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レビュー・評価の概要
Matebook X 2020は2020年11月に登場した軽量なモバイルノートパソコン。第10世代のCore i5プロセッサと16GBメモリを搭載し、約1kgで持ち運びしやすいことをコンセプトとしたプレミアムモデルです。
見た目に優れるだけでなく、3:2のアスペクト比を誇るディスプレイでモバイル環境で縦の情報量が得やすいモデルになっています。
発売年度 | 2020年 |
プロセッサ | Core i5-10210U |
RAM | 16GB |
ストレージ | 512GB |
画面サイズ | 14.0インチ |
GPU | 内蔵グラフィックス |
USB-PD | 対応 |
モバイル通信 | 非対応 |
重量 | 1015g |
Cinebench R20 | 1241pts |
※スペック情報は執筆時のものです。現在の情報は以下から公式サイトでご覧ください。
本記事ではメーカーより貸し出しを受けて、テストを行っています。
特徴
ここではMatebook X 2020の一般的な特徴に触れています。筆者が使用した感想については、メリット・デメリットからご覧ください。
超軽量モバイルPC
Matebook XはHUAWEIの上位モデルに位置する超軽量モバイルノートパソコンです。本体は約1kgで持ち運びが多い人にも向くモデルとなっています。
3:2の3Kディスプレイ
Matebook Xは3:2のディスプレイを搭載しており、3000×2000の3K高解像度となっています。また色域はsRGB100%。縦長のディスプレイになっていることでインターネットや書類作成時に情報を撮りやすい画面になっています。
感圧タッチのタッチパッド
Windowsパソコンとしては非常に珍しい感圧タッチと搭載しています。メリットでも書いていますが、サラサラとした質感で使いやすいことが特徴です。

価格とコストパフォーマンス
Matebook X 2020は2021年1月現在、第10世代のCore i5モデルで価格帯から考えると性能的コストパフォーマンスは悪いです。コストパフォーマンスを求めるなら、Matebook 14が良いでしょう。しかし、このモデルは絶対性能以外での3Kディスプレイ、感圧タッチ、1kgに近い持ち運びしやすい重量が特徴です。絶対的な性能よりも付帯的な機能にフォーカスして購入するべきモデルでしょう。
スペック
今回レビューしたMatebook X 2020のスペックは以下の通りです。
マシンスペック(技術仕様)
発売年 | 2020年 | |
サイズ | 284×207×13.6mm | |
重量 | 本体 | 1015g |
アダプタ | 190g | |
CPU | Core i5-10210U | |
GPU | 内蔵グラフィックス | |
メモリ(RAM) | 16GB | |
ストレージ | 1st | 512GB |
2nd | – | |
ディスプレイ | サイズ | 13.0インチ |
解像度 | 3000×2000 | |
アスペクト比 | 3:2 | |
形式 | IPS液晶 | |
リフレッシュレート | 60Hz |
フロントカメラ | 画素数 | 720p |
物理シャッター | 有り | |
リヤカメラ | 画素数 | 無し |
Wi-Fi | a/b/g/n/ac/ax | |
bluetooth | v5.0 | |
モバイル通信 | 非対応 | |
光学ドライブ | 非搭載 | |
バッテリー | サイズ | 記載なし |
公称値 | 11.3時間 |
ベンチマーク結果一覧
CINEBENCH
CINEBENCH(シネベンチ)のベンチマーク結果は以下の通りです。R20は1回の測定、R23は10分間の連続測定結果を掲載しています。
バージョン | 測定モード | 測定値[pts] |
---|---|---|
Cinebench R20 | マルチ | 1241 |
シングル | 349 | |
Cinebench R23 | マルチ | 2389 |
シングル | 1051 |
Crystal Disk Mark
Crystal Disk Mark(クリスタルディスクマーク)の測定結果は以下の通りです。
Read[MB/s] | Write[MB/s] | |
---|---|---|
SEQ1M Q8T1 | 3423.51 | 2978.54 |
SEQ1M Q1T1 | 1663.13 | 2698.67 |
RND4K Q32T16 | 1290.06 | 1722.52 |
RND4K Q1T1 | 50.37 | 157.65 |
ゲームベンチマーク
FF15
ファイナルファンタジー15のベンチマーク結果は以下の通りです。全てフルHD品質でテストを行っています。
モード | スコア | 評価 |
---|---|---|
最高品質 | – | – |
高品質 | – | – |
軽量品質 | 739 | 動作困難 |
通信環境(Wi-Fi)のテスト
Matebook X 2020の通信環境テストを行いました。テスト環境は光1Gbps(IPV6対応)でWi-FiにはArcher 10 Proを用いました。結果、快適な通信速度が得られています。
1階部分

