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本記事ではメーカーより貸し出しを受けて、テストを行っています。
レビュー・評価の概要
軽量であり、かつパワフルなプロセッサを搭載した13.3インチノートパソコンです。
薄型ノートパソコンにありがちなインターフェイスがUSB Type-Cのみということもなく、ビジネス層をターゲットにしていることがしっかりと反映された良モデルと言える一台となっています。
発売年度 | 2024年 |
プロセッサ | Ryzen 5 8640U Ryzen 7 8840U |
RAM | 16GB |
ストレージ | 512GB |
画面サイズ | 13.3インチ |
GPU | 内蔵グラフィックス |
USB-PD | 対応 |
モバイル通信 | 非対応 |
重量 | 970g |
Cinebench R23 | 10818pts |
※スペック情報は執筆時のものです。現在の情報は以下から公式サイトでご覧ください。
2025年3月25日時点で220,374円(税込)から。現在の価格は以下の公式サイトで必ずご確認ください。なお個人であっても法人モデルを買える点は覚えておきましょう。
特徴
Ryzen8000シリーズの高いパフォーマンス
ベンチマーク結果でも書いていますが、Ryzenシリーズのパフォーマンスは非常に高く、一般用途で使う分には全く問題ないレベルに仕上がっています。メモリは16GBが標準となっているため、しっかりと性能が発揮できるでしょう。
1kg以下で持ち運びしやすい筐体
本体質量は0.99kgとなっており、持ち運びが非常に楽です。薄型ということもあって、カバンにスッと入り出張等で便利な一台です。
ビジネスシーンで使える機能が満載
本モデルは元々ビジネスモデルということもあり、仕事で使える機能が多く備わっています。AIによるカメラ補正(視線やフレームセンタリング)やクリアなオーディオが備わっていることに加え、軽量パソコンでは削がれがちなフルサイズHDMIやType-A USBを備えているところがポイントです。
価格とコストパフォーマンス
本モデルは価格帯が15万円前後となっており、ノートパソコンとしては並〜少し高いクラスの価格帯になります。パフォーマンスそのものや持ち運びに向く軽さなどを考慮すると、価格的には適正だと感じました。
ただし、同価格帯では個人向けでもう少し高級感があるモデルもあるため、どちらに重点を置くかによって感じ方が人によって変わりそうな印象を受けています。
2025年3月25日時点で220,374円(税込)から。現在の価格は以下の公式サイトで必ずご確認ください。なお個人であっても法人モデルを買える点は覚えておきましょう。
スペック
今回レビューしたEliteBook 635 Aero G11のスペックは以下の通りです。
マシンスペック(技術仕様)
発売年 | 2024年 | |
サイズ | 211.2×297.3×15.1mm | |
重量 | 本体 | 970g |
アダプタ | 315g | |
CPU | Ryzen 7 8840U | |
GPU | AMD Radeon TM Graphics | |
メモリ(RAM) | 16GB | |
ストレージ | 1st | 1TB |
2nd | – | |
ディスプレイ | サイズ | 13.3インチ |
解像度 | 1920×1080 | |
アスペクト比 | 16:9 | |
形式 | 液晶 | |
リフレッシュレート | 60Hz |
フロントカメラ | 画素数 | 5MP |
物理シャッター | 無し | |
リヤカメラ | 画素数 | 無し |
Wi-Fi | a/b/g/n/ac/ax | |
bluetooth | v5.3 | |
モバイル通信 | 非対応 | |
光学ドライブ | 非搭載 | |
バッテリー | サイズ | 43Whr |
公称値 | 最大13.8時間 |
レビュー機種以外にも詳細のカスタマイズが可能です。細かなスペック内容についてはテーブル下の公式サイトのリンクからご覧ください。
ベンチマーク結果一覧
CINEBENCH
CINEBENCH(シネベンチ)のベンチマーク結果は以下の通りです。R20は1回の測定、R23は10分間の連続測定結果を掲載しています。
バージョン | 測定モード | 測定値[pts] |
---|---|---|
Cinebench R20 | マルチ | – |
シングル | – | |
Cinebench R23 | マルチ | 1717 |
シングル | 10818 |
Crystal Disk Mark
Crystal Disk Mark(クリスタルディスクマーク)の測定結果は以下の通りです。
Read[MB/s] | Write[MB/s] | |
---|---|---|
SEQ1M Q8T1 | 3680.34 | 3065.45 |
SEQ1M Q1T1 | 2582.07 | 2306.88 |
RND4K Q32T16 | 758.06 | 354.13 |
RND4K Q1T1 | 62.02 | 122.88 |
ゲームベンチマーク
FF15
ファイナルファンタジー15のベンチマーク結果は以下の通りです。全てフルHD品質でテストを行っています。
モード | スコア | 評価 |
---|---|---|
最高品質 | – | – |
高品質 | – | – |
軽量品質 | 3981 | 普通 |
通信環境(Wi-Fi)のテスト
測定環境
Wi-Fiの通信環境テストを行いました。テスト環境は光1Gbps(IPv6対応)でWi-FiにはArcher 10 Proを用いました。
テスト環境は以下の通りで戸建て環境の1階、及び2階で測定を行っています。幅方向約10.5m、奥行き方向8.2mの環境です。
1階部分

