ROG Zephyrus G14 GA402RKのレビュー概要
小型超ハイスペックゲーミング
ROG Zephyrus G14 GA402RKは人気のZephyrusシリーズの中でも、13.3インチの小型モデル。プロセッサにはRyzen9 6900HSを採用し、さらにdGPUとしてAMD Radeon RX6800Sを搭載。コンパクトながら、非常に高いスペックを誇るPCです。レビュー中で詳細記載していますが、ハイパワーながら音が静かであったり、キーボードやタッチパッドの出来が良い点も魅力となっています。
こんなタイプにマッチ
- 小型ハイパフォーマンスPCが欲しい人
- 一台で全ての作業をこなしたい人
- 減価償却を気にする人
簡易スペック表
発売日 | 2022年4月22日 |
CPU | Ryzen9 6900HS Ryzen7 6800HS |
RAM | 32GB |
ストレージ | 1TB |
画面サイズ | 13.3インチ |
GPU | Radeon RX6800S Radeon RX6700S |
USB-PD | 対応 |
LTE・5G通信 | 非対応 |
MSオフィス | なし |
重量 | 1695g |
Cinebench R20 | 5005pts |
※詳細スペックはこちら。その他性能は目次よりベンチマーク結果をご覧ください
ROG Zephyrus G14 GA402RKの目次
実際に使った感想(主観)はメリット・デメリットからご覧いただけるとわかりやすくなっています。購入を悩んでいる場合はおすすめかどうかをチェックください。
※本記事ではメーカーより貸出を受けて、テストを行っています。
ROG Zephyrus G14 GA402RKの特徴
ここではROG Zephyrus G14 GA402RKの一般的な特徴について解説しています。実際に筆者が使った感想、レビューについてはメリット・デメリットの項目をご覧ください。
Ryzen6000シリーズのハイパワーモデル
ROG Zephyrus G14 GA 402RKは最新版であるRyzen6000シリーズプロセッサを搭載したノートパソコンです。4000番台からそのパフォーマンスは魅力的でしたが、6000番台もその魅力は健在。高いパフォーマンスを誇るPCとなっています。
dGPUがAMDへ変更
前モデルではRTX3050が採用されていましたが、今回からはAMD製へ変更されています。
AniMe Matrixを継続採用
前モデルから引き続き、天板には独自のアニメーションが流せるAniMe Matrixが採用されています。プリセットに加え、自分でカスタマイズしたりパターン表示を変更できます。実際の表示画面は外観で掲載しています。
カラーラインナップは2色
こういったゲーミングモデルとしては珍しく、白と黒の2カラーラインナップとなっています。今回のレビューはブラックモデルですが、15インチの方で白をレビューしているので併せて参考にしてみて下さい。
30万円以下で購入可能
本モデルが非常に魅力的なのはハイエンドモデルが30万円以下の価格帯となっていること。ゲーミングとして買う人がほとんでしょうが、本モデルは動画編集でも十分に使えるパフォーマンスを備えています。持ち運びも可能なため、個人事業主として写真編集、動画編集(YouTube投稿)などをしている人にとって、減価償却の点で嬉しいラインです。
下位のRyzen7モデルを選択すれば、2022年4月22日時点で22万円台スタートとなるため、さらにリーズナブルになります。
ROG Zephyrus G14 GA402RKの価格とコストパフォーマンス
PCとしての価格を見ると30万円と非常に高く感じるかもしれませんが、本体スペックから考えると安すぎるほどです。上位のモデルはもちろん、特にリーズナブルなのは下位のRyzen7モデル。Ryzen9モデルはオーバースペック感もあるため、普通の人はこれで十分だと思います。
ROG Zephyrus G14 GA402RKのスペック
今回レビューしたROG Zephyrus G14 GA402RKのスペックは以下の通りです。
マシンスペック(技術仕様)
発売日(月) | 2022年4月22日 | |
製品名 | Zephyrus G14 | |
型式 | GA402RK | |
サイズ | 227×312×19.5~22.61mm | |
重量(実測) | 本体 | 1695g |
