※本記事ではメーカーより貸出を受けて、テストを行っています。
ZBook Firefly 14inch G10 Mobile Workstationのレビュー概要
クリエイター向けワークステーション
本モデルはNVIDA RTX A500を搭載したモバイルワークステーションで、CADやレンダリングを利用するユーザー向けのノートパソコンです。
こんなタイプにマッチ
- 専用ソフトを使うクリエイター
簡易スペック表
発売年 | 2023年 |
CPU | Core i5-1335U Core i7-1355U Core i7-1365U Ryzen9 PRO 7940HS Ryzen7 PRO 7840HS Ryzen5 PRO 7640HS |
RAM | 16~64GB |
ストレージ | 256GB~2TB |
画面サイズ | 14インチ |
GPU | Iris Xe Graphics NVIDIA RTX A500 Laptop AMD Radeon Graphics |
USB-PD | 対応 |
LTE・5G通信 | 対応モデルあり |
MSオフィス | 選択可能 |
重量 | 1600g |
Cinebench R20 | 3302pts |
※詳細スペックはこちら。その他性能は目次よりベンチマーク結果をご覧ください
ZBook Firefly 14inch G10 Mobile Workstationの目次
実際に使った感想(主観)はメリット・デメリットからご覧いただけるとわかりやすくなっています。購入を悩んでいる場合はおすすめかどうかをチェックください。
ZBook Firefly 14inch G10 Mobile Workstationの特徴
ここではZBook Firefly 14inch G10 Mobile Workstationの一般的な特徴について解説しています。実際に筆者が使った感想、レビューについてはメリット・デメリットの項目をご覧ください。
NVIDIA搭載のモバイルノート
本モデルはノートパソコンの中でかなり珍しいNVIDIA搭載モデルです。基本的にCADや3D CGなどに用いられるdGPUとなっており、ゲーム向きのものではありません。
プロセッサはintel第13世代もしくはRyzen7000番台
プロセッサは豊富な選択肢から選ぶことができ、第13世代のintelプロセッサ、もしくはRyzen7000番台から選ぶことができます。Ryzenシリーズであれば、Ryzen9も選択肢に入るため、超高パフォーマンスなモデルを選択することも可能です(ただし、この場合NVIDIAは選択できません)。
LTEモデルが存在
本モデルのラインナップにはLTEモデルが存在し、ネット回線へスムーズに繋ぐことができます。
ZBook Firefly 14inch G10 Mobile Workstationの価格とコストパフォーマンス
NVIDIA搭載のノートパソコンという珍しさもあり、コストパフォーマンスは低めです。
ZBook Firefly 14inch G10 Mobile Workstationのスペック
今回レビューしたZBook Firefly 14inch G10 Mobile Workstationのスペックは以下の通りです。
マシンスペック(技術仕様)
発売年 | 2023年 | |
製品名 | ZBook Firefly 14inch G10 Mobile Workstation | |
型式 | - | |
サイズ | 224.3×315.6×19.9mm | |
重量(実測) | 本体 | 1600g |
電源アダプタ | 310g | |
CPU | Core i5-1335U | |
GPU | NVIDIA RTX A500 Laptop GPU | |
メモリ(RAM) | 16GB | |
ストレージ | 1st | 512GB |
2nd | - | |
ディスプレイ | サイズ | 14インチ |
解像度 | 1920×1080 | |
アスペクト比 | 16:9 | |
形式 | 液晶 | |
リフレッシュレート | 90Hz | |
生体認証 | 指紋 | 有り |
顔認証 | 有り | |
フロントカメラ | 画素数 | 500万画素 |
物理シャッター | 無し | |
リヤカメラ | 画素数 | 無し |
Wi-Fi | a/b/g/n/ac/ax | |
bluetooth | v5.3 | |
LTEモジュール | 対応の可否 | 非搭載 |
SIMカードサイズ | ー | |
光学ドライブ | 非搭載 | |
バッテリー | サイズ | 51Whr |
公称値 | 16.5時間 |
※レビュー機種以外やカスタマイズ内容などの詳細スペックはこちらからご覧ください。
ZBook Firefly 14inch G10 Mobile Workstationのベンチマーク
CINEBENCH R20
CINEBENCH R20の測定値は3302pts、シングルコア595ptsという結果になりました(パフォーマンスモードで測定)。Core i5モデルですが、Cinebench R20のスコアで3000ptsを超えており、実用で十分といえるでしょう。他機種のデータについてはCINEBENCHの結果一覧をご覧ください。
CINEBENCH R23
CINEBENCH R23の測定値は7202pts、シングルコア1594ptsという結果になりました(パフォーマンスモードで測定)。他機種のデータについてはCINEBENCHの結果一覧をご覧ください。
Crystal Disk Mark
Crystal Disk Markの測定結果は以下の通りです。Crystal Diskmarkの結果、6000MB/sを超えるパフォーマンスとなっており、非常に優秀です。
ゲームベンチマーク
FF15
ファイナルファンタジー15のベンチマーク結果は以下の通りです。全てフルHD品質でテストを行っています。他機種の結果は、FF15のベンチマーク結果一覧をご覧ください。
モード | スコア | 評価 |
最高品質 | - | - |
高品質 | - | - |
軽量品質 | 4409 | 普通 |
CPU-Z
CPU-Zでの検証は以下の通りです。クリックで拡大することができます。
ZBook Firefly 14inch G10 Mobile Workstationのモニター評価(色域・トーンカーブ)
モニターの評価結果は以下の通りです。タブで色域の評価結果とトーンカーブの測定データを切り替えることができます。測定はi1 Display Proを用いてデータ測定後、Color ACにてIICプロファイルからカバー率などのデータを作成しています。
