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レビュー・評価の概要
Yoga Slim 760 CarbonはハイパフォーマンスなRyzen5000シリーズプロセッサを搭載しつつ、約1kgの軽量ノートパソコンです。
軽さ、高い性能に加え、ディスプレイスペックが高く、2.8Kかつこのクラスとしては珍しい90Hzリフレッシュレートとなっています。
発売年度 | 2021年 |
プロセッサ | Ryzen5 5600U Ryzen7 5800U |
RAM | 8~16GB |
ストレージ | 512GB |
画面サイズ | 14インチ |
GPU | AMD Radeon グラフィックス |
USB-PD | 対応 |
モバイル通信 | 非対応 |
重量 | 1095g |
Cinebench R20 | 2975pts |
※スペック情報は執筆時のものです。現在の情報は以下から公式サイトでご覧ください。
本記事ではメーカーより貸し出しを受けて、テストを行っています。
特徴
ここではYoga Slim 760 Carbonの一般的な特徴について解説しています。実際に筆者が使った感想、レビューについてはメリット・デメリットの項目をご覧ください。
Ryzen5000シリーズプロセッサ
Yoga Slim760 CarbonはRyzen5 5600U、もしくはRyzen7 5800Uから選択することができます。どちらのモデルも高いパフォーマンスを誇り、Ryzen5であっても一般用途であれば、十分にオーバースペックなほどです。

1.1kgと軽量な本体
本モデルは名前の通り、1.1kgと軽量なことが売りです。14インチクラスではもっと軽いモデルもありますが、それらは価格がより高くなってしまう傾向があります。後述しますが、コストバランスという意味でちょうど良いスペックと言えるでしょう。

高性能なディスプレイ
軽量性やプロセッサのパフォーマンスに目がいきますが、本モデルの最も注目すべきポイントはディスプレイです。OLEDで美しく、さらに90Hzリフレッシュレートのため滑らかさが際立ちます。
また、16:10のアスペクト比のため、ネットサーフィンや書類作成時に縦方向の情報量が増えることもポイントと言えるでしょう。
価格とコストパフォーマンス
価格は2022年6月22日時点で税込141,632円となっています。Ryzen7 5800Uは15万円台となっており、プロセッサのパフォーマンスメモリ量を考えると上位モデルの方がコストパフォーマンスが高くなっています。
他社を含めライバルの14インチ軽量PCを考えても、ディスプレイに優位性があるにもかかわらず14万円台から買えるのは魅力的と言えるでしょう。
スペック
今回レビューしたYoga Slim 760 Carbonのスペックは以下の通りです。
マシンスペック(技術仕様)
発売年 | 2022年 | |
サイズ | 214.5×313×14.9mm | |
重量 | 本体 | 1095g |
アダプタ | 175g | |
CPU | Ryzen7 5800U | |
GPU | AMD Radeon Graphics | |
メモリ(RAM) | 16GB | |
ストレージ | 1st | 512GB |
2nd | – | |
ディスプレイ | サイズ | 14インチ |
解像度 | 2880×1800 | |
アスペクト比 | 16:10 | |
形式 | OLED | |
リフレッシュレート | 90Hz |
フロントカメラ | 画素数 | 720p |
物理シャッター | 有り | |
リヤカメラ | 画素数 | 無し |
Wi-Fi | a/b/g/n/ac/ax | |
bluetooth | v5.2 | |
モバイル通信 | 非対応 | |
光学ドライブ | 非搭載 | |
バッテリー | サイズ | 公式記載なし |
公称値 | 14時間 |
レビュー機種以外にも詳細のカスタマイズが可能です。細かなスペック内容についてはテーブル下の公式サイトのリンクからご覧ください。
ベンチマーク結果一覧
CINEBENCH
CINEBENCH(シネベンチ)のベンチマーク結果は以下の通りです。R20は1回の測定、R23は10分間の連続測定結果を掲載しています。
バージョン | 測定モード | 測定値[pts] |
---|---|---|
Cinebench R20 | マルチ | 2975 |
シングル | 507 | |
Cinebench R23 | マルチ | 8180 |
シングル | 1399 |
Crystal Disk Mark
Crystal Disk Mark(クリスタルディスクマーク)の測定結果は以下の通りです。
Read[MB/s] | Write[MB/s] | |
---|---|---|
SEQ1M Q8T1 | 3431.79 | 2721.50 |
SEQ1M Q1T1 | 2266.92 | 2336.50 |
RND4K Q32T16 | 993.36 | 487.65 |
RND4K Q1T1 | 42.95 | 125.27 |
ゲームベンチマーク
FF15
ファイナルファンタジー15のベンチマーク結果は以下の通りです。全てフルHD品質でテストを行っています。
モード | スコア | 評価 |
---|---|---|
最高品質 | – | – |
高品質 | – | – |
軽量品質 | 2372 | 重い |
モニター評価(色域)
モニターの色域カバー率は以下の通りです。測定はi1 Display Proを用いてデータ測定後、Color ACにてIICプロファイルからカバー率などのデータを作成しています。
測定項目 | カバー率[%] | カバー比[%] |
---|---|---|
sRGB | 100.0 | 137.6 |
Adobe RGB | 86.1 | 102.0 |
通信環境(Wi-Fi)のテスト
測定環境
Wi-Fiの通信環境テストを行いました。テスト環境は光1Gbps(IPv6対応)でWi-FiにはArcher 10 Proを用いました。
テスト環境は以下の通りで戸建て環境の1階、及び2階で測定を行っています。幅方向約10.5m、奥行き方向8.2mの環境です。
1階部分