電源アダプタ | 725g | |
CPU | Ryzen9 6900HS | |
GPU | AMD Radeon RX5800S | |
メモリ(RAM) | 32GB | |
ストレージ | 1st | 1TB |
2nd | - | |
ディスプレイ | サイズ | 1インチ |
解像度 | 2560×1600 | |
アスペクト比 | 8:5 | |
形式 | TFTカラー液晶 | |
リフレッシュレート | 120Hz | |
生体認証 | 指紋 | 無し |
顔認証 | 有り | |
フロントカメラ | 画素数 | 92万画素 |
物理シャッター | 無し | |
リヤカメラ | 画素数 | 無し |
Wi-Fi | a/b/g/n/ac/ax | |
bluetooth | v5.1 | |
LTEモジュール | 対応の可否 | 非搭載 |
SIMカードサイズ | ー | |
光学ドライブ | 非搭載 | |
バッテリー | サイズ | 非搭載 |
公称値 | 10.7時間 |
※レビュー機種以外やカスタマイズ内容などの詳細スペックはこちらからご覧ください。
ROG Zephyrus G14 GA402RKのベンチマーク
CINEBENCH R20
CINEBENCH R20の測定値は5005pts、シングルコア615ptsという結果になりました(パフォーマンスモードで測定)。Ryzen9 6900HSは非常にパフォーマンスが高く、R20では5000pts超え、さらにシングルでも600ptsを超えるパフォーマンスと驚くべき数値になっています。他機種のデータについてはCINEBENCHの結果一覧をご覧ください。
CINEBENCH R23
CINEBENCH R23の測定値は12159pts、シングルコア1577ptsという結果になりました(パフォーマンスモードで測定)。他機種のデータについてはCINEBENCHの結果一覧をご覧ください。
Crystal Disk Mark
Crystal Disk Markの測定結果は以下の通りです。Readは3600MB/s以上となっており、非常に高速です。読み書きで不満を感じることは一切ありません。
ゲームベンチマーク
FF15
ファイナルファンタジー15のベンチマーク結果は以下の通りです。全てフルHD品質でテストを行っています。他機種の結果は、FF15のベンチマーク結果一覧をご覧ください。
モード | スコア | 評価 |
最高品質 | 7800 | 快適 |
高品質 | 10346 | とても快適 |
軽量品質 | 13456 | 非常に快適 |
CPU-Z
CPU-Zでの検証は以下の通りです。クリックで拡大することができます。
騒音テスト
騒音に関する評価は以下の通りです。CPUテストはCinebench R20、GPUテスト時はFinalFantasy15のベンチマーク測定時に測定を行っています。
モード | 評価 |
通常時 | ほぼ無音 |
CPUテスト時 | ファン音がしっかりと聞こえる |
GPUテスト時 | ファン音がしっかりと聞こえる |
ROG Zephyrus G14 GA402RKのモニター評価(色域・トーンカーブ)
モニターの評価結果は以下の通りです。タブで色域の評価結果とトーンカーブの測定データを切り替えることができます。測定はi1 Display Proを用いてデータ測定後、Color ACにてIICプロファイルからカバー率などのデータを作成しています。
カバー率及び、カバー比のデータは以下の通りです。
カバー率 | カバー率 | カバー比 |
sRGB | 100% | 134.1% |
Adobe RGB | 87.3% | 99.4% |
トーンカーブの評価結果は以下の通りです。
ROG Zephyrus G14 GA402RKの通信環境(WI-Fi)のテスト
測定環境
Wi-Fiの通信環境テストを行いました。テスト環境は光1Gbps(IPv6対応)でWi-FiにはArcher 10 Proを用いました。テスト環境は以下の通りで戸建て環境の1階、及び2階で測定を行っています。幅方向約10.5m、奥行き方向8.2mの環境です。
検証結果
スピードテストを行った結果です。ポイント⑥になるほど実質的な距離が大きくなります。
ダウンロード数値比較
アップロード、PING、ジッターを計測した数値を表にまとめています。
測定項目 | ダウンロード | アップロード | PING |
