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レビュー・評価の概要
dynabook RZ/LVはintel Core i7-1260Pを搭載したノートパソコンで、12コア16スレッドの強力なパフォーマンスを持つノートパソコンです。
高い性能に加え、本体は900g前半台と非常に軽く、持ち運びしやすかったり色域がsRGBカバー率ほぼ100%といった特徴も兼ね備えています。
発売年度 | 2022年 |
プロセッサ | Core i7-1260P |
RAM | 16GB |
ストレージ | 512GB~1TB |
画面サイズ | 14インチ |
GPU | Iris Xe Graphics |
USB-PD | 対応 |
モバイル通信 | 非対応 |
重量 | 940g |
Cinebench R20 | 3616pts |
※スペック情報は執筆時のものです。現在の情報は以下から公式サイトでご覧ください。
本記事ではメーカーより貸し出しを受けて、テストを行っています。
特徴
ここではdynabook RZ/LVの一般的な特徴について解説しています。実際に筆者が使った感想、レビューについてはメリット・デメリットの項目をご覧ください。
第12世代搭載で大幅パフォーマンスアップ
dynabook RZ/LVは2022年最新型の第12世代プロセッサを搭載することで大幅にパフォーマンスアップしたモデルです。12コア16スレッドとなり、デスクトップにも劣らない性能となっています。
軽くて持ち運びしやすい
本モデルは軽量性重視で1kgを切るデバイスになっています。薄くて、軽いため、持ち運びが非常に楽になっています。指先でつまむように軽々と持てます。

付属からUSB Type-Cポート
国産のノートパソコンはACプラグ形式で充電するものが多いですが、本モデルはUSB Type-Cによる充電方式に変更されています。スマートフォンやタブレットでType-Cを使うことも多いでしょうから、統一できるメリットがあります。
16:10の縦長のディスプレイ
ディスプレイは16:10となっています。昨今多かった16:9のディスプレイよりも縦長になっていることで、ネットサーフィンでスクロール量を減らしたりWord文書を作る時に縦の表示領域を大きく取ることができます。外観の項目でチェックしてみて下さい。
20時間を超えるバッテリー
軽量なノートパソコンながら、バッテリーの公称値は20時間を超えています。
価格とコストパフォーマンス
ハイエンドモデルのため、一番安いモデルでも20万円以上します。ただし、1kg以下でこれだけのパフォーマンスを持つものは少なく、海外製であれば10万円台後半、国産なら20万円台後半以上が基本です。
そういった意味で、国産にこだわりたい方にとってはコストパフォーマンスが高くなる機種です。
スペック
今回レビューしたdynabook RZ/LVのスペックは以下の通りです。
マシンスペック(技術仕様)
発売年 | 2022年 | |
サイズ | 224×312.4×15.9mm | |
重量 | 本体 | 940g |
アダプタ | 255g | |
CPU | Core i7-1260P | |
GPU | Iris Xe Graphics | |
メモリ(RAM) | 16GB | |
ストレージ | 1st | 512GB |
2nd | – | |
ディスプレイ | サイズ | 14インチ |
解像度 | 1920×1080 | |
アスペクト比 | 16:10 | |
形式 | TFTカラー液晶 | |
リフレッシュレート | 60Hz |
フロントカメラ | 画素数 | 92万画素 |
物理シャッター | 無し | |
リヤカメラ | 画素数 | 無し |
Wi-Fi | a/b/g/n/ac/ax | |
bluetooth | v5.2 | |
モバイル通信 | 非対応 | |
光学ドライブ | 非搭載 | |
バッテリー | サイズ | 公式記載なし |
公称値 | 20.5時間 |
レビュー機種以外にも詳細のカスタマイズが可能です。細かなスペック内容についてはテーブル下の公式サイトのリンクからご覧ください。
ベンチマーク結果一覧
CINEBENCH
CINEBENCH(シネベンチ)のベンチマーク結果は以下の通りです。R20は1回の測定、R23は10分間の連続測定結果を掲載しています。
バージョン | 測定モード | 測定値[pts] |
---|---|---|
Cinebench R20 | マルチ | 3616 |
シングル | 583 | |
Cinebench R23 | マルチ | 8485 |
シングル | 1540 |
Crystal Disk Mark
Crystal Disk Mark(クリスタルディスクマーク)の測定結果は以下の通りです。
Read[MB/s] | Write[MB/s] | |
---|---|---|
SEQ1M Q8T1 | 2835.15 | 4941.54 |
SEQ1M Q1T1 | 1742.47 | 3014.24 |
RND4K Q32T16 | 782.50 | 344.60 |
RND4K Q1T1 | 69.73 | 132.82 |
ゲームベンチマーク
FF15
ファイナルファンタジー15のベンチマーク結果は以下の通りです。全てフルHD品質でテストを行っています。
モード | スコア | 評価 |
---|---|---|
最高品質 | – | – |
高品質 | – | – |
軽量品質 | 2954 | やや重い |
モニター評価(色域)
モニターの色域カバー率は以下の通りです。測定はi1 Display Proを用いてデータ測定後、Color ACにてIICプロファイルからカバー率などのデータを作成しています。
測定項目 | カバー率[%] | カバー比[%] |
---|---|---|
sRGB | 97.0 | 101.2 |
Adobe RGB | 74.2 | 75 |
ディスプレイは液晶パネルの特性や製造工程により、それぞれの製品で色合いが異なる場合がある点に注意して下さい。
通信環境(Wi-Fi)のテスト
測定環境
Wi-Fiの通信環境テストを行いました。テスト環境は光1Gbps(IPv6対応)でWi-FiにはArcher 10 Proを用いました。
テスト環境は以下の通りで戸建て環境の1階、及び2階で測定を行っています。幅方向約10.5m、奥行き方向8.2mの環境です。
1階部分

