※本記事ではメーカーより貸出を受けて、テストを行っています。
Elite Dragonfly G2のレビュー概要
2in1の超軽量コンバーチブル
2021年に発売された2in1のコンバーチブル機、Dragonflyの後継モデルです。キープコンセプトしつつ、第11世代のintel Coreプロセッサに進化。さらにモバイル通信を4G LTEだけでなく5Gにも対応。
軽量性に注目があつまりがちですが、色域カバー率が広いことやスピーカー音質が薄型ノートとしては良いなどの利点も兼ね備えており、総合的に見てコスパに優れるモデルです。
こんなタイプにマッチ
- 持ち運び用PCを探している人
- タッチパッドで作業する人
- 軽量で色域の広いPCを探す人
簡易スペック表
発売日 | 2021年2月 |
CPU | Core i5-1135G7,Core i7-1165G7 |
RAM | 8~16GB |
ストレージ | 256~512GB |
画面サイズ | 13.3インチ |
GPU | intel Iris Xeグラフィックス |
USB-PD | 対応 |
LTE・5G通信 | 対応 |
MSオフィス | 選択可能 |
重量 | 1150g |
Cinebench R20 | 1840pts |
※詳細スペックはこちら。その他性能は目次よりベンチマーク結果をご覧ください
Elite Dragonfly G2の目次
実際に使った感想(主観)はメリット・デメリットからご覧いただけるとわかりやすくなっています。購入を悩んでいる場合はおすすめかどうかをチェックください。
Elite Dragonfly G2の特徴
ここではElite Dragonfly G2の一般的な特徴について解説しています。実際に筆者が使った感想、レビューについてはメリット・デメリットの項目をご覧ください。
第11世代intel Coreプロセッサ搭載
Elite Dragonflyは前モデルからプロセッサが2世代一気にアップして第11世代を搭載してアップグレードされました。Iris Xeグラフィックスになっているため、画像表現力も大幅に向上しています。
コンバーチブルながら超軽量ボディ
Dragonfly(トンボ)の名前が形容するように、2in1コンバーチブルとしては最軽量クラスの軽さ(Wi-Fiモデルは989g、SIMフリーモデルが1.15kg)となっています。コンバーチブルなのでペン入力デバイスとしても使いやすくなっています。
モバイル通信対応モデルもあり
Elite Dragonfly G2は前モデルに引き続き、モバイル通信対応モデルがあり、外出先でも開けばすぐにネット環境へ接続することができます。
モバイル通信対応モデルはTile機能を搭載
非常に珍しい機能として、SIMフリーモデルは忘れ物防止タグのTile機能を搭載しています。これにより、PCを博した場合に追跡が可能になります。
プライバシースクリーンを搭載
機密情報を守りたいビジネスマンにぜひおすすめしたい機能がプライバシースクリーン。左右からの覗き込みが出来なくなるよう、ワンタッチで切り替えができる機能です。以下はプライバシースクリーンをonにした状態です。ほぼ見えなくなります。
Elite Dragonfly G2の価格とコストパフォーマンス
2021年9月25日時点でCore i5モデルが税込み156,200円からです。スペック面から見るとかなり高めの値段設定です。本モデルは2in1コンバーチブルで1.1kg台と軽量であることや、モバイル通信モデルが選択できるメリットを享受できる人でなければコストパフォーマンスは必然的に悪くなるでしょう。
ただし、2in1軽量コンバーチブルでモバイル通信モデルが164,780円から買えるのは大きなメリットで他のSIMフリーのクラムシェルモデルと比べてもコスパが高くなっています。ネット常時接続する人はぜひ候補に入れてみて下さい。
Elite Dragonfly G2のスペック
今回レビューしたElite Dragonfly G2のスペックは以下の通りです。
マシンスペック(技術仕様)
発売日(月) | 2021年2月日 | |
製品名 | Elite Dragonfly G2 | |
型式 | 398A6PA#ABJ | |
サイズ | 197.5×304.3×16.1mm | |
重量(実測) | 本体 | 1150g |
電源アダプタ | 315g | |
CPU | Core i7-1165G7 | |
