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レビュー・評価の概要
Surface Laptop Studioは2022年から登場したSurfaceシリーズの中でもフラッグシップに当たる2in1ノートパソコンです。一般的なタブレット式や360°回転式ではなく、フリップすることでタブレットに変形できる機構を備えています。
Core Hシリーズプロセッサ、上位モデルではRTX3050 Laptopを搭載しつつ、Surface Slim Penをマグネットホールドできるような細かな配慮まで施された魅力的なモデルです。
発売年度 | 2022年 |
プロセッサ | Core i5-11300H Core i7-11370H |
RAM | 16~32GB |
ストレージ | 256GB~1TB |
画面サイズ | 14.4インチ |
GPU | Iris Xeグラフィックス GeForce RTX3050 Laptop |
USB-PD | 対応 |
モバイル通信 | 非対応 |
重量 | 1825g |
Cinebench R20 | 2240pts |
※スペック情報は執筆時のものです。現在の情報は以下から公式サイトでご覧ください。
本記事ではメーカーより貸し出しを受けて、テストを行っています。
特徴
ここではSurface Laptop Studioの一般的な特徴について解説しています。実際に筆者が使った感想、レビューについてはメリット・デメリットの項目をご覧ください。
Laptopシリーズのフラッグシップモデル
Surfaceにはいくつかブランドがある中でクラムシェルのLaptopシリーズのフラッグシップに当たるモデルです。MicrosoftのSurfaceはどれも高いクオリティを持つノートパソコンですが、本モデルもシリーズに違わず高い質感を誇ります。

外観の仕上がりだけでなく、本モデルの特殊機構であるフリップ機能においても手に取っただけでわかる剛性感を持っており、フラッグシップにふさわしい逸品です。
特殊なフリップ機構
概要でも書いた通り、Surface Laptop Studioはクラムシェルノートパソコンでありながら、フリップしてタブレットのように使える特殊な機能が備わっています。

GeForce RTX3050 Laptop搭載
本モデルはCore i5とCore i7モデルがありますが、上位ではRTX3050 Laptopが搭載されています。dGPUを搭載することで、グラフィックス性能が高められています。
背面にペンを収納可能
Surface Laptop Studioでは背面にペンが収納できるようになっています。マグネットでしっかりホールドされる上に、他のマグネットホールドと異なり、パソコンの側面から飛び出さない仕様になっています。
価格とコストパフォーマンス
Surface Laptop StudioはCore i5、メモリ16GBで20万円台から。Surface Slim Pen等のアクセサリーは別売りとなります。本体だけならば、スペック、機構、そして他社のフラッグシップと比較して特別高いわけでは無印象です。
法人向けの場合はOFFICEが選択必須となっています。GeForce RTX搭載モデルはCore i7モデルからで27万円台からとなっています。
スペック
今回レビューしたSurface Laptop Studioのスペックは以下の通りです。
マシンスペック(技術仕様)
発売年 | 2022年 | |
サイズ | 228.32×323.28×18.94mm | |
重量 | 本体 | 1825g |
アダプタ | 380g | |
CPU | Core i7-11370H | |
GPU | GeForce RTX3050 Laptop | |
メモリ(RAM) | 16GB | |
ストレージ | 1st | 512GB |
2nd | – | |
ディスプレイ | サイズ | 14.4インチ |
解像度 | 2400×1600 | |
アスペクト比 | 3:2 | |
形式 | 公式記載なし | |
リフレッシュレート | 最大120Hz |
フロントカメラ | 画素数 | 1080p |
物理シャッター | 無し | |
リヤカメラ | 画素数 | 無し |
Wi-Fi | a/b/g/n/ac/ax | |
bluetooth | v5.1 | |
モバイル通信 | 非対応 | |
光学ドライブ | 非搭載 | |
バッテリー | サイズ | 公式記載なし |
公称値 | 最大18時間 |
レビュー機種以外にも詳細のカスタマイズが可能です。細かなスペック内容についてはテーブル下の公式サイトのリンクからご覧ください。
ベンチマーク結果一覧
CINEBENCH
CINEBENCH(シネベンチ)のベンチマーク結果は以下の通りです。R20は1回の測定、R23は10分間の連続測定結果を掲載しています。
バージョン | 測定モード | 測定値[pts] |
---|---|---|
Cinebench R20 | マルチ | 2240 |
シングル | 499 | |
Cinebench R23 | マルチ | 5624 |
シングル | 1286 |
Crystal Disk Mark
Crystal Disk Mark(クリスタルディスクマーク)の測定結果は以下の通りです。
Read[MB/s] | Write[MB/s] | |
---|---|---|
SEQ1M Q8T1 | 2130.57 | 1153.45 |
SEQ1M Q1T1 | 906.36 | 1071.72 |
RND4K Q32T16 | 492.20 | 412.48 |
RND4K Q1T1 | 36.77 | 123.56 |
ゲームベンチマーク
FF15
ファイナルファンタジー15のベンチマーク結果は以下の通りです。全てフルHD品質でテストを行っています。
モード | スコア | 評価 |
---|---|---|
最高品質 | 4613 | やや快適 |
高品質 | 6625 | 快適 |
軽量品質 | 8158 | 快適 |
モニター評価(色域)
モニターの色域カバー率は以下の通りです。測定はi1 Display Proを用いてデータ測定後、Color ACにてIICプロファイルからカバー率などのデータを作成しています。
sRGBカバー率は99.9%、AdobeRGBのカバー率も80.1%と高く、クリエイター向けとして十分使えるノートパソコンになっています。
通信環境(Wi-Fi)のテスト
測定環境
Wi-Fiの通信環境テストを行いました。テスト環境は光1Gbps(IPv6対応)でWi-FiにはArcher 10 Proを用いました。
テスト環境は以下の通りで戸建て環境の1階、及び2階で測定を行っています。幅方向約10.5m、奥行き方向8.2mの環境です。
1階部分