2階部分

測定項目 | ダウンロード | アップロード | PING |
単位 | Mbps | Mbps | ms |
ルーター前 | 598.64 | 597.19 | 15 |
ポイント② | 413.6 | 317.05 | 12 |
ポイント③ | 636.12 | 562.63 | 13 |
ポイント④ | 559.98 | 503.61 | 12 |
ポイント⑤ | 479.2 | 387.42 | 13 |
ポイント⑥ | 161.33 | 68.47 | 12 |
通信スピードテストの評価
USB-C(PD)による充電テスト
USB-Cの充電テストを行いました。「〇」は通常通り充電、「△」は充電されるものの低速表示、「×」は充電できないことを示します。
W数 | 充電の可否 | 検証に用いた機種 |
---|---|---|
20W | △ | PowerPort Ⅲ Nano |
30W | △ | PowerPort Atom Ⅲ Slim 30W |
45W | 〇 | PowerPort Atom Ⅲ Slim 45W |
61W | 〇 | RP-PC133 |
100W | 〇 | AUKEY PA-B7 |
外観
天板はマット加工されたシルバーです。YOGAおよびメーカーロゴマークがありますが、主張はあまり強くありません。

背面も天板と同様の素材となっています。スリットがないためシンプルです。

開いた様子です。ディスプレイは非常に美しく、OLEDらしい黒の深さが特徴です。ディスプレイと一体型に見えますが上側にカメラを備えています。このカメラはサイドの物理キーにより常時オフしておくことが可能です。

最大開き角は180度です。

キーボード全体です。他のYogaのラインナップ同様に一部キーが接合していますが、全体的にクセのなく扱いやすい配置です。パームレストにスピーカーはなく、キーボード側に備わっています。

ミツトヨのデジタルノギスでキーピッチを算出したところ、19..1mmとなりました。また、SHINWAのデップスゲージでキーストロークを測定したところ、1.3mmとなっています。ストロークは浅めですが入力しやすく、生産性は高いと感じました。タイピングは静かですが、底まで叩くと音が鳴ってしまうためハードパンチャーの人は気を付けた方が良いでしょう。

タッチパッド幅を計測したところ、120mmとなりました。この価格帯としては驚くほどタッチパッドがスムーズです。面積も広いため扱いやすく、マウスが無い状況でも効率的な作業が出来るでしょう。

