Yoga Slim 760 Carbonのレビュー概要
軽量なRyzen5000シリーズ搭載モデル
Yoga Slim 760 CarbonはハイパフォーマンスなRyzen5000シリーズプロセッサを搭載しつつ、約1kgの軽量ノートパソコンです。
軽さ、高い性能に加え、ディスプレイスペックが高く、2.8Kかつこのクラスとしては珍しい90Hzリフレッシュレートとなっています。
こんなタイプにマッチ
- 持ち運びが多い人
- 動画をよく見る人
- 書類作成・ネットをよく見る人
簡易スペック表
発売日 | 2021年12月14日 |
CPU | Ryzen5 5600U Ryzen7 5800U |
RAM | 8~16GB |
ストレージ | 512GB |
画面サイズ | 14インチ |
GPU | AMD Radeon グラフィックス |
USB-PD | 対応 |
LTE・5G通信 | 非対応 |
MSオフィス | 選択可 |
重量 | 1095g |
Cinebench R20 | 2975pts |
※詳細スペックはこちら。その他性能は目次よりベンチマーク結果をご覧ください
Yoga Slim 760 Carbonの目次
実際に使った感想(主観)はメリット・デメリットからご覧いただけるとわかりやすくなっています。購入を悩んでいる場合はおすすめかどうかをチェックください。
※本記事ではメーカーより貸出を受けて、テストを行っています。
Yoga Slim 760 Carbonの特徴
ここではYoga Slim 760 Carbonの一般的な特徴について解説しています。実際に筆者が使った感想、レビューについてはメリット・デメリットの項目をご覧ください。
Ryzen5000シリーズプロセッサ
Yoga Slim760 CarbonはRyzen5 5600U、もしくはRyzen7 5800Uから選択することができます。どちらのモデルも高いパフォーマンスを誇り、Ryzen5であっても一般用途であれば、十分にオーバースペックなほどです。
1.1kgと軽量な本体
本モデルは名前の通り、1.1kgと軽量なことが売りです。14インチクラスではもっと軽いモデルもありますが、それらは価格がより高くなってしまう傾向があります。後述しますが、コストバランスという意味でちょうど良いスペックと言えるでしょう。
高性能なディスプレイ
軽量性やプロセッサのパフォーマンスに目がいきますが、本モデルの最も注目すべきポイントはディスプレイです。OLEDで美しく、さらに90Hzリフレッシュレートのため滑らかさが際立ちます。
また、16:10のアスペクト比のため、ネットサーフィンや書類作成時に縦方向の情報量が増えることもポイントと言えるでしょう。
Yoga Slim 760 Carbonの価格とコストパフォーマンス
価格は2022年6月22日時点で税込141,632円となっています。Ryzen7 5800Uは15万円台となっており、プロセッサのパフォーマンスメモリ量を考えると上位モデルの方がコストパフォーマンスが高くなっています。
他社を含めライバルの14インチ軽量PCを考えても、ディスプレイに優位性があるにもかかわらず14万円台から買えるのは魅力的と言えるでしょう。
Yoga Slim 760 Carbonのスペック
今回レビューしたYoga Slim 760 Carbonのスペックは以下の通りです。
マシンスペック(技術仕様)
発売日(月) | 2021年12月14日 | |
製品名 | Yoga Slim 760 Carbon | |
型式 | 82L0003LP | |
サイズ | 214.5×313×14.9mm | |
重量(実測) | 本体 | 1095g |
電源アダプタ | 175g | |
CPU | Ryzen7 5800U | |
GPU | AMD Radeon Graphics | |
メモリ(RAM) | 16GB | |
ストレージ | 1st | 512GB |
2nd | - | |
ディスプレイ | サイズ | 14インチ |
解像度 | 2880×1800 | |
アスペクト比 | 16:10 | |
形式 | OLED | |
リフレッシュレート | 90Hz | |
生体認証 | 指紋 | 無し |
顔認証 | 有り | |
フロントカメラ | 画素数 | 720o |
物理シャッター | 有り | |
リヤカメラ | 画素数 | 無し |
Wi-Fi | a/b/g/n/ac/ax | |
bluetooth | v5.2 | |
LTEモジュール | 対応の可否 | 非搭載 |
SIMカードサイズ | ー | |
光学ドライブ | 非搭載 | |
バッテリー | サイズ | 公式記載なし |
公称値 | 14時間 |
※レビュー機種以外やカスタマイズ内容などの詳細スペックはこちらからご覧ください。
Yoga Slim 760 Carbonのベンチマーク
CINEBENCH R20
CINEBENCH R20の測定値は2975pts、シングルコア507ptsという結果になりました(パフォーマンスモードで測定)。Ryzen7 5800Uはパフォーマンスが高く、R20で3000pts近いスコアが出ています。