GPU | Iris Xeグラフィックス | |
メモリ(RAM) | 16GB | |
ストレージ | 1st | 512GB |
2nd | - | |
ディスプレイ | サイズ | 13.3インチ |
解像度 | 1920×1080 | |
アスペクト比 | 16:9 | |
形式 | IPS液晶 | |
リフレッシュレート | 記載なし | |
生体認証 | 指紋 | 有り |
顔認証 | 有り | |
フロントカメラ | 画素数 | 92万画素 |
物理シャッター | 有り | |
リヤカメラ | 画素数 | 無し |
Wi-Fi | a/b/g/n/ac/ax | |
bluetooth | v5 | |
LTEモジュール | 対応の可否 | 搭載 |
SIMカードサイズ | nanoSIM | |
光学ドライブ | 非搭載 | |
バッテリー | サイズ | 4セル |
公称値 | 17.6時間 |
※レビュー機種以外やカスタマイズ内容などの詳細スペックはこちらからご覧ください。
Elite Dragonfly G2のベンチマーク
CINEBENCH R20
CINEBENCH R20の測定値は1840pts、シングルコア525ptsという結果になりました(パフォーマンスモードで測定)。Core i7-1165G7として、同じプロセッサを搭載する他機種と比べて、標準~高めのマルチスコア結果が得られています。他機種のデータについてはCINEBENCHの結果一覧をご覧ください。
CINEBENCH R23
CINEBENCH R23の測定値は3665pts、シングルコア1435ptsという結果になりました(パフォーマンスモードで測定)。他機種のデータについてはCINEBENCHの結果一覧をご覧ください。
Crystal Disk Mark
Crystal Disk Markの測定結果は以下の通りです。Readの値が2300MB/sなので、最高クラスというわけではないものの十分以上のスピードとなっており、動作に不満を感じることは全くありません。
ゲームベンチマーク
FF14
ファイナルファンタジー14 漆黒のヴィランズのベンチマーク結果は以下の通りです。全てフルHD品質でテストを行っています。他機種の結果はFF14のベンチマーク結果一覧をご覧ください。
モード | スコア | 評価 |
最高品質 | - | - |
高品質 | - | - |
標準品質 | 6526 | とても快適 |
FF15
ファイナルファンタジー15のベンチマーク結果は以下の通りです。全てフルHD品質でテストを行っています。他機種の結果は、FF15のベンチマーク結果一覧をご覧ください。
モード | スコア | 評価 |
最高品質 | - | - |
高品質 | - | - |
軽量品質 | 2336 | 重い |
CPU-Z
CPU-Zでの検証は以下の通りです。クリックで拡大することができます。
騒音テスト
騒音に関する評価は以下の通りです。CPUテストはCinebench R20、GPUテスト時はFinalFantasy15のベンチマーク測定時に測定を行っています。
モード | 評価 |
通常時 | アイドル時はほぼ無音 |
CPUテスト時 | ファン音は小さめ |
GPUテスト時 | ファン音は小さめ |
PC温度測定
平常時とCinebenchR23(multi)で10分負荷をかけた後にFLIR One Proのサーマルカメラを用いて温度測定を行いました。このモデルは驚くべきことに薄型の割にパームレストがほぼ熱くなりません。ノートPCでの入力作業が多い人には嬉しい利点です。
通常時
CinebenchR23(10分測定後)
Elite Dragonfly G2のモニター評価(色域・トーンカーブ)
モニターの評価結果は以下の通りです。タブで色域の評価結果とトーンカーブの測定データを切り替えることができます。測定はi1 Display Proを用いてデータ測定後、Color ACにてIICプロファイルからカバー率などのデータを作成しています。色域カバー率は広く、sRGBで100%近くとなっています。クリエイターでも使えるモデルと言えるでしょう。
トーンカーブの評価結果は以下の通りです。
Elite Dragonfly G2の通信環境(WI-Fi)のテスト
測定環境
