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レビュー・評価の概要
Legion760はRyzen5000シリーズとRTX3000シリーズを搭載した超ハイパフォーマンスなノートパソコンです。上位モデルでは30万円に迫る価格となっていますが、Ryzen7では20万円強と比較的手を出しやすい価格であることも魅力の一台。
検証の結果、性能の高さもさることながら静穏性が高かったため、PCを自宅だけでなく外でも使う機会がある人にとって有力な選択肢となる一台になっています。
発売年度 | 2021年 |
プロセッサ | Ryzen7 5800H Ryzen9 5900HX |
RAM | 8~32GB |
ストレージ | 1TB |
画面サイズ | 16インチ |
GPU | GeForce RTX3070Laptop GeForce RTX3080Laptop |
USB-PD | 対応 |
モバイル通信 | 非対応 |
重量 | 2500g |
Cinebench R20 | 4952pts |
※スペック情報は執筆時のものです。現在の情報は以下から公式サイトでご覧ください。
本記事ではメーカーより貸し出しを受けて、テストを行っています。
特徴
ここではLegion760の一般的な特徴について解説しています。実際に筆者が使った感想、レビューについてはメリット・デメリットの項目をご覧ください。
Ryzen9 5900HXとRTX3080を選択可能なモデル
Legion760はシリーズの中でも非常に高性能で、Ryzen9 5900HXとGeForce RTX3080Laptopを選択できるモデルになっています。後述しますが、ベンチマーク結果でも非常に優れた数値を叩き出しています。
165Hzのハイリフレッシュレートディスプレイ
ディスプレイは165Hzのリフレッシュレートとなっています。Legion760の価格帯(特に上位モデル)でライバルと比較するとリフレッシュレート自体は低めですが、実際にこれ以上出るかどうかは行うゲームの重さによるので、ちょうど良いスペックとも言えます(ただしデメリットでも書いていますが、低負荷の場合は欠点となります。詳しくはデメリットの項目をご覧ください)
優れたサウンド性能
Legionシリーズは過去からスピーカー性能が優れるモデルが多いですが、本モデルも同様に高い音質レベルを誇ります。
入力性に優れるキーボード
Legion760ではキー配置はYogaシリーズと同じになっていますが、キー構造が異なっており、よりはっきりとした打鍵感が生まれる設計となっています。
ゲーミングPCには珍しいフロント電子シャッター付
ゲーミングパソコンでは比較的珍しいフロントカメラの電子シャッターが付いています。本体右側のスイッチで簡単にオフにすることが可能。配信などでミスを防ぎたい人などセキュリティを重視したい人に向いています。
価格とコストパフォーマンス
Legion760はコストパフォーマンスが非常に高いモデルです。最上位モデルはもちろんのこと、お値打ちなのは最廉価モデルでRyzen7 5800HとGeFoce RTX3070Laptopの組み合わせで22万円台で購入することができます。
実際に人気があるようで、2021/6/26時点でほとんどのモデルが在庫切れになっています。
スペック
今回レビューしたLegion760のスペックは以下の通りです。
マシンスペック(技術仕様)
発売年 | 2021年 | |
サイズ | 261.8×356×20.1~23.5mm | |
重量 | 本体 | 2500g |
アダプタ | 1060g | |
CPU | Ryzen9 5900HX | |
GPU | GeForce RTX3080Laptop | |
メモリ(RAM) | 32GB | |
ストレージ | 1st | 1TB |
2nd | – | |
ディスプレイ | サイズ | 16インチ |
解像度 | 2560×1600 | |
アスペクト比 | 16:10 | |
形式 | IPS液晶 | |
リフレッシュレート | 165Hz |
フロントカメラ | 画素数 | 720p |
物理シャッター | 無し | |
リヤカメラ | 画素数 | 無し |
Wi-Fi | a/b/g/n/ac/ax | |
bluetooth | v5.1 | |
モバイル通信 | 非対応 | |
光学ドライブ | 非搭載 | |
バッテリー | サイズ | 4セル |
公称値 | 2.9時間 |
レビュー機種以外にも詳細のカスタマイズが可能です。細かなスペック内容についてはテーブル下の公式サイトのリンクからご覧ください。
ベンチマーク結果一覧
CINEBENCH
CINEBENCH(シネベンチ)のベンチマーク結果は以下の通りです。R20は1回の測定、R23は10分間の連続測定結果を掲載しています。
バージョン | 測定モード | 測定値[pts] |
---|---|---|
Cinebench R20 | マルチ | 4952 |
シングル | 572 | |
Cinebench R23 | マルチ | 11996 |
シングル | 1464 |
Crystal Disk Mark
Crystal Disk Mark(クリスタルディスクマーク)の測定結果は以下の通りです。
Read[MB/s] | Write[MB/s] | |
---|---|---|
SEQ1M Q8T1 | 3409.71 | 3103.85 |
SEQ1M Q1T1 | 2535.78 | 2741.90 |
RND4K Q32T16 | 2255.47 | 2299.51 |
RND4K Q1T1 | 44.15 | 126.61 |
ゲームベンチマーク
FF15
ファイナルファンタジー15のベンチマーク結果は以下の通りです。全てフルHD品質でテストを行っています。
モード | スコア | 評価 |
---|---|---|
最高品質 | 9914 | とても快適 |
高品質 | 13205 | とても快適 |
軽量品質 | 16027 | とても快適 |
モニター評価(色域)
モニターの色域カバー率は以下の通りです。測定はi1 Display Proを用いてデータ測定後、Color ACにてIICプロファイルからカバー率などのデータを作成しています。
測定項目 | カバー率[%] |
---|---|
sRGB | 99.2 |
Adobe RGB | 76.6 |
通信環境(Wi-Fi)のテスト
測定環境
Wi-Fiの通信環境テストを行いました。テスト環境は光1Gbps(IPv6対応)でWi-FiにはArcher 10 Proを用いました。
テスト環境は以下の通りで戸建て環境の1階、及び2階で測定を行っています。幅方向約10.5m、奥行き方向8.2mの環境です。
1階部分

