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レビュー・評価の概要
ROG Zephyrus G14 GA402RKは人気のZephyrusシリーズの中でも、13.3インチの小型モデル。プロセッサにはRyzen9 6900HSを採用し、さらにdGPUとしてAMD Radeon RX6800Sを搭載。
コンパクトながら、非常に高いスペックを誇るPCです。レビュー中で詳細記載していますが、ハイパワーながら音が静かであったり、キーボードやタッチパッドの出来が良い点も魅力となっています。
発売年度 | 2023年 |
プロセッサ | Ryzen9 6900HS Ryzen7 6800HS |
RAM | 32GB |
ストレージ | 1TB |
画面サイズ | 13.3インチ |
GPU | Radeon RX6800S Radeon RX6700S |
USB-PD | 対応 |
モバイル通信 | 非対応 |
重量 | 1695g |
Cinebench R20 | 5005pts |
※スペック情報は執筆時のものです。現在の情報は以下から公式サイトでご覧ください。
本記事ではメーカーより貸し出しを受けて、テストを行っています。
特徴
ここではROG Zephyrus G14 GA402RKの一般的な特徴について解説しています。実際に筆者が使った感想、レビューについてはメリット・デメリットの項目をご覧ください。
Ryzen6000シリーズのハイパワーモデル
ROG Zephyrus G14 GA 402RKは最新版であるRyzen6000シリーズプロセッサを搭載したノートパソコンです。4000番台からそのパフォーマンスは魅力的でしたが、6000番台もその魅力は健在。高いパフォーマンスを誇るPCとなっています。

dGPUがAMDへ変更
前モデルではRTX3050が採用されていましたが、今回からはAMD製へ変更されています。
AniMe Matrixを継続採用
前モデルから引き続き、天板には独自のアニメーションが流せるAniMe Matrixが採用されています。プリセットに加え、自分でカスタマイズしたりパターン表示を変更できます。実際の表示画面は外観で掲載しています。

カラーラインナップは2色
こういったゲーミングモデルとしては珍しく、白と黒の2カラーラインナップとなっています。今回のレビューはブラックモデルですが、15インチの方で白をレビューしているので併せて参考にしてみて下さい。
30万円以下で購入可能
本モデルが非常に魅力的なのはハイエンドモデルが30万円以下の価格帯となっていること。ゲーミングとして買う人がほとんでしょうが、本モデルは動画編集でも十分に使えるパフォーマンスを備えています。持ち運びも可能なため、個人事業主として写真編集、動画編集(YouTube投稿)などをしている人にとって、減価償却の点で嬉しいラインです。
下位のRyzen7モデルを選択すれば、2022年4月22日時点で22万円台スタートとなるため、さらにリーズナブルになります。
価格とコストパフォーマンス
PCとしての価格を見ると30万円と非常に高く感じるかもしれませんが、本体スペックから考えると安すぎるほどです。上位のモデルはもちろん、特にリーズナブルなのは下位のRyzen7モデル。
Ryzen9モデルはオーバースペック感もあるため、普通の人はこれで十分だと思います。
スペック
今回レビューしたROG Zephyrus G14 GA402RKのスペックは以下の通りです。
マシンスペック(技術仕様)
発売年 | 2023年 | |
サイズ | 227×312×19.5~22.61mm | |
重量 | 本体 | 1695g |
アダプタ | 725g | |
CPU | Ryzen9 6900HS | |
GPU | AMD Radeon RX5800S | |
メモリ(RAM) | 32GB | |
ストレージ | 1st | 1TB |
2nd | – | |
ディスプレイ | サイズ | 13.3インチ |
解像度 | 2560×1600 | |
アスペクト比 | 16:10 | |
形式 | 液晶 | |
リフレッシュレート | 120Hz |
フロントカメラ | 画素数 | 92万画素 |
物理シャッター | 無し | |
リヤカメラ | 画素数 | 無し |
Wi-Fi | a/b/g/n/ac/ax | |
bluetooth | v5.1 | |
モバイル通信 | 非対応 | |
光学ドライブ | 非搭載 | |
バッテリー | サイズ | 公式記載なし |
公称値 | 10.7時間 |
レビュー機種以外にも詳細のカスタマイズが可能です。細かなスペック内容についてはテーブル下の公式サイトのリンクからご覧ください。
ベンチマーク結果一覧
CINEBENCH
CINEBENCH(シネベンチ)のベンチマーク結果は以下の通りです。R20は1回の測定、R23は10分間の連続測定結果を掲載しています。
バージョン | 測定モード | 測定値[pts] |
---|---|---|
Cinebench R20 | マルチ | 5005 |
シングル | 615 | |
Cinebench R23 | マルチ | 12159 |
シングル | 1577 |
Crystal Disk Mark
Crystal Disk Mark(クリスタルディスクマーク)の測定結果は以下の通りです。
Read[MB/s] | Write[MB/s] | |
---|---|---|
SEQ1M Q8T1 | 3612.73 | 3458.40 |
SEQ1M Q1T1 | 2340.45 | 3455.82 |
RND4K Q32T16 | 1849.09 | 3424.55 |
RND4K Q1T1 | 62.21 | 247.39 |
ゲームベンチマーク
FF15
ファイナルファンタジー15のベンチマーク結果は以下の通りです。全てフルHD品質でテストを行っています。
モード | スコア | 評価 |
---|---|---|
最高品質 | 7800 | 快適 |
高品質 | 10346 | とても快適 |
軽量品質 | 13456 | 非常に快適 |
モニター評価(色域)
モニターの色域カバー率は以下の通りです。測定はi1 Display Proを用いてデータ測定後、Color ACにてIICプロファイルからカバー率などのデータを作成しています。
測定項目 | カバー率[%] | カバー比[%] |
---|---|---|
sRGB | 100.0 | 134.1 |
Adobe RGB | 87.3 | 99.4 |
通信環境(Wi-Fi)のテスト
測定環境
Wi-Fiの通信環境テストを行いました。テスト環境は光1Gbps(IPv6対応)でWi-FiにはArcher 10 Proを用いました。
テスト環境は以下の通りで戸建て環境の1階、及び2階で測定を行っています。幅方向約10.5m、奥行き方向8.2mの環境です。
1階部分

