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ThinkPad X1 Carbon(Gen10・2022年モデル)の実機レビュー

ThinkPad X1 Carbon Gen10のレビュー概要

薄型軽量な王道ThinkPad

10世代目となるThinkPadのウルトラブックモデルX1 Carbon。カーボンの名前の通り軽く、持ち運びに適したモデルとなっています。

Gen10では今までのコンセプトはそのままに第12世代intel Coreプロセッサを採用し、より高いパフォーマンスを獲得しています。

こんなタイプにマッチ

  • 外出先でPCを使う人
  • 常時ネット接続したい人
  • PCを持って移動することが多い人

簡易スペック表

発売日 2022年5月17日
CPU 第12世代P及びUモデル各種から選択可
RAM 8~32GB
ストレージ 256GB~2TB
画面サイズ 14インチ
GPU Irix Xe Graphics
USB-PD 対応
LTE・5G通信 5G通信対応
MSオフィス 選択可
重量 1170g
Cinebench R20 3098pts

※詳細スペックはこちら。その他性能は目次よりベンチマーク結果をご覧ください

2023年1月13日時点で公式サイト価格が税込22万円台から。現在の価格、およびカスタマイズによる構成は公式サイトをご覧ください。

 

ThinkPad X1 Carbon Gen10の目次

実際に使った感想(主観)はメリット・デメリットからご覧いただけるとわかりやすくなっています。購入を悩んでいる場合はおすすめかどうかをチェックください。

※本記事ではメーカーより貸出を受けて、テストを行っています。

 

ThinkPad X1 Carbon Gen10の特徴

ここではThinkPad X1 Carbon Gen10の一般的な特徴について解説しています。実際に筆者が使った感想、レビューについてはメリット・デメリットの項目をご覧ください。

 

正統進化の軽量ノートパソコン

ThinkPad X1 Carbonは初代からコンセプトを大きく変えずに正統進化してきた14インチのノートパソコンです。

初代から比較すると16:10のディスプレイに変更されるなど、昨今のトレンドに合わせた変化を持たせながらも過去からのファンを満足させる正統進化となっています。

 

第12世代intelプロセッサにより大幅パワーアップ

これまでintelプロセッサのバージョンアップによる性能向上は小さめでしたが、第12世代になったことで大幅に強化されています。

後述のベンチマーク結果で示していますが、1,2世代前のデスクトップPCに肉薄するレベルのパフォーマンスとなっています。

 

16:10のディスプレイ

上でも触れましたが、ThinkPad X1 Carbon Gen10では16:10の縦長ディスプレイとなっています(主流は16:9)。このアスペクト比のメリットは非常に大きく、ブラウザでWebサイトを見るとき、書類を作る時など縦の情報量を多く取ることができ、スクロール量を減らせるメリットがあります。

 

SIMフリーモデルが選択可能

ThinkPad X1 Carbonにはモバイル通信対応モデルが存在します(5G対応)。パソコンを開くだけでネット接続できるため、外でパソコンを開く人の強い味方になってくれます。

 

豊富なディスプレイラインナップが選べる

ThinkPad X1 Carbonの強みとしてフルHDから4Kまでのディスプレイを各種選べる利点があります。4Kは解像度が高いですが、バッテリー持ちに影響があり、トレードオフの関係。

公式サイトに掲載されているラインナップは常に全てのモデルが選べるわけではありませんが、仕様書には掲載されているので出てきたタイミングで自分の用途に合わせたカスタマイズを選ぶようにしましょう。

 

ThinkPad X1 Carbon Gen10の価格とコストパフォーマンス

2022年6月22日時点でCore i5、8GBモデル、フルHDディスプレイの構成で18万円台からとなっています。ThinkPadブランドであること、第12世代のintelプロセッサのパフォーマンスが非常に高いことを考えれば納得のいく値段です。

カスタマイズ性が高く、自分の用途で必要な部分だけグレードアップできるのでカスタマイズページでスペックを調整して、価格を見てみることをおすすめします。

2023年1月13日時点で公式サイト価格が税込22万円台から。現在の価格、およびカスタマイズによる構成は公式サイトをご覧ください。

 

