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レビュー・評価の概要
Ryzen9 5900HXとRTXを搭載し、登場した最速最強のノートパソコンです。製品ページでもアピールされている性能の通り、ノートパソコンとしては信じられない高い性能を誇ります。
プロセッサ、グラフィックボードが強いだけでなくさらにメモリの読み書きが速い特徴を持っていたり、金属グリスによる冷却性能の向上で高性能ノートの割に発熱が抑えられていることが特徴。
最上位クラスでディスプレイ性能も優れるため、価格はそれなりにしますが、価格さえ出せるなら非常に満足度の高い一台に仕上がっています。
発売年度 | 2021年 |
プロセッサ | Ryzen9 5900HX |
RAM | 32GB |
ストレージ | 最大2TB |
画面サイズ | 17.3インチ |
GPU | GeForce 3080 |
USB-PD | 対応 |
モバイル通信 | 非対応 |
重量 | 2715g |
Cinebench R20 | 5041pts |
※スペック情報は執筆時のものです。現在の情報は以下から公式サイトでご覧ください。
本記事ではメーカーより貸し出しを受けて、テストを行っています。
特徴
ここではROG Strix SCAR 17(2021年モデル)の一般的な特徴に触れています。筆者が使用した感想については、メリット・デメリットからご覧ください。
Ryzen9 5900HXを搭載
ROG Strix SCAR 17では、シリーズの中でも最上位クラスになるRyzen9 5900HXを搭載しています。

ベンチマーク結果でも後述しますが、Cinebench R20では5000ptsを超える性能を発揮しており、非常に高性能なプロセッサとなっています。また温度がほとんど上がらず、キーボード上で使っても、快適な操作性となっています。
RTX3080を搭載
グラフィックボードにはRTX3080を搭載しており、こちらもシリーズとしてはハイエンドに当たるモデルです。ゲームベンチマークでも好成績を残しています。
ノートでは珍しいメカニカルキー
ROG Strix SCAR17ではオプティカルメカニカルキーを採用しています。青軸のようなカチカチ音のなるキーでしっかりとしたクリック感があり、さらにレーザーによる検知によりより反応速度の向上がはかられています。
価格とコストパフォーマンス
ROG Strix SCAR17は税込で30万円を超える価格となっており、非常に高額です。しかしながら、Ryzen9 5900HXとRTX3080、さらに300Hzのリフレッシュレートディスプレイ、メカニカルキーという構成を考えれば十分に納得できる価格です。ただ、そこまでの性能が必要な人は少ないことを考えればある程度ロマン価格であることは否めません。
スペック
今回レビューしたROG Strix SCAR 17(2021年モデル)のスペックは以下の通りです。
マシンスペック(技術仕様)
発売年 | 2021年 | |
サイズ | 354.9×259.9×22.6~27.2mm | |
重量 | 本体 | 2715g |
アダプタ | 720g | |
CPU | Ryzen 5900HX | |
GPU | GeForce RTX3080 | |
メモリ(RAM) | 32GB | |
ストレージ | 1st | 1TB SSD |
2nd | – | |
ディスプレイ | サイズ | 15.6インチ |
解像度 | 2560×1440 | |
アスペクト比 | 16:9 | |
形式 | 液晶 | |
リフレッシュレート | 165Hz |
フロントカメラ | 画素数 | 無し |
物理シャッター | 無し | |
リヤカメラ | 画素数 | 無し |
Wi-Fi | a/b/g/n/ac/ax | |
bluetooth | v5.1 | |
モバイル通信 | 非対応 | |
光学ドライブ | 非搭載 | |
バッテリー | サイズ | 公式記載なし |
公称値 | 10.1時間 |
レビュー機種以外にも詳細のカスタマイズが可能です。細かなスペック内容についてはテーブル下の公式サイトのリンクからご覧ください。
ベンチマーク結果一覧
CINEBENCH
CINEBENCH(シネベンチ)のベンチマーク結果は以下の通りです。R20は1回の測定、R23は10分間の連続測定結果を掲載しています。
バージョン | 測定モード | 測定値[pts] |
---|---|---|
Cinebench R20 | マルチ | 5041 |
シングル | 577 | |
Cinebench R23 | マルチ | 11820 |
シングル | 1492 |
Crystal Disk Mark
Crystal Disk Mark(クリスタルディスクマーク)の測定結果は以下の通りです。リードが7000MB/s以上も出ており非常に高速でした。ただし、今回は先行試験させて頂いたモデルでRAID 0のためこの数値が出ています。量産品はRAID 0ではありません。
Read[MB/s] | Write[MB/s] | |
---|---|---|
SEQ1M Q8T1 | 7118.83 | 6011.79 |
SEQ1M Q1T1 | 5065.87 | 4675.21 |
RND4K Q32T16 | 874.24 | 550.50 |
RND4K Q1T1 | 4450 | 221.72 |
ゲームベンチマーク
FF15
ファイナルファンタジー15のベンチマーク結果は以下の通りです。全てフルHD品質でテストを行っています。
モード | スコア | 評価 |
---|---|---|
最高品質 | 9959 | 快適 |
高品質 | 12905 | 快適 |
軽量品質 | 14826 | とても快適 |
通信環境(Wi-Fi)のテスト
通信環境テストを行いました。テスト環境は光1Gbps(IPV6対応)でWi-FiにはArcher 10 Proを用いました。全エリアで非常に快適な速度が得られる結果となりました。特にPINGが1桁台が出ておりレスポンスが速いことが特徴です。各データはクリックで拡大できます。
1階部分