Wi-Fiの通信環境テストを行いました。テスト環境は光1Gbps(IPv6対応)でWi-FiにはArcher 10 Proを用いました。テスト環境は以下の通りで戸建て環境の1階、及び2階で測定を行っています。幅方向約10.5m、奥行き方向8.2mの環境です。
検証結果
スピードテストを行った結果です。ポイント⑥になるほど実質的な距離が大きくなります。
ダウンロード数値比較
アップロード、PING、ジッターを計測した数値を表にまとめています。
測定項目 | ダウンロード | アップロード | PING |
単位 | Mbps | Mbps | ms |
ルーター前 | 641.18 | 381.57 | 9 |
ポイント② | 528.72 | 291.84 | 10 |
ポイント③ | 619.95 | 426.93 | 7 |
ポイント④ | 627.11 | 295.88 | 7 |
ポイント⑤ | 454.81 | 291.61 | 10 |
ポイント⑥ | 235.27 | 143.56 | 8 |
通信スピードテストの評価
全エリアで200Mbpsを超える速度が出ており、安定してネット環境に接続することができました。
Elite Dragonfly G2のUSB-C(PD)による充電テスト
USB-Cの充電テストを行いました。ノートパソコンでは珍しく20Wから充電に対応しているモデルです。ただし、本来は65W充電器で大きめの容量を必要とするタイプのため、PD充電器も大きめを用意することをおすすめします。
USB-PD | 充電の可否 | 検証した充電器 |
20W | 〇 | PowerPort Ⅲ Nano |
30W | 〇 | PowerPort Atom Ⅲ Slim |
45W | 〇 | PowerPort Atom Ⅲ Slim |
61W | 〇 | RP-PC133 |
100W | 〇 | AUKEY PA-B7 |
Elite Dragonfly G2の外観
Elite Dragonfly G2では独自のカラーである「ドラゴンフライブルー」が採用されています。マット仕上げの濃い青色で高級感があります。
背面も同様の色で仕上げられています。
開いた様子です。ディスプレイは光沢でベゼル幅は狭めで高級感があります。フロントカメラはディスプレイ上部設置されており、物理シャッターはキーボードのファンクションキー割り当てで切り替えることができます。2in1コンバーチブルのため、テントモードに変更することができます。
キーボード全体です、クセがなく自然な配置です。しっとりとした質感で打ちやすく、カチャカチャ音も鳴らないので周りに人がいる環境でも気を使わないで良いでしょう。
タッチパッドの幅は110mmとなっています。サラサラとした質感で非常に使いやすく、マウスのない環境でも快適に操作できるでしょう。
本体右側にはフルサイズHDMI、ヘッドフォンジャック、USB Type-C(Thunderbolt4)が2つ搭載されています。
本体左側にはUSB Type-A、電源ボタン、ケンジントンロック、nanoSIMスロットを備えます。USB Type-Aポートは電源オフ状態でも充電に対応します。また、nanoSIMスロットは押し込むとバネで飛び出すためピンを必要としない構造になっています。
スピーカーは背面とキーボード横に4基備えられています。薄型ノートとしては割と音が出ており、動画視聴でも十分使えるでしょう。
本体の重量を測定したところ、1150gとなりました。
充電器込みの重量を測定したところ、1465gとなりました。充電器単体では315gとなります。
Elite Dragonfly G2のメリット・魅力
2in1コンバーチブルとしては非常に軽い
Elite Dragonfly G2はWi-Fiモデルが1kg切り、セルラーモデルが約1.1kgと非常に軽いモデルで、2in1コンバーチブルとしてはかなり珍しいスペックです(クラムシェルならこのスペックは存在するが、剛性が必要な2in1コンバーチブルではここまで軽くなるモデルは少ない)。今回レビューしたものはセルラーモデルなので、「軽いPC」という印象でしたが、ほぼ同じ質量の前モデルを初めて触った時、驚くほど軽かったことを覚えています。
タッチパッドの感触が良い
Dragonfly G2は上位モデルということもあり、全体的な質感が高くなっています。中でも、外出先での効率に直結するタッチパッドの感触がサラサラとして扱いやすく、作業効率を上げることができます。
キーボードでの生産性が高い
