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レビュー・評価の概要
Dynabook MZ/HSは日本のノートパソコンの中では珍しいパワフルノートパソコン(TDPが高めに設定)。ベンチマーク結果からもそのパフォーマンスの高さが見て取れる一台です。
本体重量が若干重めには設計されてはいるものの、キーボードタッチ、タッチパッドなどの質感が良い点も魅力。さらにパームレストへ熱が伝わりにくい設計のため、快適に作業することが可能です。
発売年度 | 2021年 |
プロセッサ | Core i3-1115G4 Core i5-1135G7 Core i7-1165G7 |
RAM | 8~16GB(最大32GB) |
ストレージ | 256GB~1TB |
画面サイズ | 14インチ |
GPU | Iris Xeグラフィックス (Core i5,Core i7のみ) |
USB-PD | 対応 |
モバイル通信 | 非対応 |
重量 | 1465g |
Cinebench R20 | 2190pts |
※スペック情報は執筆時のものです。現在の情報は以下から公式サイトでご覧ください。
本記事ではメーカーより貸し出しを受けて、テストを行っています。
特徴
ここではdynabook MZ/HSの一般的な特徴について解説しています。実際に筆者が使った感想、レビューについてはメリット・デメリットの項目をご覧ください。
バランスの取れた筐体デザイン
dynabook MZ/HSは癖のないスタンダードなボディが特徴です。余計なものを盛り込まず、dynabookらしい正統派なノートパソコンとなっています。
持ち運びにも便利な14インチサイズ
本体は14インチサイズとなっており、重さはあるものの持ち運びしやすいサイズ感となっています。
豊富で先進技術にも対応したインターフェイス
国産ノートパソコンらしい特徴として、インターフェイスが充実しています。フルサイズHDMIをはじめ、Thunderbolt4を2ポート搭載するなど使い勝手に優れた構成です。
価格とコストパフォーマンス
dynabook MZ/HSは価格が116,000円(税込)となっており、スペックから考えると高めの設定です(ただしこちらは会員割引前価格なので、もう少し安くなります)。
価格面よりdynabookブランドやTDP25Wのパワフルなプロセッサに魅力を感じる人向けと言えるでしょう。
スペック
今回レビューしたdynabook MZ/HSのスペックは以下の通りです。
マシンスペック(技術仕様)
発売年 | 2021年 | |
サイズ | 220.6×323.6×19.9mm | |
重量 | 本体 | 1465g |
アダプタ | 255g | |
CPU | Core i7-1165G7 | |
GPU | Iris Xe Graphics | |
メモリ(RAM) | 16GB | |
ストレージ | 1st | 512GB |
2nd | – | |
ディスプレイ | サイズ | 14インチ |
解像度 | 1920×1080 | |
アスペクト比 | 16:9 | |
形式 | 液晶 | |
リフレッシュレート | 60Hz |
フロントカメラ | 画素数 | 92万画素 |
物理シャッター | 有り | |
リヤカメラ | 画素数 | 無し |
Wi-Fi | a/b/g/n/ac/ax | |
bluetooth | v5.1 | |
モバイル通信 | 非対応 | |
光学ドライブ | 非搭載 | |
バッテリー | サイズ | 公式記載なし |
公称値 | 15時間 |
レビュー機種以外にも詳細のカスタマイズが可能です。細かなスペック内容についてはテーブル下の公式サイトのリンクからご覧ください。
ベンチマーク結果一覧
CINEBENCH
CINEBENCH(シネベンチ)のベンチマーク結果は以下の通りです。R20は1回の測定、R23は10分間の連続測定結果を掲載しています。
バージョン | 測定モード | 測定値[pts] |
---|---|---|
Cinebench R20 | マルチ | 2190 |
シングル | 510 | |
Cinebench R23 | マルチ | 5298 |
シングル | 1486 |
Crystal Disk Mark
Crystal Disk Mark(クリスタルディスクマーク)の測定結果は以下の通りです。
Read[MB/s] | Write[MB/s] | |
---|---|---|
SEQ1M Q8T1 | 2395.25 | 1554.06 |
SEQ1M Q1T1 | 1735.10 | 1321.55 |
RND4K Q32T16 | 675.06 | 310.13 |
RND4K Q1T1 | 49.45 | 110.25 |
PC温度測定
平常時とCinebenchR23(multi)で10分負荷をかけた後にFLIR One Proのサーマルカメラを用いて温度測定を行いました。どちらにも言えることですが、パームレスト部分の温度が上がっていません。サーマルコントロールが上手くできており、実際の使用時も快適です。
通常時

CinebenchR23(10分測定後)

モニター評価(色域)
モニターの色域カバー率は以下の通りです。測定はi1 Display Proを用いてデータ測定後、Color ACにてIICプロファイルからカバー率などのデータを作成しています。
測定項目 | カバー率[%] |
---|---|
sRGB | 66.1 |
Adobe RGB | 49.2 |
ディスプレイは液晶パネルの特性や製造工程により、それぞれの製品で色合いが異なる場合がある点に注意して下さい。
通信環境(Wi-Fi)のテスト
測定環境
Wi-Fiの通信環境テストを行いました。テスト環境は光1Gbps(IPv6対応)でWi-FiにはArcher 10 Proを用いました。
テスト環境は以下の通りで戸建て環境の1階、及び2階で測定を行っています。幅方向約10.5m、奥行き方向8.2mの環境です。
1階部分