2階部分

USB-C(PD)による充電テスト
USB-Cの充電テストを行いました。「〇」は通常通り充電、「△」は充電されるものの低速表示、「×」は充電できないことを示します。
W数 | 充電の可否 | 検証に用いた機種 |
---|---|---|
20W | × | PowerPort Ⅲ Nano |
30W | △ | PowerPort Atom Ⅲ Slim 30W |
45W | △ | PowerPort Atom Ⅲ Slim 45W |
61W | △ | RP-PC133 |
100W | 〇 | AUKEY PA-B7 |
外観
天板です。ROGのマークと斜めに入ったドッドが施されています。ドットは角度を変えるとROGというマークが見えるようになります。

背面のパーツは取り換えることができます。以下の他にスケルトンも付属します。

背面です。超高性能機ということもあり、通気口が多く設けられています。またゴム脚もデザインされています。

ゴム脚部分のアップです。

開いた様子です。ベゼルは狭く、高級感があります。

上部ベゼルです。

下部ベゼルです。下側のベゼルは大きくなっています。

キーボードです。英字キーボードとなっています。ノートパソコンとしては非常に珍しくメカニカルキースイッチになっています。押すとカチカチというクリック音がしっかりと鳴ります。

キーボードは半面がかなり珍しいスケルトン構造です。

キーボードバックライトを搭載し、RGBに光ります。

ミツトヨのデジタルノギスで2点間のキーを計測し、割返したところキーピッチは17.7mmとなりました。キーストロークは1.8mmで深めです。

タッチパッドはサラサラで使い勝手が良くなっています。幅は130mmです。

パームレストはプラスチックです。指紋が少し目立つようになっています。

本体右側です。通気口とROGシリーズならではのキーストーンの差込口があります。

本体左側です。通気口、及びUSB-Aのスロットがあります。

背面です。USB-A、USB-C、HDMI、イーサネットコネクター、電源ポートがあります。

本体下部にもライティング要素があります。

付属のキーストーンです。設定変更だけなく、鍵の役割も兼ねており隠しフォルダを作ることもできます。

キーストーンを装着した様子です。

本体重量を測定した結果、2715gとなりました。

充電器込みの重量は3435gとなっています。なお単体では720gです。

メリット・魅力
文句を言わせない高性能さ
ROG Strix SCAR17は名実ともに最強性能となっており、買って後悔しない超ハイエンドなノートパソコンとなっています。高いだけあって、購入すれば、所有欲が満たされる一台と言えます。
画面が非常に美しい
300Hzリフレッシュレートを採用しているだけなく、TFT液晶を搭載してることで非常に美しい画面が特徴です。没入感が他のノートパソコンとは段違いです。長時間見続けるものだからこそ、綺麗さを求める人にとって大きな魅力となります。
スピーカー性能も高め
ASUSのノートパソコンは全体的に音響に優れたモデルが多いですが、このROG Stirx SCAR17もまさしくそのモデルの一つ。大きな音を出しても音割れすることもなく、幅広く表現してくれます。
本体が熱くならない