2階部分

測定項目 | ダウンロード | アップロード | PING |
単位 | Mbps | Mbps | ms |
ルーター前 | 579.87 | 427.58 | 6 |
ポイント② | 293.46 | 447.04 | 6 |
ポイント③ | 690.91 | 604.22 | 6 |
ポイント④ | 495.95 | 600.5 | 6 |
ポイント⑤ | 434.25 | 224.29 | 6 |
ポイント⑥ | 124.81 | 207.32 | 7 |
通信スピードテストの評価
全エリアを通じて、全く問題ないパフォーマンスとなっています。ゲーミングで重要なPINGが低い点も魅力的と言えるでしょう。
USB-C(PD)による充電テスト
USB-Cの充電テストを行いました。「〇」は通常通り充電、「△」は充電されるものの低速表示、「×」は充電できないことを示します。
W数 | 充電の可否 | 検証に用いた機種 |
---|---|---|
20W | × | PowerPort Ⅲ Nano |
30W | × | PowerPort Atom Ⅲ Slim 30W |
45W | 〇 | PowerPort Atom Ⅲ Slim 45W |
61W | 〇 | RP-PC133 |
100W | 〇 | AUKEY PA-B7 |
外観
今回レビューしたのはブラックモデルです。ゲーミングPCは物々しいデザインが多いですが、本モデルはパンチング穴が空いているだけで、あまり主張は感じません。ROGマークは本体左下に小さく配置されています。

背面は非常に独特なパターンのスリットが空いています。ただしこちらもゲーミングPCとしては少なく感じます。

開いた様子です。ベゼル幅が狭く、モダンな雰囲気です。ディスプレイは120HzでWQHDクラス。プロセッサのパフォーマンスが高いこともあって、120Hzをしっかりと活かせる仕様です。

最大開き角は180°。ゲーミングPCでここまで開くモデルは珍しいと言えます。

上部ベゼルです。

下部ベゼルです。

キーボード全体です。一部キーが隣り合ってはいるものの、全体的に癖がなく使いやすい配置になっています。

ミツトヨのデジタルノギスでキーピッチを算出したところ、19.06mmとなりました。また、SHINWAのデップスゲージでキーストロークを測定したところ、1.7mmとなっています。しっとりとしたキータッチで打ちやすいです。一部キーは接合していますが、気になりません。

タッチパッド幅を計測したところ、130mmとなりました。タッチパッドは1インチノートパソコンとしてはかなり広め。しかも、サラサラの感触で非常に使いやすいです。

USB Type-Aが2個、USB Type-C、microSDスロットを備えます。

本体左側にはDCプラグポート、フルサイズHDMI、USB Type-Cポート、コンボジャックを備えます。

背面にはAniMe Matrixを表示できます。これらは設定画面から簡単に変更可能です。以下はROGマークを表示。

以下は流れるラインを表示しています。

スピーカー性能はノートパソコンとしては高く、中高音だけでなく、低音までしっかりと出ています。ゲーミング用途のパソコンなので、そのままでも音響を楽しめるのはメリットと言えるでしょう。

