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レビュー・評価の概要
ROG FLOW Z3はタブレットPCにハイパフォーマンスな第12世代のintelコアプロセッサHシリーズと外部GPUを搭載した珍しいゲーミングモデル。
高性能な本体に加え、外部接続デバイスである「XG mobile」を使うことでより高いパフォーマンスを引き出すことが可能になるモデルです。
発売年度 | 2022年 |
プロセッサ | Core i5-12500H Core i7-12700H Core i9-12900H |
RAM | 16GB |
ストレージ | 512GB~1TB |
画面サイズ | 13.4インチ |
GPU | Iris Xeグラフィックス RTX3050 Laptop RTX3050 Laptop Ti |
USB-PD | 対応 |
モバイル通信 | 非対応 |
重量 | 1525g |
Cinebench R20 | 5052pts |
※スペック情報は執筆時のものです。現在の情報は以下から公式サイトでご覧ください。
本記事ではメーカーより貸し出しを受けて、テストを行っています。
特徴
ここではROG FLOW Z13の一般的な特徴について解説しています。実際に筆者が使った感想、レビューについてはメリット・デメリットの項目をご覧ください。
dGPUを選べるハイパフォーマンスタブレットPC
ROG FLOW Z13はタブレットノートパソコンでありながら、dGPU搭載モデルも選べる非常に珍しい一台です(内蔵グラフィックスのモデルも存在します)。

プロセッサはintel Core Hシリーズを選択可能
dGPU搭載モデル、内蔵グラフィックスモデルどちらもプロセッサはintel Core Hシリーズとなり、パワフル。タブレットでHシリーズを搭載しているだけでも珍しいのに、最高でCore i9を選択可能となっています。
外部dGPUとの接続が出来る
ROG FLOW Z13は外部接続でRTX3080もしくは3090と接続できるモジュール「XG mobile」が別に発売されています。外付けGPUを用いることでグラフィック性能を大幅強化することができます。

またこのモジュールは外部ハブのような機能も持ち合わせています。有線イーサネットコネクタ接続もできるため、スピードを求める人に向くでしょう。

価格とコストパフォーマンス
13インチ台のノートパソコンの中では高めと感じるかもしれませんが、搭載しているプロセッサ、ディスプレイの性能(4Kや120Hzディスプレイなど)、外部GPUに接続できる機能などを考えれば十分過ぎるコストパフォーマンスです。
スペック
今回レビューしたROG FLOW Z13のスペックは以下の通りです。
マシンスペック(技術仕様)
発売年 | 2023年 | |
サイズ | 204×302×14.5mm | |
重量 | 本体 | 1525g |
アダプタ | 400g | |
CPU | Core i9-12900H | |
GPU | GeForce RTX3050 Ti | |
メモリ(RAM) | 16GB | |
ストレージ | 1st | 1TB |
2nd | – | |
ディスプレイ | サイズ | 13.4インチ |
解像度 | 1920×1080 | |
アスペクト比 | 16:9 | |
形式 | 液晶 | |
リフレッシュレート | 60Hz |
フロントカメラ | 画素数 | 92万画素 |
物理シャッター | 無し | |
リヤカメラ | 画素数 | 有り |
Wi-Fi | a/b/g/n/ac/ax | |
bluetooth | v5.1 | |
モバイル通信 | 非対応 | |
光学ドライブ | 非搭載 | |
バッテリー | サイズ | 公式記載なし |
公称値 | 6.6時間 |
レビュー機種以外にも詳細のカスタマイズが可能です。細かなスペック内容についてはテーブル下の公式サイトのリンクからご覧ください。
ベンチマーク結果一覧
CINEBENCH
CINEBENCH(シネベンチ)のベンチマーク結果は以下の通りです。R20は1回の測定、R23は10分間の連続測定結果を掲載しています。
バージョン | 測定モード | 測定値[pts] |
---|---|---|
Cinebench R20 | マルチ | 5052 |
シングル | 713 | |
Cinebench R23 | マルチ | 11627 |
シングル | 1899 |
Crystal Disk Mark
Crystal Disk Mark(クリスタルディスクマーク)の測定結果は以下の通りです。
Read[MB/s] | Write[MB/s] | |
---|---|---|
SEQ1M Q8T1 | 3347.96 | 3192.91 |
SEQ1M Q1T1 | 2101.66 | 3176.77 |
RND4K Q32T16 | 1844.97 | 1070.67 |
RND4K Q1T1 | 62.22 | 331.73 |
ゲームベンチマーク
FF15
ファイナルファンタジー15のベンチマーク結果は以下の通りです。全てフルHD品質でテストを行っています。
モード | スコア | 評価 |
---|---|---|
最高品質 | 4587 | 快適 |
高品質 | 6090 | 快適 |
軽量品質 | 7373 | 快適 |
以下は、XG Mobile(GeForce RTX3080搭載モデル)を接続して利用した様子です。ベンチマーク結果の通り、大幅にパフォーマンスアップします。
モード | スコア | 評価 |
---|---|---|
最高品質 | 10103 | とても快適 |
高品質 | 13366 | 非常に快適 |
軽量品質 | 15902 | 非常に快適 |
モニター評価(色域)
モニターの色域カバー率は以下の通りです。測定はi1 Display Proを用いてデータ測定後、Color ACにてIICプロファイルからカバー率などのデータを作成しています。
測定項目 | カバー率[%] | カバー比[%] |
---|---|---|
sRGB | 99.4 | 104.6 |
Adobe RGB | 75.8 | 77.5 |
通信環境(Wi-Fi)のテスト
測定環境
Wi-Fiの通信環境テストを行いました。テスト環境は光1Gbps(IPv6対応)でWi-FiにはArcher 10 Proを用いました。
テスト環境は以下の通りで戸建て環境の1階、及び2階で測定を行っています。幅方向約10.5m、奥行き方向8.2mの環境です。
1階部分