Ryzen9 5900HXとRTX3080を搭載したノートパソコンなので、ほとんどの人が最も気になる点が温度だと思いますが、ベンチマークを回してみても意外と熱くなりません。キーボードの上に手を置いてもほんのり暖かい程度です。さらに普段はプロセッサの性能が高いこともあってか、ほぼ熱が出ないためサーマルコントロールがよく出来たPCと言えます。
100WのUSB-PDに対応
大型モデルではUSB-PDに対応しないケースがほとんどですが、本PCは100WのUSB-PD充電に対応します。フルで性能発揮はできませんが、モバイル環境でも使える点は魅力と言えるでしょう。
メカニカルキーによる入力は魅力的
かなり変わったメカニカルキーボードを採用していますが、この入力は人によっては非常に魅力的。

特に青軸のキーボードを使っている人にとっては、PCでの入力が楽しみになるモデルとも言えるでしょう。
デメリット・欠点
音が気になることがある
ファンが回っている時はほぼ気になりませんが、たまにチリチリと小さな音で音がなることがあります(最初の起動時が多く、安定してくると鳴らない)。個体差があるかもしれませんが、気になったのでピックアップしています。
スケルトン部分は賛否出るところ
キーボード側のスケルトンは賛否が分かれるところです。このパソコンは、非常に高性能なためクリエイターでも使いたくなる性能を持っていると感じました。ゲーミングユーザーを対象にしているのでしょうがない部分ではありますが、逆にクリエイター向けのモデルをZenBookシリーズで出して欲しいところです。
おすすめなタイプ
絶対的な高性能ノートが欲しい人
やはり何と言っても魅力は他にはない高性能な部分。ノートパソコンでデスクトップ代替にもなる高性能ノートを探している人にとって、魅力的な一台となることでしょう。
USB-PDを利用したい人
高性能ノートパソコン、特にCore i7のHシリーズ、もしくは同等性能以上のモデルではUSB-PDを使えないモデルがほとんどです。しかし、ASUSは過去から高性能PCであってもUSB-PDが使えるモデルを数多く出しています。このROG Strix SCAR17もその一つ。意外にもバッテリー保持時間が長いため、USB-PD活躍の場も広がるのではないでしょうか。
おすすめできないタイプ
外で使うことが多い人
ゲーミングカテゴリで高性能なモデルの中では弱点のないモデルですが、唯一気になるのはメカニカルキーの音。好き嫌いが分かれる部分なので、選ぶ時点で使用者は選べるのですが外で使う分にはキーの音は気になるもの。カチカチと音がなるので、このPC単独で外の周りに人がいるところで使うのは難しいと感じます。
カスタマイズ・モデルの選び方
本モデルはカスタマイズモデルはありません。ただし、15インチにサイズダウンしたモデルがあります。こちらは性能がほぼ同じでディスプレイがWQHDのリフレッシュレート165Hzとなっています。値段はほぼ変わらないため好みで選ぶと良いでしょう。
実機レビューのまとめ

文句なしに高性能なノートパソコンで価格は高いですが、快適にゲーム、作業をこなすなら選んで後悔のないモデルと言えるでしょう。
高性能モデルですが、熱、ファン音も一般的なゲーミングPCレベルな点も魅力的なポイント言えるでしょう。
安く買う方法・コツ
ROG Strix SCAR 17に限らず、ASUSのパソコンを安く買う方法については以下の記事でまとめています。購入前に必ずご確認ください。
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