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レビュー・評価の概要
前モデルを踏襲したデザイン、機能を持つThinkBook14 Gen2。リーズナブルな価格で必要な機能・インターフェイスを盛り込みながら、シンプルなデザインです。
また昨今の事情から、テレワーク向けとしてファンクションキー通話応答が割り当てられていることも特徴。
大学生や家庭で軽くパソコンを使うエントリーユーザーから仕事で書類・メール作成などを行うビジネスパーソンに向くノートパソコンとなっています。
発売年度 | 2020年 |
プロセッサ | Core i3 1115G4 Core i5-1135G7 Core i7-1165G7 Ryzen5 4500U Ryzen7 4700U |
RAM | 8~16GB |
ストレージ | 256~512GB |
画面サイズ | 14インチ |
GPU | 内蔵グラフィックス |
USB-PD | 対応 |
モバイル通信 | 非対応 |
重量 | 1535g |
Cinebench R20 | 2199pts |
※スペック情報は執筆時のものです。現在の情報は以下から公式サイトでご覧ください。
本記事ではメーカーより貸し出しを受けて、テストを行っています。
特徴
ここではThinkBook14 Gen2の一般的な特徴について解説しています。実際に筆者が使った感想、レビューについてはメリット・デメリットの項目をご覧ください。
前モデルを踏襲したシンプルデザイン
ThinkBook14 Gen2は名前の通り、同モデルの第二世代です。前モデルと同様にマグネシウム合金が使われた外観を持ち、コンセプトを買えずに若いビジネスパーソンを意識したシンプルデザインになっていることが伺えます。
プロセッサは第11世代及びRyzen4000シリーズへ
マイナーチェンジにより、プロセッサは第11世代へと変更になっています。Core i3~Core i7までを選ぶことができます。また、AMDバージョンの場合はRyzen3~7を選ぶことも可能となっています。
Wi-Fi6に対応するなど基本をしっかりと抑える
低価格PCではWi-Fi6が犠牲になることも多い中、ThinkBook14 Gen2は基本をしっかりと抑えています。
価格とコストパフォーマンス
ThinkBook14 Gen2はintel版、AMD版ともに6万円台から購入可能となっており、非常にリーズナブルです。特にAMD版はプロセッサの性能から考えればセールスバリューといっても過言ではないほど、コストパフォーマンスが高くなっています。
プロセッサのブランドにこだわりがないのであれば、AMD版を選ぶ方が良いでしょう。Ryzen3でも十分なパフォーマンスを発揮します。
スペック
今回レビューしたThinkBook14 Gen2のスペックは以下の通りです。
マシンスペック(技術仕様)
発売年 | 2020年 | |
サイズ | 218×323×17.9mm | |
重量 | 本体 | 1535g |
アダプタ | 355g | |
CPU | Core i5-1135G7 | |
GPU | Iris Xe Graphics | |
メモリ(RAM) | 8GB | |
ストレージ | 1st | 256GB |
2nd | – | |
ディスプレイ | サイズ | 14インチ |
解像度 | 1920×1080 | |
アスペクト比 | 16:9 | |
形式 | IPS液晶 | |
リフレッシュレート | 60Hz |
フロントカメラ | 画素数 | 720p |
物理シャッター | 有り | |
リヤカメラ | 画素数 | 無し |
Wi-Fi | a/b/g/n/ac | |
bluetooth | v5.0 | |
モバイル通信 | 非対応 | |
光学ドライブ | 非搭載 | |
バッテリー | サイズ | 3セル |
公称値 | 公式記載なし |
レビュー機種以外にも詳細のカスタマイズが可能です。細かなスペック内容についてはテーブル下の公式サイトのリンクからご覧ください。
ベンチマーク結果一覧
CINEBENCH
CINEBENCH(シネベンチ)のベンチマーク結果は以下の通りです。R20は1回の測定、R23は10分間の連続測定結果を掲載しています。
バージョン | 測定モード | 測定値[pts] |
---|---|---|
Cinebench R20 | マルチ | 2199 |
シングル | 473 | |
Cinebench R23 | マルチ | 5488 |
シングル | 1359 |
Crystal Disk Mark
Crystal Disk Mark(クリスタルディスクマーク)の測定結果は以下の通りです。
Read[MB/s] | Write[MB/s] | |
---|---|---|
SEQ1M Q8T1 | 3415.42 | 1641.35 |
SEQ1M Q1T1 | 2096.48 | 1644.23 |
RND4K Q32T16 | 665.34 | 452.25 |
RND4K Q1T1 | 69.85 | 165.48 |
ゲームベンチマーク
FF15
ファイナルファンタジー15のベンチマーク結果は以下の通りです。全てフルHD品質でテストを行っています。
モード | スコア | 評価 |
---|---|---|
最高品質 | – | – |
高品質 | – | – |
軽量品質 | 1031 | 動作困難 |
モニター評価(色域)
モニターの色域カバー率は以下の通りです。測定はi1 Display Proを用いてデータ測定後、Color ACにてIICプロファイルからカバー率などのデータを作成しています。
測定項目 | カバー率[%] |
---|---|
sRGB | 67.4 |
Adobe RGB | 50.6 |
通信環境(Wi-Fi)のテスト
測定環境
Wi-Fiの通信環境テストを行いました。テスト環境は光1Gbps(IPv6対応)でWi-FiにはArcher 10 Proを用いました。
テスト環境は以下の通りで戸建て環境の1階、及び2階で測定を行っています。幅方向約10.5m、奥行き方向8.2mの環境です。
1階部分

