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ThinkPad X1 Carbon(Gen10・2022年モデル)の実機レビュー:メリット・デメリットと評価まとめ

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レビュー・評価の概要

薄型軽量な王道ThinkPad

10世代目となるThinkPadのウルトラブックモデルX1 Carbon。カーボンの名前の通り軽く、持ち運びに適したモデルとなっています。

Gen10では今までのコンセプトはそのままに第12世代intel Coreプロセッサを採用し、より高いパフォーマンスを獲得しています。

当サイトの評価

総合満足度
 (5)
発売年度2022年
プロセッサ第12世代P及びUモデル
RAM8~32GB
ストレージ256GB~2TB
画面サイズ14インチ
GPUIrix Xe Graphics
USB-PD対応
モバイル通信オプション有
重量1170g
Cinebench R203098pts

※スペック情報は執筆時のものです。現在の情報は以下から公式サイトでご覧ください。

ThinkPad X1 Carbon Gen10の商品情報

現在の価格は以下の公式サイトで必ずご確認ください。

本記事ではメーカーより貸し出しを受けて、テストを行っています。

特徴

ここではThinkPad X1 Carbon Gen10の一般的な特徴について解説しています。実際に筆者が使った感想、レビューについてはメリット・デメリットの項目をご覧ください。

正統進化の軽量ノートパソコン

ThinkPad X1 Carbonは初代からコンセプトを大きく変えずに正統進化してきた14インチのノートパソコンです。

初代から比較すると16:10のディスプレイに変更されるなど、昨今のトレンドに合わせた変化を持たせながらも過去からのファンを満足させる正統進化となっています。

第12世代intelプロセッサにより大幅パワーアップ

これまでintelプロセッサのバージョンアップによる性能向上は小さめでしたが、第12世代になったことで大幅に強化されています。

後述のベンチマーク結果で示していますが、1,2世代前のデスクトップPCに肉薄するレベルのパフォーマンスとなっています。

16:10のディスプレイ

上でも触れましたが、ThinkPad X1 Carbon Gen10では16:10の縦長ディスプレイとなっています(主流は16:9)。このアスペクト比のメリットは非常に大きく、ブラウザでWebサイトを見るとき、書類を作る時など縦の情報量を多く取ることができ、スクロール量を減らせるメリットがあります。

SIMフリーモデルが選択可能

ThinkPad X1 Carbonにはモバイル通信対応モデルが存在します(5G対応)。パソコンを開くだけでネット接続できるため、外でパソコンを開く人の強い味方になってくれます。

豊富なディスプレイラインナップが選べる

ThinkPad X1 Carbonの強みとしてフルHDから4Kまでのディスプレイを各種選べる利点があります。4Kは解像度が高いですが、バッテリー持ちに影響があり、トレードオフの関係。

公式サイトに掲載されているラインナップは常に全てのモデルが選べるわけではありませんが、仕様書には掲載されているので出てきたタイミングで自分の用途に合わせたカスタマイズを選ぶようにしましょう。

価格とコストパフォーマンス

2022年6月22日時点でCore i5、8GBモデル、フルHDディスプレイの構成で18万円台からとなっています。ThinkPadブランドであること、第12世代のintelプロセッサのパフォーマンスが非常に高いことを考えれば納得のいく値段です。

カスタマイズ性が高く、自分の用途で必要な部分だけグレードアップできるのでカスタマイズページでスペックを調整して、価格を見てみることをおすすめします。

ThinkPad X1 Carbon Gen10の商品情報

現在の価格は以下の公式サイトで必ずご確認ください。

スペック

今回レビューしたThinkPad X1 Carbon Gen10のスペックは以下の通りです。

マシンスペック(技術仕様)

発売年2022年
サイズ222.5×315.6×15.36mm
重量本体1170g
アダプタ245g
CPUCore i5-1240P
GPUIris Xe Graphics
メモリ(RAM)16GB
ストレージ1st256GB
2nd
ディスプレイサイズ14インチ
解像度3840×2400
アスペクト比16:10
形式IPS液晶
リフレッシュレート60Hz
フロントカメラ画素数1080p
物理シャッター無し
リヤカメラ画素数無し
Wi-Fia/b/g/n/ac/ax
bluetoothv5
モバイル通信非対応
光学ドライブ非搭載
バッテリーサイズ57Whr
公称値最大24.9時間

