Dynabook VZ/HPのレビュー概要
国産軽量2in1ノートパソコン
本体重量が実測で940gの超軽量かつ、360°回転させて2in1にもできるタブレット型のノートパソコン。さらに純正スタイラスペンも付いてきます。
価格は国産かつ超軽量PCということもあり、高めの設定になっていますが、海外メーカーもほぼ同じくらいの価格帯のため国産という安心を考えると同クラスでのコストパフォーマンスが高くなります。
また軽量に注目しがちですが、液晶にIGZOが用いられておりバッテリー公称値が24時間もあるため、長時間外出先でパソコンを使うユーザーにも合う一台と言えるでしょう。
簡易スペック表
発売日 | 2020年11月20日 |
CPU | Core i5-1135G7Core i7-1165G7 |
RAM | 8~16GB |
ROM | 256GB~1TB |
画面サイズ | 13.3インチ |
GPU | 内蔵グラフィックス |
USB-PD | 対応 |
LTE | 非搭載 |
MSオフィス | 選択可能 |
重量 | 940g |
Cinebench R20 | 1914pts |
※詳細スペックはこちら。その他性能は目次よりベンチマーク結果をご覧ください
Dynabook VZ/HPの目次
実際に使った感想(主観)はメリット・デメリットからご覧いただけるとわかりやすくなっています。購入を悩んでいる場合はおすすめかどうかをチェックください。
※本記事ではメーカーより貸出を受けて、テストを行っています。
Dynabook VZ/HPの特徴
ここではDynabook VZ/HPの一般的な特徴について解説しています。実際に筆者が使った感想、レビューについてはメリット・デメリットの項目をご覧ください。
1kg以下で持ち出しやすい質量
Dynabook VZ/HPは本体重量が1kg以下となっており、軽くて持ち運びしやすいことが特徴。軽いだけでなく、もちろん薄いので気楽にカバンに入れておくことも可能です。
スタイラスペンが標準付属
本機はスタイラスペンが標準付属します。2in1でディスプレイを反転させ、タブレット型にして利用することもできるためスタイラスペンがより使いやすいノートパソコンと言えます。なお、スタイラスペンはWacom製となっています。
タブレットスタイルでリヤカメラが使える
2in1ノートパソコンとしてかなり珍しいのがキーボード内に設置されたカメラ。
タブレットモードにした時にカメラが使える設計になっています。ミーティング時のホワイトボードを撮影したり、撮影した写真にスタイラスペンで書き込みするなど合わせ技としての利用もできて便利です。
長時間使えるバッテリーとIGZO液晶
1kgを切るノートパソコンでありながら、メーカー公称値は24時間となっています。長時間外で持ち出すユーザーにとっては大きなメリット。しかもUSB-PD対応のため、充電器を減らすことも可能です。長時間使えるのは液晶パネルにIGZOが用いられていることが理由です。
Dynabook VZ/HPの価格とコストパフォーマンス
Core i5モデルが税込18万円台から、Core i7モデルは20万円を超えるので国産モデルとしては最上級クラスになります。ただ、1kgを切る2in1でスタイラスペンを搭載しているものは海外メーカーでもほぼ同価格帯になるので、国産メーカーだから高いということはありません。考え方として、1kgを超えるノートパソコン(1.2~1.3kg程度)が価格がガクッと落ちる傾向があるため、これらと比較して軽さに魅力を感じるのであれば、値段なりの価値はありますし、そこに価値を感じなければ値段の安さを優先する方が良いでしょう。
Dynabook VZ/HPのスペック
今回レビューしたDynabook VZ/HPのスペックは以下の通りです。
マシンスペック(技術仕様)
発売日(月) | 2020年11月20日 | |
製品名 | Dynabook VZ/HP | |
型式 | ー | |
サイズ | 197.4×303.9×17.9mm | |
重量(実測) | 本体 | 940g |
電源アダプタ | 245g | |
CPU | Core i7-1165G7 | |
GPU | 内蔵グラフィックス | |
メモリ(RAM) | 16GB | |
保存(ROM) | 1st | 512GB |
2nd | ー | |
ディスプレイ | サイズ | 13.3インチ |
解像度 | 1920×1080インチ | |
形式 | 液晶(IGZO) | |
リフレッシュレート | ー | |
生体認証 | 指紋 | 無し |
顔認証 | 有り | |
フロントカメラ | 画素数 | 92万画素 |
物理シャッター | 無し | |
リヤカメラ | 画素数 | 有り |
Wi-Fi | a/b/g/n/ac/ax | |
bluetooth | v5.1 | |
LTEモジュール | 対応の可否 | 非搭載 |
SIMカードサイズ | ー | |
光学ドライブ | 非搭載 | |
バッテリー | サイズ | 記載なし |
公称値 | 24時間 |
※レビュー機種以外やカスタマイズ内容などの詳細スペックはこちらからご覧ください。