単位 | Mbps | Mbps | ms |
ルーター前 | 579.87 | 427.58 | 6 |
ポイント② | 293.46 | 447.04 | 6 |
ポイント③ | 690.91 | 604.22 | 6 |
ポイント④ | 495.95 | 600.5 | 6 |
ポイント⑤ | 434.25 | 224.29 | 6 |
ポイント⑥ | 124.81 | 207.32 | 7 |
通信スピードテストの評価
全エリアを通じて、全く問題ないパフォーマンスとなっています。ゲーミングで重要なPINGが低い点も魅力的と言えるでしょう。
ROG Zephyrus G14 GA402RKのUSB-C(PD)による充電テスト
USB-Cの充電テストを行いました。45W以上ではGPUの駆動を制限するように指示されますが、充電は可能になっています。30W以下では充電ができませんでした。
USB-PD | 充電の可否 | 検証した充電器 |
20W | × | PowerPort Ⅲ Nano |
30W | × | PowerPort Atom Ⅲ Slim |
45W | ○ | PowerPort Atom Ⅲ Slim |
61W | ○ | RP-PC133 |
100W | ○ | AUKEY PA-B7 |
ROG Zephyrus G14 GA402RKの外観
今回レビューしたのはブラックモデルです。ゲーミングPCは物々しいデザインが多いですが、本モデルはパンチング穴が空いているだけで、あまり主張は感じません。ROGマークは本体左下に小さく配置されています。
背面は非常に独特なパターンのスリットが空いています。ただしこちらもゲーミングPCとしては少なく感じます。
開いた様子です。ベゼル幅が狭く、モダンな雰囲気です。ディスプレイは120HzでWQHDクラス。プロセッサのパフォーマンスが高いこともあって、120Hzをしっかりと活かせる仕様です。
最大開き角は180°。ゲーミングPCでここまで開くモデルは珍しいと言えます。
上部ベゼルです。
下部ベゼルです。
キーボード全体です。一部キーが隣り合ってはいるものの、全体的に癖がなく使いやすい配置になっています。
ミツトヨのデジタルノギスでキーピッチを算出したところ、19.06mmとなりました。また、SHINWAのデップスゲージでキーストロークを測定したところ、1.7mmとなっています。しっとりとしたキータッチで打ちやすいです。一部キーは接合していますが、気になりません。
タッチパッド幅を計測したところ、130mmとなりました。タッチパッドは1インチノートパソコンとしてはかなり広め。しかも、サラサラの感触で非常に使いやすいです。
USB Type-Aが2個、USB Type-C、microSDスロットを備えます。
本体左側にはDCプラグポート、フルサイズHDMI、USB Type-Cポート、コンボジャックを備えます。
背面にはAniMe Matrixを表示できます。これらは設定画面から簡単に変更可能です。以下はROGマークを表示。
以下は流れるラインを表示しています。
スピーカー性能はノートパソコンとしては高く、中高音だけでなく、低音までしっかりと出ています。ゲーミング用途のパソコンなので、そのままでも音響を楽しめるのはメリットと言えるでしょう。
本体の重量を測定したところ、1695gとなりました。
充電器込みの重量を測定したところ、2420gとなりました。充電器単体では725gとなります。
ROG Zephyrus G14 GA402RKのメリット・魅力
13インチでパワフルなPC
13インチのWindowsノートパソコンとしては非常にパフォーマンスが高く、同ディスプレイサイズではこれ以上ないほどの性能を誇ります。Ryzen6000シリーズは5000シリーズまでを見ている分インパクトとしては小さく感じますが、他のノートと比べると圧倒的パフォーマンスです。
ゲーミングだが作業性も良い
本PCはゲーミングだけでなく、大きく評価したいポイントが作業性。キーストロークが深めで打ちやすいだけでなく、静音タイプなので外出先利用でも気軽に使えます。また、タッチパッドが130mmとこちらも13インチPCでは最大クラスで非常に使いやすいです。
PDに対応し持ち運びにも
高出力ノートパソコンですが、充電にはUSB PDにも対応しています。PD充電時は自動的にdGPUを停止する機能がついており、電源供給が限られる場合にうまくパフォーマンスを制御する仕組みが設けられています。
