本サイトの記事は広告を含みます。
レビュー・評価の概要
MateBook D15 2021は低価格から購入できる薄型、軽量の15インチノートパソコンです。
格安モデルながら最新機能をしっかりおさえつつ、HUAWEIの強みを活かしスマートフォンとの連携性を高めたモデルになっています。
発売年度 | 2021年 |
プロセッサ | Corei5-1135G7 |
RAM | 8GB |
ストレージ | 512GB |
画面サイズ | 15.6インチ |
GPU | Iris Xe Graphics |
USB-PD | 対応 |
モバイル通信 | 非対応 |
重量 | 1525g |
Cinebench R20 | 1936pts |
※スペック情報は執筆時のものです。現在の情報は以下から公式サイトでご覧ください。
本記事ではメーカーより貸し出しを受けて、テストを行っています。
特徴
ここではMateBook D15 2021の一般的な特徴について解説しています。実際に筆者が使った感想、レビューについてはメリット・デメリットの項目をご覧ください。
スタンダード15インチ
MateBook D15 2021は第11世代のintelコアプロセッサ、メモリ8GBを搭載するスタンダードなノートパソコンです。オフィスソフトの利用(例えば家計簿を付けるなど)や、ネットサーフィンに適しています。
最新規格をカバー
スタンダードモデルで10万円以下から買えるノートパソコンですが、Wi-Fi6・USB-PD・bluetooth5.1に対応しています。
HUAWEI製品との連携性が高い
HUAWEIのノートパソコンはスマホとの連携性を高めており、画像をスマホからパソコンに簡単に飛ばす「HUAWEI Share」やスマートフォンの画面をPCで移す「マルチコラボスクリーン」が使えます。
電源オフ時の逆充電対応
MateBook D15 2021で搭載しているUSB Type-CポートはPD充電に加えて、電源OFF状態でのリバースチャージに対応しています。
2モデル展開
本モデルは、Core i3モデルとCore i5モデルの2展開になっています。BTOカスタマイズは選べないので、それぞれに対してメモリは固定されます。展開数が少ないため、Amazonを始めとした通販サイトでも買いやすい設定と言えます。
価格とコストパフォーマンス
本体の質感と機能面から言うとコストパフォーマンスは良いですが、性能面でAMD Ryzenプロセッサ搭載モデルの15インチパソコンと比較するとコストパフォーマンスは落ちます。
また、本モデルはCore i3とCore i5モデルがありますが、二つの価格差が大きく、i3は8万円台、i5は11万円台になります。筆者の意見としては、Core i3ならコストパフォーマンスは高め、Core i5は値段が高くコストパフォーマンス低めという判断です。
スペック
今回レビューしたMateBook D15 2021のスペックは以下の通りです。
マシンスペック(技術仕様)
発売年 | 2021年 | |
サイズ | 229.9×357.8×16.9mm | |
重量 | 本体 | 1525g |
アダプタ | 190g | |
CPU | Core i5-1135G7 | |
GPU | Iris Xe Graphics | |
メモリ(RAM) | 8GB | |
ストレージ | 1st | 512GB |
2nd | – | |
ディスプレイ | サイズ | 15.6インチ |
解像度 | 1920×1080 | |
アスペクト比 | 16:9 | |
形式 | IPS液晶 | |
リフレッシュレート | 60Hz |
フロントカメラ | 画素数 | 720p |
物理シャッター | 有り | |
リヤカメラ | 画素数 | 無し |
Wi-Fi | a/b/g/n/ac/ax | |
bluetooth | v5.1 | |
モバイル通信 | 非対応 | |
光学ドライブ | 非搭載 | |
バッテリー | サイズ | 42Whr |
公称値 | 公式記載なし |
レビュー機種以外にも詳細のカスタマイズが可能です。細かなスペック内容についてはテーブル下の公式サイトのリンクからご覧ください。
ベンチマーク結果一覧
CINEBENCH
CINEBENCH(シネベンチ)のベンチマーク結果は以下の通りです。R20は1回の測定、R23は10分間の連続測定結果を掲載しています。
バージョン | 測定モード | 測定値[pts] |
---|---|---|
Cinebench R20 | マルチ | 1936 |
シングル | 437 | |
Cinebench R23 | マルチ | 4440 |
シングル | 1358 |
Crystal Disk Mark
Crystal Disk Mark(クリスタルディスクマーク)の測定結果は以下の通りです。
Read[MB/s] | Write[MB/s] | |
---|---|---|
SEQ1M Q8T1 | 2480.84 | 1822.62 |
SEQ1M Q1T1 | 1586.11 | 1800.78 |
RND4K Q32T16 | 1283.56 | 1285.71 |
RND4K Q1T1 | 50.87 | 226.47 |
ゲームベンチマーク
FF15
ファイナルファンタジー15のベンチマーク結果は以下の通りです。全てフルHD品質でテストを行っています。
モード | スコア | 評価 |
---|---|---|
最高品質 | – | – |
高品質 | – | – |
軽量品質 | 1880 | 動作困難 |
PC温度測定
平常時とCinebenchR23(multi)で10分負荷をかけた後にFLIR One Proのサーマルカメラを用いて温度測定を行いました。Cinebench R23測定度はパームレスト左側が温度が上がっていますが、手で触れていてもストレスを感じるほどではありません。
通常時

CinebenchR23(10分測定後)

モニター評価(色域)
モニターの色域カバー率は以下の通りです。測定はi1 Display Proを用いてデータ測定後、Color ACにてIICプロファイルからカバー率などのデータを作成しています。
測定項目 | カバー率[%] |
---|---|
sRGB | 68.8 |
Adobe RGB | 50.5 |
通信環境(Wi-Fi)のテスト
測定環境
Wi-Fiの通信環境テストを行いました。テスト環境は光1Gbps(IPv6対応)でWi-FiにはArcher 10 Proを用いました。
テスト環境は以下の通りで戸建て環境の1階、及び2階で測定を行っています。幅方向約10.5m、奥行き方向8.2mの環境です。
1階部分