レビュー機種以外にも詳細のカスタマイズが可能です。細かなスペック内容についてはテーブル下の公式サイトのリンクからご覧ください。

公式サイトで他グレードを見てみる

ベンチマーク結果一覧

CINEBENCH

CINEBENCH(シネベンチ)のベンチマーク結果は以下の通りです。R20は1回の測定、R23は10分間の連続測定結果を掲載しています。

バージョン測定モード測定値[pts]
Cinebench R20マルチ3098
シングル522
Cinebench R23マルチ5887
シングル1504

Crystal Disk Mark

Crystal Disk Mark(クリスタルディスクマーク)の測定結果は以下の通りです。

Read[MB/s]Write[MB/s]
SEQ1M Q8T13419.952284.45
SEQ1M Q1T11768.731658.63
RND4K Q32T16644.76357.49
RND4K Q1T162.83129.31

ゲームベンチマーク

FF15

ファイナルファンタジー15のベンチマーク結果は以下の通りです。全てフルHD品質でテストを行っています。

モードスコア評価
最高品質
高品質
軽量品質2052重い
※基本的にグラフィックボード搭載モデルのみ高品質以上のテストを行います。

モニター評価(色域)

モニターの色域カバー率は以下の通りです。測定はi1 Display Proを用いてデータ測定後、Color ACにてIICプロファイルからカバー率などのデータを作成しています。

測定項目カバー率[%]カバー比[%]
sRGB100.0109.3
Adobe RGB79.781.0

通信環境(Wi-Fi)のテスト

測定環境

Wi-Fiの通信環境テストを行いました。テスト環境は光1Gbps(IPv6対応)でWi-FiにはArcher 10 Proを用いました。

テスト環境は以下の通りで戸建て環境の1階、及び2階で測定を行っています。幅方向約10.5m、奥行き方向8.2mの環境です。

1階部分

2階部分

ルーター前:682.87Mbps
ポイント②:462.9Mbps
ポイント③:678.49Mbps
ポイント④:498.5Mbps
ポイント⑤:394.35Mbps
ポイント⑥:59.06Mbps
測定項目ダウンロードアップロードPING
単位MbpsMbpsms
ルーター前682.87560.8212
ポイント②462.9374.9712
ポイント③678.49587.5913
ポイント④498.5505.7313
ポイント⑤394.35343.5312
ポイント⑥59.0663.3313

通信スピードテストの評価

USB-C(PD)による充電テスト

USB-Cの充電テストを行いました。「〇」は通常通り充電、「△」は充電されるものの低速表示、「×」は充電できないことを示します。

W数充電の可否検証に用いた機種
20W×PowerPort Ⅲ Nano
30WPowerPort Atom Ⅲ Slim 30W
45WPowerPort Atom Ⅲ Slim 45W
61WRP-PC133
100WAUKEY PA-B7

外観

天板はブラックでThinkPadのロゴがあります。赤い部分は本体起動時に点灯します。

開いた様子です。左右ベゼルは狭く、上側は少し広めとなっています。ディスプレイはとても美しく、色合いが鮮やかです。

過去モデル同様に180°開くことができます。

上部ベゼルです。

下部ベゼルです。

キーボード全体です。ThinkPad特有のFnとCtrlが一般PCと反対になっているところはあるもののそれ以外はクセがなく使いやすいです。ファンクションキーにはいくつかWEB会議に対応したものがあり、ショートカットとして利用することができます。

ミツトヨのデジタルノギスでキーピッチを算出したところ、19.02mmとなりました。また、SHINWAのデップスゲージでキーストロークを測定したところ、1.9mmとなっています。ThinkPadらしい打ち心地が魅力です。タイピングすることが多い人にはぜひ候補に入れて欲しいと常々感じるノートパソコンです。

タッチパッド幅を計測したところ、110mmとなりました。上下幅は狭めですが、左右は広めのタッチパッド。サラサラで使いやすいです。静音タイプでクリック音は小さめです。

