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レビュー・評価の概要
DAIV 4Pは14インチながら本体重量が公称値985gと1kgを切る非常に軽量でありながら、広い色域を持つノートパソコン。さらにコストパフォーマンスも高く、Core i7、メモリ16GB、UHS-Iに対応して税込15万円台となっています。
液晶ベゼルをギリギリまで減らしてフットプリントを下げ、薄型化されているため、気軽に持ち運べる端末です。
発売年度 | 2021年 |
プロセッサ | Core i7-1165G7 |
RAM | 16~64GB |
ストレージ | 512GB~2TB |
画面サイズ | 14インチ |
GPU | Iris Xe Graphics |
USB-PD | 対応 |
モバイル通信 | 非搭載 |
重量 | 980g |
Cinebench R20 | 2275pts |
※スペック情報は執筆時のものです。現在の情報は以下から公式サイトでご覧ください。
本記事ではメーカーより貸し出しを受けて、テストを行っています。
特徴
ここではDAIV 4Pの一般的な特徴について解説しています。実際に筆者が使った感想、レビューについてはメリット・デメリットの項目をご覧ください。
軽量性と広色域を兼ね備える珍しいPC
13~14インチでは2018年ごろから軽量からの争いが目立ち、2021年7月時点でライバル同士の争いはさらに激化しています。このDAIV 4Pは1kg以下のハードルを越えた上で、さらに広い色域を低価格で提供している珍しいノートパソコンです。
薄型で鞄の中でも邪魔にならないフォルム
他のDAIVモデルとは違い、DAIV 4PではGPUを搭載しないため他の軽量モバイルノートパソコンと同程度のサイズ感・厚みとなっています。手に持って、薄く感じることができカバンに入れても邪魔にならない点が魅力です。
16:10のアスペクト比
モバイルノートPCは16:9のモデルが多い中、DAIV 4Pでは1920×1200の縦長アスペクト比となっています。縦に長いことで書類作成やネットサーフィンが楽になりますし、クリエイティブな用途では正方形や縦長ポスターなどの制作・チェックが行いやすくなります。
Thunderbolt4に対応
DAIV 4Pは外部インターフェイスにThunderbolt4を備えます。これによって、専用のドッキングステーションを接続して拡張性を上げることができますし、大容量のクリエイティブ(RAWデータや制作物)などの高速転送が容易になります。
価格とコストパフォーマンス
1kg切りのノートパソコンというだけで市場のメイン価格層は15~25万円となりますが、DAIV 4PはCore i7-1165G7、メモリ16GB・広色域で定価153,780円~となっており、激安です。
マウスコンピューターは新モデルも割引対象となることがあるため、さらに安くなるケースもあり性能から考えて、バーゲン価格で買えるモデルと言えるでしょう。
スペック
今回レビューしたDAIV 4Pのスペックは以下の通りです。
マシンスペック(技術仕様)
発売年 | 2021年 | |
サイズ | 213×308.8×16.4mm | |
重量 | 本体 | 980g |
アダプタ | 235g | |
CPU | Core i7-1165G7 | |
GPU | Iris Xe Graphics | |
メモリ(RAM) | 16GB | |
ストレージ | 1st | 512GB |
2nd | – | |
ディスプレイ | サイズ | 14インチ |
解像度 | 1920×1200 | |
アスペクト比 | 16:10 | |
形式 | 液晶 | |
リフレッシュレート | 60Hz |
フロントカメラ | 画素数 | 100万画素 |
物理シャッター | 無し | |
リヤカメラ | 画素数 | 無し |
Wi-Fi | a/b/g/n/ac/ax | |
bluetooth | v5 | |
モバイル通信 | 非対応 | |
光学ドライブ | 非搭載 | |
バッテリー | サイズ | 53Whr |
公称値 | 12時間 |
レビュー機種以外にも詳細のカスタマイズが可能です。細かなスペック内容についてはテーブル下の公式サイトのリンクからご覧ください。
ベンチマーク結果一覧
CINEBENCH
CINEBENCH(シネベンチ)のベンチマーク結果は以下の通りです。R20は1回の測定、R23は10分間の連続測定結果を掲載しています。
バージョン | 測定モード | 測定値[pts] |
---|---|---|
Cinebench R20 | マルチ | 2275 |
シングル | 570 | |
Cinebench R23 | マルチ | 5587 |
シングル | 1493 |
Crystal Disk Mark
Crystal Disk Mark(クリスタルディスクマーク)の測定結果は以下の通りです。
Read[MB/s] | Write[MB/s] | |
---|---|---|
SEQ1M Q8T1 | 2113.46 | 1395.35 |
SEQ1M Q1T1 | 2005.71 | 1199.86 |
RND4K Q32T16 | 1061.67 | 520.15 |
RND4K Q1T1 | 49.75 | 150.80 |
ゲームベンチマーク
FF15
ファイナルファンタジー15のベンチマーク結果は以下の通りです。全てフルHD品質でテストを行っています。
モード | スコア | 評価 |
---|---|---|
最高品質 | – | – |
高品質 | – | – |
軽量品質 | 2119 | 重い |
PC温度測定
平常時とCinebenchR23(multi)で10分負荷をかけた後にFLIRのサーマルカメラを用いて温度測定を行いました。負荷をかけるとセンター部右側が厚くなる傾向が見られます。
通常時

