※本記事ではメーカーより貸出を受けて、テストを行っています。
ZBook Power 15.6 inch G9のレビュー概要
NVIDIAを搭載した15.6インチ
ZBook Power 15.6インチはintel第12世代プロセッサとNVIDIA GPUを搭載した15インチのノートパソコンです。
GeForceではないため、ゲームには向きませんがその分専門職のクリエイター、デザイナーが持ち出ししやすいワークステーションとなっています。
こんなタイプにマッチ
- プロダクトデザイナー
- 持ち運びが必要な2D,3D設計者
簡易スペック表
発売日 | 2022年12月20日 |
CPU | Core i7-12700H Core i7-12800H |
RAM | 16~32GB |
ストレージ | 512GB~1TB |
画面サイズ | 15.6インチ |
GPU | NVIDIA T600 NVIDIA A1000 NVIDIA RTZ2000 |
USB-PD | 100W以上対応 |
LTE・5G通信 | 非対応 |
MSオフィス | 非搭載 |
重量 | 2435g |
Cinebench R20 | 3994pts |
※詳細スペックはこちら。その他性能は目次よりベンチマーク結果をご覧ください
ZBook Power 15.6 inch G9の目次
実際に使った感想(主観)はメリット・デメリットからご覧いただけるとわかりやすくなっています。購入を悩んでいる場合はおすすめかどうかをチェックください。
ZBook Power 15.6 inch G9の特徴
ここではZBook Power 15.6 inch G9の一般的な特徴について解説しています。実際に筆者が使った感想、レビューについてはメリット・デメリットの項目をご覧ください。
NVIDIA搭載の15.6インチワークステーション
Zbook PowerはGeForceではなく、NVIDIA搭載のクリエイター向けワークステーションです。同様のモデルは14インチもありますが、こちらは大画面で使える15.6インチとなっています。
プロセッサは第12世代intelプロセッサ
CPUには第12世代intelプロセッサのHシリーズが採用されており、非常に高いパフォーマンスが魅力です。後述のベンチマーク結果でも素晴らしい数値となっています。
ZBook Power 15.6 inch G9の価格とコストパフォーマンス
本体価格は44万円台からとなっており、非常に高額です。ベンチマーク結果だけ見ると価格が高く感じるかもしれませんが、このモデルは家庭用向けではなく専門職のクリエイター向けなのでベンチマーク結果よりもNVIDIAシリーズのdGPUを搭載している点を評価して購入するべきモデルです。
ZBook Power 15.6 inch G9のスペック
今回レビューしたZBook Power 15.6 inch G9のスペックは以下の通りです。
マシンスペック(技術仕様)
発売日(月) | 2022年12月20日 | |
製品名 | ZBook Power 15.6inch G9 | |
型式 | - | |
サイズ | 233.9×359.4×22.8mm | |
重量(実測) | 本体 | 2435g |
電源アダプタ | -450g | |
CPU | Core i7-12700H | |
GPU | Intel UHD Graphics | |
メモリ(RAM) | 16GB | |
ストレージ | 1st | 512GB |
2nd | - | |
ディスプレイ | サイズ | 15.6インチ |
解像度 | 1920×1080 | |
アスペクト比 | 16:9 | |
形式 | IPS液晶 | |
リフレッシュレート | 60Hz | |
生体認証 | 指紋 | 有り |
顔認証 | 有り | |
フロントカメラ | 画素数 | 720p |
物理シャッター | 有り | |
リヤカメラ | 画素数 | 無し |
Wi-Fi | a/b/g/n/ac | |
bluetooth | v5.2 | |
LTEモジュール | 対応の可否 | 非搭載 |
SIMカードサイズ | ー | |
光学ドライブ | 非搭載 | |
バッテリー | サイズ | 6セル、83Whr |
公称値 | 16時間時間 |
※レビュー機種以外やカスタマイズ内容などの詳細スペックはこちらからご覧ください。
ZBook Power 15.6 inch G9のベンチマーク
CINEBENCH R20
CINEBENCH R20の測定値は3994pts、シングルコア584ptsという結果になりました(パフォーマンスモードで測定)。Hシリーズを搭載していることもあり、非常に高いパフォーマンスとなっています。他機種のデータについてはCINEBENCHの結果一覧をご覧ください。
CINEBENCH R23
CINEBENCH R23の測定値は13393pts、シングルコア1831ptsという結果になりました(パフォーマンスモードで測定)。他機種のデータについてはCINEBENCHの結果一覧をご覧ください。
Crystal Disk Mark
Crystal Disk Markの測定結果は以下の通りです。READは7000MB/sに近い数値を出しており、一般的なノートパソコンではトップクラスのパフォーマンスとなっています。
ゲームベンチマーク
FF15
ファイナルファンタジー15のベンチマーク結果は以下の通りです。全てフルHD品質でテストを行っています。他機種の結果は、FF15のベンチマーク結果一覧をご覧ください。
モード | スコア | 評価 |
最高品質 | 4418 | やや快適 |
高品質 | 6474 | 快適 |
軽量品質 | 8358 | 快適 |
CPU-Z
CPU-Zでの検証は以下の通りです。クリックで拡大することができます。
騒音テスト
騒音に関する評価は以下の通りです。CPUテストはCinebench R20、GPUテスト時はFinalFantasy15のベンチマーク測定時に測定を行っています。
モード | 評価 |
通常時 | ほぼ無音 |
CPUテスト時 | ファン音が聞こえる |
GPUテスト時 | ファン音が聞こえる |
ZBook Power 15.6 inch G9のモニター評価(色域・トーンカーブ)
モニターの評価結果は以下の通りです。タブで色域の評価結果とトーンカーブの測定データを切り替えることができます。測定はi1 Display Proを用いてデータ測定後、Color ACにてIICプロファイルからカバー率などのデータを作成しています。
