンスが出ています。最長距離では少し低下する傾向があるので、長い距離での利用は苦手かもしれません。
USB-C(PD)による充電テスト
USB-Cの充電テストを行いました。「〇」は通常通り充電、「△」は充電されるものの低速表示、「×」は充電できないことを示します。
W数 | 充電の可否 | 検証に用いた機種 |
---|---|---|
20W | × | PowerPort Ⅲ Nano |
30W | △ | PowerPort Atom Ⅲ Slim 30W |
45W | △ | PowerPort Atom Ⅲ Slim 45W |
61W | △ | RP-PC133 |
100W | 〇 | AUKEY PA-B7 |
外観
天板はPanasonicの一般的なグレードと同じくシンプルなデザインで、ロゴがプリントされています。

背面も天板と同色のシンプルなデザインになっています。

開いた様子です。Let’s Note SV8は輝度が高めなのでくっきりとしたディスプレイとなっています。また、ディスプレイを傷つけないための仕組みとしてゴム足が四方にあるため主張が強いデザインとなっています。カメラはIRも搭載しており、Windows Helloに対応します。
またフロントインターフェイスとして、電源ボタン、ヘッドフォンジャック、フルサイズSDカードを備えます。

最大開き角は180°です。

上部ベゼルです。上側は17mm、左右は10mmとなっています。

下側ベゼルです。ヒンジ部分までで12mmとなっています。

キーボードは過去モデルを踏襲したデザインです。メンブレン式ですが、打ちやすいタイピング性能となっています。過去モデルから乗り換えても違和感はないでしょう。上部ヒンジ付近にスピーカーを備えます。音質は低く、スピーカー再生は期待しない方が良いでしょう。

ミツトヨのデジタルノギスでキーピッチを算出したところ、18.32mmとなりました。また、SHINWAのデップスゲージでキーストロークを測定したところ、1.9mmとなっています。12インチのコンパクトノートですが、キーストロークが深く打ちやすい上にキーピッチが比較的広い設計になっています。

タッチパッド幅を計測したところ、43mmとなりました。タッチパッドの幅は狭いですが、サラサラで使いやすい印象です。ただし、他モデルのような2本指でのスクロールはできず、レッツノート独自のホイールスクロールになるので、他メーカーから乗り換えする場合は注意して下さい。