2階部分

測定項目 | ダウンロード | アップロード | PING |
単位 | Mbps | Mbps | ms |
ルーター前 | 484.4 | 154.57 | 10 |
ポイント② | 365.53 | 66.36 | 12 |
ポイント③ | 540.87 | 110.58 | 11 |
ポイント④ | 431.18 | 64.21 | 11 |
ポイント⑤ | 348.63 | 77.72 | 12 |
ポイント⑥ | 121.44 | 87.03 | 14 |
通信スピードテストの評価
Wi-Fi6を搭載していることもあり、Wi-Fiルーター前で500Mbpsを超える数値が出ています。ただし、長距離ではダウンロード・PINGの数値両方が落ち込むような形になっているため、長距離での利用はあまりおすすめできません。ゲーミングパソコンということ、さらにイーサネットコネクタもあることから理想的には直接接続して利用すると良いでしょう。
USB-C(PD)による充電テスト
USB-Cの充電テストを行いました。「〇」は通常通り充電、「△」は充電されるものの低速表示、「×」は充電できないことを示します。
W数 | 充電の可否 | 検証に用いた機種 |
---|---|---|
20W | × | PowerPort Ⅲ Nano |
30W | × | PowerPort Atom Ⅲ Slim 30W |
45W | × | PowerPort Atom Ⅲ Slim 45W |
61W | × | RP-PC133 |
100W | △ | AUKEY PA-B7 |
外観
天板にはLegionマークとLenovoマークがあります。LegionマークはO部分が光るようになっています。

本体背面はパンチホールタイプで通気口が空いていますが、ゲーミングPCとしては大人しいデザインです。パンチホールの中を覗くと、ファンがありますがLegionマークになっておりカッコいいです。

開いた様子です。ベゼルがかなり狭くなっており、16.0インチノートでありながら15.6インチサイズに見えます。縦長のディスプレイとなっています。

最大開き角は180°となっています。

上部ベゼルです。上側はエッジまで含めて約8mm、左右は4.5mmとなっています。

下部ベゼルです。下側は18mmとなっています。

キーボード全体です、テンキー搭載タイプでエンターキーやシフトキーがくっ付いているタイプになります。

キーピッチを測定したところ19mmとなりました。また、SINWAのデップスゲージでキーストロークを測定したところ、1.1mmとなっています。ゲーミングノートPCとしてはキーストロークが短めになっています。

