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レビュー・評価の概要
800g台の国産ノートパソコンとしては、トップクラスに安い一台で10万円台後半から購入することが可能です。しかも、国産メーカーらしく充実したインターフェイスを誇るため、ノマドでの作業だけでなく外出先でのプレゼンテーションなどにも対応が可能。
さらにパネルにはIGZOを搭載することで、持ち時間を24時間まで伸ばしたロングライフを実現したパソコンとなっています。普段からノートパソコンを持ち運ぶ人や出張が多い人におすすめのモデルです。
発売年度 | 2020年 |
プロセッサ | Core i3-1135G7 Core i5-1165G7 Core i7-1165G7 |
RAM | 8~16GB |
ストレージ | 256GB~1TB |
画面サイズ | 13.3インチ |
GPU | Iris Xe Graphics |
USB-PD | 対応 |
モバイル通信 | 非対応 |
重量 | 860g |
Cinebench R20 | 2138pts |
※スペック情報は執筆時のものです。現在の情報は以下から公式サイトでご覧ください。
本記事ではメーカーより貸し出しを受けて、テストを行っています。
特徴
ここではDynabook GZ/HPの一般的な特徴について解説しています。実際に筆者が使った感想、レビューについてはメリット・デメリットの項目をご覧ください。
800g台の軽量性
Dynabook GZ/HPの魅力はなんといっても、クラムシェル型13.3インチノートパソコンの中でも800gと特に軽量なこと。1kgを切るモデルは数多く出てきていますが、900gを切るモデルは市場では数が少なく、珍しいモデルと言えるでしょう。
IGZO搭載
DynabookのノートパソコンではIGZOモデルを搭載しているものがあり、このGZ/HPシリーズもその一つになります。見やすいディスプレイでありながら省電力性も兼ね備えています。
ロングライフバッテリー
IGZOパネルを搭載していることもあってか、Dynabook GZ/HPは公称値で24時間のバッテリーライフを持つノートパソコンです。充電できない環境で長時間使う人におすすめのモデルと言えるでしょう。
価格とコストパフォーマンス
Dynabook GZ/HPは絶対的な性能から見るとCore i7-1165G7に内臓グラフィックスの組み合わせのため、低いと言わざるをえません。ただし、軽量性に優れることやインターフェイスが多い点を踏まえ、そういった機能面で魅力を感じる場合、国産クラスの軽量ノートパソコンとしては最安クラスに位置付けられます。
スペック
今回レビューしたDynabook GZ/HPのスペックは以下の通りです。
マシンスペック(技術仕様)
発売年 | 2020年 | |
サイズ | 210×306×17.9mm | |
重量 | 本体 | 860g |
アダプタ | 240g | |
CPU | Core i7-1165G7 | |
GPU | Iris Xe Graphics | |
メモリ(RAM) | 16GB | |
ストレージ | 1st | 1TB |
2nd | – | |
ディスプレイ | サイズ | 13.3インチ |
解像度 | 1920×1080 | |
アスペクト比 | 16:9 | |
形式 | IGZO | |
リフレッシュレート | 60Hz |
フロントカメラ | 画素数 | 92万画素 |
物理シャッター | 有り | |
リヤカメラ | 画素数 | 無し |
Wi-Fi | a/b/g/n/ac/ax | |
bluetooth | v5.1 | |
モバイル通信 | 非対応 | |
光学ドライブ | 非搭載 | |
バッテリー | サイズ | 公式記載なし |
公称値 | 24時間 |
レビュー機種以外にも詳細のカスタマイズが可能です。細かなスペック内容についてはテーブル下の公式サイトのリンクからご覧ください。
ベンチマーク結果一覧
CINEBENCH
CINEBENCH(シネベンチ)のベンチマーク結果は以下の通りです。R20は1回の測定、R23は10分間の連続測定結果を掲載しています。
バージョン | 測定モード | 測定値[pts] |
---|---|---|
Cinebench R20 | マルチ | 2138 |
シングル | 540 | |
Cinebench R23 | マルチ | 4938 |
シングル | 1411 |
Crystal Disk Mark
Crystal Disk Mark(クリスタルディスクマーク)の測定結果は以下の通りです。
Read[MB/s] | Write[MB/s] | |
---|---|---|
SEQ1M Q8T1 | 3536.23 | 3021.76 |
SEQ1M Q1T1 | 2220.26 | 1910.45 |
RND4K Q32T16 | 690.59 | 314.89 |
RND4K Q1T1 | 33.14 | 86.62 |
ゲームベンチマーク
FF15
ファイナルファンタジー15のベンチマーク結果は以下の通りです。全てフルHD品質でテストを行っています。
モード | スコア | 評価 |
---|---|---|
最高品質 | – | – |
高品質 | – | – |
軽量品質 | 3738 | 快適 |
通信環境(Wi-Fi)のテスト
測定環境
Wi-Fiの通信環境テストを行いました。テスト環境は光1Gbps(IPv6対応)でWi-FiにはArcher 10 Proを用いました。
テスト環境は以下の通りで戸建て環境の1階、及び2階で測定を行っています。幅方向約10.5m、奥行き方向8.2mの環境です。
1階部分

