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レビュー・評価の概要
高級路線のVAIOの中で2021年に登場した廉価グレードの15インチノートパソコン。プロセッサにはRyzen3が採用されており、廉価モデルと言ってもパフォーマンスは十分。
パソコンは安い方が良い、でも国産モデルでデザインも妥協したくないというワガママな人も満足できるノートパソコンです。
| 発売年度 | 2021年 | 
| プロセッサ | Ryzen3 4300U | 
| RAM | 8GB | 
| ストレージ | 256GB SSD | 
| 画面サイズ | 15.6インチ | 
| GPU | AMD Radeon Graphics | 
| USB-PD | 対応 | 
| モバイル通信 | 非対応 | 
| 重量 | 1760g | 
| Cinebench R20 | 1637pts | 
※スペック情報は執筆時のものです。現在の情報は以下から公式サイトでご覧ください。
本記事ではメーカーより貸し出しを受けて、テストを行っています。
特徴
ここではVAIO FL15の一般的な特徴について解説しています。実際に筆者が使った感想、レビューについてはメリット・デメリットの項目をご覧ください。
手に入れやすい廉価モデル
基本的にVAIOはこれまで高級路線だったため、高価格な製品群が多くなっていました。VAIO FL15ではそれまでの概念を覆すかのように手に入れやすい価格帯で提供しているノートパソコンとなっています。
Ryzenプロセッサ搭載で十分なパフォーマンス
CPU(APU)にはRyzen3 4300Uを搭載しています。Ryzenは4000シリーズで大幅進化を遂げパフォーマンスが上がっています。VAIO FL15はプロセッサに選択肢がなく、Ryzen3のみですが十分なパフォーマンスを持っているので、オフィスソフトやネットサーフィン、動画を見る程度なら十分な力を持っています。
白を基調とした清潔感のあるデザイン
VAIO FL15はホワイト、ブラック、シルバーの3色展開となっています。今回は白をレビューしていますが、清潔感のあるデザインとなっています。
価格とコストパフォーマンス
これまでのVAIOシリーズと比較すると、少し驚くほどの価格帯で提供されています。国内メーカーと比べても低価格です。ただ、他社海外メーカーと比較すると、コストパフォーマンスはどうしても劣ってしまいます。
スペック
今回レビューしたVAIO FL15のスペックは以下の通りです。
マシンスペック(技術仕様)
| 発売年 | 2022年 | |
| サイズ | 239.2×358.7×20.5mm | |
| 重量 | 本体 | 1760g | 
| アダプタ | 240g | |
| CPU | Ryzen3 4300U | |
| GPU | AMD Radeon Graphics | |
| メモリ(RAM) | 8GB | |
| ストレージ | 1st | 256GB | 
| 2nd | – | |
| ディスプレイ | サイズ | 15.6インチ | 
| 解像度 | 1920×1080 | |
| アスペクト比 | 16:9 | |
| 形式 | 液晶 | |
| リフレッシュレート | 60Hz | |
| フロントカメラ | 画素数 | 92万画素 | 
| 物理シャッター | 無し | |
| リヤカメラ | 画素数 | 無し | 
| Wi-Fi | a/b/g/n/ac/ax | |
| bluetooth | v5.1 | |
| モバイル通信 | 非対応 | |
| 光学ドライブ | 非搭載 | |
| バッテリー | サイズ | 公式記載なし | 
| 公称値 | 7.5時間 | |
レビュー機種以外にも詳細のカスタマイズが可能です。細かなスペック内容についてはテーブル下の公式サイトのリンクからご覧ください。
ベンチマーク結果一覧
CINEBENCH
CINEBENCH(シネベンチ)のベンチマーク結果は以下の通りです。R20は1回の測定、R23は10分間の連続測定結果を掲載しています。
| バージョン | 測定モード | 測定値[pts] | 
|---|---|---|
| Cinebench R20 | マルチ | 1637 | 
| シングル | 412 | |
| Cinebench R23 | マルチ | 3952 | 
| シングル | 1101 | 
Crystal Disk Mark
Crystal Disk Mark(クリスタルディスクマーク)の測定結果は以下の通りです。
| Read[MB/s] | Write[MB/s] | |
|---|---|---|
| SEQ1M Q8T1 | 2487.37 | 972.73 | 
| SEQ1M Q1T1 | 1686.02 | 972.60 | 
| RND4K Q32T16 | 703.15 | 748.00 | 
| RND4K Q1T1 | 53.11 | 176.03 | 
ゲームベンチマーク
FF15
ファイナルファンタジー15のベンチマーク結果は以下の通りです。全てフルHD品質でテストを行っています。
| モード | スコア | 評価 | 
|---|---|---|
| 最高品質 | – | – | 
| 高品質 | – | – | 
| 軽量品質 | 1597 | 動作困難 | 
モニター評価(色域)
モニターの色域カバー率は以下の通りです。測定はi1 Display Proを用いてデータ測定後、Color ACにてIICプロファイルからカバー率などのデータを作成しています。
| 測定項目 | カバー率[%] | カバー比[%] | 
|---|---|---|
| sRGB | 66.2 | 67.1 | 
| Adobe RGB | 49.7 | 49.7 | 
通信環境(Wi-Fi)のテスト
測定環境
Wi-Fiの通信環境テストを行いました。テスト環境は光1Gbps(IPv6対応)でWi-FiにはArcher 10 Proを用いました。
テスト環境は以下の通りで戸建て環境の1階、及び2階で測定を行っています。幅方向約10.5m、奥行き方向8.2mの環境です。
1階部分