本体右側にはUSB-C、フロントカメラの電子シャッター用スイッチがあります。

本体左側にはUSB-C、ヘッドフォンジャックがあります。

インターフェイスは背面に集約されており、有線イーサネットコネクタ、USB-PD、USB-A×3、フルサイズHDMI、ケンジントンロックの構成になっています。

スピーカーは背面に加えて、キーボード側にも配置されています。

本体の重量を測定したところ、2500gとなりました。

充電器込みの重量を測定したところ、3560gとなりました。充電器単体では1060gとなります。

メリット・魅力
ハイスペックにも関わらず静か
Legion760を実際に使ってみて感じた最も大きなメリットは「静か」ということです。一般的にこのクラスのパフォーマンスでは何もしてない状況でもファンが回り続けることがありますが、それがほとんどありません。ゲーミングに適用できるパフォーマンスがありながら、静かに使えるのは大きな利点と言えるでしょう。
回すとハイパフォーマンス
Ryzen9 5900XとGeForce RTX3080の組み合わせは伊達ではなく、非常に高いパフォーマンスを誇ります。ゲームはもちろんのこと、動画編集などのクリエイティブかつ高負荷を必要とされる環境でも使いやすいデバイスになっています。
サイレントモード、パフォーマンスモードの切り替えが可能
Legion760ではやりたいことのパフォーマンスに応じて、設定切り替えが可能になっています。周りの環境に気を遣わないで良い点もメリットと言えるでしょう。
キー音が静かである
ゲーミングPCの場合、青軸に近いタイプでカチカチと音の鳴るキーボードを採用していることがありますが、Legion760はそういったことはなく静かです。
アスペクト比が縦長で作業性も高い
ゲームだけを目的にするのであれば、横長ディスプレイの方が向いていますがLegion760では縦長になっているため、書類作成やネットサーフィンに向く特徴を持っています。
ベンチマークを回しても意外と熱くならない
Ryzen9 5900HXとGeForce RTX3080の組み合わせのため熱くなることを想定していましたが、冷却がうまくいっているのがあまり熱くなりません。ゲーミングPCとしては大きなメリットと言えるでしょう。
デメリット・欠点
キーストロークは期待ほどではない
キーストローク音が静かで使いやす一方、他のゲーミングPCと比べるとストロークがはっきりしていないため評価が分かれる可能性があります。実機で触れない方は、一般的なYogaノートパソコンと同程度と考えておくと良いでしょう。
おすすめなタイプ
中級ゲームユーザー
Legion760はRyzen9 5900HXとRTX3080Laptopを選べるため、中級クラスのゲーミングユーザーにぴったりです(上級プレイヤーの場合はデスクトップPCで組むことを想定)。
クリエイティブ作業する人
CPU、GPU共にハイパフォーマンスなため、ゲーミング用途だけでなくクリエイティブ作業をする人にもマッチします。ディスプレイが16インチでアスペクト比が縦長な点も作業効率を上げる重要なポイントです。
外でも使う可能性がある人
メリットでも書いた通り、Legion760はゲーミングパソコンとしては静かなことが特徴です。またサイレントモードを備えるため、ファン音をできるだけ抑えることができます。
おすすめできないタイプ
低負荷ゲームプレイヤー
FPSゲームでも軽い部類に入るものの場合、Legion760ではプロセッサがオーバースペック過ぎるが故にディスプレイが165Hzまでしか出ないために性能を発揮できないという逆転現象が起きます。低負荷のゲームをする場合はプロセッサの性能がより低いモデルを選ぶか、モニター出力することを前提にPCを購入すると良いでしょう。
カスタマイズ・モデルの選び方
Legion760は大きく分けてRyzen7かRyzen9モデルを選択することになります。それと同時にdGPUが3060か3080に変更される形です。完全に好みによると思うので、自分の好きな(求めるスペックの)方を選ぶと良いでしょう。
実機レビューのまとめ

Legion760はゲーミングパソコンとしてハイスペックなプロセッサを持つ魅力的なノートパソコンです。もちろんその点が公式でもアピールされていますが、筆者としてはそれ以上におすすめしたおきたいポイントが静穏性。
この二つはトレードオフになることも多いため、高性能なゲーミングパソコンと静かなPCの両方を求める人にとっては魅力的な一台となるでしょう。
安く買う方法・コツ
Legion760に限らず、Lenovoのパソコンを安く買う方法については以下の記事でまとめています。購入前に必ずご確認ください。
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