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レビュー・評価の概要
dynabook RZ/HVは同メーカーのノートパソコンの中でも、ハイエンドに位置するモデル。
第12世代のintelプロセッサを採用し、1kgちょっとの軽量ボディに長時間バッテリーと、スピーカー性能が強化されたモデルになっています。
発売年度 | 2022年 |
プロセッサ | Core i7-1260P Core i5-1240P |
RAM | 16GB |
ストレージ | 512GB~1TB |
画面サイズ | 14インチ |
GPU | Iris Xe Graphics |
USB-PD | 対応 |
モバイル通信 | 非対応 |
重量 | 1030g |
Cinebench R20 | 3411pts |
※スペック情報は執筆時のものです。現在の情報は以下から公式サイトでご覧ください。
本記事ではメーカーより貸し出しを受けて、テストを行っています。
特徴
ここではdynabook RZ/HVの一般的な特徴について解説しています。実際に筆者が使った感想、レビューについてはメリット・デメリットの項目をご覧ください。
スピーカーが強化された特殊モデル
似たモデルに同じ軽量14インチにdynabook RZ/LVがありますが、こちらはスピーカーが強化された特殊モデルになっています。メリットでも後述しますが、その違いがはっきりと感じられる一台となっています。
第12世代Coreプロセッサの高いパフォーマンス
プロセッサは第12世代のintelコアプロセッサを搭載しています。第11世代と第12世代は差が非常に大きく、マルチコア、シングルコア共に大きくパフォーマンスアップしています。

より長いバッテリー持続時間
本モデルはシリーズの中でも最もバッテリー持続時間の長い交渉値24時間となっています。
約1kgの軽量ボディ
本体は公称値1.05kgと非常に軽く、しかも薄型ボディのため使いやすくなっています。片手で軽々と持つことができます。

価格とコストパフォーマンス
本体の価格はCore i5モデルが23万円台、Core i7モデルが27万円台となっています(2022年6月6日時点)。
dGPU非搭載モデルの中ではトップクラスの価格の高さになっていますが、スペックから考えると妥当か、それよりもコスパが良いくらいです(同じ程度の国産PCは30万円を超えるケースも)。
また、第12世代のintelプロセッサが特に強力なため、Core i5が安くて十分なマシンパワーを発揮してくれる点も見逃せないポイントです。
スペック
今回レビューしたdynabook RZ/HVのスペックは以下の通りです。
マシンスペック(技術仕様)
発売年 | 2022年 | |
サイズ | 224×312.4×15.9mm | |
重量 | 本体 | 1030g |
アダプタ | 255g | |
CPU | Core i7-1260P | |
GPU | Iris Xe Graphics | |
メモリ(RAM) | 16GB | |
ストレージ | 1st | 1TB |
2nd | – | |
ディスプレイ | サイズ | 14インチ |
解像度 | 1920×1200 | |
アスペクト比 | 16:10 | |
形式 | TFTカラー液晶 | |
リフレッシュレート | 60Hz |
フロントカメラ | 画素数 | 92万画素 |
物理シャッター | 有り | |
リヤカメラ | 画素数 | 無し |
Wi-Fi | a/b/g/n/ac/ax | |
bluetooth | v5.2 | |
モバイル通信 | 非対応 | |
光学ドライブ | 非搭載 | |
バッテリー | サイズ | 公式記載なし |
公称値 | 24時間 |
レビュー機種以外にも詳細のカスタマイズが可能です。細かなスペック内容についてはテーブル下の公式サイトのリンクからご覧ください。
ベンチマーク結果一覧
CINEBENCH
CINEBENCH(シネベンチ)のベンチマーク結果は以下の通りです。R20は1回の測定、R23は10分間の連続測定結果を掲載しています。
バージョン | 測定モード | 測定値[pts] |
---|---|---|
Cinebench R20 | マルチ | 3411 |
シングル | 537 | |
Cinebench R23 | マルチ | 8476 |
シングル | 1498 |
Crystal Disk Mark
Crystal Disk Mark(クリスタルディスクマーク)の測定結果は以下の通りです。
Read[MB/s] | Write[MB/s] | |
---|---|---|
SEQ1M Q8T1 | 2435.46 | 4905.53 |
SEQ1M Q1T1 | 2732.92 | 2897.64 |
RND4K Q32T16 | 704.76 | 381.30 |
RND4K Q1T1 | 70.56 | 131.90 |
ゲームベンチマーク
FF15
ファイナルファンタジー15のベンチマーク結果は以下の通りです。全てフルHD品質でテストを行っています。
モード | スコア | 評価 |
---|---|---|
最高品質 | – | – |
高品質 | – | – |
軽量品質 | 2811 | やや重い |
モニター評価(色域)
モニターの色域カバー率は以下の通りです。測定はi1 Display Proを用いてデータ測定後、Color ACにてIICプロファイルからカバー率などのデータを作成しています。
測定項目 | カバー率[%] | カバー比[%] |
---|---|---|
sRGB | 96.6 | 100.2 |
Adobe RGB | 73.6 | 74.3 |
ディスプレイは液晶パネルの特性や製造工程により、それぞれの製品で色合いが異なる場合がある点に注意して下さい。
通信環境(Wi-Fi)のテスト
測定環境
Wi-Fiの通信環境テストを行いました。テスト環境は光1Gbps(IPv6対応)でWi-FiにはArcher 10 Proを用いました。
テスト環境は以下の通りで戸建て環境の1階、及び2階で測定を行っています。幅方向約10.5m、奥行き方向8.2mの環境です。
1階部分