2階部分

測定項目 | ダウンロード | アップロード | PING |
単位 | Mbps | Mbps | ms |
ルーター前 | 563.77 | 320.79 | 7 |
ポイント② | 483.07 | 279.39 | 9 |
ポイント③ | 618.59 | 370.24 | 6 |
ポイント④ | 453.52 | 309.77 | 7 |
ポイント⑤ | 430.87 | 219.78 | 7 |
ポイント⑥ | 186.37 | 169.2 | 8 |
通信スピードテストの評価
USB-C(PD)による充電テスト
USB-Cの充電テストを行いました。「〇」は通常通り充電、「△」は充電されるものの低速表示、「×」は充電できないことを示します。
W数 | 充電の可否 | 検証に用いた機種 |
---|---|---|
20W | △ | PowerPort Ⅲ Nano |
30W | △ | PowerPort Atom Ⅲ Slim 30W |
45W | △ | PowerPort Atom Ⅲ Slim 45W |
61W | △ | RP-PC133 |
100W | 〇 | AUKEY PA-B7 |
外観
天板はシンプルなシルバーとなっており、Windosの刻印が施されています。フリップできるため、真ん中に切り込みが入っていますが精密に設計されているためかそこまで目立ちません。

背面は穴のないシンプルな構造です。パームレスト側に段が付いており、Surface Slim Penをマグネットで収納することができます。

開いた様子です。一般的なパソコンと比較すると、角が丸っこい印象を受けるデザインになっています。ベゼル上部には1080pのフロントカメラとWindows Hello用のIRカメラが内蔵されています。

最大開き角は140°です。

クラムシェルでは180°まで倒せませんが、フリップを活用することでほぼ平面形状としてつかうことができます。

上部ベゼルです。

下部ベゼルです。

キーボード全体です。これまでのモデル同様にキーボードは薄いグレーになっています。

ミツトヨのデジタルノギスでキーピッチを算出したところ、18.72mmとなりました。また、SHINWAのデップスゲージでキーストロークを測定したところ、1.3mmとなっています。ラップトップモデルのためキーは剛性感が高く、しっかりとしています。