2階部分

USB-C(PD)による充電テスト
USB-Cの充電テストを行いました。「〇」は通常通り充電、「△」は充電されるものの低速表示、「×」は充電できないことを示します。
W数 | 充電の可否 | 検証に用いた機種 |
---|---|---|
20W | 〇 | PowerPort Ⅲ Nano |
30W | 〇 | PowerPort Atom Ⅲ Slim 30W |
45W | 〇 | PowerPort Atom Ⅲ Slim 45W |
61W | 〇 | RP-PC133 |
外観
天板です。レビューしたパソコンはシルバーフロストです。シルバーと名前が付いていますが、青っぽい色合いになっています。

背面です。排気口はヒンジ部分のみになっています。

開いた様子です。3:2のアスペクト比で縦長になっています。3Kディスプレイで美しいことが特徴です。

最大角まで開いた様子です。130°まで開けることができます。

上部ベゼルです。かなり狭いベゼルになっています。

下部ベゼルです。ヒンジ部分は少しだけベゼルが大きくなっています。

本体カメラはキーボード内に収納されています。

キーボードです。ミツトヨのデジタルノギスで2つのキーボードで割返した結果、17.9mmとなっています。キーストロークは0.9mmとなっています。

タッチパッドは120mmとかなり広めです。

電源ボタンは指紋認証を兼ねています。

本体右側です。USB-Cポートがあります。

本体左側です。USB-Cポートとヘッドフォンジャックになっています。

本体の質量は1015gとなっています。

充電器込みの重量は1205gとなっています。単体では190gです。

メリット・魅力
とにかく軽いモバイルPC
Matebook X 2020は外観に金属を採用しながら本体が1kgの軽くてモバイル性に優れたスタイリッシュなパソコン。もちろん軽いだけでなく薄型なので、小さめのカバンでも収納しやすいメリットがあります。
情報量が多く取れるディスプレイ
Matebookシリーズはディスプレイに3:2のアスペクト比を採用することが多く、このMatebook X 2020もその一つになっています。しかも3Kディスプレイを採用しているため、縦長でインターネットや書類作成時に縦の情報量を取りやすい画面と言えます。
タッチパッドの感度がとても良い
Matebook X 2020ではタッチパッドに感圧タッチが使われています。押し心地が良いこともさることながら、大型なのでモバイル環境でも操作しやすいメリットがあります。
格納式カメラでセキュリティアップ
Matebook X 2020ではカメラはベゼルではなく、格納式となっており、キーボード内に収まっています。画角に好みが分かれるかも知れませんが、普段カメラを使わずにかつ物理的にオフにしておきたい人にはメリットが大きいと言えるでしょう。

デメリット・欠点
コストパフォーマンスが低い
Matebook X2020は性能よりもオプション的な部分にコストが割かれている印象です(例えば、タッチパッドや3Kディスプレイ)。そのため、絶対的な性能から考えればコストパフォーマンスが低くなります。同じHUAWEIであれば、Ryzen7 4800Hを搭載したMatebook 14の方が安いにもかかわらず、本体性能は3倍ほどあります。また1kgという事にこだわるのであれば、Lenovo Yoga Slim 750i Carbonを選択する方が第11世代で新しいプロセッサの恩恵を受けることができます。
モバイル向けプロセッサの割に持続時間が短い
Matebook X 2020で個人的に最も弱点と思う点がバッテリーの持続時間です。モバイル重視で軽さを打ち出しているため、外で使うケースも多いと想定されますが、バッテリーの持続時間(公称値)は約11時間となっています。USB-PDが使えるため充電機器の持ち運びは苦になりにくいです。
おすすめなタイプ
HUAWEIスマートフォンを使い軽いPCが欲しい人
Matebook X 2020は同メーカーであるHUAWEIスマートフォンと連携して画像をシェアしたりディスプレイ内にスマホの画面を表示させることが可能です。そのため、HUAWEIのスマートフォンユーザーで軽いPCを探している人にとってはお勧めできます。
おすすめできないタイプ
絶対性能ベースでのコストパフォーマンスを求める人
Matebookシリーズでは絶対性能ベースで見た時に非常に性能の高いMatebook 14の存在があります。Matebook 14は定価で5万円ほど安く、さらにベンチマークでのプロセッサ性能の単純比較で2.5倍ほどあるモデル。重さは約1.5kgとモバイル性の面ではデメリットがありますが、HUAWEIに限らず他メーカーで見ても高いコストパフォーマンスを誇るパソコンなので、時々持ち運びで基本的に固定された場所での作業が多いという人にはMatebook 14の方がおすすめです。
カスタマイズ・モデルの選び方
Matebook X 2020はワンモデル展開のためカスタマイズは選べません。
実機レビューのまとめ

Matebook X 2020は全体の質感が高く、さらに軽量、扱いやすいタッチパッドなどモバイル性に優れたノートパソコンです。さらに3:2ディスプレイを採用しているため、インターネットサーフィン、書類作成時に情報を得やすい魅力的なモデルとも言えます。
ただ、プレミアムモデルに該当するためプロセッサの絶対的な性能から見ればコストパフォーマンスが下がる点には注意してください。