2階部分

測定項目 | ダウンロード | アップロード | PING |
単位 | Mbps | Mbps | ms |
ルーター前 | 675.88 | 428.04 | 5 |
ポイント② | 380.18 | 393.05 | 6 |
ポイント③ | 649.75 | 453.86 | 6 |
ポイント④ | 508.52 | 463.51 | 7 |
ポイント⑤ | 552.87 | 489.95 | 6 |
ポイント⑥ | 143.42 | 81 | 8 |
通信スピードテストの評価
最長距離では速度が落ちてしまってはいるものの、全エリアにおいて安定した数値が得られています。一部屋挟んで500Mbps以上出ているので優秀と言えるでしょう。
USB-C(PD)による充電テスト
USB-Cの充電テストを行いました。「〇」は通常通り充電、「△」は充電されるものの低速表示、「×」は充電できないことを示します。
W数 | 充電の可否 | 検証に用いた機種 |
---|---|---|
20W | × | PowerPort Ⅲ Nano |
30W | 〇 | PowerPort Atom Ⅲ Slim 30W |
45W | 〇 | PowerPort Atom Ⅲ Slim 45W |
61W | 〇 | RP-PC133 |
100W | 〇 | Anker 736 Charger |
外観
天板にはdynabookのロゴがあります。マグネシウム合金製でマットな質感となっています。

背面です。スリットは少なめです。天板と同様の素材が用いられています。

開いた様子です。ベゼルが狭く今風です。16:10のディスプレイを採用しており縦長で情報量が取りやすいことが特徴です。カラーで評価していますが、色域は広く非常に見やすいです。

180°まで開きます。

上部ベゼルです。

下部ベゼルです。

キーボード全体です。それぞれのキーが独立しており、クセのない配置です。

ミツトヨのデジタルノギスでキーピッチを算出したところ、19.14mmとなりました。また、SHINWAのデップスゲージでキーストロークを測定したところ、1.5mmとなっています。しっかりとした深さがあり、合成感のあるキーボードで打ちやすくなっています。カチカチといった音が鳴らないので、どこでも気軽に使える点も嬉しいポイントと言えるでしょう。

タッチパッド幅を計測したところ、110mmとなりました。タッチパッドは横幅だけでなく、縦幅が他社ノートパソコンと比べるとかなり大きめです。触感もよく、マウスなしでの作業性が高くなっています。