静かである
ゲーミングPCを含む、dGPUを搭載したパソコンやハイパフォーマンスプロセッサを搭載したモデルはファン音が大きいことが課題になりがちですが、Zphyrus G14はそれらと比べると静かです。また設定からサイレントを選べば、音を最大限抑えた状態で使うこともできるため、周りの環境に配慮してPCを使うことができます。
ROG Zephyrus G14 GA402RKのデメリット・欠点
13インチとしては厚みと重みがある
13インチのノートは競合が多く、軽量モデルも多い中Zphyrus G14はそれらと比較すると重量感があります。ハイスペックかつコンパクトPCのため、トレードオフでしょうがない部分です。ただし、ベゼル幅をしっかりと削っていたりするため、奥行と幅方向では不満はありません。
標準のアダプタがかなり大きい
Ryzen9 6900HSとRadeon RX6800Sをフルに使うため、電源アダプタは240Wの大型モデルが使われています。PDが使えるため、実際に持ち運ぶことはないとは思いますが、どんな環境でもフルのパフォーマンスで使いたい人には大きなデメリットとなります。
みんなの口コミ
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全体的に非常にパフォーマンスの高い優れた14インチノートパソコンです。リフレッシュレートを気にするゲーミングユーザーから、クリエイティブ用途に使う人まで多くの人が満足するモデルと言えるでしょう。
女性目線の口コミ
普段、Let's NoteのSZシリーズを使っている妻からコメントをもらいました。ライトユーザーとしての一意見として捉えて頂ければと思います。
女性目線のコメント
- ゲーミングには見えない
- 作業性が良くて使いやすい
ROG Zephyrus G14 GA402RKがおすすめな人
外でもPCを使いたい人
Zephyrus G14は自宅でゲームをするという用途だけでなく、コンパクトさを活かして外でも使えます。USB PD充電に対応しているため、GaNの充電器を使うことでよりコンパクトな持ち運びが可能です。
ディスプレイ接続して使う人
コンパクトPCであることを活かし、最初からディスプレイ接続を前提として使うのも良いでしょう。USB Type-Cポートから映像出力も可能なため、よりフレキシブルに自分のデスク環境を整えることができます。
クリエイターPCとして使いたい人
本モデルは色域がゲーミングPCとしてはかなり広いため、クリエイター向けPCとしても利用可能です。またdGPU搭載で、色域の広いモニターに接続して使っても、十分耐えられるパフォーマンスがあるため、拡張性の面でも優れています。
ROG Zephyrus G14 GA402RKがおすすめではないタイプ
軽量性を重視する人
13インチでコンパクトではあるものの、重さは約1.7kgで15インチPC並となっています(実際に持つとそこまで重さは感じません)。常に持ち運ぶ用途だと、厳しいと言えるでしょう。また、電源アダプタが大きく、フルに性能を使うことを前提とすると持ち出しに向かない点も注意です。
ROG Zephyrus G14 GA402RKのカスタマイズ・モデルの選び方
本モデルはプロセッサ、スペックから見て非常にロマンのあるモデルですが、実際のところ全てを使い切れる人はごく少数。そのため、Ryzen7モデルでも十分と言えるでしょう。
ROG Zephyrus G14 GA402RKの実機レビューまとめ
全てを兼ね備えた13インチ
結論
ゲーミングPCの枠組みのモデルのように感じますが、実際にはほぼ全てを兼ね備えたPCと言っても過言ではなく、非の打ちどころがないモデルです。唯一軽量性だけはパフォーマンスとトレードオフの関係のため、しょうがない部分とは言えるものの、サイズをコンパクトに抑えていたり、1.7kgで済んでいることを考えるとこちらも驚きのスペックと言えるモデルになっています。
ROG Zephyrus G14 GA402RKを安く買う方法
ROG Zephyrus G14 GA402RKに限らず、ASUSのパソコンを安く買う方法については以下の記事でまとめています。購入前に必ずご確認ください。
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