スペックの解説
今回の検証機はプロセッサスペック的には最上位モデル、ROMは中位の512GBモデルとなっています。スペック表を見ても、本体重量が940gとなっている点が特徴的です。また液晶にはIGZOが用いられています。上記の表ではリヤカメラの記載がありませんが画素数は800万画素とフロントカメラと比べて大きくなっていて、撮影向きとなっています。
Dynabook VZ/HPのベンチマーク
CINEBENCH R20
CINEBENCH R20の測定値は1914pts、シングルコア539ptsという結果になりました(パフォーマンスモードで測定)。他機種のデータについてはCINEBENCHの結果一覧をご覧ください。
CINEBENCH R23
CINEBENCH R23の測定値は4315pts、シングルコア1396ptsという結果になりました(パフォーマンスモードで測定)。他機種のデータについてはCINEBENCHの結果一覧をご覧ください。
Crystal Disk Mark
Crystal Disk Markの測定結果は以下の通りです。Readが3535MB/sとなっており、ノートパソコンとしてはトップクラスのスピードを誇ります。
ゲームベンチマーク
FF14
ファイナルファンタジー14 漆黒のヴィランズのベンチマーク結果は以下の通りです。全てフルHD品質でテストを行っています。他機種の結果はFF14のベンチマーク結果一覧をご覧ください。
モード | スコア | 評価 |
最高品質 | 未測定 | 未評価 |
高品質 | 未測定 | 未評価 |
標準品質 | 6453 | とても快適 |
FF15
ファイナルファンタジー15のベンチマーク結果は以下の通りです。全てフルHD品質でテストを行っています。他機種の結果は、FF15のベンチマーク結果一覧をご覧ください。
モード | スコア | 評価 |
最高品質 | 未測定 | 未評価 |
高品質 | 未測定 | 未評価 |
軽量品質 | 2841 | やや重い |
CPU-Z
CPU-Zでの検証は以下の通りです。クリックで拡大することができます。
Dynabook VZ/HPの通信環境(WI-Fi)のテスト
測定環境
Wi-Fiの通信環境テストを行いました。テスト環境は光1Gbps(IPv6対応)でWi-FiにはArcher 10 Proを用いました。テスト環境は以下の通りで戸建て環境の1階、及び2階で測定を行っています。幅方向約10.5m、奥行き方向8.2mの環境です。
検証結果
スピードテストを行った結果です。ポイント⑥になるほど実質的な距離が大きくなります。
ダウンロード数値比較
アップロード、PING、ジッターを計測した数値を表にまとめています。
測定項目 | ダウンロード | アップロード | PING |
単位 | Mbps | Mbps | ms |
ルーター前 | 646.11 | 486.17 | 7 |
ポイント② | 431.34 | 433.77 | 9 |
ポイント③ | 606.73 | 342.03 | 7 |
ポイント④ | 517.44 | 236.33 | 6 |
ポイント⑤ | 376.18 | 264.7 | 10 |
ポイント⑥ | 160.47 | 97.23 | 10 |
通信スピードテストの評価
Wi-FIルーターの前では600Mbpsを超える通信速度が出ていましたが、最長距離では1/4の結果となり、PINGは少し落ちる傾向となりました。とはいっても十分な数値が出ているので、一般利用用途では問題ないでしょう。
Dynabook VZ/HPのUSB-C(PD)による充電テスト
USB-Cの充電テストを行いました。30W以上では通常のパフォーマンス表示で充電されていましたが、20Wでは充電ができませんでした。
USB-PD | 充電の可否 | 検証した充電器 |
20W | × | PowerPort Ⅲ Nano |
30W | 〇 | PowerPort Atom Ⅲ Slim |
45W | 〇 | PowerPort Atom Ⅲ Slim |
61W | 〇 | RP-PC133 |
100W | 〇 | AUKEY PA-B7 |
Dynabook VZ/HPの外観
天板はdynabookのロゴとシンプルなブラックになっています。2in1ですがヒンジの主張は強くありません。
背面です。スリット数は少な目で主張が少なくなっています。
開いた様子です。左右ベゼル幅は狭いですが、上部、および下部のベゼル幅は大きめです。
テントモードにした様子です。
タブレットモードにした様子です。
上部ベゼルです。
下部ベゼルです。
フロントカメラには物理シャッターが付いています。またIRカメラも付属しWIndows Helloがタブレットモードでも使えます。
キーボード全体です。独立型で癖が無く打ちやすいキーボードです。
ミツトヨのデジタルノギスで2点間のキーを測定し割り返してキーピッチを算出したところ、17.1mmとなりました。また、SINWAのデップスゲージでキーストローを測定したところ、1.5mmとなっています。
タッチパッド幅を計測したところ、99mmとなりました。
本体右側です。USB-A、電源ボタン、microSDカードの構成となっています。
