ROG Zephyrus M16のレビュー概要
ゲーム以外もしっかり使える高性能PC
ROG Zehyrus M16はASUSのゲーミングブランド、ROGが出す最強クラスのノートパソコンです。プロセッサには6コア12スレッドのCore H45「Core i7-11800H」にRTX3070 Laptopを搭載(下位モデルは他にもグレード展開有)。さらにゲーマー向けにリフレッシュレートは165Hzを搭載したモデルになっています。
ゲーミングパソコンとしては珍しくディスプレイアスペクト比が16:10で16インチになっている上、色域が一般的なゲーミングノートと比べると広くなっていることが特徴。ゲーム以外のクリエイター作業に向くこともポイントです。
簡易スペック表
発表日 | 2021年7月15日 |
CPU | Core i7-11800H |
RAM | 16GB |
ストレージ | 1TB |
画面サイズ | 16インチ |
GPU | GeForce RTX3070 Laptop GeForce RTX3060 Laptop GeFotce RTX3050Ti |
USB-PD | 対応(100W) |
LTE・5G通信 | 非対応 |
MSオフィス | 非搭載 |
重量 | 2045g |
Cinebench R20 | 5075pts |
※詳細スペックはこちら。その他性能は目次よりベンチマーク結果をご覧ください
ROG Zephyrus M16の目次
実際に使った感想(主観)はメリット・デメリットからご覧いただけるとわかりやすくなっています。購入を悩んでいる場合はおすすめかどうかをチェックください。
※本記事ではメーカーよりお貸出しいただき、テストを行っています。ただし、内容に関する指示は一切受けておりません。
ROG Zephyrus M16の特徴
ここではROG Zephyrus M16の一般的な特徴について解説しています。実際に筆者が使った感想、レビューについてはメリット・デメリットの項目をご覧ください。
Core H45プロセッサ搭載
ROG Zephhrus M16ではintelの8コア16スレッドのCore H45プロセッサを搭載しています。ベンチマーク結果で詳しくは掲載しますが、Cinebench R20でマルチスレッド5000pts越え、シングルスレッド572ptsと素晴らしいスコアになっています。
最上位のdGPUはRTX3070 Laptopを搭載
今回レビューした最上位のROG Zephyrus M16では独立型GPUとして、GeForce RTX3070 Laptopを搭載しています。
アスペクト比が16:10となり15インチ筐体に収まる
ゲーミングPCとしては珍しく、2560×1600の16:10のアスペクト比デザインとなっています。本体サイズは15インチクラスでコンパクトなことも特徴で、ゲーミングとしての用途だけでなく作業効率も高いPCと言えます。
USB-PDに対応
ROG Zephyrus M16は100W USB-PDに対応。本来のACアダプタの容量には満たないため、機能をフルで使いこなせるわけではありませんが、持ち運び時にPD充電ができることは大きな特徴です。なお、iGPUモードを備えるため、電力消費を抑えられることもUSB-PD充電とともに知っておきたいポイントです。
DPI-3カラーに対応
ハイリフレッシュレートに対応するゲーミングパソコンではカラー性能がクリエイターに向かないこともありますが、本モデルはそういったことはなく、PANTONE認証された色域の広いディスプレイが搭載されています。
モニター評価の項目にて後述しますが、Adobe RGBカバー率の実測値も高めの結果となっています。
ROG Zephyrus M16の価格とコストパフォーマンス
ROG Zephyrus M16は主に3050Ti、3060、3070のGPUから構成されており、ここで値段差がついています。最も下のモデルで219,800円から、ハイエンドで269,800円となっています。
Core H45プロセッサを積んでいること、GPUのパフォーマンスが高いこと、ディスプレイ性能に優れることを考えれば、価格メリットの高い一台と言えるでしょう。
ROG Zephyrus M16のスペック
今回レビューしたROG Zephyrus M16のスペックは以下の通りです。
マシンスペック(技術仕様)
発表日 | 2021年7月15日 | |
製品名 | ROG Zephyrus M16 | |
型式 | GU603HR | |
サイズ | 243×355×19.9mm | |
重量(実測) | 本体 | 2045g |
電源アダプタ | 725g | |
CPU | Core i7-11800H | |
