Innovator 16のレビュー概要
超スリムな16インチ液タブ
2020年にXP-PENより登場した液晶タブレット「Innovator 16」について実機レビューを行いました。
15.6インチで大型なように感じますが、特徴部分で書いているように非常に薄く、持ち運びすらできるモデル。また色域が広く、クリエイター向けにも使えるペンタブレットです。
本体はバスパワーで動くため、コンパクトな構成で動かすことも可能です。
簡易スペック表
メーカー | XP-Pen |
画面サイズ | 15.6インチ |
解像度 | 1920×1080 |
NTSC | 88% |
ペン | 充電不要 |
※詳細スペックはこちら。
Innovator 16の実機レビュー目次
忙しい方はまず特徴をご覧ください。レビューについては、イラストレーターさんに作例、メリット・デメリットを回答いただいております。
※本記事はメーカーから提供の上、レビューを行っています。ただし、内容に対しての指示、修正は一切受けておりません。
Innovator 16 の特徴
この項目では、Innovator 16 の特徴についてのみ触れています。実際に使った感想はメリット・デメリットでご覧ください。
超スリムな筐体
昨今の液タブはスリム化が進んでいますが、Innovator 16は中でもずば抜けた薄さを誇ります。
本体サイズは15.6インチと大きいものの、この薄さのため重量の観点でも容量の観点でも持ち運びのしやすさを実現しています。
広い色域カバー率
Innovator16は上位モデルのため、広い色域を持ちます。公称値でsRGB125%、Adobe RGB 92%、NTSC 88%となっています(下位モデルのArtist Pro 12はNTSC 72%)。色域カバー率が広いため、よりクリエイター向けのモデルと言えます。
充電不要の電磁誘導ペン
Innovator16には電磁誘導式ペンが付属しており、ペンを使う際に充電をする必要がありません。また中に電池がないため、ペン自体が軽量化されていることも魅力の一つです。
Innovator 16 のスペック
今回レビューしたInnovator 16 のスペックは以下の通りです。
マシンスペック(技術仕様)
発売日 | 2020/6/17 | |
寸法 | 443.27×256.45×9.0 mm | |
重さ | - | |
ディスプレイ | サイズ | 15.6インチ |
形式 | IPS | |
画素数 | 1920×1080 | |
sRGB | 125% | |
Adobe RGB | 92% | |
NTSC | 88% | |
ペン性能 | 筆圧感度 | 8192段階 |
傾き検知 | ±60° | |
充電形式 | 充電不要 | |
ショートカット | キー | 8個 |
リングホイール | 1本 | |
インターフェース | HDMI | 〇 |
DisplayPort | × | |
VGA | × | |
サポート | Windows | Windows7~ |
Mac | 10.10~ |
スペックの解説
Innovator16は2020年に登場した液晶タブレットです。特徴は15.6インチで厚さ9mmと薄いこと。さらに電磁誘導ペンでストレスなく描けるモデルになっています。その他のスペックについては下位モデルと差は小さいですが、本モデルについては本体質感や視差を減らすディスプレイのラミネート方式など、スペック上で現れない違いが大きいことに注意して下さい。
Innovator 16 の外観
表面です。エッジが立ったデザインになっており、非常にスマートです。
背面はシルバー一色です。
左側にはリングホイールとボタンが8つあります。
右側にはXP-PENのロゴがあります。
サイドには電源ボタンと接続用コネクタがあります。基本的に左側に集約されています。
背面にスタンドを取り付けた様子です。スタンドは固定式の一段になっています。
スタンド角は約20°です。
付属品のペンとグローブです。
中にペンが収納されています。
出した様子です。
ペンを持った様子です。握りやすい形状です。
ペンホルダーはスタンドを兼ねています。
ペンケースには替え芯が付属しています。
以下は接続した様子です。コンセントはバスパワー(パソコン接続)でも動かすことができます。
接続部です。上側に一か所出るのみでシンプルです。
付属のケーブルです。
コンセント類は海外仕様にも対応しています。
Innovator 16 の作例
作例
橘さんに関連サイトキャラクター「紬希ユイ」を描いて頂きました。
制作者 | 橘さん (Twitter) |
制作PC | IdeaPad Flex550 |
PCメーカー | Lenovo |
OS | Windows 10 home 64bit |
CPU | Ryzen5 4500U |
RAM | 8GB メモリ |
GPU | 内蔵グラフィックス |
利用ツール・ソフト | MedibangPaint Pro |
検証環境はこちらです。
橘さんの他作例は「Artist Pro 12」でも掲載しています。
Innovator 16 のメリット・魅力
メリット・デメリットについては作例を書いて頂いた橘さんより頂いています。
画面サイズが大きく描きやすい
画面のサイズが大きく、描きやすいと感じました。今回メディバンペイントを使用したのですが、ほぼB5サイズに近い大きさのキャンバスエリアがありました。
普段iPadPro10.5で描くときは主に手首を動かす描き方をしているのですか、画面が大きい分、手首だけでなく肘や腕も動かす描き方ができました。肘を起点に腕を大きく動かすことで、髪などの曲線が描きやすかったです。
細かい部分を拡大して描画したり、縮小して全体図を確認するのも、画面サイズが大きいとはっきりしていてチェックしやすかったです。また、明るさ設定が初期設定の50%だと、目が疲れにくく感じました(ただし50%だと若干ですがモニターが暗めな気がしたので、時々パソコン画面でチェックしたり、60~70%にして確認しながら描きました)。
視差も少なくペン運びかスムーズで描きやすく、長時間作業でも目がチカチカしにくい印象です。
付属のペンが持ちやすい
ペンも太すぎず細すぎず、軽くて持ちやすかったです。Apple Pencilに比べ、ペンの充電が不要なのも便利だと思いました。筆圧検知についても、私は割と筆圧が弱めなのですが、簡単なドライバの調節でかなり強弱をつけることができました。
Innovator 16のデメリット・欠点
薄く細い線は筆圧調節が必要
ペン運びを軽くしすぎると反応せず、線が途切れるのが少し気になりました。薄く細い線でも少し筆圧をかけて書く力がいると感じました。
スタンドが固定式
スタンドについて、軽くて持ち運びしやすく、滑り止めがついていてしっかりとした作りなのですが、細かな高さ調節ができないので、スタンドの高さを変えたい場合は別のスタンドを用意する必要があります。
ドライバの動きが不安定
また数回目の起動時、鉛筆ツールを使っているのに文字が消えるという現象が起こり、対処がわからなかったためドライバーを再インストールしたら直ったり、その後も何故か曲線がガタガタになってしまって筆圧調節やキャリブレーションをしてみたら何故かきれいな曲線が描けるように直ったのですが、ドライバの動きが気になりました。
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XP-Penの中でも高級機なだけあって、性能、筐体面で魅力あるモデルです。いくつか液タブを触ってきた中でも、9mmの薄さには特に驚きます。