本体の重量を測定したところ、1695gとなりました。

充電器込みの重量を測定したところ、2420gとなりました。充電器単体では725gとなります。

メリット・魅力
13インチでパワフルなPC
13インチのWindowsノートパソコンとしては非常にパフォーマンスが高く、同ディスプレイサイズではこれ以上ないほどの性能を誇ります。Ryzen6000シリーズは5000シリーズまでを見ている分インパクトとしては小さく感じますが、他のノートと比べると圧倒的パフォーマンスです。
ゲーミングだが作業性も良い
本PCはゲーミングだけでなく、大きく評価したいポイントが作業性。キーストロークが深めで打ちやすいだけでなく、静音タイプなので外出先利用でも気軽に使えます。また、タッチパッドが130mmとこちらも13インチPCでは最大クラスで非常に使いやすいです。
PDに対応し持ち運びにも
高出力ノートパソコンですが、充電にはUSB PDにも対応しています。PD充電時は自動的にdGPUを停止する機能がついており、電源供給が限られる場合にうまくパフォーマンスを制御する仕組みが設けられています。
静かである
ゲーミングPCを含む、dGPUを搭載したパソコンやハイパフォーマンスプロセッサを搭載したモデルはファン音が大きいことが課題になりがちですが、Zphyrus G14はそれらと比べると静かです。また設定からサイレントを選べば、音を最大限抑えた状態で使うこともできるため、周りの環境に配慮してPCを使うことができます。
デメリット・欠点
13インチとしては厚みと重みがある
13インチのノートは競合が多く、軽量モデルも多い中Zphyrus G14はそれらと比較すると重量感があります。ハイスペックかつコンパクトPCのため、トレードオフでしょうがない部分です。ただし、ベゼル幅をしっかりと削っていたりするため、奥行と幅方向では不満はありません。
標準のアダプタがかなり大きい
Ryzen9 6900HSとRadeon RX6800Sをフルに使うため、電源アダプタは240Wの大型モデルが使われています。PDが使えるため、実際に持ち運ぶことはないとは思いますが、どんな環境でもフルのパフォーマンスで使いたい人には大きなデメリットとなります。
おすすめなタイプ
外でもPCを使いたい人
Zephyrus G14は自宅でゲームをするという用途だけでなく、コンパクトさを活かして外でも使えます。USB PD充電に対応しているため、GaNの充電器を使うことでよりコンパクトな持ち運びが可能です。
ディスプレイ接続して使う人
コンパクトPCであることを活かし、最初からディスプレイ接続を前提として使うのも良いでしょう。USB Type-Cポートから映像出力も可能なため、よりフレキシブルに自分のデスク環境を整えることができます。
クリエイターPCとして使いたい人
本モデルは色域がゲーミングPCとしてはかなり広いため、クリエイター向けPCとしても利用可能です。またdGPU搭載で、色域の広いモニターに接続して使っても、十分耐えられるパフォーマンスがあるため、拡張性の面でも優れています。
おすすめできないタイプ
軽量性を重視する人
13インチでコンパクトではあるものの、重さは約1.7kgで15インチPC並となっています(実際に持つとそこまで重さは感じません)。常に持ち運ぶ用途だと、厳しいと言えるでしょう。また、電源アダプタが大きく、フルに性能を使うことを前提とすると持ち出しに向かない点も注意です。
カスタマイズ・モデルの選び方
本モデルはプロセッサ、スペックから見て非常にロマンのあるモデルですが、実際のところ全てを使い切れる人はごく少数。そのため、Ryzen7モデルでも十分と言えるでしょう。
実機レビューのまとめ

ゲーミングPCの枠組みのモデルのように感じますが、実際にはほぼ全てを兼ね備えたPCと言っても過言ではなく、非の打ちどころがないモデルです。
唯一軽量性だけはパフォーマンスとトレードオフの関係のため、しょうがない部分とは言えるものの、サイズをコンパクトに抑えていたり、1.7kgで済んでいることを考えるとこちらも驚きのスペックと言えるモデルになっています。
安く買う方法・コツ
ROG Zephyrus G14 GA402RKの実機レビュー:メリット・デメリットと評価まとめに限らず、ASUSのパソコンを安く買う方法については以下の記事でまとめています。購入前に必ずご確認ください。
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