GPU | GeForce RTX3070 Laptop | |
メモリ(RAM) | 16GB | |
ストレージ | 1st | 1TB |
2nd | ー | |
ディスプレイ | サイズ | 16インチ |
解像度 | 2560×1600 | |
アスペクト比 | 8:5 | |
形式 | IPS液晶 | |
リフレッシュレート | 165Hz | |
生体認証 | 指紋 | 有り |
顔認証 | 無し | |
フロントカメラ | 画素数 | 720P |
物理シャッター | 無し | |
リヤカメラ | 画素数 | 無し |
Wi-Fi | a/b/g/n/ac/ax | |
bluetooth | v5.2 | |
LTEモジュール | 対応の可否 | 非搭載 |
SIMカードサイズ | ー | |
光学ドライブ | 非搭載 | |
バッテリー | サイズ | 4セルバッテリー |
公称値 | ー時間 |
※レビュー機種以外やカスタマイズ内容などの詳細スペックはこちらからご覧ください。
ROG Zephyrus M16のベンチマーク
CINEBENCH R20
CINEBENCH R20の測定値は5075pts、シングルコア572ptsという結果になりました(パフォーマンスモードで測定)。Core H45で8コア16スレッドに対応していることもあり、非常に高性能です。他機種のデータについてはCINEBENCHの結果一覧をご覧ください。
CINEBENCH R23
CINEBENCH R23の測定値は12388pts、シングルコア1495ptsという結果になりました(パフォーマンスモードで測定)。他機種のデータについてはCINEBENCHの結果一覧をご覧ください。
Crystal Disk Mark
Crystal Disk Markの測定結果は以下の通りです。CrystalDiskmarkの結果、7000MB/sを超える速度が出ており、非常に高速です。
VRmark
VRMarkの測定結果は以下の通りとなっています。
スコア | Average Frame Rate | Target frame rate | |
Orange Room | 10187 | 222.07 | 109.00 |
Blue Room | 3048 | 66.44 | 109.00 |
ゲームベンチマーク
FF14
ファイナルファンタジー14 漆黒のヴィランズのベンチマーク結果は以下の通りです。全てフルHD品質でテストを行っています。他機種の結果はFF14のベンチマーク結果一覧をご覧ください。
モード | スコア | 評価 |
最高品質 | 14049 | 非常に快適 |
高品質 | 15508 | 非常に快適 |
標準品質 | 16460 | 非常に快適 |
FF15
ファイナルファンタジー15のベンチマーク結果は以下の通りです。全てフルHD品質でテストを行っています。他機種の結果は、FF15のベンチマーク結果一覧をご覧ください。
モード | スコア | 評価 |
最高品質 | 8851 | 快適 |
高品質 | 10936 | とても快適 |
軽量品質 | 11468 | とても快適 |
CPU-Z
CPU-Zでの検証は以下の通りです。クリックで拡大することができます。
騒音テスト
騒音に関する評価は以下の通りです。
モード | スコア |
通常時 | 静か。特にiGPUモードにするとゲーミングPCとは思えないほど。 |
Cinebench R23 | ファンが周りうるさくなります。 |
FF15 | 同上 |
ROG Zephyrus M16のモニター評価(色域・トーンカーブ)
モニターの評価結果は以下の通りです。ROG Zephyrus M16の色域は広く、sRGBカバー率は100%を超えています。Adobe RGBカバー率は80%台なので、本格的なクリエイターPCとしては少し足りない部分もありますが、本来の用途がゲーミングであることを考えれば十分な性能です。
トーンカーブの評価結果は以下の通りです。
ROG Zephyrus M16の通信環境(WI-Fi)のテスト
測定環境
Wi-Fiの通信環境テストを行いました。テスト環境は光1Gbps(IPv6対応)でWi-FiにはArcher 10 Proを用いました。テスト環境は以下の通りで戸建て環境の1階、及び2階で測定を行っています。幅方向約10.5m、奥行き方向8.2mの環境です。
検証結果
スピードテストを行った結果です。ポイント⑥になるほど実質的な距離が大きくなります。
ダウンロード数値比較
アップロード、PING、ジッターを計測した数値を表にまとめています。
測定項目 | ダウンロード | アップロード | PING |
単位 | Mbps | Mbps | ms |