タッチパッドだけでなく、キーボードの質感が高い点も魅力です。しっとりとした打ち心地でキーボード入力が多い人に向いています。軽量薄型ノートパソコンはキーボードの質感がトレードオフになりやすいので嬉しいポイントです。
プライバシースクリーンが素晴らしい
HPのプライバシースクリーンは過去からレビューでも触っていますが、ワンタッチで左右からの覗き込みを完全に防げるのは本当に素晴らしい機能。機密情報を扱うことが多い人はこれだけでも選ぶ価値があります。
色域カバー率が広め
公式サイトでアピールされてはいませんが、実はsRGBのカバー率が97%と広めの設計になっています。dGPUがないためクリエイティブ作業には厳しい側面があるものの、外出先での画像のチェック等において強い味方になってくれます。
パームレストが熱くならない
高負荷時の温度測定の結果から、パームレスト部分がほぼ熱くならないことがわかりました。実際に触っても、熱さはほぼ感じません。タイピング入力が多い人は不快な思いをせずに作業が可能です。
Elite Dragonfly G2のデメリット・欠点
光沢ディスプレイなので好みが分かれる
Elite Dragonfly G2はディスプレイが光沢なので、作業用パソコンとしては好みが分かれます。また、外出先で太陽光が強いところでは反射がキツく出てしまう欠点があります。
コンバーチブルかつ軽量なので価格帯が高め
Elite Dragonfly G2はコンバーチブルと軽量性を兼ね備える珍しいモデルのため、15万円以上とスペックから見ると高めの価格帯になります。軽さだけを重要視するならPavilion Aeroや、多少重くなってもコンバーチブルを選びたい人はENVYシリーズを選ぶと良いでしょう。
みんなの口コミ
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プロセッサのスペック面だけで見ると高く感じてしまうかもしれませんが、軽量性、キーボード、タッチパッドの質感、ディスプレイの色域カバー率・輝度などを勘案すると価格以上の価値があり、コストパフォーマンスの高さを感じる一台です。
女性目線の口コミ
普段、Let's NoteのSZシリーズを使っている妻からコメントをもらいました。ライトユーザーとしての一意見として捉えて頂ければと思います。
女性目線のコメント
- 色合いがPCぽくなくて可愛い
- 薄くて持ち運びしやすそう
Elite Dragonfly G2がおすすめな人
ペン入力で資料修正などをする人
Elite Dragonfly G2はコンバーチブルで簡単にペン入力できる点が魅力です。外出先で送られてきた資料に書き込みをして返信したい人に向きます。
打合せ時にプレゼンテーションでPCを見せる人
コンバーチブル機でテントモードにすれば、タッチしつつ相手に見せながらプレゼンテーションできます。本体が軽いので、持ち運びが楽な点も魅力です。
機密資料を扱うことが多い人
メリットでも書いた通り、Elite Dragonfly G2のプライバシースクリーンは非常に優秀です。機密情報を扱うことが多い人にぜひ候補に入れて欲しいモデルです。
Elite Dragonfly G2がおすすめではないタイプ
対性能でのコストパフォーマンス重視の人
Elite Dragonfly G2は軽量性、コンバーチブルにコストが掛かっているので、性能面で見るとコストパフォーマンスは低くなります。どちらかを諦めるだけでも値段がグッと下がるので、それぞれを見比べてパソコンを選ぶようにしましょう。
Elite Dragonfly G2のカスタマイズ・モデルの選び方
Elite Dragonfly G2は主にプロセッサのパフォーマンスとSIMフリー対応かどうかで分かれます。Core i5もしくはCore i7は自身の用途に合わせて選べば良いですが、モバイル通信については、他社と比べてWi-Fiモデルとの価格差が小さいので、外出先でネット通信することが多いなら付けておくと良いでしょう。
Elite Dragonfly G2の実機レビューまとめ
Elite Dragonfly G2を安く買う方法
Elite Dragonfly G2に限らず、HPのパソコンを安く買う方法については以下の記事でまとめています。購入前に必ずご確認ください。
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