タッチパッド幅を計測したところ、120mmとなりました。タッチパッドは感圧タッチとなっており、クセになるクリック感です。

本体右側にはSurfaceコネクタ、ヘッドフォンジャックがあります。

本体左側にはThunderbolt 4コネクタを2つ搭載しています。

本体の重量を測定したところ、1825gとなりました。

充電器込みの重量を測定したところ、2205gとなりました。充電器単体では380gとなります。

電源ポートにはUSB Type-Aポートが搭載されています。

メリット・魅力
フラッグシップに相応しい高い品質のモデル
Surface laptop Studioは細部までこだわりを感じる高品質なモデル。本体を開けた瞬間から、所有欲に満たされるほどの高い質感を誇ります。さらに触っていても、合わせ面のチリやエッジの仕上がりなどどこを取っても美しく、魅力的なデザインです。
ラップトップなのにペンがちゃんと使える
クラムシェル型モデルはタッチパネルで純正スタイラスペンに対応していても、本体角度の都合上、フルにその機能を使いこなすことは難しいですが、このモデルは特殊なフリップ機能による擬似タブレット化でき、Surface Slim Penを存分に使うことができます。
また本体の下部にマグネット吸着して保管できるため、収納面でもスマートな仕上がりになっています。
Surfaceらしい高い品質のスピーカー
Windowsのノートパソコンのほとんどはスピーカーのパフォーマンスがイマイチなことが多いですが、Surfaceはどのモデルもスピーカー音質に優れています。本モデルはフラッグシップモデルということもあり、特に優れてい流と感じました。
RTX3050搭載で幅広く使えるパフォーマンス
今回レビューしたCore i7モデル以上では、GeForce RTX3050 LaptopがdGPUとして搭載されています。色域の広いPixel senseディスプレイと合わせてグラフィック系もノートパソコンとして十分使えるでしょう。
デメリット・欠点
本体価格はスペックから考えると高め
本モデルはintel Core HシリーズとRTX3050 Laptopの組み合わせなので、同じようなスペックのモデルと比べるとプロセッサのコストパフォーマンスは低めです。
ただし、120Hzリフレッシュレート、スタイラスペンが使いやすい2in1である、色域の広いモニター、高い品質の本体などを考えておく方がよさそうです。
USB Type-Cポートは左のみ
筆者が使った中で最も不便に感じたのはUSB Type-Cのポートが左にしか無いこと。充電やディスプレイの拡張でどうしても配置に制限が生まれてしまいます。Surfaceコネクタを利用したDockを使えば話は別ですが、価格がかなり高い点がデメリットです。
ペンなどのアクセサリーは別売り
Surface Slim Penは別売りとなっています。他のSurface製品と使い回しができるとはいえ、価格がそれなりにするので注意しておきましょう。
エッジが丸い点をどう評価するか
Surface Laptop Studioは昨今のノートパソコンの中ではかなりエッジが丸くなっていると感じました。トレンド的にスタイリッシュなPCほどエッジが立っているイメージなので、好みが分かれそうなポイントです。
SSDの読み込みが値段の割に遅め
あまり問題にはならないとは思いますが、ストレージの読み込み速度が2000MB/sとハイエンドノートパソコンと比較すると遅めになっています(20万円以上のモデルでは3000MB/s程度であることが多い)。
おすすめなタイプ
クラムシェル型でペン入力したい人
Surface Laptop Studioは外観のところでも示した通り、クラムシェルとしてだけでなく、変形してタブレットとしても使える特殊なモデル。Surface Proにはなかったキーボードの剛性とペン入力を両立でき、両方の作業を妥協したく無い人におすすめです。
モバイルで画像・動画編集したい人
Core i7モデル以上ではGeForce RTX3050 Laptopが搭載されつつ、バッテリーの公称値は18時間となっています。超高性能とまではいきませんが、Core HシリーズのプロセッサとGeForce RTX3050 Laptopのパワーで画像・動画編集をこなすことが可能です。
パソコンで動画鑑賞する人
Surface laptop Studioで動画鑑賞をする場合、2つのメリットがあります。一つはキーボードを隠す形で見ることができ集中できること。
そしてもう一点がスピーカー音質が良いことです。特に後者のスピーカー音質は一度慣れてしまうと他のパソコンに戻りたくなくなるほど。自宅にテレビを置かず、YouTubeやVODをよく見る人に良いでしょう。
おすすめできないタイプ
コスパを求める人
本モデルは良くも悪くも、スペック以外の部分にもコストがかかっているモデルです。そのためスペック中心に考える人やクラムシェルとして外部ディスプレイに繋いで使うことを前提にする人にはお勧めできません。
持ち運びが多い人
14.4インチと大柄なこともありますが、本体重量が約1.8kgと15.6インチモデルと比べても重めになっています。そのため、持ち運びを前提にするなら厳しいでしょう。
カスタマイズ・モデルの選び方
Surface Laptop Studioで気をつけなければならない最大のポイントはCore i5は内蔵グラフィックス、Core i7はdGPU搭載モデルであることです。本モデルを購入する人はパフォーマンスを求める人も多いと思うので注意しておいて下さい。
また、個人向けと法人向けではOfficeソフトの取り扱いが異なり、法人向けはOfficeソフトの追加が必須になる点にも気を付けておきましょう。
実機レビューのまとめ

値段が高い分、細かい部分でデメリットをいくつか挙げていますが、それを差し引いてもSurface Laptop Studioはフラッフシップの魅力のあるモデル。
スペックだけでなく、超高級2in1ノートパソコンを所有する喜びを感じたいならぜひこのモデルをおすすめします。
安く買う方法・コツ
Surface Laptop Studioに限らず、Surfaceのパソコンを安く買う方法については以下の記事でまとめています。購入前に必ずご確認ください。
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