2階部分

測定項目 | ダウンロード | アップロード | PING |
単位 | Mbps | Mbps | ms |
ルーター前 | 676.49 | 570.02 | 13 |
ポイント② | 469.65 | 276.95 | 12 |
ポイント③ | 670.85 | 561.32 | 13 |
ポイント④ | 631.52 | 491.67 | 13 |
ポイント⑤ | 514.58 | 433.93 | 13 |
ポイント⑥ | 368.91 | 197.94 | 13 |
通信スピードテストの評価
USB-C(PD)による充電テスト
USB-Cの充電テストを行いました。「〇」は通常通り充電、「△」は充電されるものの低速表示、「×」は充電できないことを示します。
W数 | 充電の可否 | 検証に用いた機種 |
---|---|---|
20W | 〇 | PowerPort Ⅲ Nano |
30W | 〇 | PowerPort Atom Ⅲ Slim 30W |
45W | 〇 | PowerPort Atom Ⅲ Slim 45W |
61W | 〇 | RP-PC133 |
100W | 〇 | AUKEY PA-B7 |
外観
dynabook RZ/HVの天板はダークテックブルーという濃いブルーで中央にdaunabookのロゴが配置されています。立体成形されており、高級感があります。

背面のスリットは小さめで主張は少なくなっています。天板カラーと同じなため、統一感が出ています。

開いた様子です。ベゼルが狭いため、安っぽさは全くありません。ディスプレイは16:10で縦長になっており、Word、ネットサーフィン等で縦の情報量が取りやすいデザインとなっています。カメラは主張が小さい物理シャッターがあり、視覚的に目に入ることがないため、意識を持っていかれない点で優秀です。

上部ベゼルです。

下部ベゼルです。

キーボードはクセのない配置で、独立しているため打ちやすくなっています。また、電源ボタンが指紋認証を兼ねています。

ミツトヨのデジタルノギスでキーピッチを算出したところ、1.7mmとなりました。また、SHINWAのデップスゲージでキーストロークを測定したところ、19.08mmとなっています。静音かつ、深いストロークとなっており、しっかりと打鍵したい人向けと言えるでしょう。

タッチパッド幅を計測したところ、110mmとなりました。タッチパッドは横幅が広いこともさることながら、縦幅が広いことも特徴です。マウスを使えない環境で有利に働くでしょう。