本体右側にはmicroSD、有線イーサネットコネクタ、USB Type-A、コンボジャックがあります。

本体左側にはセキュリティロック、フルサイズHDMI、USB Type-A、USB Type-Cが2つ配置されています。

スピーカー性能は並程度です。パームレスト裏側に配置されています。

本体の重量を測定したところ、940gとなりました。

充電器込みの重量を測定したところ、1195gとなりました。充電器単体では255gとなります。

メリット・魅力
第12世代Coreシリーズが非常にパワフル
本モデルに限った話ではありませんが、第12世代Coreプロセッサは非常にパワフルです。ベンチマークの結果の通り、デスクトップにも劣らない性能があるため、新しくPCを買うならぜひ選んで欲しいモデルと言えます。
とにかく軽くて持ち運びしやすい
1kgを切るモデルはいくつかありますが、その中でも900g台前半と軽く、薄い筐体のため、同じクラスでも特に持ち運びに向いた機種と言えます。
持ち物の負担軽減できる
充電系統はUSB Type-Cが採用されているため、PCに付属の充電器をスマホ・タブレットの充電器と兼用することもできます。また窒化ガリウムタイプのUSB PD充電器を利用すれば、コンセント側をよりコンパクトにすることも可能です。
国産PCにしてはスピーカーが良い
これまで国産ノートパソコンの大きな欠点として、スピーカー性能がとにかく低いという問題がありました。dynabook RZ/LVは並程度のスピーカー性能があり、動画視聴でも十分使えます(ただし、ハイクオリティを求めるなら必ず外部スピーカーを用意して下さい)。
デメリット・欠点
価格は高め
1kgを切る軽量ノートパソコンの中で、海外メーカーと比べると価格は高めになっています。ただし、コストパフォーマンスの項目で書いたように、国産の同クラスの中ではかなり安くなっています。
人気で売り切れ気味
2022年5月31日時点で直販サイトでは全て売り切れていました。確かに、このスペックと価格なら売り切れる理由がわかります。
SIMフリーモデルはなし
2022年6月1日時点で軽量ノートパソコンにオプションで選べることが多いSIMフリーモデルですが、当モデルにはモバイル通信の選択肢がありません。
おすすめなタイプ
よくPCを持ち運ぶ人
軽量ノートパソコンのため、よくPCを持ち運ぶ人には最適です。キーボードやタッチパッド性能もよく、外出先でのパフォーマンスを落とさずに仕事ができます。
外でタイピングを良くする人
dynabook RZ/LVは特にキーボードがよくできていると感じました。全て独立しており、日本人向けの配置でクセがありません。しかも、静音のためタイピングしていても迷惑をかけません。もし外で触る機会があれば、ぜひ試して欲しいモデルと言えます。
おすすめできないタイプ
安さを重視する人
1kgを切る軽量ノートパソコンは海外メーカーにさらに安い機種が存在します。その分キーボードの配置が違ったり、サポートの問題があったりはしますが、許容できるなら海外メーカーも検討しておくと良いでしょう。以下のページから1kg以下のノートパソコンをレビューした記事を掲載しています。
カスタマイズ・モデルの選び方
dynabook RZ/LVシリーズは基本的にWindows HomeもしくはPro、officeの有無、SSDの容量で選択します。パフォーマンスに依存するところはほぼ無いので、一般用途ならHomeでSSDは自分が使う容量に合わせて選択すると良いでしょう。敢えてSSDの容量を下げて、外部のデータストレージを用意するのも良いでしょう。
実機レビューのまとめ

国産としては文句なしに仕上がったモバイルノートパソコンです。軽量で持ち出しやすく、しかも第12世代でパワフル。
モバイル通信に非対応な部分だけが弱点ですが、テザリングでカバーできるのでそこだけ許容できるなら、ぜひ購入候補に入れておくべき一台と感じました。
安く買う方法・コツ
dynabook RZ/LVに限らず、dynabookのパソコンを安く買う方法については以下の記事でまとめています。購入前に必ずご確認ください。
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