ThinkPad X1 Carbon Gen10のスペック

今回レビューしたThinkPad X1 Carbon Gen10のスペックは以下の通りです。

マシンスペック(技術仕様)

発売日(月) 2022年5月17日
製品名
型式 -
サイズ 222.5×315.6×15.36mm
重量(実測) 本体 1170g
電源アダプタ 245g
CPU Core i5-1240P
GPU Iris Xe Graphics
メモリ(RAM) 16GB
ストレージ 1st 256GB
2nd -
ディスプレイ サイズ 14インチ
解像度 3840×2400
アスペクト比 8:5
形式 IPS液晶
リフレッシュレート 60Hz
生体認証 指紋 有り
顔認証 有り
フロントカメラ 画素数 1080p
物理シャッター 無し
リヤカメラ 画素数 無し
Wi-Fi a/b/g/n/ac/ax
bluetooth v5
LTEモジュール 対応の可否 非搭載
SIMカードサイズ
光学ドライブ 非搭載
バッテリー サイズ 57Whr
公称値 最大24.9時間

※レビュー機種以外やカスタマイズ内容などの詳細スペックはこちらからご覧ください。

他グレードを見てみる

 

ThinkPad X1 Carbon Gen10のベンチマーク

CINEBENCH R20

CINEBENCH R20の測定値は3098pts、シングルコア522ptsという結果になりました(パフォーマンスモードで測定)。

第12世代のプロセッサにより、Core i5ながら高いパフォーマンスが得られています。一般用途でこのスペックならほぼ不満に感じることはないでしょう。他機種のデータについてはCINEBENCHの結果一覧をご覧ください。

 

CINEBENCH R23

CINEBENCH R23の測定値は5887pts、シングルコア1504ptsという結果になりました(パフォーマンスモードで測定)。他機種のデータについてはCINEBENCHの結果一覧をご覧ください。

 

Crystal Disk Mark

Crystal Disk Markの測定結果は以下の通りです。Readの値は3400MB/sを超えており、ノートパソコンとしてはトップクラスです。起動を始め、不満は全くありません。

 

ゲームベンチマーク

FF15

ファイナルファンタジー15のベンチマーク結果は以下の通りです。全てフルHD品質でテストを行っています。他機種の結果は、FF15のベンチマーク結果一覧をご覧ください。

モード スコア 評価
最高品質 - -
高品質 - -
軽量品質 2052 重い

 

CPU-Z

CPU-Zでの検証は以下の通りです。クリックで拡大することができます。

 

騒音テスト

騒音に関する評価は以下の通りです。CPUテストはCinebench R20、GPUテスト時はFinalFantasy15のベンチマーク測定時に測定を行っています。

モード 評価
通常時 ほぼ無音
CPUテスト時 ファンはしっかり回る
GPUテスト時 ファンはしっかり回る

 

ThinkPad X1 Carbon Gen10のモニター評価(色域・トーンカーブ)

モニターの評価結果は以下の通りです。測定はi1 Display Proを用いてデータ測定後、Color ACにてIICプロファイルからカバー率などのデータを作成しています。

sRGB

Adobe RGB

 

カバー率及び、カバー比のデータは以下の通りです。

カバー率 カバー率 カバー比
sRGB 100% 109.3%
Adobe RGB 79.7% 81%

 

トーンカーブの評価結果は以下の通りです。

 

ThinkPad X1 Carbon Gen10の通信環境(WI-Fi)のテスト

測定環境

Wi-Fiの通信環境テストを行いました。テスト環境は光1Gbps(IPv6対応)でWi-FiにはArcher 10 Proを用いました。テスト環境は以下の通りで戸建て環境の1階、及び2階で測定を行っています。幅方向約10.5m、奥行き方向8.2mの環境です。

1階部分

2階部分

※タップで画像を拡大できます。

 

検証結果

スピードテストを行った結果です。ポイント⑥になるほど実質的な距離が大きくなります。

ダウンロード数値比較

ルーター前:682.87Mbps
ポイント②:462.9Mbps
ポイント③:678.49Mbps
ポイント④:498.5Mbps
ポイント⑤:394.35Mbps
ポイント⑥:59.06Mbps