2階部分

| 測定項目 | ダウンロード | アップロード | PING | 
| 単位 | Mbps | Mbps | ms | 
| ルーター前 | 304.22 | 234.5 | 10 | 
| ポイント② | 252.59 | 208.31 | 9 | 
| ポイント③ | 380.84 | 190.25 | 8 | 
| ポイント④ | 344.81 | 201.05 | 7 | 
| ポイント⑤ | 276.19 | 74.47 | 9 | 
| ポイント⑥ | 43.75 | 17.98 | 11 | 
通信スピードテストの評価
USB-C(PD)による充電テスト
USB-Cの充電テストを行いました。「〇」は通常通り充電、「△」は充電されるものの低速表示、「×」は充電できないことを示します。
| W数 | 充電の可否 | 検証に用いた機種 | 
|---|---|---|
| 20W | × | PowerPort Ⅲ Nano | 
| 30W | × | PowerPort Atom Ⅲ Slim 30W | 
| 45W | 〇 | PowerPort Atom Ⅲ Slim 45W | 
| 61W | 〇 | RP-PC133 | 
| 100W | 〇 | AUKEY PA-B7 | 
外観
今回レビューしたのはホワイトです。天板は清潔感のある白色でセンターにVAIOロゴが配置されています。

背面は無塗装のブラックです。

開いて正面から見た様子です。ノートパソコンとしては一般的なスタイル。ベゼルが少し広めに見えますが、価格帯を考えれば妥当なところです。

上部ベゼルです。

下部ベゼルです。

キーボード全体です。VAIO FL15はテンキーを搭載しており、事務用途でも使いやすくなっています。キーキャップはパームレストの白に色が近く、統一感があるため、高級感を感じます。タイピング時の剛性がありつつも、クリック音のほぼないしっかりとした打ち心地になっていて好印象です。

ミツトヨのデジタルノギスでキーピッチを算出したところ、18.63mmとなりました。また、SHINWAのデップスゲージでキーストロークを測定したところ、1.2mmとなっています。キーストロークは少し浅めのため気になる人がいるかもしれません。ただし、浅いからと言って打ちづらい訳ではありません。

タッチパッド幅を計測したところ、100mmとなりました。タッチパッドはサラサラで使いやすいですが、クリック音が鳴るタイプのため外で多用するのは気になりそうです。また15インチノートパソコンとしては幅が狭めです。

本体右側には電源ポート、USB Type-A、USB Type-C(PD対応)、フルサイズのHDMIポートがあります。また、VAIO FL15は他モデル同様にヒンジ部分でチルトアップする機構があります。