カバー率及び、カバー比のデータは以下の通りです。
カバー率 | カバー率 | カバー比 |
sRGB | 62.1% | 63.6% |
Adobe RGB | 47.2% | 47.2% |
トーンカーブの評価結果は以下の通りです。
ZBook Firefly 14inch G10 Mobile Workstationの通信環境(WI-Fi)のテスト
測定環境
Wi-Fiの通信環境テストを行いました。テスト環境は光1Gbps(IPv6対応)でWi-FiにはArcher 10 Proを用いました。テスト環境は以下の通りで戸建て環境の1階、及び2階で測定を行っています。幅方向約10.5m、奥行き方向8.2mの環境です。
検証結果
スピードテストを行った結果です。ポイント⑥になるほど実質的な距離が大きくなります。
ダウンロード数値比較
アップロード、PING、ジッターを計測した数値を表にまとめています。
測定項目 | ダウンロード | アップロード | PING |
単位 | Mbps | Mbps | ms |
ルーター前 | 581.98 | 418.03 | 14 |
ポイント② | 434.18 | 325.68 | 13 |
ポイント③ | 569.8 | 413.5 | 15 |
ポイント④ | 539.62 | 387.68 | 14 |
ポイント⑤ | 391.11 | 333.74 | 14 |
ポイント⑥ | 213.73 | 196.4 | 14 |
通信スピードテストの評価
通信速度は全エリアで100Mbpsを超えており、十分なパフォーマンスが得られています。
ZBook Firefly 14inch G10 Mobile WorkstationのUSB-C(PD)による充電テスト
USB-Cの充電テストを行いました。メーカー純正のケーブル使用警告が出るものの、充電自体は問題ありませんでした。
USB-PD | 充電の可否 | 検証した充電器 |
20W | 〇 | PowerPort Ⅲ Nano |
30W | 〇 | PowerPort Atom Ⅲ Slim |
45W | 〇 | PowerPort Atom Ⅲ Slim |
61W | 〇 | RP-PC133 |
100W | 〇 | AUKEY PA-B7 |
ZBook Firefly 14inch G10 Mobile Workstationの外観
天板は濃い目のシルバーでセンターにロゴが配置されています。
背面にはパンチホール型の通気口が空いていますが、大きくなくあまり目立ちません。
開いた様子です。ベゼル幅は普通程度です。
上部ベゼルです。
下部ベゼルです。
キーボード全体です。全てのキーが独立しています。
ミツトヨのデジタルノギスでキーピッチを算出したところ、18.2mmとなりました。また、SHINWAのデップスゲージでキーストロークを測定したところ、1.7mmとなっています。
タッチパッド幅を計測したところ、120mmとなりました。
本体右側にはヘッドフォンジャック、USB Type-Aポート、セキュリティロックがあります。
本体左側にはフルサイズHDMI、USB Type-A、USB Type-Cポートを二つ備えます。
本体の重量を測定したところ、1600gとなりました。
充電器込みの重量を測定したところ、1910gとなりました。充電器単体では310gとなります。
ZBook Firefly 14inch G10 Mobile Workstationのメリット・魅力
14インチのワークステーションは珍しい
本モデルのような14インチでNVIDIA搭載モデルは非常に数が少なく、珍しいモデルと言えます。専用ソフトを外でも使いたい人にとっては有意義なモデルと言えるでしょう。
ダウングレード版の選択肢もある
プロ向けということもあってか、Windows10版も用意されています(2023年9月5日時点)
16:10のアスペクト比
アスペクト比が16:10になっているため、縦長ディスプレイとなっており使いやすい印象です。筆者もCADユーザーでしたが、個人的に縦長の方が使いやすい印象です。
ZBook Firefly 14inch G10 Mobile Workstationのデメリット・欠点
色域が狭い
カラーベンチマークの結果から分かるように、色域カバー率は値段帯を考えるとかなり低めなので、注意して下さい。
みんなの口コミ
ぜひ口コミをご投稿ください。
Submit your review | |
dGPU搭載ノートパソコンとしては軽めで持ち運びしやすい印象です。NVIDIA搭載で14インチのコンパクトなモデルという組み合わせはパソコン業界全体で見ても珍しいので、この構成だけでも価値がありそうです。
ZBook Firefly 14inch G10 Mobile Workstationがおすすめな人
CAD、レンダリングなど専門的なユーザー
本モデルはNVIDIAのdGPUを搭載していることからも、専門職的な位置付けのモデルで、専用のソフトウェアを使う人にすすめられるモデルです。
ZBook Firefly 14inch G10 Mobile Workstationがおすすめではないタイプ
専用ソフトを使わないユーザー
一般的な用途で使うなら、同じ値段でプロセッサのパフォーマンスを上げるか、GeForceなどの搭載モデルを選ぶ方が良いでしょう。
ZBook Firefly 14inch G10 Mobile Workstationのカスタマイズ・モデルの選び方
本モデルはプロセッサ、メモリー、LTE搭載の要否をほぼ自由にカスタマイズできます。ただし、Ryzenモデルを選択する場合NVIDIA RTX A500 Laptopを選択できないので注意して下さい。
ZBook Firefly 14inch G10 Mobile Workstationの実機レビューまとめ
ZBook Firefly 14inch G10 Mobile Workstationを安く買う方法
ZBook Firefly 14inch G10 Mobile Workstationに限らず、HPのパソコンを安く買う方法については以下の記事でまとめています。購入前に必ずご確認ください。
-
【2024年12月】日本HPパソコンをクーポンとキャンペーン・セールを使って最大限安く買う方法・コツ
日本でも数多く発売されている外資系パソコンメーカーHP(ヒューレットパッカード)のパソコンは安くて高性能、かつ「デザインが良い」ことが最大の特徴です。2020年以降、ウルトラブックにLTEを載せるよう ...
続きを見る