2階部分

測定項目 | ダウンロード | アップロード | PING |
単位 | Mbps | Mbps | ms |
ルーター前 | 671.72 | 545.27 | 7 |
ポイント② | 471.12 | 397.42 | 8 |
ポイント③ | 612.03 | 532.1 | 9 |
ポイント④ | 388.69 | 296.86 | 7 |
ポイント⑤ | 409.63 | 331.08 | 8 |
ポイント⑥ | 178.85 | 157.85 | 7 |
通信スピードテストの評価
Wi-Fi6に対応していることもあり、全てのエリアで十分な通信速度が得られています。最長距離では速度が低下してはいるものの、PING値がほぼ低下しておらず、安定して使える挙動となっています。
USB-C(PD)による充電テスト
USB-Cの充電テストを行いました。「〇」は通常通り充電、「△」は充電されるものの低速表示、「×」は充電できないことを示します。
W数 | 充電の可否 | 検証に用いた機種 |
---|---|---|
20W | △ | PowerPort Ⅲ Nano |
30W | △ | PowerPort Atom Ⅲ Slim 30W |
45W | 〇 | PowerPort Atom Ⅲ Slim 45W |
61W | 〇 | RP-PC133 |
100W | 〇 | AUKEY PA-B7 |
外観
天板はシルバーで、ThinkBookとLenovoのロゴがあります。上半分と下半分で塗装状態が異なり、ThinkBookのロゴより下はマット加工のような質感になっています。

背面です。センターに通気口がある以外には大きなスリットはありません。下部にスピーカーがあります。ヒンジ部分のゴム足は高さが設けられており、排熱が考慮されているようです。

開いた様子です。ベゼルは標準的です。ディスプレイは見やすく、自然な色合いで視野角は広くなっています。フロントカメラは物理シャッターが付属しています。

本体は180°開くタイプです。

上部ベゼルです。上側が12mm、横側が6mmとなっています。

下部ベゼルは15mmとなっています。

キーボード全体です。一部キーボードが接している以外はクセがなく打ちやすいタイプです。ThinkBookはビジネスユースを想定しているため、F9~11が電話応答になっている点が特徴です。

ミツトヨのデジタルノギスでキーピッチを算出したところ、19.2mmとなりました。また、SHINWAのデップスゲージでキーストロークを測定したところ、1.1mmとなっています。Yogaシリーズを踏襲するような打ち心地のキーボードです。

タッチパッド幅を計測したところ、106mmとなりました。タッチパッドはサラサラで使いやすい印象です。

本体右側にはケンジントンロック、有線イーサネットコネクタ、USB-A、4in1メディアリーダーが付属します。イーサネットコネクタはケーブル接続時に開くタイプで普段は目立ちません。

