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レビュー・評価の概要
2021年発売のノートパソコンの中でコストパフォーマンス1、2位を争うほど魅力的な機種。デスクトップに引けを取らないプロセッサ性能を持ちながら、5万円台から購入することができます。
低価格なりにコストダウンされている部分もありますが、ディスプレイ、キーボード、スピーカーなど実用の部分は全て標準クラスが確保されており、安くて実用的な(そしてできるだけ高性能な)パソコンが欲しいという欲張りな人でも満足できる一台です。
発売年度 | 2021年 |
プロセッサ | Ryzen3 5300U Ryzen5 5500U Ryzen7 5700U |
RAM | 8~16GB |
ストレージ | 256~512GB |
画面サイズ | 14インチ |
GPU | AMD Radeon Graphics |
USB-PD | 対応 |
モバイル通信 | 非対応 |
重量 | 1410g |
Cinebench R20 | 3009pts |
※スペック情報は執筆時のものです。現在の情報は以下から公式サイトでご覧ください。
本記事ではメーカーより貸し出しを受けて、テストを行っています。
特徴
ここではIdeaPad Slim550(14)の一般的な特徴について解説しています。実際に筆者が使った感想、レビューについてはメリット・デメリットの項目をご覧ください。
5万円台なのにハイパフォーマンス
IdeaPad Slim 550は5万円台から買えるノートパソコンですが、搭載しているプロセッサが優秀で最も安いモデル(Ryzen3)でも十分使えるパフォーマンスを持っています。前モデル同様に安くて高性能なノートパソコンが欲しい人に人気があります。
USB-PDに対応
低価格モデルながら、USB-PDに対応しています。コンパクトなGaN充電器を用いることで持ち出し時にも便利な構成を組むことができます。
売れ筋TOP5に入る
IdeaPad Slim 550は対性能比のコストパフォーマンスが非常に高く、メーカーの売れ筋TOP5に入るほどのモデルです。人気のため、在庫切れになるケースも多いのでもし在庫が残っているならそのタイミングで買う方が良いでしょう。
価格とコストパフォーマンス
IdeaPad Slim 550は性能から見てコストパフォーマンスが非常に高く、おすすめのノートパソコンです。ネットサーフィン、書類作成、動画視聴程度なら余裕でこなすことができる能力を持つのでほとんどの人が困ることはありません。
スペック
今回レビューしたIdeaPad Slim550(14)のスペックは以下の通りです。
マシンスペック(技術仕様)
発売年 | 2021年 | |
サイズ | 211.6×21.6×17.9mm | |
重量 | 本体 | 1410g |
アダプタ | 215g | |
CPU | Ryzen5 5500U | |
GPU | AMD Radeon Graphics | |
メモリ(RAM) | 8GB | |
ストレージ | 1st | 256GB |
2nd | – | |
ディスプレイ | サイズ | 14インチ |
解像度 | 1920×1080 | |
アスペクト比 | 16:9 | |
形式 | 液晶 | |
リフレッシュレート | 60Hz |
フロントカメラ | 画素数 | 720p |
物理シャッター | 無し | |
リヤカメラ | 画素数 | 無し |
Wi-Fi | a/b/g/n/ac | |
bluetooth | v5.0 | |
モバイル通信 | 非対応 | |
光学ドライブ | 非搭載 | |
バッテリー | サイズ | 3セル |
公称値 | 14時間 |
レビュー機種以外にも詳細のカスタマイズが可能です。細かなスペック内容についてはテーブル下の公式サイトのリンクからご覧ください。
ベンチマーク結果一覧
CINEBENCH
CINEBENCH(シネベンチ)のベンチマーク結果は以下の通りです。R20は1回の測定、R23は10分間の連続測定結果を掲載しています。
バージョン | 測定モード | 測定値[pts] |
---|---|---|
Cinebench R20 | マルチ | 3009 |
シングル | 450 | |
Cinebench R23 | マルチ | 6789 |
シングル | 1180 |
Crystal Disk Mark
Crystal Disk Mark(クリスタルディスクマーク)の測定結果は以下の通りです。
Read[MB/s] | Write[MB/s] | |
---|---|---|
SEQ1M Q8T1 | 2451.10 | 950.08 |
SEQ1M Q1T1 | 1267.45 | 818.18 |
RND4K Q32T16 | 706.24 | 372.00 |
RND4K Q1T1 | 41.16 | 101.91 |
ゲームベンチマーク
FF15
ファイナルファンタジー15のベンチマーク結果は以下の通りです。全てフルHD品質でテストを行っています。
モード | スコア | 評価 |
---|---|---|
最高品質 | – | – |
高品質 | – | – |
軽量品質 | 2026 | 重い |
PC温度測定
平常時とCinebenchR23(multi)で10分負荷をかけた後にFLIRのサーマルカメラを用いて温度測定を行いました。アイドル時でもパームレスト部まで温度が少し上昇します。またベンチマークテスト時にはセンター部が熱くなる現象が見られました。
通常時