ルーター前 | 571.9 | 310.1 | 8 |
ポイント② | 324.5 | 235.8 | 11 |
ポイント③ | 430.3 | 323.7 | 12 |
ポイント④ | 293.8 | 269.7 | 8 |
ポイント⑤ | 259.5 | 276.8 | 11 |
ポイント⑥ | 75 | 75.1 | 9 |
通信スピードテストの評価
Wi-Fi6に対応しているため、500Mbpsを超える速度となりました。ただし、今回のテストではPNGが若干長めの傾向が見られること、さらに長距離で通信速度が落ちている点が気になりました。ゲーマーであれば有線で使う可能性が高いことや、利用者の環境によって差異が出やすいところなので参考として下さい。
ROG Zephyrus M16のUSB-C(PD)による充電テスト
USB-Cの充電テストを行いました。ROG Zephyrus M16は100W USB-PDに対応しています。ただし、機能をフルにした状態は推奨されず、dGPUオフにしたiGPUモードを推奨されます。また、LGディスプレイによる画面拡張も対応しています。
USB-PD | 充電の可否 | 検証した充電器 |
20W | × | PowerPort Ⅲ Nano |
30W | × | PowerPort Atom Ⅲ Slim |
45W | × | PowerPort Atom Ⅲ 45W Slim |
61W | × | RP-PC133 |
100W | △ | AUKEY PA-B7 |
LG 29UM69G-B | 画面拡張は可能 | LG 29UM69G-B |
ROG Zephyrus M16の外観
天板はゲーミングPCには見えないシンプルな造形となっています。近くで見ればパンチホールが空いていてゲーミングPCらしさを感じますが、主張は強くなく、どこでも使えそうなデザインになっています。
背面もゲーミングPCとしてはスリット数が少なく感じるデザインとなっています。スピーカーは底面に2基存在します。
開いた様子です。DCI-P3に対応しており、PANTONE認証しているモデルということもあって、非常に美しいです。IPS液晶ですが、深みもありクリエイターでも十分使えます。ディスプレイの性能についてはモニター評価も合わせてご参考ください。
ディスプレイは180°開くことができます。ゲーミングPCとしては珍しいです。
上部ベゼルです。16インチを15インチクラスの筐体に収めていることもあり、非常に狭ベゼルです。
下部ベゼルです。
キーボード全体です。エンターキー、スペースキーなどが接している箇所がありますが、配列はクセがなく、打ちやすいです。テンキーは非搭載です。また、左上に各種ショートカットがあります。さらに電源ボタンは指紋認証を兼ねたものになっています。
ミツトヨのデジタルノギスでキーピッチを算出したところ、18.8mmとなりました。また、SHINWAのデップスゲージでキーストロークを測定したところ、1.4mmとなっています。
タッチパッド幅を計測したところ、130mmとなりました。タッチパッドはかなり広めな上にさらさらとした感覚で使いやすいです。
本体右側にはケンジントンロック、microSD、USB-A端子があります。
本体左側には電源コネクタ、フルサイズHDMI、有線イーサネットコネクタ、USB-A、USB-C×2ヘッドフォンジャックがあります。左側にインターフェイスが集中している構成です。
背面には大きな通気口が設けられています。
スピーカーはキーボード側にも設けられています。音質が良く聞きやすいです。
本体の重量を測定したところ、2045gとなりました。16インチモデルとしてはやや軽いといった程度ですが、このクラスの性能を持つゲーミングPCとしては軽量です。
充電器込みの重量を測定したところ、2770gとなりました。充電器単体では725gとなります。
ROG Zephyrus M16のメリット・魅力
タッチパッドの性能が良い
ROG Zephyrus M16を評価する中で感動したポイントがタッチパッド。130mm幅と広い上にさらさらとした使い心地で快適に使うことができました。持ち運びでマウスのない環境で使う人でも効率よく作業が行えるでしょう。
スピーカー性能に優れる
ASUS製品全体に言えることですが、本製品もスピーカー性能が高くPC本体のみでも音楽を楽しむことができます。ゲームのために構成を組む人も多いと思いますが、逆にワンデバイスでセットアップしたい人にも向くモデルと言えるでしょう。
狭ベゼル
16インチを15インチ筐体に収めていることもあり、非常に狭ベゼルです。見ているだけで惚れ惚れするほどカッコいいです。
サイレントモードが驚くほど静か