本体左側はUSB-C×2、フルサイズHDMI、USB-A、ヘッドフォンジャックの構成です。

スピーカーは高音・中音はシャカシャカした音がなるものの、一般的なレベルでした。低音はノートパソコンとしては鳴る印象ですが、並程度です。

本体の重量を測定したところ、1535gとなりました。昨今の14インチパソコンとしては重めですが、持ち運びに苦労するほどではありません。

充電器込みの重量を測定したところ、1890gとなりました。充電器単体では355gとなります。

メリット・魅力
シンプルで誰でも使いやすい筐体
ThinkBook14 Gen2はクセのない筐体デザインを採用しており、どんな人でも使いやすいノートパソコンです。天板もそうですし、背面も主張が強くないためビジネスにも向いています。
エントリークラスで求めやすい価格
もともとThinkBookシリーズはビジネスパーソンをターゲットにしていることもありますが、Core i7モデルでも9万円台で購入できるリーズナブルな値段設定です。個人事業主でも経費の関係で買いやすいノートパソコンと言えるでしょう。
少し重いが許容範囲
14インチノートパソコンは、各社がしのぎを削って軽量化しているカテゴリーの一つのため、相対的に見るとThinkBook14は重めになります。
有線イーサネットコネクタがある
ThinkBook14 Gen2には有線イーサネットコネクタが存在します(13インチモデルには搭載なし)。ビジネスユースで使う際に事務所が有線LANで構成されていることも多いので、メリットの一つと言えるでしょう。
デメリット・欠点
同じプロセッサの中では性能が低め
今回レビューしたパソコンに限りますが、Core i5-1135G7の割にプロセッサの性能が低いベンチマーク結果が得られました。購入するなら、AMDモデルの方が良い可能性があります。
おすすめなタイプ
安くて見た目の良いPCが欲しいユーザー
ThinkBookはシンプルかつスタイリッシュな外観で、6万円台から買えるパソコンには到底見えません。そういった意味でも、安くて見た目の良いパソコンが欲しいユーザーにとってはしっかりとマッチするモデルと言えるでしょう。
従業員用のPCが欲しい人
6万円台から買えるPCであること、有線LANがついていること、それなりに持ち運びができること、長時間見ても疲れにくい液晶であることなど、ビジネスで事務用途として使うノートパソコンとしてはベストマッチに近いモデルと感じます。Core i7モデルを選択しても税込10万円以下に収まるので経費面での処理も楽にできます。
おすすめできないタイプ
外出先へ持ち運びが多い人
ThinkBook14はとても重いという訳ではないものの、外出先への持ち運びが多くなると、負担になる質量です。そのため、外出先へ持ち運びが多い人にとっては、よりコストをかけても軽量なモデルが良いでしょう。似たモデルでいくとYoga 750iシリーズがおすすめです。
グラフィック作業をする人
ベンチマークの結果からもわかるように、グラフィック性能に強い第11世代を搭載しているにも関わらずゲーム性能をはじめとしたベンチマークの数値が伸びませんでした。
メモリの問題かもしれませんが、結果から言えることはintelモデルでグラフィックに負荷をかけるような作業をする場合は別モデルを選ぶべきと言えます。そういった意味でもグラフィック性能の結果が良かったYoga750iはおすすめです。
カスタマイズ・モデルの選び方
まず本モデルを選ぶにあたって、プロセッサでintelとAMDを選ぶ必要があります。筆者のおすすめはAMD Ryzenモデルです。プロセッサの性能がこちらの方が高いこと、さらにintelのベンチマーク結果でグラフィック性能が低いために、AMDを選んでもintelを選んでも大差がなくなってしまうからです。
さらに、AMDモデルを選ぶなら、どのモデルを選んでも十分なパフォーマンスが出るので、最も下位のRyzen3で安く買うとコストを抑えられます。
実機レビューのまとめ

シンプル・スタイリッシュな外観でかつ、十分な性能・インターフェイスを持ち、リーズナブルな値段で購入できるノートパソコンです。
メーカーが意図した本来のコンセプトはビジネスパーソン向けですが、エントリーPCユーザーや大学生にも向いているのでぜひ検討してください。
安く買う方法・コツ
ThinkBook14 Gen2に限らず、Lenovoのパソコンを安く買う方法については以下の記事でまとめています。購入前に必ずご確認ください。
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