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レビュー・評価の概要
Surfaceシリーズのノートパソコンの中でも最上位に当たるモデルで、高品質なデザインにGPUまで搭載したハイスペックな一台となっています。
Surface Book3はスペックが最上位なだけでなく、それに加えて、2in1として分離して使える機能も持っており、タブレットライクに使うこともできます。これにより、Surfaceシリーズの純正スタイラスペンを利用することができ、内部GPUと組み合わせて、クリエイティブな作業にも使えるPCとなっています。
値段はSurfaceシリーズの中でもずば抜けて高いですが、ペンを利用したりクリエイティブな要素で使うこと前提で、予算が許せばぜひ候補に入れておきたいモデルです。
発売年度 | 2020年 |
プロセッサ | Core i7-1065G7 |
RAM | 32GB |
ストレージ | 1TB SSD |
画面サイズ | 15インチ |
GPU | GeForce GTX1660 Ti(6GB) |
USB-PD | 対応 |
モバイル通信 | 非対応 |
重量 | 1910g |
Cinebench R20 | 1586pts |
※スペック情報は執筆時のものです。現在の情報は以下から公式サイトでご覧ください。
本記事ではメーカーより貸し出しを受けて、テストを行っています。
特徴
ここではSurface Book3(15インチ)の一般的な特徴に触れています。筆者が使用した感想については、メリット・デメリットからご覧ください。
2in1のハイエンドパソコン
Surface Book3は一見クラムシェルに見えますが、本体をタブレットとキーボード部分に分離することができ、2in1として使うことができるモデルです。
パソコンとして普通に使うのはもちろん、スタイラスペンを使って描画にも向いたモデルとなっています。
ほぼクラムシェル構造で使える一台
SUrface Book3はかなり特殊で、2in1でありながらキーボードとディスプレイが強力に接続され、キックスタンドなどはなく、クラムシェル型のように使えるノートパソコンになっています。
スタンドを持たない分背面にスペースがなくても設置ができるなど、クラムシェルと2in1の良いとこどりできるモデルになっています。
Surfaceノートで唯一のGPU搭載モデル
Surfaceシリーズのノートパソコンは基本的にノートPC用のプロセッサに内臓グラフィックスで動かすモデルが大半を占めますが、Surface Book3だけはdGPUを搭載しています。
グラフィックス性能が高いため、ゲームもできますし、イラスト編集、動画編集などでも利用できるモデルになってます。なお、Surface Bookには13.5インチと15インチモデルがありますが、15インチモデルはより高性能なグラフィックボードが搭載されています。
価格とコストパフォーマンス
Surface Book3はノートPC用のプロセッサであるCore i7-1065G7とGTX 1660Tiの組み合わせのため、絶対性能から見れば高めの設定となっています。
ただし、このパソコンは本体デザインの質感や2in1としてタブレット形式になること、さらにSurfaceシリーズの周辺機器と合わせて使えるエコサイクルが魅力になり、単純な価格性能で比較するのは難しいモデルです。スペックやベンチマークの数値以外のところで魅力を感じて購入するモデルと言えるでしょう。
スペック
今回レビューしたSurface Book3(15インチ)のスペックは以下の通りです。
マシンスペック(技術仕様)
発売年 | 2020年 | |
サイズ | 343×251×15~23mm | |
重量 | 本体 | 1910g |
アダプタ | 460g | |
CPU | Core i7-1065G7 | |
GPU | GeForce GTX1660 Ti(6GB) | |
メモリ(RAM) | 32GB | |
ストレージ | 1st | 1TB SSD |
2nd | – | |
ディスプレイ | サイズ | 15インチ |
解像度 | 3000×2000 | |
アスペクト比 | 3:2 | |
形式 | IPS液晶 | |
リフレッシュレート | 60Hz |
フロントカメラ | 画素数 | 1080p |
物理シャッター | 無し | |
リヤカメラ | 画素数 | 無し |
Wi-Fi | a/b/g/n/ac/ax | |
bluetooth | v5.0 | |
モバイル通信 | 非対応 | |
光学ドライブ | 非搭載 | |
バッテリー | サイズ | 公式記載なし |
公称値 | 17.5時間 |
レビュー機種以外にも詳細のカスタマイズが可能です。細かなスペック内容についてはテーブル下の公式サイトのリンクからご覧ください。
ベンチマーク結果一覧
CINEBENCH
CINEBENCH(シネベンチ)のベンチマーク結果は以下の通りです。R20は1回の測定、R23は10分間の連続測定結果を掲載しています。
バージョン | 測定モード | 測定値[pts] |
---|---|---|
Cinebench R20 | マルチ | 1586 |
シングル | 358 | |
Cinebench R23 | マルチ | 3429 |
シングル | 1098 |
Crystal Disk Mark
Crystal Disk Mark(クリスタルディスクマーク)の測定結果は以下の通りです。
Read[MB/s] | Write[MB/s] | |
---|---|---|
SEQ1M Q8T1 | 2067.52 | 815.20 |
SEQ1M Q1T1 | 790.20 | 534.22 |
RND4K Q32T16 | 363.14 | 200.00 |
RND4K Q1T1 | 25.39 | 64.56 |
通信環境(Wi-Fi)のテスト
通信環境テストを行いました。テスト環境は光1Gbps(IPv6対応)でWi-FiにはArcher 10 Proを用いました。どの部屋でも安定した速度が得られました。
1階部分