本体左側にはケンジントンロック、USB Type-A、ヘッドフォンジャック、microSDスロットがあります。

本体の重量を測定したところ、1760gとなりました。

充電器込みの重量を測定したところ、2000gとなりました。充電器単体では240gとなります。

メリット・魅力
廉価モデルながらもVAIOらしい見た目
VAIO FL15は約8万円で買えるノートパソコンで、同メーカーのシリーズから考えられないほど低価格なモデル。ただ、価格が安いながらもVAIOらしいデザイン性に優れたパソコンになっています。今回レビューしたホワイトモデルはキーボードまで綺麗な白で揃えられており、質感は15万円クラスのパソコンと同程度と感じました。

低価格ながらUSB-PD対応
10万円以下のノートパソコンではUSB Type-Cによる充電(USB-PD)に対応していないケースがありますが、VAIO FL15では対応。窒化ガリウムの充電器を用いることで手荷物をよりコンパクトにすることが可能です。
インターフェイスが豊富
15インチの大型ノートパソコンということもあり、インターフェイスが豊富になっています。家庭用、ビジネス用、どちらでもこの構成なら困ることはまずないでしょう。
ラインナップがわかりやすい
VAIO FL15はRyzen3 4300Uのプロセッサ、8GBのメモリの1構成のみで、カスタマイズできない思い切ったモデルになっています。その分、パソコンに詳しくない人でもわかりやすく、買いやすいモデルになっていることは間違いありません。
デメリット・欠点
15インチの中でも重い
VAIO FL15は本体重量が1.85kgとなっており、重量はかなり重めです。宅内なら気にする必要はありませんが、屋外持ち出しが続くようならデメリットとして認識しておくべきです。
背面の安っぽさが気になる
VAIO FL15に限らず同メーカーのパソコン全体に言えることですが、背面が無塗装ブラックのプラスチックパネルになっているため、安っぽさがあります。表面の仕上がりが良いだけにいつも残念に感じます。
スピーカー音質が低い
スピーカーの音質はノートパソコンの中でも低い方です。こもった音で低音がほぼ鳴らないので、音楽を聴くなら別途スピーカーを用意する方が良いでしょう。
バッテリー駆動時間が短い
バッテリー動作は7.5時間と昨今のパソコンとしてはかなり短めです。
おすすめなタイプ
国産ブランドで安いPCを探す人
国産のノートパソコンは廉価モデルでも10万円を超えるものがほとんどですが、VAIO FL15は約8万円と破壊的な安さ。低価格ながら、VAIOの美しいデザインを継承しているため満足度は高くなるでしょう。
安さと性能を両立させたい人
上述のように安いことに加え、Ryzen3プロセッサによる性能面も魅力。Ryzen 4000シリーズになってから一段とパフォーマンスアップしたので、一般用途ならほぼ困ることが無いレベルに仕上がっています。
おすすめできないタイプ
持ち運びする人
デメリットでも書いたように、VAIO FL15は本体重量が1.85kgもあり15インチノートパソコンとしては重めです。外へ持ち出す場合は、軽量な15インチノートパソコンを選ぶことをおすすめします。
よりコスパを追求する人
約8万円でこのレベルのプロセッサを搭載したノートパソコンはVAIO FL15くらいですが、例えば、IdeaPad Slim350のように海外メーカーに目を向けるとより安く、パフォーマンスの高いモデルが存在します。メーカーの国籍よりもコスパを重視する場合は他メーカーも検討してください。
動画をよく見る人
VAIO FL15はノートパソコンの中でもスピーカー音質は低めです。動画をよく見る人は他のパソコンか、外付けスピーカーの検討をおすすめします。
カスタマイズ・モデルの選び方
VAIO FL15にはプロセッサやメモリのカスタマイズモデルはなく、一種類のみです。Officeソフトをカスタマイズページで追加することが可能ですが、自身の用途や好みに合わせて選びましょう。
実機レビューのまとめ

VAIO FL15は安価な国産モデルを探すならぴったりとも言えるモデルです。10万円以下で手を出しやすいですし、それでいて一般用途ならパフォーマンスの十分。
デザイン性も良いので、ほとんどの人が満足できる良モデルと言えるでしょう。
安く買う方法・コツ
VAIO FL15に限らず、VAIO(バイオ)のパソコンを安く買う方法については以下の記事でまとめています。購入前に必ずご確認ください。
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