アップロード、PING、ジッターを計測した数値を表にまとめています。

測定項目 ダウンロード アップロード PING
単位 Mbps Mbps ms
ルーター前 682.87 560.82 12
ポイント② 462.9 374.97 12
ポイント③ 678.49 587.59 13
ポイント④ 498.5 505.73 13
ポイント⑤ 394.35 343.53 12
ポイント⑥ 59.06 63.33 13

 

通信スピードテストの評価

最長距離において速度が低下する現象が見られてはいるものの、それ以外では十分以上の高いパフォーマンスが得られています。

 

ThinkPad X1 Carbon Gen10のUSB-C(PD)による充電テスト

USB-Cの充電テストを行いました。20Wは非対応、30Wでは低速充電ケーブル表示が出ます。45W以上では充電できているものの、注意マーク表示(おそらく純正ケーブルではない注意喚起)が出る結果となりました。

USB-PD 充電の可否 検証した充電器
20W × PowerPort Ⅲ Nano
30W PowerPort Atom Ⅲ Slim
45W PowerPort Atom Ⅲ Slim
61W RP-PC133
100W AUKEY PA-B7

 

ThinkPad X1 Carbon Gen10の外観

天板はブラックでThinkPadのロゴがあります。赤い部分は本体起動時に点灯します。

 

開いた様子です。左右ベゼルは狭く、上側は少し広めとなっています。ディスプレイはとても美しく、色合いが鮮やかです。

 

過去モデル同様に180°開くことができます。

 

上部ベゼルです。

 

下部ベゼルです。

 

キーボード全体です。ThinkPad特有のFnとCtrlが一般PCと反対になっているところはあるもののそれ以外はクセがなく使いやすいです。ファンクションキーにはいくつかWEB会議に対応したものがあり、ショートカットとして利用することができます。

 

ミツトヨのデジタルノギスでキーピッチを算出したところ、19.02mmとなりました。また、SHINWAのデップスゲージでキーストロークを測定したところ、1.9mmとなっています。ThinkPadらしい打ち心地が魅力です。タイピングすることが多い人にはぜひ候補に入れて欲しいと常々感じるノートパソコンです。

 

タッチパッド幅を計測したところ、110mmとなりました。上下幅は狭めですが、左右は広めのタッチパッド。サラサラで使いやすいです。静音タイプでクリック音は小さめです。

 

本体右側にはUSB Type-A、ヘッドフォンジャックを備えます。

 

本体左側にはUSB Type-C(Thunderbolt4対応)、USB Type-A、フルサイズHDMIケーブルを備えます。

 

薄型ノートパソコンとしては十分な音響性能です。低音が出過ぎず、動画で人の声が聞きやすくなっています。

 

本体の重量を測定したところ、1170gとなりました。

 

充電器込みの重量を測定したところ、1415gとなりました。充電器単体では245gとなります。

 

ThinkPad X1 Carbon Gen10のメリット・魅力

軽量で持ち運びが楽

ThinkPad X1 Carbonは軽量で持ち運びが非常に楽なモデルです。もちろんUSB PDにも対応していますし、5Gを含むモバイル通信モデルを選ぶこともできます。さらにキーボードの打ち心地やタッチパッド性能が優れているため、外出先でも生産性を上げることができます。

 

プロセッサの性能向上が大きい

第12世代intelプロセッサの性能向上は目覚ましく、非常に高いパフォーマンスが出ています。1世代前の第11世代のintelモバイルプロセッサとは別物なので、多少予算をオーバーしても第12世代を選ぶ方が良いでしょう。

 

ThinkPadらしい打ち心地は健在

ThinkPad X1 Carbonでもシリーズらしい、深くてしっとりとした打ち心地は健在です。タイピングの生産性を求める人にぜひ選んで欲しいモデルです。

 