CinebenchR23(10分測定後)

モニター評価(色域)
モニターの色域カバー率は以下の通りです。測定はi1 Display Proを用いてデータ測定後、Color ACにてIICプロファイルからカバー率などのデータを作成しています。
測定項目 | カバー率[%] | カバー比[%] |
---|---|---|
sRGB | 71.8 | 73.1 |
Adobe RGB | 54.2 | 54.2 |
通信環境(Wi-Fi)のテスト
測定環境
Wi-Fiの通信環境テストを行いました。テスト環境は光1Gbps(IPv6対応)でWi-FiにはArcher 10 Proを用いました。
テスト環境は以下の通りで戸建て環境の1階、及び2階で測定を行っています。幅方向約10.5m、奥行き方向8.2mの環境です。
1階部分

2階部分

測定項目 | ダウンロード | アップロード | PING |
単位 | Mbps | Mbps | ms |
ルーター前 | 521.72 | 548.25 | 7 |
ポイント② | 341.7 | 359.67 | 9 |
ポイント③ | 480.88 | 373.72 | 6 |
ポイント④ | 450.47 | 386.59 | 7 |
ポイント⑤ | 358.4 | 370.71 | 8 |
ポイント⑥ | 123.31 | 102.3 | 7 |
通信スピードテストの評価
USB-C(PD)による充電テスト
USB-Cの充電テストを行いました。「〇」は通常通り充電、「△」は充電されるものの低速表示、「×」は充電できないことを示します。
W数 | 充電の可否 | 検証に用いた機種 |
---|---|---|
20W | △ | PowerPort Ⅲ Nano |
30W | △ | PowerPort Atom Ⅲ Slim 30W |
45W | 〇 | PowerPort Atom Ⅲ Slim 45W |
61W | 〇 | RP-PC133 |
100W | 〇 | AUKEY PA-B7 |
外観
天板はシルバーで、ロゴはサイドのLenovoのみでシンプルです。プラスチック素材ですが、塗装が安っぽくなく価格から考えると非常に綺麗です。

背面はコストダウンのためか、無塗装のプラスチック素材となっています。センターにスリットが入っている形状で、スピーカーは背面にはありません。

開いた様子です。昨今のPCと比較してベゼル幅は普通ですが、同価格帯から考えると狭い印象です。ディスプレイは自然な色で見やすいですが、若干輝度は低めになっています。アスペクト比は16:9です。

最大開き角は約130°です。

上部ベゼルです。上側は9mm、左右は6mmとなっています。

下部ベゼルです。ヒンジまでで約11mmとなっています。

キーボード全体です。IdeaPadシリーズのキーボードが踏襲されており、エンター・スペースキーなどが隣り合ったタイプになっています。

ミツトヨのデジタルノギスでキーピッチを算出したところ、18.84mmとなりました。また、SHINWAのデップスゲージでキーストロークを測定したところ、1.4mmとなっています。