ASUSはノートパソコンを出来る限り静かにするために技術を投入しているメーカーで、その成果もあってかサイレント性能に長けています。本PCはゲーミングパソコンで静穏性がトレードオフになりやすいモデルですが、サイレントモードは非常に静かです。
パフォーマンスは、Armoury Createを起動して簡単にコントロールができます。
iGPUモードがある
独立GPUは本体性能を向上できますが、静穏性や電力が犠牲になります。ROG Zephyrus M16に搭載されているiGPUモードを用いることでCPUプロセッサだけで動作させることが可能。USB-PDを使って100W充電する際にも重宝します。
色域が広い
ゲーミングパソコンとしては色域が広く、クリエイターでも使える性能になっています。
ROG Zephyrus M16のデメリット・欠点
インターフェイスがサイド方式
主観として最も残念だったポイントがインターフェイスが側面になっていること。このクラスだと常時接続となるであろう電源コネクタも左にあります。
ゲーミングPCはマウスやキーボードを外部接続することを前提としていることも多いので、背面インターフェイスの方が前面から見た場合にすっきりさせることができます。そういった点で左側にインターフェイスが集中しているのは残念です。
パフォーマンスモードではファン音が大きい
ゲーミングPCなので当然の弱点にはなりますが、パフォーマンスモードでのファン音は大きめです。
発熱も大きめ
Core i7-11800Hを搭載していることもあってか、ベンチマーク時の発熱もかなり大きめでした。
みんなの口コミ
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昨日一目惚れして3060搭載の方を買いました、スペック上は問題なく良いのですが端子がほとんど横に付いてるのがやはりダメでしたね、モニターをそこまで開く必要がどこにあるのか分からない、なので出来るだけ後ろにして欲しかったですね(G531の2070からの買い替え使用感)
まだ買って触って半日なので分からない事ばかりですが好きになれると思います
性能が高く、しかも対スペックで見た場合のコストパフォーマンスが良いことが特徴。GPUを自分の用途に合わせて選ぶことができ、予算を調整できる点も嬉しい。ゲーミングPCは一般的に色域が低くなりがちですが、比較的高くなっているのでクリエイターでも使いやすいメリットもあります。
女性目線の口コミ
普段、Let's NoteのSZシリーズを使っている妻からコメントをもらいました。ライトユーザーとしての一意見として捉えて頂ければと思います。
女性目線のコメント
- シンプルで見た目が良い
- 頑張れば持ち運びができる
ROG Zephyrus M16がおすすめな人
ゲームもするクリエイター
本PCはプロセッサの高い性能、GPUとしての能力、そしてハイリフレッシュレートを備えておりゲーミングユーザーに適している上、広い色域を持つノートパソコンです。
そのため、ゲームだけでなく、クリエイティブ作業をする人にも向いています。8コア16スレッドのintelプロセッサの強みを活かしてより効率的な作業が可能になります。
作業効率を高めたいクリエイター
プロセッサの性能が良いことに加えて、タッチパッドをはじめとした操作性が良いことも特徴。PC単体で作業効率を高めたいユーザーにもおすすめです。
ROG Zephyrus M16がおすすめではないタイプ
ゲーム性能だけを追求する人
非常に高性能なパソコンですが、ゲーム性能だけを追求するユーザーの場合、色域の良さを追求するよりもより高いリフレッシュレートを追求する方が良いケースがあります。
特に低負荷のFPSなどは高リフレッシュレートが出やすいので、高駆動に予算をかける方が良いケースがあります。好みにもよりますが、ASUSの300Hzを搭載するPCも合わせて検討して下さい。
ROG Zephyrus M16のカスタマイズ・モデルの選び方
ROG Zephyrus M16のラインナップはGPUとSSDが選ぶポイントになります。GPUは3050Ti、3060、3070から選ぶことが出来ますが、それぞれ21~26万円台まで幅があるので予算、もしくは自分のやりたいことに合わせて選ぶと良いでしょう。オフィス搭載モデルは無いので注意して下さい。
ROG Zephyrus M16の実機レビューまとめ
ROG Zephyrus M16を安く買う方法
ROG Zephyrus M16に限らず、ASUSのパソコンを安く買う方法については以下の記事でまとめています。購入前に必ずご確認ください。
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