2階部分

USB-C(PD)による充電テスト
USB-Cの充電テストを行いました。「〇」は通常通り充電、「△」は充電されるものの低速表示、「×」は充電できないことを示します。
W数 | 充電の可否 | 検証に用いた機種 |
---|---|---|
20W | 〇 | PowerPort Ⅲ Nano |
30W | 〇 | PowerPort Atom Ⅲ Slim 30W |
45W | 〇 | PowerPort Atom Ⅲ Slim 45W |
61W | 〇 | RP-PC133 |
100W | 〇 | AUKEY PA-B7 |
外観
本体背面はセンターにMicrosoftのロゴで光沢となっており、それ以外は梨地仕様となっています。

シングルのリヤカメラを備えています。

背面にはスリットなどはなく、上下にゴム足が細長くついているスタイルになります。

開いた様子です。光沢液晶で美しいディスプレイが特徴です。ディスプレイアスペクト比は3:2となっており縦向きに資料をみやすい形状になっています。

最大開き角は130°となっています。

本体はキーボードの取り外しボタンを押すことで簡単に外せるようになります。逆にボタンを押さなければ、強い力をかけても全く外れません。一般的なマグネットで止まるタイプの2in1とは別物です。

ディスプレイを外すと接続端子が現れます。

本体キーボードです。テンキーがないため広々としたキースペースが取られています。キーボード配置は違和感がなく、打ちやすい印象です。

ミツトヨのデジタルノギスで2つのキーを計測し、割り返してキーピッチを算出したたところ17.7mmとなりました。またキーストロークは1.5mmとなっています。

本体左側です。USB-A×2つ、フルサイズSDスロットとなっています。

右側はUSB-Cとサーフェスコネクタとなっています。

閉じた様子を撮影しました。一般的なノートパソコンと異なりSurface Bookの場合はヒンジが特殊なせいか隙間ができます。

本体の質量を測定した様子です。1910gとなりました。

キーボードを取り外し、ディスプレイ単体では815gとなりました。

本体と充電器をセットで測定した様子です。合わせて2370gとなりました。また、充電器単体では460gとなっています。

メリット・魅力
Surfaceらしい高い質感
Surface Book3はシリーズの中でも最高峰モデルということもあり、非常に高い質感を誇りどの角度から見ても美しいデザインとなっています。所有欲を満たしてくれるノートパソコンと言えます。
GPU搭載モデルとしては落ち着いたデザイン
Surface Book3はdGPU搭載モデルですが、他メーカーのGPU搭載モデルと比較すると主張が強くない魅力があります。どのメーカーもGPUを搭載することでゲーミング要素が強くなるため、Surface Book3のようにシンプルなデザインでGPUを搭載したモデルはそれだけで魅力があります。
スタイラスを活かせる2in1
Surface Book3は2in1としてタッチパネルディスプレイを分離できるので、純正のスタイラスペンの魅力を100%引き出すことができます。またGPUを搭載していることで、イラストのグラフィック処理に強い点も魅力と言えます。
2in1としては珍しい完全ロック式
Surface Book3の2in1ロックは非常に珍しく、電子的に完全ロックがかかる仕組みになっています。解除する場合はキーボード側で分離ボタンを押して初めてタブレット型へ変更することができます。簡単に外れることがない点が大きなメリットになります。
片手でオープンできる
Surface Book3はディスプレイ側が重いにもかかわらず重量配分がしっかりとしているからか、片手で簡単に開けることができます。これができるかできないかで、日常のちょっとした快適性が変わります。
デメリット・欠点
重さが気になる