2階部分

測定項目 | ダウンロード | アップロード | PING |
単位 | Mbps | Mbps | ms |
ルーター前 | 549.83 | 578.97 | 13 |
ポイント② | 430.54 | 497.25 | 12 |
ポイント③ | 473.51 | 573.29 | 12 |
ポイント④ | 410.58 | 542.26 | 11 |
ポイント⑤ | 370.09 | 339.47 | 12 |
ポイント⑥ | 135.04 | 206.68 | 12 |
通信スピードテストの評価
通信速度自体はほぼ気にならないものの、PINGが低い点が気になりました。XG Mobileを接続すれば有線接続も出来るので、そちらを検討してみても良いでしょう。
USB-C(PD)による充電テスト
USB-Cの充電テストを行いました。「〇」は通常通り充電、「△」は充電されるものの低速表示、「×」は充電できないことを示します。
W数 | 充電の可否 | 検証に用いた機種 |
---|---|---|
20W | × | PowerPort Ⅲ Nano |
30W | × | PowerPort Atom Ⅲ Slim 30W |
45W | △ | PowerPort Atom Ⅲ Slim 45W |
61W | △ | RP-PC133 |
100W | △ | AUKEY PA-B7 |
外観
ゲーミングパソコンの位置付けということもあり、背面は他のパソコンとは一線を画すこだわった意匠となっています。特にスケルトンデザインが特徴的で、ゲーミングらしくライティングすることが可能です。

デタッチャブルキーボードをつけた様子です。フェルト素材となっています。黒のため汚れがつきやすい欠点があります。

開いた様子です。表から見るとゲーミングらしさはあまり見られません。ベゼルも狭めで今時のPCらしさを感じます。タブレットのため、写真のようにキーボードを取り外すことができます。

キーボード全体です。一部キーボードが隣り合っているところもありますが、全体的に打ちやすい印象です。パームレスト部分はフェルト素材になっており、経年での汚れが気になります。

キーピッチは19.7mm、キーストロークは1.5mmとなっています。カバーキーボードのため剛性感はありません。強めにタイピングする人には向かないでしょう。

タッチパッド幅を計測したところ、タッチパッドはサラサラで使いやすい印象をうけました。幅は98mmとなっています。

本体右側には電源ボタン、音量ボタン、USb Type-A、ヘッドフォンジャックがあります。

本体左方にはUSB Type-C(Thunderbolt4)と、XG Mobile接続用のコネクタがあります。なおスピーカーは左右下部にステレオとなっています。ROGシリーズらしく音が良いことが特徴です。