CinebenchR23(10分測定後)

モニター評価(色域)
モニターの色域カバー率は以下の通りです。測定はi1 Display Proを用いてデータ測定後、Color ACにてIICプロファイルからカバー率などのデータを作成しています。
測定項目 | カバー率[%] | カバー比[%] |
---|---|---|
sRGB | 99.1 | 103.3 |
Adobe RGB | 75.6 | 76.6 |
通信環境(Wi-Fi)のテスト
測定環境
Wi-Fiの通信環境テストを行いました。テスト環境は光1Gbps(IPv6対応)でWi-FiにはArcher 10 Proを用いました。
テスト環境は以下の通りで戸建て環境の1階、及び2階で測定を行っています。幅方向約10.5m、奥行き方向8.2mの環境です。
1階部分

2階部分

測定項目 | ダウンロード | アップロード | PING |
単位 | Mbps | Mbps | ms |
ルーター前 | 443.62 | 535.97 | 8 |
ポイント② | 153.75 | 262.88 | 7 |
ポイント③ | 505.41 | 531.28 | 7 |
ポイント④ | 313.95 | 486.79 | 8 |
ポイント⑤ | 248.45 | 356.33 | 8 |
ポイント⑥ | 63.15 | 76.02 | 7 |
通信スピードテストの評価
USB-C(PD)による充電テスト
USB-Cの充電テストを行いました。「〇」は通常通り充電、「△」は充電されるものの低速表示、「×」は充電できないことを示します。
W数 | 充電の可否 | 検証に用いた機種 |
---|---|---|
20W | × | PowerPort Ⅲ Nano |
30W | 〇(右は反応なし) | PowerPort Atom Ⅲ Slim 30W |
45W | 〇 | PowerPort Atom Ⅲ Slim 45W |
61W | 〇 | RP-PC133 |
100W | 〇 | Anker 736 Charger |
外観
天板はシルバーでDAIVのプリントのみのシンプルな外観です。

背面も天板と同系色となっています。通気口はパンチホールタイプです。スピーカーはノートPCとしては珍しく、パームレストよりも若干上側にあります。

PCを開いた様子です。アスペクト比が16:10となっているため、縦長になっていることが特徴。また、ベゼル幅が狭く高級感があります。カメラはディスプレイ上に搭載されており、IRカメラも付属します。

最大開き角は約145°となっています。

上部ベゼルです。上側は8mm、左右は約3.5mmと狭小です。

下部ベゼルは6mmとなっており、こちらも他の14インチクラスと比較するとかなり狭くなっています。

キーボード全体です。マウスコンピューター独自のフォントは残しつつ、余裕を持った独立キーボードになっています。特殊配置もなく、非常に打ちやすいです。

ミツトヨのデジタルノギスでキーピッチを算出したところ、19.49mmとなりました。また、SHINWAのデップスゲージでキーストロークを測定したところ、1.4mmとなっています。

タッチパッド幅を計測したところ、132mmとなりました。タッチパッドは14インチノートとしては幅、奥行きともにかなり広めで使い勝手が良いです。

本体右側にはフルサイズHDMI、USB3.0×1 Type-A、Thunderbolt4が備わっています。なお、右側のType-Aは常時給電に対応しています。

本体左側にはUSB3.1 Type-C、ヘッドフォンジャック、フルサイズSDスロット(UHS-1)、USB3.0 Type-Aがあります。こちらからもディスプレイ出力が可能です。