Surface Book3 15インチモデルはGPU搭載モデルの中でも2kg弱とかなり重い部類に入ります。薄いので持ち運びには苦労しないと思いますが、長時間持つ人にとっては負担に感じるかもしれません。
完全に閉じ切らない
Surface Book3は特殊なクラムシェル構造からか一般的なノートパソコンのようにディスプレイが完全に閉じ切りません。デザインの観点から考えると、特徴があって個人的には美しいと感じますが持ち運びするとなると隙間に異物が入るかもしれないことを考えるとケース運用する方が無難と言えるでしょう。
タブレット側にUSB-Cポートがない
タブレット式にできることで幅広い使い方ができるSurface Book3ですが残念なことに、ディスプレイ側の充電としてUSB-PDが用意されていません(純正のSurfaceコネクタでの充電は可能)。

持ち物をよりコンパクトにすることを前提にすれば、ディスプレイだけを持ち運ぶという選択肢もありますが、USB-PDがないことで充電が切れる可能性を考慮して純正アダプタを追加で持ち運ぶ必要性が出てきます。
おすすめなタイプ
デザイン性に優れたGPU搭載モデルが欲しい人
メリットでも書いた通り、GPU搭載モデルはゲーミング性を主張するモデルが多いため、デザインと性能を両立したモデルが欲しい人にとってはSurface Book3は良い選択肢になります。
スタイラスペンを利用する人
Windowsノートパソコンでは、スタイラスペンはまだまだ普及しきっているとは言い難い状況の中で純正でペンを出しているSurfaceペンには一日の長があります。Surfaceペンは廉価モデルであってもスタイラスペンの反応が良いので使い勝手が非常に良いです。また、Surface Book3に限って言えば、GPUを搭載していることでSurfaceペンをより有用に使えるノートパソコンと言えます。
GPU搭載PCで持ち運びしたい人
Surface Book3はプロセッサにノートパソコン用の省電力プロセッサを搭載しています。人によっては性能を考えれば価格が高いという人もいるかもしれませんが、個人的には「モバイル用パソコン」であれば、Core i7-1065G7で十分と考えています。これにより、GPU搭載PCでありながた15時間を超えるバッテリー持続時間(公称値)を獲得している方がメリットが大きく、持ち運びが多い人に検討して欲しい一台と言えます。
おすすめできないタイプ
絶対性能をベースにコストを重視する人
2020年から2021年にかけてプロセッサの進化が大きく、Core i7-1065GとGTX1650の組み合わせを価格から考えるとSurface Book3には割高感があります。Surface Book3はプロセッサ以外のところの魅力が大きいモデルなので、絶対性能とのコストパランスを重視する人には向かないモデルです。
カスタマイズ・モデルの選び方
Surface Book3 15インチは実質1モデル展開なのであまり悩む必要はありません。それよりも持ち運び性を考慮した上で13.5インチモデルと悩む人が多いでしょう。13インチの場合は、シリーズによってグラフィックボード非搭載モデルがあること、さらに15インチと比べて性能が低いGTX1650 Max-Qになっていることに注意してください。
実機レビューのまとめ

Surface Book3はMicrosoft Surfaceシリーズのフラッグシップモデルということだけあって、高い質感、機能性、そしてほぼクラムシェルをタブレット化させるという離れ技まで持つモデルです。
値段が高いので万人向けではありませんが、モバイルで使う人やタブレットで専用スタイラスを使い、文字、イラスト入力をするという人にとっては強い味方となるモデルと言えるでしょう。
安く買う方法・コツ
Surface Book3(15インチ)に限らず、Surfaceのパソコンを安く買う方法については以下の記事でまとめています。購入前に必ずご確認ください。
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