本体右側には電源ボタン、フロントカメラのシャッター、USB Type-Cポートを備えます。

本体左側にはUSB Type-Cポートを2つ、さらにヘッドフォンジャックも備えます。

パームレスト裏側にスピーカーはなく、キーボード側に備わっています。薄型ノートパソコンとしてはかなり音が良い印象です。ディスプレイが光沢で動画鑑賞にも向いている点も合わせて押さえておきたいポイントです。

本体の重量を測定したところ、1095gとなりました。14インチクラスとしては軽量です。

充電器込みの重量を測定したところ、1270gとなりました。充電器単体では175gとなります。

メリット・魅力
軽量・薄型で持ち運びに向く
Yoga Slim 760 Carbonは軽く、さらに薄型でしかもUSB-PD充電にも対応しているため、持ち運びが楽なノートパソコンです。本体デザインが主張のないシンプルなものなので、外でも使いやすいメリットもあります。
ディスプレイの美しさはワンランク上の価格帯
本モデルのOLEDディスプレイははっきりとその違いがわかるほど美しくなっています。OLEDを搭載しているだけなら他社にも同じようなモデルがありますが、Yoga Slim 760 Carbonでは90Hzの高リフレッシュレートディスプレイを搭載。
1kg前後の14インチには高リフレッシュレートモデルはほぼないので、これだけでも買う価値があります。また色域が広い点も注目しておきたいポイントと言えるでしょう。
スピーカー音質に優れており動画鑑賞に良い
外観部分でも書いた通り、本モデルはスピーカー音質が優れています。さらにOLEDディスプレイのおかげでコントラスト比が高められることから、映画鑑賞などの動画コンテンツをより楽しめるパソコンになっています。
デメリット・欠点
インターフェイスはUSB Type-Cのみ
薄型ウルトラブックということもあり、端子はUSB Type-Cのみです。ハブが付属するため追加購入は必要ありませんが、ビジネス用途でパワーポイント投影などを使う場合はハブの持ち運びが必要になる点に注意してください。
ディスプレイを妥協すればもう少し安くなる
ほぼ弱点のないYoga Slim 760 Carbonですが、人によってはディスプレイがオーバースペックになる人もいます。もしディスプレイをIPS液晶で60Hzのものを選択するようにすれば、約1kg前後のパソコンでももう少し安く手に入れることができるでしょう。
おすすめなタイプ
出先で使うことが多い人
軽量・薄型でUSB-PD充電できるため、出先で使う人におすすめです。サードパーティ製の充電器を買わずとも、付属しているものがコンパクトなのも嬉しいポイントと言えるでしょう。
動画をよく見る人
2.8KのOLEDディスプレイは非常に綺麗です。スピーカー音質も優れるため動画をよく見るならぜひ候補に入れておいた方が良いでしょう。
おすすめできないタイプ
ディスプレイにこだわりがない人(動画やクリエイティブ作業しない人)
Yoga Slim 760 Carbonはスペックから考えるとコスパは非常に高いと思いますが、人によっては液晶がオーバースペックな可能性があります。コストをより抑えたいなら、ディスプレイスペックを下げたモデルも良いでしょう。
重量も少し増えてしまうものの、ThinkBook 14シリーズはその一つの候補になると思うので、ぜひ検討してみてください。
カスタマイズ・モデルの選び方
本モデルはRyzen5とRyzen7モデルから選択することができます。
一般的にはRyzen5モデルでもプロセッサのパフォーマンスは十分ですが、メモリ8GBが心もとないこと、そして2022年6月22日時点でRyzen7との価格差が小さいことから、上位モデルがおすすめです。
実機レビューのまとめ

Yoga Slim 760 Carbonは高い次元でバランスが取れており、スペックから考えるとコストパフォーマンスに優れたPCとなっています。
持ち運びのしやすさ、エンターテイメント面の充実度など弱点がほぼないモデルになっているので、非常におすすめのモデルです。
安く買う方法・コツ
Yoga Slim 760 Carbonに限らず、Lenovoのパソコンを安く買う方法については以下の記事でまとめています。購入前に必ずご確認ください。
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