Adobe RGB
カバー率及び、カバー比のデータは以下の通りです。
カバー率 | カバー率 | カバー比 |
sRGB | 99.3% | 101.5% |
Adobe RGB | 75.0% | 75.3% |
トーンカーブの評価結果は以下の通りです。
ZBook Power 15.6 inch G9の通信環境(WI-Fi)のテスト
測定環境
Wi-Fiの通信環境テストを行いました。テスト環境は光1Gbps(IPv6対応)でWi-FiにはArcher 10 Proを用いました。テスト環境は以下の通りで戸建て環境の1階、及び2階で測定を行っています。幅方向約10.5m、奥行き方向8.2mの環境です。
検証結果
スピードテストを行った結果です。ポイント⑥になるほど実質的な距離が大きくなります。
ダウンロード数値比較
アップロード、PING、ジッターを計測した数値を表にまとめています。
測定項目 | ダウンロード | アップロード | PING |
単位 | Mbps | Mbps | ms |
ルーター前 | 508.35 | 12.35 | 21 |
ポイント② | 610.69 | 5.41 | 18 |
ポイント③ | 471.62 | 238.48 | 25 |
ポイント④ | 539.12 | 203.16 | 21 |
ポイント⑤ | 452.1 | 187.34 | 18 |
ポイント⑥ | 189.26 | 45.48 | 18 |
通信スピードテストの評価
一部アップロード速度が遅くなる傾向もありましたが、十分なスピードが出ています。
ZBook Power 15.6 inch G9のUSB-C(PD)による充電テスト
USB-Cの充電テストを行いました。USB PD充電には対応しているものの、100W以外では低出力表示され充電ができませんでした。
USB-PD | 検証した充電器 | |
20W | × | PowerPort Ⅲ Nano |
30W | × | PowerPort Atom Ⅲ Slim |
45W | × | PowerPort Atom Ⅲ Slim |
61W | × | RP-PC133 |
100W | ○ | AUKEY PA-B7 |
ZBook Power 15.6 inch G9の外観
天板は14インチモデル同様にZのロゴのみのシンプルなデザインです。
背面はセンターにパンチングのみで外部GPUを搭載しているとは思えないほどスッキリしています。
開いた様子です。ベゼル幅は普通程度です。
最大開き角は180度となっています。
上部ベゼルです。
下部ベゼルです。
キーボード全体です。14インチモデルとは異なり、テンキーが搭載されています。
ミツトヨのデジタルノギスでキーピッチを算出したところ、17.56mmとなりました。また、SHINWAのデップスゲージでキーストロークを測定したところ、1.2mmとなっています。
タッチパッド幅を計測したところ、117mmとなりました。
本体右側には電源端子、USB Type-C、USB Type-Aが2つ、ヘッドフォンジャックを備えています。
本体左側はセキュリティロック、優先イーサネットコネクタ、USB Type-A、HDMI端子を備えています。
本体の重量を測定したところ、2435gとなりました。
充電器込みの重量を測定したところ、1985gとなりました。充電器単体では-450gとなります。
ZBook Power 15.6 inch G9のメリット・魅力
数少ないNVIDIA搭載ノートPC
ZBook PowerはそもそもNVIDIAを搭載していることもあり、それそのものがメリットと言えます。HPのパソコンということもあり、ワークステーションでありながらデザイン性に優れている点もポイントと言えるでしょう。
Hシリーズプロセッサを搭載
今回の第12世代intelプロセッサを搭載することでノートパソコンでも十分なパフォーマンスが出ています。ノートパソコンではあるものの、デスクトップに劣らない性能となってきているでしょう。
ワークステーションとしてはバッテリ持続時間が長め
メーカー公称値として16時間となっており、持ち出し時の持続時間が長くなっています。
ZBook Power 15.6 inch G9のデメリット・欠点
ワークステーションならではの価格
ワークステーションという位置のため、一般的なノートパソコンと比較すると価格は高めです。また日本で発売されているNVIDIAの外部GPU搭載モデルはほとんどないことから価格が高くなっていることも要因の一つと言えるでしょう。
ゲームベンチマークは低い
ベンチマークの結果からもわかる通り、ゲームを行う性能は低めです。ゲームが主目的なら、GeForce搭載モデルを選ぶようにして下さい。
みんなの口コミ
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NVIDIA GPU搭載のノートパソコンということで特殊性の強いノートパソコンです。性能はさておき、無骨になりがちなワークステーションでありながら、デザイン性やカメラの物理シャッターといった点もしっかりと搭載している点は評価ポイントと感じました。
ZBook Power 15.6 inch G9がおすすめな人
持ち出しできるワークステーションが欲しい人
ZBookシリーズの強みはなんといっても持ち出しができること。NVIDIA搭載モデルで持ち出しができるモデルは限られており、かつデザイン性に優れるモデルは少ないため、本モデルはそういった点でおすすめです。
ZBook Power 15.6 inch G9がおすすめではないタイプ
ゲームもしたいユーザー
3Dゲームをしつつ、クリエイティブ作業をしたいならGeForce搭載のノートパソコンを買いましょう。同じ性能でも大幅に安く買うことができます。
ZBook Power 15.6 inch G9のカスタマイズ・モデルの選び方
本モデルはプロセッサにCore i7-12700HとCore i7-12800Hを選べる他、メモリを最大32GBまでアップすることができます。またモデルによってGPUのグレードが異なるので注意しておきましょう。
ZBook Power 15.6 inch G9の実機レビューまとめ
ZBook Power 15.6 inch G9を安く買う方法
ZBook Power 15.6 inch G9に限らず、HPのパソコンを安く買う方法については以下の記事でまとめています。購入前に必ずご確認ください。
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