本体右側にはUSB Type-Aが2つ、コンボジャックが搭載されています。

本体左側にはセキュリティロック、フルサイズHDMI、USB Type-A、USB Type-Cが搭載されています。

スピーカーは背面とキーボード横に配置されています。下位モデルよりもスピーカーが強化されています。

本体の重量を測定したところ、1030gとなりました。

充電器込みの重量を測定したところ、1285gとなりました。充電器単体では255gとなります。

メリット・魅力
軽量で持ち運びしやすい
本体が1kgちょっとしかなく、軽量で持ち運びしやすいです。また、USB PD充電が可能なため、コンパクトな窒化ガリウムタイプの充電器を用いることで、手持ちを少なくできることも大きなメリットでしょう。
独立キーでタイピングに優れる
dynabook RZ/HVは日本向けに全てのキーが独立しています。そのため間隔がちょうど良いことや、少し深めのキーストロークでタイピングしやすい印象を受けました。また、静音なので外で打っても他の人に迷惑をかけない点もメリットです。
タッチパッドが縦長でマウス無しでも操作が楽
dynabook RZシリーズに言えることですが、タッチパッドが他の機種に比べて縦長になっています。おそらく、ディスプレイが16:10で縦長になっている分、フットプリントが上がりスペースを取れるようになったからだと思いますが、これがとにかく便利。
上下左右にタッチパッドで広く取れ、タッチパッドの精度が良いため、マウスなしでも使うことができます。
薄型なのにスピーカー性能がかなり良い
他モデルと異なり、RZ/HVはさらにスピーカー性能に力を入れたモデルで、その効果がはっきりとわかるほど低音性能がしっかりとしています。もちろん高音側もクリアになっており、ノートPCとしては十分な音響性能を持っています。
充実したインターフェイス
インターフェイスは昨今のウルトラブックとしてはかなり多く、一般利用において困ることはないレベル。特にフルサイズHDMIとUSB Type-Aを搭載している点がウルトラブックとしてはメリットになり、外出先でのプレゼンやデータの授受が多い人の味方になります。
デメリット・欠点
価格がトップクラスの高さ
どうしてもしょうがない部分ではありますが、これだけのスペックが揃っていると、価格は高くなってしまいます。ただ、価格に見合ってはいるので、あくまで標準的なパソコンと比較して、という話になります。
おすすめなタイプ
自宅も外も一台で使う人
パソコンとしてのプロセッサ性能が高いこと、スピーカーに優れていることやキーボード周りがよくできていること、そして何よりも軽量なこと。これらのメリットを兼ね備えており、自宅で使うときも外で使うときも一台で全てをこなせるパフォーマンスを持っています。
自宅限定であっても持ち運びしやすいことや、マウスを使わなくても利用が楽なこと自体がポイントと言えるでしょう。
マウスを使わない人
上述しましたが、マウスを使わない人にとってはタッチパッドの広さのメリットが特に大きくなります。Windowsノートパソコンの中ではトップクラスに感じました。
ノートでタイピングが多い人
静音キーボードで、キーストロークがしっかりとあるため、タイピングが多い人に向いています。カチャカチャした音がならないため、外でも気兼ねなく使えるでしょう。
おすすめできないタイプ
価格を重要視する人
全てを兼ね備えているが故に14インチのdGPU非搭載パソコンとしてはトップクラスの価格帯になります。どれかの性能を許容したり、海外メーカーを選べばコストは下がりますが、もちろんスペックとのトレードオフになります。
もしスピーカー性能を犠牲にしても良いなら、dynabook RZ/LVがおすすめです。ワンランク音質は下がりますが、より軽量になり、価格もダウンします。
カスタマイズ・モデルの選び方
本モデルを選ぶポイントはCore i5モデルとCore i7モデルの違いのみです。よほどハードな使い方をしない限りは、Core i5モデルで十分です。第12世代のパフォーマンスが高く、これでも持て余す人が多くなるでしょう。
起動を始めとした処理はSSDの方がボトルネックになることが多いですが、こちらは十分なパフォーマンスがあるので心配ありません。
実機レビューのまとめ

本モデルは軽量14インチの中では最高クラスに良い出来を誇るノートパソコンです。もちろんその分金額は高くなりますが、第12世代でCore i5が大幅にパワーアップしたことで選びやすくはなっています。
コストはかかりますが、それに十分見合う、もしくはそれ以上の価値のあるの一台になっています。
安く買う方法・コツ
dynabook RZ/HVに限らず、dynabookのパソコンを安く買う方法については以下の記事でまとめています。購入前に必ずご確認ください。
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