タッチパッド幅を計測したところ、106mmとなりました。

本体右側はUSB3.0 Type-A×2と4in1メディアリーダーの構成です。

本体左側には電源ジャック、USB3.0(PD対応・ディスプレイ出力対応)、フルサイズHDMI、ヘッドフォンジャックの構成となっています。

スピーカーはキーボード横に配置されるタイプになっています。拡大するとわかりますが、全てに穴が開いているわけでなく、右矢印キーのあたりまでの穴となっています。

本体の重量を測定したところ、1410gとなりました。14インチノートとしては重めですが、持ち運び出来るレベルです。

充電器込みの重量を測定したところ、1625gとなりました。充電器単体では215gとなります。

メリット・魅力
10万円以下ならほぼベストバイ候補なコスパ
Ryzen5000シリーズは前モデル同様に高いパフォーマンスを誇るノートパソコン。それでいて、6万円台で買えるのでお値打ち価格です。ネットサーフィンや書類作成において十分な実力を発揮する他、Ryzenシリーズならではのマルチスレッド性能を活かして表計算ソフトをより快適に利用することができます。
14インチで持ち運びできる質量とUSB-PD対応
同クラスと比較すると特別軽い訳ではありませんが、コンパクトな設計と持ち運び可能なレベルの質量がIdeaPad Slim 550の利点となっています。またUSB-PDに対応するため、GaN対応の充電器を選ぶことでより手荷物を減らすことが可能です。
格安モデルの中では使いやすいタッチパッド
どのパソコンメーカーでも言えることですが、総じて安くなるとタッチパッドの性能が落ちスムーズさに欠けます。IdeaPad Slim550も上レベルとまではいきませんが、格安モデルとしてはそこそこ使いやすいので、マウスがない環境でも使いやすいパソコンと言えるでしょう。
デメリット・欠点
最大開き角が浅め
IdeaPad Slim 550において最も気になった点は最大開き角で、130°と比較的浅めの設計になっています。筆者自身は130°でも全く困らないのですが、人によってはもう少し深く倒したい人もいると思うので、気をつけておきたいポイントです。
生体認証非対応
IdeaPad Slim 550mではコストダウンのためか、顔認証、指紋認証ともに省かれています。これらの機能をPCでも使う人は注意しておいてください。
Wi-Fi6非対応
残念ながらWi-Fi6には非対応となっています。通信速度ベンチマークの結果から実用上は問題ありませんが、もしWi-Fi6を同価格帯で求めるなら、Inspiron14 5415を候補に入れておくと良いでしょう。
おすすめなタイプ
安くて高性能なPCを探す人
IdeaPad Slim 550はRyzen5000シリーズプロセッサのおかげで、安いにもかかわらず高いパフォーマンスを誇ります。安さと高性能両方が欲しい欲張りな人にもぴったりなモデルと言えるでしょう。
たまに外に持ち運びする人
14インチサイズで狭ベゼルなコンパクト設計のため、外出時に持ち運べるサイズ感になっています。USB-PDに対応しているため、GaN充電器を持っていればよりコンパクトに持ち運びが可能です。検証の結果、45Wがベストサイズと言えるでしょう。
書類作成がメインで表計算ソフトを使う人
Ryzenシリーズプロセッサは多コアのため、書類作成をする人の中でも表計算ソフトでより力を発揮します。エクセルを積極的に用いる人によりおすすめです。
おすすめできないタイプ
頻繁に外に持ち出す人
たまに外に持ち出す程度なら苦にならないかもしれませんが、毎日持ち出すようなヘビーユーザーの場合はあまりおすすめできません。
多少高くはなってしまいますが、1kg切りで超軽量な14インチノートYoga Slim 750i Carbonがおすすめです。
動画編集をする人
Ryzenシリーズプロセッサは高パフォーマンスですが、がっつり動画編集をするならdGPUを搭載したモデル、たまに軽く編集するなら同じラインのintelモデルのIdeaPad Slim 550iが良いでしょう。
ペン入力したい人
IdeaPad Slim 550シリーズはタッチパネル非対応のクラムシェルモデルです。スタイラスペンによる入力を行いたい場合はIdeaPad Flex 550シリーズを選択するようにして下さい。
カスタマイズ・モデルの選び方
IdeaPad Slim 550はRyzen3、5、7でプロセッサを選択できますが、ネットサーフィンや書類作成などをするだけならRyzen3でも一般用途ならオーバースペックです。
価格差が小さいのでRyzen5へのグレードアップは良いと思いますが、Ryzen7にするならその差額で備品を揃える方が良いでしょう。特にGaN対応の充電器が一つあると、スマートフォンも充電を共有化でき便利です。
実機レビューのまとめ

IdeaPad Slim 550は人気になっていることがうなづけるほど魅力的なパフォーマンスと価格設定になっているノートパソコンです。
非光沢ディスプレイのノートパソコンで安いモデルを探しているなら、購入候補に上げるべきノートパソコンです。
安く買う方法・コツ
IdeaPad Slim550(14)に限らず、Lenovoのパソコンを安く買う方法については以下の記事でまとめています。購入前に必ずご確認ください。
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