本体左側です。ケンジントンロック、USB-C×2、フルサイズHDMI、ヘッドフォンジャックとなっています。
スピーカーは背面、パームレスト側に設置されています。
本体の重量を測定したところ、940gとなりました。
充電器込みの重量を測定したところ、1185gとなりました。充電器単体では245gとなります。
Dynabook VZ/HPのメリット・魅力
2in1としては超軽量
実際に手に持ってみるとわかりますが、2in1モデルなのに軽くて驚きます。基本的に2in1モデルは構造上重くなってしまう傾向にありますが、このモデルはそういったことはありません。流石にタブレットとして使うには無理がありますが、スタイラスペンを使ってメモを取るといった用途には抜群にマッチするでしょう。
Core i7は高パフォーマンス
ベンチマークテストの結果から、Core i7-1165G7を搭載したモデルはCinebench R20で1000後半の数値が出ており、パフォーマンス的には十分でした。また、それでありながらバッテリー公称値が24時間は驚くべき数字です。
スタイラスペン標準付属で利便性が高い
スタイラスペンが標準付属しているため、利便性が高くなっています。タッチパネル搭載モデルは数多くありますが、純正でなければ相性問題で使い勝手が悪くなることも多々あるため標準で付属するのは大きなメリットです。
リヤカメラとスタイラスの組み合わせ
転回型の2in1としては非常に珍しくリヤカメラを搭載しているため、スタイラスペンをより効果的に活かすことが可能です。
スムーズな入力性
軽量性やコンパクト性を重視したノートパソコンはキーボードの入力が犠牲になることが多いですが、このモデルはそういったことはなく快適に入力することが可能です。
Dynabook VZ/HPのデメリット・欠点
人によっては価格が高い
コストパフォーマンスの項目でも書きましたが、このパソコンのデメリットは価格が高く、人によってはコストパフォーマンスを感じづらいところにあります。通常1kg切りのノートパソコンでは、Dynabook VZ/HPと変わらない価格帯が主流ですが、重さを少し許容するだけで価格がグッと下がります。持ち運びが多いならまだしも、あまり持ち運びをしないなら重さを犠牲にしても価格の安さを取る方が良いように感じます。
みんなの口コミ
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軽くて使いやすい。
癖が良い意味でないので、しばらく使えると思う。
音は大きいこともあるが、前のspectreが爆音だったので
それよりは全然静かで外使用にも十分耐えられる。
画面は明るい場所だと暗く感じることがあるので、太陽光の下では厳しいことも。
驚くほどファンがうるさいです。ちょっと高負荷な作業をするとかなりの音が鳴ります。こんなにファンがうるさいPCは初めてです。かなりストレスでまともに作業できませんでした。
驚くほど軽量な2in1ノートパソコン。軽くて持ち運びしやすくUSB-PDに対応している点も嬉しい。スタイラスペンが純正で付属しているので、タブレットパソコンとしての魅力をより活かすことができます。Core i7とCore i5モデルがありますが、一般用途ならCore i5モデルで十分です。価格は内臓グラフィックスのノートパソコンとしては高めなので、値段を許容できる人向けです。
女性目線の口コミ
普段、Let's NoteのSZシリーズを使っている妻からコメントをもらいました。ライトユーザーとしての一意見として捉えて頂ければと思います。
女性目線のコメント
- 軽い
- コンパクトで可愛い
Dynabook VZ/HPがおすすめな人
持ち運びが多い人
Dynabook VZ/HPは持ち運びが多い人におすすめです。本体が軽いこと、バッテリーが持つこと、USB-PDに対応していることとパソコンを持ち運ぶ人にとって大事な三つのポイントをしっかりと抑えています。
ペン入力をしたい人
Dynabook VZ/HPはスタイラスペンが標準付属する上に、2in1ノートパソコンとして軽量なため、持ち運びしながらペン入力をしたい人におすすめです。
Dynabook VZ/HPがおすすめではないタイプ
コストパフォーマンスを最重要視する人
本PCは絶対性能に対して価格が高めのため、コスパを重視する人にはお勧めできません。重くなりますが、同じように2in1がよければENVY x360 ay-0000を検討してみてください。
Dynabook VZ/HPのカスタマイズ・モデルの選び方
本PCはCore i5、Core i7モデルを選択でき、さらにオフィス搭載を選択することもできます。自分の用途に合わせて選択すると良いですが一般的な用途であればCore i5で十分です。ビジネス用途など普段からパソコンをずっと使うような人のみCore i7モデルを選択すると良いでしょう。
Dynabook VZ/HPの実機レビューまとめ
Dynabook VZ/HPを安く買う方法
Dynabook VZ/HPを含め、東芝のノートパソコンは公式サイトから会員登録の上購入するようにしてください。直販価格が変わります。