本体右側にはUSB Type-A、ヘッドフォンジャックを備えます。

本体左側にはUSB Type-C(Thunderbolt4対応)、USB Type-A、フルサイズHDMIケーブルを備えます。

薄型ノートパソコンとしては十分な音響性能です。低音が出過ぎず、動画で人の声が聞きやすくなっています。

本体の重量を測定したところ、1170gとなりました。

充電器込みの重量を測定したところ、1415gとなりました。充電器単体では245gとなります。

メリット・魅力

軽量で持ち運びが楽

ThinkPad X1 Carbonは軽量で持ち運びが非常に楽なモデルです。もちろんUSB PDにも対応していますし、5Gを含むモバイル通信モデルを選ぶこともできます。さらにキーボードの打ち心地やタッチパッド性能が優れているため、外出先でも生産性を上げることができます。

プロセッサの性能向上が大きい

第12世代intelプロセッサの性能向上は目覚ましく、非常に高いパフォーマンスが出ています。1世代前の第11世代のintelモバイルプロセッサとは別物なので、多少予算をオーバーしても第12世代を選ぶ方が良いでしょう。

ThinkPadらしい打ち心地は健在

ThinkPad X1 Carbonでもシリーズらしい、深くてしっとりとした打ち心地は健在です。タイピングの生産性を求める人にぜひ選んで欲しいモデルです。

複数のディスプレイを選べるのは大きなメリット

モバイルPCを選ぶにあたって、ディスプレイを複数から選べることは大きなメリットです。ディスプレイの解像度が上がるほど、バッテリー持ちが悪くなるトレードオフの関係のため、外出時間が長く電源につなげないならフルHDを選択し、自宅ではディスプレイ拡張を使う手を取ることもできます。

人によって最適解が異なる話なので、複数のディスプレイを選択できること自体が大きなメリットと言えます。

細かくカスタマイズできる

ThinkPad X1 Carbonはプロセッサ、ストレージ、ディスプレイ、WWANの有無など非常に細かくカスタマイズでき、自分の用途・予算に合わせることが可能となっています。

デメリット・欠点

USB Type-Cポートは左のみ

本モデルはType-Cポート(Thunderbolt4対応)は左のみとなっています。右側からの充電ができないので注意して下さい。

スピーカー音は並程度

ThinkPad X1 Carbonは弱点がほぼありませんが、強いて言えばスピーカー性能は価格の割に並程度といったところくらいです。

ただし、これも捉え方次第で「低音がほぼない=人の声がクリアに聞こえる」なのでビジネスツールとしては過度に性能を求めていない分、弱点とも言えないかもしれません。

おすすめなタイプ

普段から外出先でパソコンを使うユーザー

外出先でパソコンをよく使うユーザーにはThinkPad X1 Carbonは本当におすすめです。筆者も過去モデルを外出時のメインマシンとして使っていましたが、自宅とほぼ変わらないパフォーマンスで仕事ができていました。キーボード、タッチパッドの性能は一度触ると虜になるでしょう。

おすすめできないタイプ

さらに軽量性を求めるタイプ

ThinkPad X1 Carbon自体は素晴らしいモデルですが、さらに軽量化に振り切ったモデルとして本体重量1kg以下のThinkPad X1 Nanoがあります。

13.3インチでワンサイズ小さくはなりますが、ThinkPadのコンセプトを継承したモデルとなっているので、こちらを検討してみても良いでしょう。

カスタマイズ・モデルの選び方

一般用途ではCore i5-1240PとWindows 11 Home、2.2Kディスプレイが良いと感じました。これで価格が税込み213,070円です(2022年6月22日時点)。外での使用時間が長い人はバッテリーを考慮して、1920×1080解像度のディスプレイに変更するとここからさらに価格を下げることも可能です。

細かくカスタマイズできるため、自分の用途に合わせて選ぶようにしましょう。

公式サイトで他グレードを見てみる

実機レビューのまとめ

ThinkPad X1 Carbon Gen10は正統進化してきたことで、機能が熟成されとても魅力的なノートパソコンとなっています。更にスペックを細かくカスタマイズができることで、様々なニーズに応えられるモデルとなりました。

過去から使っているファンから、新しく軽量パソコンを予算に合わせて探したい人までぜひ候補にして欲しいPCです。

ThinkPad X1 Carbon Gen10の商品情報

現在の価格は以下の公式サイトで必ずご確認ください。

安く買う方法・コツ

ThinkPad X1 Carbon Gen10に限らず、Lenovoのパソコンを安く買う方法については以下の記事でまとめています。購入前に必ずご確認ください。

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