シングルも500pts超えており、ほとんどの作業で不満を感じることはないでしょう。他機種のデータについてはCINEBENCHの結果一覧をご覧ください。
CINEBENCH R23
CINEBENCH R23の測定値は8180pts、シングルコア1399ptsという結果になりました(パフォーマンスモードで測定)。自動挿入他機種のデータについてはCINEBENCHの結果一覧をご覧ください。
Crystal Disk Mark
Crystal Disk Markの測定結果は以下の通りです。Readの値は3000MB/sを超えており、ノートパソコンとしてはトップクラスのスピードとなっています。
ゲームベンチマーク
FF15
ファイナルファンタジー15のベンチマーク結果は以下の通りです。全てフルHD品質でテストを行っています。他機種の結果は、FF15のベンチマーク結果一覧をご覧ください。
モード | スコア | 評価 |
最高品質 | - | - |
高品質 | - | - |
軽量品質 | 2372 | 重い |
CPU-Z
CPU-Zでの検証は以下の通りです。クリックで拡大することができます。
騒音テスト
騒音に関する評価は以下の通りです。CPUテストはCinebench R20、GPUテスト時はFinalFantasy15のベンチマーク測定時に測定を行っています。
モード | 評価 |
通常時 | 少しだけファン音が聞こえる |
CPUテスト時 | ファン音がしっかり聞こえる |
GPUテスト時 | ファン音がしっかり聞こえる |
Yoga Slim 760 Carbonのモニター評価(色域・トーンカーブ)
モニターの評価結果は以下の通りです。タブで色域の評価結果とトーンカーブの測定データを切り替えることができます。測定はi1 Display Proを用いてデータ測定後、Color ACにてIICプロファイルからカバー率などのデータを作成しています。
カバー率及び、カバー比のデータは以下の通りです。
カバー率 | カバー率 | カバー比 |
sRGB | 100% | 137.6% |
Adobe RGB | 86.1% | 102% |
トーンカーブの評価結果は以下の通りです。
Yoga Slim 760 Carbonの通信環境(WI-Fi)のテスト
測定環境
Wi-Fiの通信環境テストを行いました。テスト環境は光1Gbps(IPv6対応)でWi-FiにはArcher 10 Proを用いました。テスト環境は以下の通りで戸建て環境の1階、及び2階で測定を行っています。幅方向約10.5m、奥行き方向8.2mの環境です。
検証結果
スピードテストを行った結果です。ポイント⑥になるほど実質的な距離が大きくなります。
ダウンロード数値比較
アップロード、PING、ジッターを計測した数値を表にまとめています。
測定項目 | ダウンロード | アップロード | PING |
単位 | Mbps | Mbps | ms |
ルーター前 | 598.64 | 597.19 | 15 |
ポイント② | 413.6 | 317.05 | 12 |
ポイント③ | 636.12 | 562.63 | 13 |
ポイント④ | 559.98 | 503.61 | 12 |
ポイント⑤ | 479.2 | 387.42 | 13 |
ポイント⑥ | 161.33 | 68.47 | 12 |
通信スピードテストの評価
全エリアでスピーディな結果となっており、優秀な結果が得られています。
Yoga Slim 760 CarbonのUSB-C(PD)による充電テスト
USB-Cの充電テストを行いました。30W以下では低速充電ケーブル表示となりました。
USB-PD | 充電の可否 | 検証した充電器 |
20W | △ | PowerPort Ⅲ Nano |
30W | △ | PowerPort Atom Ⅲ Slim |
45W | 〇 | PowerPort Atom Ⅲ Slim |
61W | 〇 | RP-PC133 |
100W | 〇 | AUKEY PA-B7 |
Yoga Slim 760 Carbonの外観
天板はマット加工されたシルバーです。YOGAおよびメーカーロゴマークがありますが、主張はあまり強くありません。
背面も天板と同様の素材となっています。スリットがないためシンプルです。
開いた様子です。ディスプレイは非常に美しく、OLEDらしい黒の深さが特徴です。ディスプレイと一体型に見えますが上側にカメラを備えています。このカメラはサイドの物理キーにより常時オフしておくことが可能です。
最大開き角は180度です。
キーボード全体です。他のYogaのラインナップ同様に一部キーが接合していますが、全体的にクセのなく扱いやすい配置です。パームレストにスピーカーはなく、キーボード側に備わっています。
ミツトヨのデジタルノギスでキーピッチを算出したところ、19..1mmとなりました。また、SHINWAのデップスゲージでキーストロークを測定したところ、1.3mmとなっています。ストロークは浅めですが入力しやすく、生産性は高いと感じました。タイピングは静かですが、底まで叩くと音が鳴ってしまうためハードパンチャーの人は気を付けた方が良いでしょう。
タッチパッド幅を計測したところ、120mmとなりました。この価格帯としては驚くほどタッチパッドがスムーズです。面積も広いため扱いやすく、マウスが無い状況でも効率的な作業が出来るでしょう。