2階部分

測定項目 | ダウンロード | アップロード | PING |
単位 | Mbps | Mbps | ms |
ルーター前 | 610.94 | 418.38 | 10 |
ポイント② | 268.38 | 234.66 | 10 |
ポイント③ | 520.33 | 387.72 | 7 |
ポイント④ | 505.22 | 379.54 | 8 |
ポイント⑤ | 230.66 | 300.82 | 8 |
ポイント⑥ | 45.07 | 21.75 | 9 |
通信スピードテストの評価
USB-C(PD)による充電テスト
USB-Cの充電テストを行いました。「〇」は通常通り充電、「△」は充電されるものの低速表示、「×」は充電できないことを示します。
W数 | 充電の可否 | 検証に用いた機種 |
---|---|---|
20W | 〇 | PowerPort Ⅲ Nano |
30W | 〇 | PowerPort Atom Ⅲ Slim 30W |
45W | 〇 | PowerPort Atom Ⅲ Slim 45W |
61W | 〇 | RP-PC133 |
100W | 〇 | Anker 736 Charger |
外観
天板はdynaboookのロゴが刻印されたシンプルなデザインです。本体は黒に見えますが、若干緑が買った色をしています。

背面デザインです。ファンは少な目でスピーカーはパームレスト側にあります。また、メモリはネジで裏ブタを外せば簡単にアクセスできる構造になっています。

開いた様子です。ベゼル幅は普通ですが、下部は広めとなっています。フロントにはIR付カメラを備えており、物理シャッターに対応します。

上部ベゼルです。

下部ベゼルです。ヒンジ側のベゼルはかなり大きいです。

キーボード全体像です。全てのキーが独立しており、クセが無く打ちやすい配置です。

ミツトヨのデジタルノギスでキーピッチを算出したところ、17.9mmとなりました。

タッチパッド幅を計測したところ、100mmとなりました。少し引っ掛かりはあるが使いやすい印象です。カチカチとしたクリック音はなく、深めのタイプになっています。

本体右側は有線イーサネットコネクタ、USB Type-A、microSDスロットを備えます。

本体左側は電源ポート、Thunderbolt4×2、フルサイズHDMI、USB Type-A、ヘッドフォンジャックを備えます。

スピーカーは背面パームレスト側にあります。音は軽く、あまり良い音とは言えません。

本体の重量を測定したところ、1465gとなりました。

充電器込みの重量を測定したところ、1720gとなりました。充電器単体では255gとなります。

メリット・魅力
モバイルプロセッサではトップクラスの性能
ベンチマーク結果からも分かるようにCore i7-1165G7を搭載したノートパソコンの中ではCinebench R20で2000ptsを超えており、かなりパワフルです。
メモリアクセスが容易でカスタマイズしやすい
背面のネジを一本外すだけでメモリにアクセスできるのは大きなメリットです。Core i7モデルはパワフルなので、よりパフォーマンスを活かすために自分で32GBへ増設しても良いかもしれません。
インターフェイスが多い
Thunderbolt4に加え、ビジネス用途でもよく使うHDMIやUSB Type-A、そして有線イーサネットコネクタを搭載しており、外部接続が必要な環境でも困りづらいメリットがあります。
パームレストが熱くならない
dynabook MZ/HSの最も良かった点がサーマルコントロール。パームレスト部分が熱くならないため、長時間のPC作業でも負担になりづらくなっています。
デメリット・欠点
色域が狭い
カラーベンチマークの通り、色域は狭めです。クリエイティブ作業には向きません。
14インチとしては重め
dynabook MZ/HSは1465gと14インチノートパソコンの中では重めです。持ち運びできないわけではありませんが、毎日持ち運ぶようなら1.2kg以下のノートパソコンを選ぶ方が良いでしょう。
スピーカー音が軽い
ノートパソコンに期待する部分ではないかもしれませんが、スピーカー音が軽く迫力に欠けます。
おすすめなタイプ
基本据え置きでたまに持ち出す人
dynabook MZ/HSの魅力はパワフルなプロセッサと豊富なインターフェイスです。基本的に家で有線イーサネットコネクタに繋いで、たまに持ち出すような環境の人にとっては理想的なPCと言えます。
メモリ増設が出来る人
dynabook MZ/HSはメモリスロットに簡単にアクセスできるため、自分でメモリ増設出来る人にとってはコストを抑えつつ、楽にパフォーマンスアップが可能になります。
おすすめできないタイプ
クリエイティブ作業する人
dynabook MZ/HSは色域とスピーカーの面で他のノートパソコンに劣ります。クリエイティブ作業が中心なら、適した他のパソコンを選ぶ方が良いでしょう。
カスタマイズ・モデルの選び方
dynabook MZ/HSは幅広くカスタマイズすることが可能なため自分の要件に合わせて選べば良いですが、筆者の個人的な意見としてはフルHDディスプレイを選ぶことをおすすめします。
またメモリを自分で増設出来る人は8GBを選択しておき、別途用意して32GBにアップしても良いでしょう。
実機レビューのまとめ

第11世代のintelモバイルプロセッサでCinebench R20が2000ptsを超えるモデルは数少ないため、パフォーマンス重視の人にはぴったりの一台。
豊富なインターフェイスを活かしてビジネスシーンでも活躍するでしょう。
安く買う方法・コツ
dynabook MZ/HSに限らず、dynabookのパソコンを安く買う方法については以下の記事でまとめています。購入前に必ずご確認ください。
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