2階部分

測定項目 | ダウンロード | アップロード | PING |
単位 | Mbps | Mbps | ms |
ルーター前 | 507.46 | 523.41 | 17 |
ポイント② | 378.71 | 479.06 | 17 |
ポイント③ | 616.13 | 566.18 | 18 |
ポイント④ | 355.91 | 515.53 | 20 |
ポイント⑤ | 263.26 | 270.32 | 19 |
ポイント⑥ | 111.78 | 84.52 | 18 |
通信スピードテストの評価
全体的に見て、概ね200Mbpsを超えており十分なパフォーマンスが出ていると感じました。ただし、最長距離ではガクンと速度が落ちる傾向が見られます。それよりもPINGの数値が大きめで出ていることが気になりました。普段10ms程度の数値のため、少し遅めの数値が計測されています。
USB-C(PD)による充電テスト
USB-Cの充電テストを行いました。「〇」は通常通り充電、「△」は充電されるものの低速表示、「×」は充電できないことを示します。
W数 | 充電の可否 | 検証に用いた機種 |
---|---|---|
20W | × | PowerPort Ⅲ Nano |
30W | 〇 | PowerPort Atom Ⅲ Slim 30W |
45W | 〇 | PowerPort Atom Ⅲ Slim 45W |
61W | 〇 | RP-PC133 |
100W | 〇 | AUKEY PA-B7 |
外観
天板はHPのロゴが配置されているのみで、非常にシンプルです。

背面はパンチホールで通気口が確保されています。基本的にフラットな印象です。

開いた様子です。ベゼル幅は狭めでモダンな雰囲気になっています。

キーボードは右下部分が一部接合キーにはなっているものの、メインで使う部分は独立キーとなっています。デリートキーの横が電源ボタンになっているため押し間違いしてしまいそうな懸念があります。

ミツトヨのデジタルノギスでキーピッチを算出したところ、18.9mmとなりました。また、SHINWAのデップスゲージでキーストロークを測定したところ、1.1mmとなっています。

タッチパッド幅を計測したところ、115mmとなりました。

本体右側にはUSB Type-A、フルサイズHDMI、USB Type-Cポートが2つ備わっています。

本体左側にはUSB Type-Aポートとコンボジャックが備わっています。

本体の重量を測定したところ、970gとなりました。

充電器込みの重量を測定したところ、1285gとなりました。充電器単体では315gとなります。

メリット・魅力
軽くて持ち運びしやすい
1kgを切る本体質量のため、気軽に持ち運びしやすいことが大きなメリットと言えます。また、軽いだけでなく薄いさも魅力的なため、カバンの中にスッと入れて手軽に持ち出せる魅力があります。昨今では45W充電器はGaN対応で小さいものもあるため、ビジネスシーンでも活躍しそうです。
インターフェイスが豊富
ウルトラブックにありがちですが、インターフェイスがUSB Type-Cしかなく外出先で困るケースがあります。本モデルはType-Cだけでなく、Type-Aも持ち合わせているため咄嗟の場面でも活躍しやすいことが他の薄型ノートパソコンとの差別化ポイントになります。
非常に高いパフォーマンス
Ryzenシリーズは4000番台から高いパフォーマンスを出し続けていますが、ベンチマーク結果の通り、8000番台も変わらず非常に高い実力値を持っています。一般的な作業において、処理能力で困ることはまずないでしょう。
デメリット・欠点
キータッチが少し安っぽい
15万円前後のノートパソコンとしては、キータッチが少し安っぽい印象を受けました。内部構造は分かりませんが、浅く、キーの跳ね返りが弱い印象だったため、タイピング作業が多い人にはあまり向かない印象です。必要に応じて、外部キーボードを用意したほうが効率が良いかもしれません。
同じランクで比較すると高級感が薄い
2024年のノートパソコンの傾向として、12万円台あたりから本体の質感が向上してくる印象があります。同じ日本HPのパソコンでも、この価格帯では高級感のあるモデルが出始める価格帯と言えます。EliteBook 635 G11はビジネスシーンを重要視していることもあってか、高級感という意味では少し弱めな印象を受けました。
おすすめなタイプ
持ち出しの多いビジネスパーソン
本体質量が1kgと軽いこと、そしてインターフェイスにUSB Type-Aを搭載しており、咄嗟の状況でも困らないことがビジネスパーソンにおすすめできる理由として挙げられます。
おすすめできないタイプ
タイピングが多いユーザー
デメリットでも書いた通り、キーボードの打鍵感は15万円前後のノートパソコンとしては正直イマイチです。タイピングメインでパソコンを使うユーザーにはもう少し打鍵感の気持ち良いノートパソコンの方が良いのではと感じました。
大学生
こちらもデメリットで書いた通り、15万円前後では高級感のあるモデルが増えてきます(例えば、エッジのメッキ加工など)。EliteBookシリーズはビジネス然としていることもあり、ファッションの一部としてパソコンを捉えた時には他のモデルの方が良いのではと感じました。
カスタマイズ・モデルの選び方
本モデルではRyzen5シリーズとRyzen7のモデルが存在します。メモリ量、およびストレージはどちらのモデルでも同じなため、一般的な処理で使うと想定するとRyzen5シリーズでも十分です。
Ryzen7のパフォーマンスをフルで使うような作業は少ないでしょう。
実機レビューのまとめ

外出することや会議が多いなら最高クラスに満足度が高くなるノートパソコンと言える一台です。
ただし、キータッチが安っぽい点だけは気になったため、普段から打ち込み作業が多い人は一度実機を触ってみるほうが良いかもしれません。
2025年3月25日時点で220,374円(税込)から。現在の価格は以下の公式サイトで必ずご確認ください。なお個人であっても法人モデルを買える点は覚えておきましょう。
安く買う方法・コツ
EliteBook 635 Aero G11に限らず、HP(ヒューレットパッカード)のパソコンを安く買う方法については以下の記事でまとめています。購入前に必ずご確認ください。
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