本サイトの記事は広告を含みます。
レビュー・評価の概要
IdeaPad Slim360は廉価モデルながら、Ryzen3 5300Uを搭載することで十分なパフォーマンスを持つ15インチのモバイルノートパソコンです。
また実評価でも書いていますが、スピーカー性能が価格に対して優秀なことやフロントカメラの物理シャッターがある点などコストパフォーマンスの高い機種と言えます。
発売年度 | 2021年 |
プロセッサ | Ryzen3 5300U |
RAM | 8GB |
ストレージ | 256GB |
画面サイズ | 15.6インチ |
GPU | Radeon Graphics |
USB-PD | 非対応 |
モバイル通信 | 非対応 |
重量 | 2050g |
Cinebench R20 | 2768pts |
※スペック情報は執筆時のものです。現在の情報は以下から公式サイトでご覧ください。
本記事ではメーカーより貸し出しを受けて、テストを行っています。
特徴
ここではIdeaPad Slim 360 (15インチ)の一般的な特徴について解説しています。実際に筆者が使った感想、レビューについてはメリット・デメリットの項目をご覧ください。
Ryzen5000シリーズを搭載
IdeaPad Slim 360はRyzen5000番台を搭載したモバイルノートパソコンで、高いパフォーマンスとなっています。価格以上の価値があるモデルと言えるでしょう。

プライバシーシャッター等の基本も充実
低価格モデルとしては非常に珍しく、フロントカメラの物理シャッターを備えています。これにより不意にカメラに映ることがなく、セキュリティの面でも安心です。
アクティブノイズキャンセリング機能あり
この価格帯のノートパソコンとしては非常に珍しく、アクティブノイズキャンセリングマイクが付属します。自宅でのテレワーク向けPCとしての用途が想定されています。
価格とコストパフォーマンス
IdeaPad Slim 360 15インチモデルはおよそ6万円台で発売されています(2022年3月30日時点)。プロセッサのパフォーマンスや本体の仕上がりから考えると十分な価格帯と言えるでしょう。
スペック
今回レビューしたIdeaPad Slim 360 (15インチ)のスペックは以下の通りです。
マシンスペック(技術仕様)
発売年 | 2021年 | |
サイズ | 236.5×359.2×19.9mm | |
重量 | 本体 | 2050g |
アダプタ | 205g | |
CPU | Ryzen3 5300U | |
GPU | Radeon Graphics | |
メモリ(RAM) | 8GB | |
ストレージ | 1st | 256GB |
2nd | – | |
ディスプレイ | サイズ | 15.6インチ |
解像度 | 1920×1080 | |
アスペクト比 | 16:9 | |
形式 | TN液晶 | |
リフレッシュレート | 60Hz |
フロントカメラ | 画素数 | 100万画素 |
物理シャッター | 有り | |
リヤカメラ | 画素数 | 無し |
Wi-Fi | a/b/g/n/ac | |
bluetooth | v5.0 | |
モバイル通信 | 非対応 | |
光学ドライブ | 非搭載 | |
バッテリー | サイズ | 2セル |
公称値 | 9時間 |
レビュー機種以外にも詳細のカスタマイズが可能です。細かなスペック内容についてはテーブル下の公式サイトのリンクからご覧ください。
ベンチマーク結果一覧
CINEBENCH
CINEBENCH(シネベンチ)のベンチマーク結果は以下の通りです。R20は1回の測定、R23は10分間の連続測定結果を掲載しています。
バージョン | 測定モード | 測定値[pts] |
---|---|---|
Cinebench R20 | マルチ | 2768 |
シングル | 457 | |
Cinebench R23 | マルチ | 7026 |
シングル | 1176 |
Crystal Disk Mark
Crystal Disk Mark(クリスタルディスクマーク)の測定結果は以下の通りです。
Read[MB/s] | Write[MB/s] | |
---|---|---|
SEQ1M Q8T1 | 2455.30 | 1208.81 |
SEQ1M Q1T1 | 1986.70 | 1209.62 |
RND4K Q32T16 | 876.01 | 1125.17 |
RND4K Q1T1 | 48.06 | 137.70 |
ゲームベンチマーク
FF15
ファイナルファンタジー15のベンチマーク結果は以下の通りです。全てフルHD品質でテストを行っています。
モード | スコア | 評価 |
---|---|---|
最高品質 | – | – |
高品質 | – | – |
軽量品質 | 2012 | 重い |
モニター評価(色域)
モニターの色域カバー率は以下の通りです。測定はi1 Display Proを用いてデータ測定後、Color ACにてIICプロファイルからカバー率などのデータを作成しています。
測定項目 | カバー率[%] | カバー比[%] |
---|---|---|
sRGB | 91.1 | 101 |
Adobe RGB | 70.4 | 74.9 |
通信環境(Wi-Fi)のテスト
測定環境
Wi-Fiの通信環境テストを行いました。テスト環境は光1Gbps(IPv6対応)でWi-FiにはArcher 10 Proを用いました。
テスト環境は以下の通りで戸建て環境の1階、及び2階で測定を行っています。幅方向約10.5m、奥行き方向8.2mの環境です。
1階部分