2階部分

測定項目 | ダウンロード | アップロード | PING |
単位 | Mbps | Mbps | ms |
ルーター前 | 569.47 | 424.09 | 7 |
ポイント② | 116.92 | 317.97 | 8 |
ポイント③ | 575.75 | 408.15 | 8 |
ポイント④ | 493.85 | 369.59 | 6 |
ポイント⑤ | 272.77 | 282.75 | 8 |
ポイント⑥ | 134.59 | 148.92 | 7 |
通信スピードテストの評価
USB-C(PD)による充電テスト
USB-Cの充電テストを行いました。「〇」は通常通り充電、「△」は充電されるものの低速表示、「×」は充電できないことを示します。
W数 | 充電の可否 | 検証に用いた機種 |
---|---|---|
20W | 〇 | PowerPort Ⅲ Nano |
30W | 〇 | PowerPort Atom Ⅲ Slim 30W |
45W | 〇 | PowerPort Atom Ⅲ Slim 45W |
61W | 〇 | RP-PC133 |
100W | 〇 | AUKEY PA-B7 |
外観
今回レビューしたカラーはスペースグレイです。センターにはHUAWEIの文字がメッキ刻印されています。

背面はセンターに縦スリットを設ける形になっており、スピーカーはパームレスト、サイド寄りに設置されています。

開いた様子です。ディスプレイは250nitなのであまり明るくはありませんが、十分レベル。色合いは自然で見やすいです。

最大角は150°となっています。

上部ベゼルです。

下部ベゼルです。

キーボード全体です。10万円以下から買えるパソコンとしては珍しくキーストロークに癖がありません(格安モデルは海外向けと筐体を同じにしているケースが多く、キー配列に癖が出る傾向がある)。

タッチパッド幅を計測したところ、120mmとなりました。

本体右側はUSB Type-A×2、ヘッドフォンジャックを搭載しています。

本体左側はUSB Type-C、USB Type-A、フルサイズHDMIを搭載しています。このType-Cポートは電源オフ時に逆充電ができる機能を備えています。

スピーカーは背面に大きめのスリットで用意されています。公式サイトでもスピーカー性能をアピールしていますが、このクラスのノートパソコンとしては十分以上の音質を備えています。ただし、低音弱めなので注意して下さい。

本体の重量を測定したところ、1525gとなりました。

充電器込みの重量を測定したところ、1715gとなりました。充電器単体では190gとなります。

メリット・魅力
15インチモデルとしては軽量
本モデルは本体重量が1.5kgちょっとと、15インチモデルとしては比較的軽量でたまに持ち出すユーザーには魅力的です。軽量性に加え、薄型で収納時にも便利です。
USB-PDに純正充電器が対応
10万円以下から買えるパソコンは「USB-PDが使えるが、電源は専用のアダプタが付属」というケースがよくあります。MateBook D15 2021の場合は純正からUSB-PD充電器が付属します。昨今のスマートフォンは電源ケーブルが付属しないケースも多いため、上手く使えば併用が可能です。
物理的にカメラを封鎖できる
MateBook D15 2021にはキーボード内カメラが搭載されています。これにより物理的にカメラを映らなくできるメリットがあります。
カメラ用の物理シャッターを搭載しているケースは多々ありますが、ディスプレイ上なので気づきにくいもの。一方、キーボード内カメラなら気付かないことはないでしょう。
デメリット・欠点
色域が狭い
カラーの測定結果から、色域は低価格ノートパソコン並です。クリエイティブ用途であればMateBook X Pro 2021のように少なくともsRGBに対応したパソコンを選ぶと良いでしょう。
Core i5モデルは質感に対して価格が高め
コストパフォーマンスの項目でも書いたように、Core i5モデルは性能に対して価格設定が高めです。型落ちでもRyzenモデルを選択する方がコストパフォーマンスはグッと高くなります。
パームレストの質感が安っぽい
天板、パームレストはプラスチック素材が使われていますが、なんとなく質感に安っぽさを感じます。目につく所なので気になる人は避けた方が無難です。
おすすめなタイプ
ライトに使う15インチPCを探す人
MateBook D15 2021は8万円台からと低価格で使えるモデルです。プロセッサ、メモリの面から見てハードなことは向きませんが、ライトに使う層には薄くて軽く、室内持ち運びも楽なのでぴったりと言えます。
物理カメラを封鎖したい人
HUAWEIのノートパソコンを選ぶ上での最大のメリットが物理カメラ封鎖。違和感なくキーボードに溶け込んでいるので、PCカメラを使わない人にとっては大きなメリットです。
おすすめできないタイプ
対性能面でのコストパフォーマンスを重視する人
Core i5-1135G4モデルは11万円台とこの価格帯のPCとしては高めの設定です。
コストパフォーマンスを重視するなら他のモデルを選ぶことをお勧めします。2021年時点でいえば、Ryzen Gen3搭載モデルがおすすめです。
カスタマイズ・モデルの選び方
コストパフォーマンスの項目で書いた通り、狙い目はCore i3-1115G4モデルです。細かいBTOカスタマイズの提供はありません。
実機レビューのまとめ

10万円以下から購入できるため弱点はあるものの、一般用途から見れば十分よくまとまったノートパソコンです。
特にCore i3モデルはオフィスソフト利用、ネットサーフィン(動画視聴含む)中心なら、十分使えるでしょう。