下部にはキーボード接続用の端子があります。

メリット・魅力
軽量かつハイパフォーマンス
ROG FLOW Z13の売りはタブレットであるため、Hシリーズを搭載しながら本体が軽量であることです。キーボードを取り外せば、1.18kgで持ち運びが楽になります。
Hシリーズ搭載でタブレットは珍しいにも関わらず価格は安い
Windowsタブレットのシリーズは基本的にモバイルプロセッサを搭載するケースが多いですが、本モデルの場合はHシリーズプロセッサを搭載しており、非常にパワフルです。タブレット+Hシリーズという特殊性を持ちながら価格帯が安く設定されている点も魅力と言えるでしょう。
熱の問題が解決する
プロセッサのパフォーマンスと熱の問題は切っても切り離せない関係ですが、本モデルの場合はプロセッサがディスプレイ側にあります。そのため、手に熱が伝わることがないという大きなメリットを有しています。
自宅での拡張性が高い
ROG FLow Z13はXG Mobileを利用することもできるため、外付けのハブのように使うことができます。GPUでグラフィックス性能を上げるだけでなく、自宅のみで使うデバイスへの接続が容易にできるメリットを持ちます。
スピーカー音が良い
タブレットのため、映像出力マシンとして使う人も多いかと思いますが、音が非常に良いのが特徴(ROGシリーズは特に音が良い)。ゲームを楽しむ際にも有利になります。
USB Type-A端子がある
タブレットは軽量性や薄さをウリにする関係で、USB Type-A端子が犠牲になることも多いですが本モデルでは厚みがあるため、USB Type-Aにも対応します。ちょっとしたデータのやりとりに便利です。
デメリット・欠点
バッテリー持続時間が短い
ROG FLOW Z13はGPU非搭載モデルで8.1時間、搭載の最上位モデルで6.5時間とバッテリー持続時間が非常に短いです。そのため、外出時に長時間使うのは難しいでしょう。
タブレット時の背面出っ張りが気になる
ROG FLOW Z13の特徴でもある背面のスケルトンデザインは少し出っ張りがあります。ゲーミングパソコンとしてのデザインは良いものの、タブレットとして利用する場合、平置きすると出っ張りのせいでガタついてしまう点が気になります。
XG mobileはデアクティブが必要
ROG XG Mobileは外部デバイスとしてパフォーマンスアップできる面白いアイテム。接続時はワンタッチですぐに使えますが、問題は外すとき。一旦、非アクティブ化してから取り外す手間が要ります。おそらくXG mobileを取り外すときは外出する時だと思うので、急いでいるときなどは手間になる可能性があります(取り外しの非アクティブ化は1分あれば可能です)。

おすすめなタイプ
外でハイパワーPCを使いたい人
本モデルはコンパクトさとintel Hシリーズを搭載するハイパワーさを両立したパソコンです。外でも処理能力を気にすることなくスピーディに使いたい人にはピッタリと言えるでしょう。
自宅でクラムシェル運用する人
XG mobileはクラムシェル運用する人にはピッタリのモデル。ROG FLOW Z13は内蔵グラフィックモデルも存在するので、外出先ではバッテリー重視、自宅ではハイパワー重視と使い分けることが可能です。
おすすめできないタイプ
外で充電環境が整わない人
ハイパワーであるが故に外での充電環境が整わない人にとってはバッテリー持続時間の面が辛いでしょう。持ち出し時間が短いか、コンセントにつなげられる環境のある人でないとお勧めできません。
カスタマイズ・モデルの選び方
ROG FLOW Z13はラインナップがかなり特殊で、プロセッサとCore i5〜i9が選べたり、内蔵グラフィックスモデルとGeForce RTXシリーズ搭載モデルを選択できたりします。
ポイントは外付けのXG Mobileを買うかどうかがポイントでもし買うなら内蔵グラフィックスモデル、そうでなければ自分に合ったプロセッサのモデルを選ぶと良いでしょう。
実機レビューのまとめ

intel Core Hシリーズプロセッサを搭載しつつ、外部GPUを使うことが出来るだけなく、なんとタブレットとしてのカテゴリで発売されたROG FLOW Z13。
特殊性の高いPCですが、それゆえにロマンを感じるラップトップと言えるでしょう。
安く買う方法・コツ
ROG FLOW Z13に限らず、ASUSのパソコンを安く買う方法については以下の記事でまとめています。購入前に必ずご確認ください。
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