本体右側には電源ボタン、フロントカメラのシャッター、USB Type-Cポートを備えます。
本体左側にはUSB Type-Cポートを2つ、さらにヘッドフォンジャックも備えます。
パームレスト裏側にスピーカーはなく、キーボード側に備わっています。薄型ノートパソコンとしてはかなり音が良い印象です。ディスプレイが光沢で動画鑑賞にも向いている点も合わせて押さえておきたいポイントです。
本体の重量を測定したところ、1095gとなりました。14インチクラスとしては軽量です。
充電器込みの重量を測定したところ、1270gとなりました。充電器単体では175gとなります。
Yoga Slim 760 Carbonのメリット・魅力
軽量・薄型で持ち運びに向く
Yoga Slim 760 Carbonは軽く、さらに薄型でしかもUSB-PD充電にも対応しているため、持ち運びが楽なノートパソコンです。本体デザインが主張のないシンプルなものなので、外でも使いやすいメリットもあります。
ディスプレイの美しさはワンランク上の価格帯
本モデルのOLEDディスプレイははっきりとその違いがわかるほど美しくなっています。OLEDを搭載しているだけなら他社にも同じようなモデルがありますが、Yoga Slim 760 Carbonでは90Hzの高リフレッシュレートディスプレイを搭載。
1kg前後の14インチには高リフレッシュレートモデルはほぼないので、これだけでも買う価値があります。また色域が広い点も注目しておきたいポイントと言えるでしょう。
スピーカー音質に優れており動画鑑賞に良い
外観部分でも書いた通り、本モデルはスピーカー音質が優れています。さらにOLEDディスプレイのおかげでコントラスト比が高められることから、映画鑑賞などの動画コンテンツをより楽しめるパソコンになっています。
Yoga Slim 760 Carbonのデメリット・欠点
インターフェイスはUSB Type-Cのみ
薄型ウルトラブックということもあり、端子はUSB Type-Cのみです。ハブが付属するため追加購入は必要ありませんが、ビジネス用途でパワーポイント投影などを使う場合はハブの持ち運びが必要になる点に注意してください。
ディスプレイを妥協すればもう少し安くなる
ほぼ弱点のないYoga Slim 760 Carbonですが、人によってはディスプレイがオーバースペックになる人もいます。もしディスプレイをIPS液晶で60Hzのものを選択するようにすれば、約1kg前後のパソコンでももう少し安く手に入れることができるでしょう。
みんなの口コミ
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クラムシェルで軽量、かつミドルレンジを求めるならベストマッチする一台。デザイン面で派手さがなくどんなシーンでも使いやすいです。インターフェイスはUSB Type-Cのみなので、ビジネスシーンでフルサイズHDMIなどを使うことが多い人は注意しておいて下さい。
女性目線の口コミ
普段、Let's NoteのSZシリーズを使っている妻からコメントをもらいました。ライトユーザーとしての一意見として捉えて頂ければと思います。
女性目線のコメント
- シンプルな外観が良い
- 持ち運びが楽
Yoga Slim 760 Carbonがおすすめな人
出先で使うことが多い人
軽量・薄型でUSB-PD充電できるため、出先で使う人におすすめです。サードパーティ製の充電器を買わずとも、付属しているものがコンパクトなのも嬉しいポイントと言えるでしょう。
動画をよく見る人
2.8KのOLEDディスプレイは非常に綺麗です。スピーカー音質も優れるため動画をよく見るならぜひ候補に入れておいた方が良いでしょう。
Yoga Slim 760 Carbonがおすすめではないタイプ
ディスプレイにこだわりがない人(動画やクリエイティブ作業しない人)
Yoga Slim 760 Carbonはスペックから考えるとコスパは非常に高いと思いますが、人によっては液晶がオーバースペックな可能性があります。コストをより抑えたいなら、ディスプレイスペックを下げたモデルも良いでしょう。
重量も少し増えてしまうものの、ThinkBook 14シリーズはその一つの候補になると思うので、ぜひ検討してみてください。
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Yoga Slim 760 Carbonのカスタマイズ・モデルの選び方
本モデルはRyzen5とRyzen7モデルから選択することができます。一般的にはRyzen5モデルでもプロセッサのパフォーマンスは十分ですが、メモリ8GBが心もとないこと、そして2022年6月22日時点でRyzen7との価格差が小さいことから、上位モデルがおすすめです。
Yoga Slim 760 Carbonの実機レビューまとめ
Yoga Slim 760 Carbonを安く買う方法
Yoga Slim 760 Carbonに限らず、Lenovoのパソコンを安く買う方法については以下の記事でまとめています。購入前に必ずご確認ください。
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