複数のディスプレイを選べるのは大きなメリット

モバイルPCを選ぶにあたって、ディスプレイを複数から選べることは大きなメリットです。ディスプレイの解像度が上がるほど、バッテリー持ちが悪くなるトレードオフの関係のため、外出時間が長く電源につなげないならフルHDを選択し、自宅ではディスプレイ拡張を使う手を取ることもできます。

人によって最適解が異なる話なので、複数のディスプレイを選択できること自体が大きなメリットと言えます。

 

細かくカスタマイズできる

ThinkPad X1 Carbonはプロセッサ、ストレージ、ディスプレイ、WWANの有無など非常に細かくカスタマイズでき、自分の用途・予算に合わせることが可能となっています。

 

ThinkPad X1 Carbon Gen10のデメリット・欠点

USB Type-Cポートは左のみ

本モデルはType-Cポート(Thunderbolt4対応)は左のみとなっています。右側からの充電ができないので注意して下さい。

 

スピーカー音は並程度

ThinkPad X1 Carbonは弱点がほぼありませんが、強いて言えばスピーカー性能は価格の割に並程度といったところくらいです。

ただし、これも捉え方次第で「低音がほぼない=人の声がクリアに聞こえる」なのでビジネスツールとしては過度に性能を求めていない分、弱点とも言えないかもしれません。

 

みんなの口コミ

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ThinkPad X1 Carbon Gen10
Average rating:  
 1 reviews
 by SIMPC

過去モデルも優れていましたが、今回のモデルでプロセッサが刷新され、さらにおすすめしやすいモデルになりました。2022年は新旧入り乱れて型落ちモデルもあるとは思いますが、買うなら最新モデルがおすすめです。

 

女性目線の口コミ

普段、Let's NoteのSZシリーズを使っている妻からコメントをもらいました。ライトユーザーとしての一意見として捉えて頂ければと思います。

女性目線のコメント

  • 軽くて持ち運びしやすい
  • 黒色はビジネスシーンで使いやすそう

 

ThinkPad X1 Carbon Gen10がおすすめな人

普段から外出先でパソコンを使うユーザー

外出先でパソコンをよく使うユーザーにはThinkPad X1 Carbonは本当におすすめです。筆者も過去モデルを外出時のメインマシンとして使っていましたが、自宅とほぼ変わらないパフォーマンスで仕事ができていました。キーボード、タッチパッドの性能は一度触ると虜になるでしょう。

 

ThinkPad X1 Carbon Gen10がおすすめではないタイプ

さらに軽量性を求めるタイプ

ThinkPad X1 Carbon自体は素晴らしいモデルですが、さらに軽量化に振り切ったモデルとして本体重量1kg以下のThinkPad X1 Nanoがあります。

13.3インチでワンサイズ小さくはなりますが、ThinkPadのコンセプトを継承したモデルとなっているので、こちらを検討してみても良いでしょう。

 

ThinkPad X1 Carbon Gen10のカスタマイズ・モデルの選び方

一般用途ではCore i5-1240PとWindows 11 Home、2.2Kディスプレイが良いと感じました。これで価格が税込み213,070円です(2022年6月22日時点)。外での使用時間が長い人はバッテリーを考慮して、1920×1080解像度のディスプレイに変更するとここからさらに価格を下げることも可能です。

細かくカスタマイズできるため、自分の用途に合わせて選ぶようにしましょう。

公式サイトを見る

 

ThinkPad X1 Carbon Gen10の実機レビューまとめ

ニーズに合わせられる軽量PC

結論

ThinkPad X1 Carbon Gen10は正統進化してきたことで、機能が熟成されとても魅力的なノートパソコンとなっています。更にスペックを細かくカスタマイズができることで、様々なニーズに応えられるモデルとなりました。

過去から使っているファンから、新しく軽量パソコンを予算に合わせて探したい人までぜひ候補にして欲しいPCです。

2023年1月13日時点で公式サイト価格が税込22万円台から。現在の価格、およびカスタマイズによる構成は公式サイトをご覧ください。

 

ThinkPad X1 Carbon Gen10を安く買う方法

ThinkPad X1 Carbon Gen10に限らず、Lenovoのパソコンを安く買う方法については以下の記事でまとめています。購入前に必ずご確認ください。

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