2階部分

測定項目 | ダウンロード | アップロード | PING |
単位 | Mbps | Mbps | ms |
ルーター前 | 536.01 | 427.46 | 8 |
ポイント② | 241.57 | 397.25 | 8 |
ポイント③ | 468.71 | 315.74 | 8 |
ポイント④ | 352.23 | 343.5 | 7 |
ポイント⑤ | 352.23 | 343.5 | 7 |
ポイント⑥ | ー | ー | ー |
通信スピードテストの評価
USB-C(PD)による充電テスト
USB-Cの充電テストを行いました。「〇」は通常通り充電、「△」は充電されるものの低速表示、「×」は充電できないことを示します。
W数 | 充電の可否 | 検証に用いた機種 |
---|---|---|
20W | 〇 | PowerPort Ⅲ Nano |
30W | 〇 | PowerPort Atom Ⅲ Slim 30W |
45W | 〇 | PowerPort Atom Ⅲ Slim 45W |
61W | 〇 | RP-PC133 |
100W | 〇 | AUKEY PA-B7 |
外観
天板にはdynabookのロゴが入っています。表面はサラサラとしたプラスチックになっています。

背面は片側にスリットが集中している配置となっています。メモリ用のスロットはありません。

開いた様子です。ディスプレイは非光沢液晶となっています。

180°まで開くことができます。

ベゼル幅は一般的なサイズです。上側が大きめと言えます。

下側ベゼルです。

フロントカメラはIRカメラを備えており、Windows Helloを使うことができます。写真ではわかりづらいですが、物理シャッターも搭載しています。

キーボード全体です。独立しており打ちやすい質感です。

ミツトヨのデジタルノギスで2点間のキーを測定し割り返してキーピッチを算出したところ、17.6mmとなりました。また、SINWAのデップスゲージでキーストローを測定したところ、1.6mmとなっています。

タッチパッド幅を計測したところ、99mmとなりました。

本体右側インターフェイスです。ケンジントンロック、有線LAN、USB-A、microSDカードスロットがあります。

本体左側です。USB-C×2、フルサイズHDMI、USB-A、ヘッドフォンジャックを搭載しています。

背面にはファンを備えています。

スピーカーは底面にあります。音はザラザラとした質感であまりよくはありません。

本体の重量を測定したところ、860gとなりました。

充電器込みの重量を測定したところ、1100gとなりました。充電器単体では240gとなります。

メリット・魅力
軽くて持ち運びしやすいモデル
Dynabook GZ/HPは本体重量が860gしかなく、軽くて持ち運びがしやすいことがメリットの一台です。市場で出回っている軽量モデルは900g台が多いことを考えれば、持ち運び性で更なる優位性を持った一台と言えます。
Thunderbolt4対応で拡張性が高い
Dynabook GZ/Hpに搭載されているUSB-CはThunderbolt4に対応しており、拡張性が高くなっています、コストをかけるかどうかの問題はありますが、Thunderbolt4を使えば外付けGPUを利用してパフォーマンスアップも可能になります。
タッチパッドが使いやすい
国産メーカーはタッチパッドの質がイマイチなものが多い中、Dynabook GZ/HPはサラサラとした質感で使いやすいことが特徴です。
フルサイズHDMIを備える
軽量、コンパクトなパソコンでありながらフルサイズHDMI端子を備えています。外出先でのプレゼンなどでさっと使えるメリットがあります。
軽量モデルの割にキーストロークが深く打ちやすい
軽量コンパクトなモデルはどれもキーストロークが浅く、打ちづらい問題点を抱えているモデルが多いですが、このモデルはそういったことはなくとても快適です。
デメリット・欠点
性能コストパフォーマンスは悪い
プロセッサがCore i7-1165G7で内臓グラフィックスを搭載しているタイプであり、性能面で見た時のコストパフォーマンスは高くはありません。軽量性に付加価値を持たせているモデルと言えるでしょう。
スピーカー音質が悪い
おそらく本モデルの一番の欠点はスピーカーです。音量をあげても音割れはしづらいのですが、ザラザラとした音感であまり良い音ではありません。bluetoothスピーカーを用意するなり外部で音響を作ることをおすすめします。
おすすめなタイプ
持ち運びが多いユーザー
800g台の軽量性はモバイルする人にとって大きなメリットです。またIGZO内臓でロングライフバッテリーを実現している点も魅力と言えます。さらに、軽量パソコンの中でもキーストロークが深く、打ちやすいことが特徴のモデルです。
外部でプレゼンが多い人
外部インターフェイスにフルサイズHDMIを搭載しているため、外でプレゼンを行う人にとっては持ち運びアイテムを減らすことができ、メリットが大きいと言えます。
おすすめできないタイプ
コストパフォーマンス重視の人
本モデルはプロセッサの性能で言えば、値段に対して低め。また軽さは一級品であるものの、トップクラスであるが故に価格にその価値が乗っています。1kg前後のモデルを購入すれば、14インチにしたり価格を下げることができるので、「どこまで軽さを追求するか」は重要です。
ベゼル幅を重視する人
Dynabook GZ/HPは2021年の軽量コンパクトモデルとしてはベゼル幅が広めです。見た目に直結する部分のため、外観を重要視する場合は他のモデルを選ぶ方が良いでしょう。
カスタマイズ・モデルの選び方
Dynabook GZ/HPはCore i3からCore i7まで選ぶことができ、メモリは8GBと16GBから選ぶことができます。今回のベンチマークの結果からもCore i7モデルはプロセッサ性能が十分すぎるほどあるので、個人的にCore i5、もしくはCore i3でも十分と感じます。長く使うことと価格バランスを考えるなら、Core i5モデル、16GBでSSD容量を落として外付けにする構成が良いと感じました。
実機レビューのまとめ

国産の軽量ノートパソコンの中ではおそらくトップクラスに安価なモデル。海外メーカーを含めて考えても、ほぼ同レベルで良い勝負ができるモデルです。しかもIGZOパネルを搭載することでロングライフバッテリーも実現しており、外で長時間使うユーザーのパートナーとなれる一台でしょう。
安く買う方法・コツ
Dynabook GZ/HPに限らず、dynabookのパソコンを安く買う方法については以下の記事でまとめています。購入前に必ずご確認ください。
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