本体の重量を測定したところ、980gとなりました。本体にマグネシウム合金が使用され高級感があるために、持った時の軽さに驚きを感じます。

充電器込みの重量を測定したところ、1215gとなりました。充電器単体では235gとなります。

メリット・魅力
色域が広いのに持ち運びに向く
一般的にノートパソコンの場合、軽量性と色域はトレードオフの関係になっていることが多く、1kg切りのノートパソコンで広色域モデルは少なくなっています。特にフルHDクラスのPCではほぼ見ることはありません(4Kでは対応するケースもある)。そういった意味でDAIV 4Pはそのトレードオフを解消し、今までに他であまり見ない立ち位置のモデルとなっています。
ベンチマーク結果と色域から見てコスパに優れる
DAIV 4PではCore i7-1165G7、16GBメモリ(8GB×2のデュアルチャンネル)となっており、ベンチマークスコアも高めです。その上で色域が広いにもかかわらず、価格は定価で15万円台となっており、コストパフォーマンスが非常に高くなっています。
最大64GBまで選択することが可能
DAIV 4PはBTOにより独自カスタマイズできますが、メモリを最大64GBに変更できます。dGPUを搭載しないパソコンなので、そこまでRAMが必要ないかもしれませんが、第11世代intel Coreプロセッサはグラフィックス性能がアップしているため、ある程度の作業がこなせますし、それに対応するために増強しておくのはアリと言えるでしょう。
タッチパッド性能に優れる
DAIV 4Pのタッチパッドは横幅が広く、しかもサラサラとした触感で扱いやすい印象です。タッチパッドをよく使うユーザーにすすめられます。
UHS-IのSDスロットが付属
昨今のインターフェイス事情の中で排除されることが多いフルサイズSDスロットを標準で付属しています。しかも、高速なUHD-Iに対応しているため、外出先で写真を撮影しPCを取り込む際などによりスピーディに転送できます。
デメリット・欠点
軽量性だけで見ると価格が高め
1kg切り、Core i7、16GB、広色域という観点で見るとコストパフォーマンスは高いですが、1kg切りの軽量サブPCが欲しいというニーズの場合、市場の値段感から見て、最廉価モデルと比べると若干割高になります(例:Yoga Slim 750i Carbon)。ただし、このスペックで15万円台はありえないので、多少オーバースペックであってもこちらのモデルの方がお得があると筆者は考えます。
キータイピングの剛性が低め
キーボード自体は打ちやすいですが、キーの軸が左右に少しだけブレてしまう点が気になりました(表現的に間違っているかもしれませんが、キー剛性が低いという印象です)。意識的にレビューしているからそう感じるという側面もあると思いますし、長く打っているとあまり気にならないかとは思います。
おすすめなタイプ
外出先でクリエイティブ確認が必要なユーザー
DAIV 5Pは広い色域を持つ超軽量ノートパソコンのため、外出先でカラーチェックが必要なユーザーにおすすめです。ディスプレイの輝度が高いので、明るい場所でも見やすいです。
おすすめできないタイプ
dGPUと軽量性を両立したい人
DAIV 4Pは非常に良いノートパソコンですが、色域が良いだけにdGPUを搭載したパソコンと悩む人も多いでしょう。パソコンの性能は大は小を兼ねるので、悩むなら上位モデルを買うべきです(特にdGPUがあるかないかは埋められない差があるため)。
1.4kg台と重くはなってしまいますが、dGPU(GeForce GTX1650)を搭載したDAIV 4Nを選ぶことをおすすめします。dGPUを搭載しながら、軽量で色域も広いノートパソコンです。
カスタマイズ・モデルの選び方
基本ベースで十分だが必要に応じてメモリとSDDのグレードアップを
DAIV 4Pは標準グレードでも一般的なノートパソコンよりも高性能なので、ほとんどの人はカスタマイズ不要です。こだわりがある人のみ、RAM容量アップとストレージをPCIe Gen4へアップグレードすることを検討しておくと良いでしょう。
ストレージをアップグレードしておけば、高速転送が可能になり、RAWをはじめとする大きなクリエイティブ関係のファイルのデータ移動が容易になります。
実機レビューのまとめ

14インチノートパソコンで1kgを切り、広い色域を持つノートパソコンは珍しい上に高いスペックを持ちながら15万円台というコストパフォーマンスまで実現しています。
そのまま標準グレードで使っても良いですし、予算に余裕があるならメモリアップやストレージをPCIe Gen4に対応させることでより快適なノマド環境を作ることができるでしょう。
安く買う方法・コツ
DAIV 4Pに限らず、マウスコンピューターのパソコンを安く買う方法については以下の記事でまとめています。購入前に必ずご確認ください。
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