2階部分

測定項目 | ダウンロード | アップロード | PING |
単位 | Mbps | Mbps | ms |
ルーター前 | 403.57 | 471.61 | 14 |
ポイント② | 212.47 | 263.21 | 13 |
ポイント③ | 424.88 | 403.51 | 13 |
ポイント④ | 333.49 | 389.15 | 14 |
ポイント⑤ | 274.29 | 386.35 | 13 |
ポイント⑥ | 190.23 | 218.71 | 13 |
通信スピードテストの評価
全エリアで150Mbps以上の数値が出ており、十分な速度で快適です。長距離でも安定して使えています。
USB-C(PD)による充電テスト
USB-Cの充電テストを行いました。「〇」は通常通り充電、「△」は充電されるものの低速表示、「×」は充電できないことを示します。
W数 | 充電の可否 | 検証に用いた機種 |
---|---|---|
20W | × | PowerPort Ⅲ Nano |
30W | × | PowerPort Atom Ⅲ Slim 30W |
45W | × | PowerPort Atom Ⅲ Slim 45W |
61W | × | RP-PC133 |
100W | × | AUKEY PA-B7 |
外観
天板は濃いめのシルバーでメーカーロゴマークが小さく配置されています。

背面は塗装なしのプラスチック素材となっています。

開いた様子です。ベゼルは広めとなっています。廉価モデルとしては珍しく、物理シャッターが付属します。不意にカメラが起動しても物理的に防げるのは大きなメリットです。

最大開き角は160°となっています。

上部ベゼルです。

下部ベゼルです。

キーボードはテンキー付きのタイプになっています。一部のキーが接合しているものの、特にクセはなく使いやすいです。タイピング音はなく、静音タイプとなっています。

ミツトヨのデジタルノギスでキーピッチを算出したところ、19mmとなりました。また、SHINWAのデップスゲージでキーストロークを測定したところ、1mmとなっています。タイピング音はなく、静音タイプとなっています。

タッチパッド幅を計測したところ、105mmとなりました。タッチパッドは廉価モデルとしてはかなり良くサラサラで使いやすくなっています。クリック音はカチカチ鳴るタイプとなっています。

本体左側には電源ポート、USB Type-A、フルサイズHDMI、USB Type-C、ヘッドフォンジャックが付属します。

本体右側にはUSB Type-A、4in1メディアリーダーが付属します。

スピーカーは背面横側に配置されています。廉価PCとしては十分な音質となっており、動画視聴でも十分耐えうるでしょう。ただし、品質を求めるなら外部スピーカーを用意して下さい。

本体の重量を測定したところ、2050gとなりました。

充電器込みの重量を測定したところ、2255gとなりました。充電器単体では205gとなります。

メリット・魅力
低価格帯グレードの中では十分以上の性能
コスパのところでも前述したように、6万円台という価格を考えれば十分以上のパフォーマンスです。プロセッサの性能が十分なことはもちろん、スピーカー性能にも優れるなどオプション的な部分での性能が優れる点も見逃せません。
音質が価格以上の価値あり
低価格帯のノートパソコンとしてはスピーカー性能がかなり良い印象を受けました。もちろん上位モデルには劣りますが、この価格帯の場合、とりあえずのパソコンとしての位置付けで買う人も多いと思いますが、YouTubeやオンライン配信を見る場合でも不満が少なくなるのは嬉しいポイントです。
タッチパッドやキーボードの質感も良くこちらも価格以上
IdeaPadは過去から廉価モデルとして販売されてきましたが、この360シリーズになって、手に触れる部分がかなり改善されていると感じました。特にタッチパッドはサラサラとして質感で非常に使いやすい印象を受けました。
デメリット・欠点
USB PD充電に非対応である
外部ポートとしてUSB PDを備えていますが、充電自体は非対応となっています。外出時には電源コネクタを持ち運ぶ必要があります。
Wi-Fi6に非対応
Wi-Fiの次世代規格であるaxには非対応となっています。ただし、通信速度は十分出る結果となったのであまり気にする必要はありません。
おすすめなタイプ
低価格な15インチが欲しい人
テンキーつきの15インチモデルはパソコン初心者の人で欲しがる人は多いと思います。出来るだけ低価格で欲しいなら、このパソコンは日本で発売されているPCの中でもトップクラスの費用対効果があるでしょう。
おすすめできないタイプ
持ち運びが多い人
USB PDに対応していないこと、本体重量がそれなりにあることの2点から外出先での持ち運びには向きません。その場合は14インチモデルをおすすめします。
メモリ容量が大きな作業する人
IdeaPad Slim 360は8GB固定となっています。そのため、タブを多く開くようなメモリを多く使う作業には向いていないので注意が必要です。
カスタマイズ・モデルの選び方
本モデルはプロセッサのラインナップなどに種類はなく、ストレージが256と512GBの違いのみとなっています。自分が必要な容量に合わせて選ぶと良いでしょう。もし少ない方を選んでも外付けのストレージを接続すれば良いでしょう。
実機レビューのまとめ

IdeaPad Slim 360はとにかく割安で購入でき、それでいて性能面でも不満のないノートパソコン。安さと性能のバランスを求める人にぜひおすすめしたいモデルです。
安く買う方法・コツ
IdeaPad Slim 360 (15インチ)に限らず、Lenovoのパソコンを安く買う方法については以下の記事でまとめています。購入前に必ずご確認ください。
関連記事・公式リンク一覧
以下の関連記事もぜひご覧ください。