本体右側にはケンジントンロック、有線イーサネットコネクタ、VGA、USB-A×2を搭載しています。

本体左側には電源アダプタ、フルサイズHDMI、USB-A、USB-C(Thunderbolt3)を搭載しています。

バッテリーは取り外しが可能になっています。持続時間に応じてSサイズ、およびLサイズがあります。

SIMカードはバッテリー裏から差し込む形でスライドインタイプです。

本体重量を測定したところ、実測で930gとなりました。

付属の充電器込みで1235gとなっています。

メリット・魅力
流石のレッツノート
長年培われてきたブランドだけあり、機能性の面から所有欲が満たされるパソコンです。本体デザインもビジネス然としており、主張が強くないながらも一目でLet’s Noteと分かります。
軽くて持ち運びしやすいデザイン
今回レビューしたLet’s Note SV8は本体重量が930gしかありません。2021年時点においては1kg切りのノートパソコンも数多くありますが、堅牢性を維持しつつ、900g前半に収めているのは魅力。質量が軽くて、頑丈なので気軽に持ち出すことができます。
LTE対応で外出環境でも使いやすい
Let’s Note SVシリーズは過去からLTEに対応したモデルを発売しており、SV8も対応しています。Panasonicのモデルは2016年以前と2017年以降のモデルで仕様が変わっており、2017年以降ではダウンロード最大300MbpsでSIMロックのない仕様になっています。
そのため、幅広いバンドで使うことが可能です。なお、LTEの対応バンドは「1,3,8,18,19,21,28,41」となっています。
Core i5でも十分なパワー
ベンチマークの結果から、第8世代のCore i5プロセッサを搭載しながらCinebench R20の計測値で1300ptsを超える結果が得られています。書類作成やメールなどにおいては十分なパフォーマンスとなっています。
リース品は余計なソフトウェアが少ない
今回レビューしたクアリットの中古品はいわゆる「リース落ち品」です。そのため、業務用の位置づけとなっており余計なソフトウェアがほとんど入っていません。ソフトウェアが無ければ、より軽く動かすことができるので型落ちでもいい人はチェックしておくと良いでしょう。
デメリット・欠点
USB-PD対応だがフルで使えるのは100W
検証の結果から、USB-PDとしてフルで使える(低速表示が出ない)のは100Wのみとなりました。コンパクトさがウリのUSB-PDだけに残念なポイント。ただし、61Wでも充電できないことはないので、そちらを使っても良いでしょう。ただし、100WでもGaN対応のものを使えばかなりコンパクトにはできます。
主張の強い全面デザイン
ディスプレイを保護することを目的にフロントには数多くのゴム脚が付いています。またIRカメラの黒の存在感が強く、主張の強い前面デザインとなっています。
スピーカー音質が低い
本モデルはスピーカー音質が低く、音楽を聴くのには向きません。ヘッドフォンジャックを利用するなどしてスピーカーを利用せずに使うことをおすすめします。
おすすめなタイプ
外出が多いビジネスパーソン
Let’s Noteはその堅牢性から、外出が多いビジネスパーソンに人気です。そのため、会社としての支給パソコンも数が多くなっています。軽量で持ち運びしやすく、LTE接続モデルも選択できるため、ノマドワークの強い味方になります。
大学生
本PCは高価ですが、4年間使うことになる大学生にも良いでしょう。堅牢性の面で見ても、学校へもっていく際の手軽さから見ても魅力的なノートパソコンです。また、Microsoft Officeソフトウェアが付属するため、年間更新料の面で見て費用負担が少ない点も魅力です。
おすすめできないタイプ
スピーカー音質を求める人
今回評価したLet’s Note SV8のスピーカー音質は低く、音楽を聴くには耐えかねます。スピーカー音質を求めるのであれば、MacBookもしくはSurfaceシリーズがおすすめです。
デザイン性を重視する人
堅牢性を持たせることや過去からの伝統的なデザインを踏襲していることもあり、少々野暮ったいデザインです。デザイン性を重視するなら、Surface、もしくはXPS、ENVYシリーズなどが良いでしょう。軽いモデルをいくつかピックアップしているので合わせてご参考ください。
コストパフォーマンスを重視する人
Let’s Noteはブランド性が高いため、価格はかなり高めの設定です。コストパフォーマンスを重視しつつ、同じような用途を意識するならThinkPad X1 Carbonがおすすめです。14インチとアップしますが、堅牢性が高く、LTE対応しつつ軽量なモデルになっています。
カスタマイズ・モデルの選び方
Let’s Note SV8(SVシリーズ)はビジネス用途で堅牢性を磨いたモデルという位置づけのため、クリエイティブな用途には向きません。そのため、プロセッサのパフォーマンス的にはCore i8、8GBモデルでも十分使えます。より快適に使うためにCore i7、16GBモデルを選択するという考えもありますが、オーバースペックになる可能性があり、個人的にはあまりおすすめはしません(ロマンに近いモデルになります)。
また事業的に考えても、Core i7は30万円を超えるため減価償却費がややこしくなります。そういった点からCore i5がちょうど良いと考えます。
実機レビューのまとめ

Let’s Note SV8は軽くて持ち運びに向くビジネスパーソン向けの一台です。USB-PD対応していること、LTE対応していることでより小回りが利く設計になっているので、外出先でもさっと広げてメールチェックしたり、ネットで情報を調べることに長けています。
新品はコストパフォーマンスがどうしても悪くなるため、中古も合わせて検討すると良いでしょう。
安く買う方法・コツ
Let’s Note SV8(SVシリーズ)に限らず、Panasonicのパソコンを安く買う方法については以下の記事でまとめています。購入前に必ずご確認ください。
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