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ThinkPad X1 Carbon Gen8(2020年モデル)の実機レビュー

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レビュー・評価の概要

熟成された軽量ThinkPad

筐体にカーボンを用いることで得た軽量性とThinkPadならではの打鍵感を両立したモデルです。WANNモジュールを選択することでLTEを搭載することもでき、外でも効率的に作業を行うことが可能となっています。

デザイン刷新がここ数年ないため、ベゼルに厚みがあったり、より軽量モデルが登場することで相対的に古さを感じるようになってきています。プロセッサ自体もRyzenが選択できず、intelのみのためできるだけコスパ良くて気に入れるのであれば、型落ちの前モデルも検討しておくと良いでしょう。

当サイトの評価

総合満足度
 (3.5)
発売年度2020年
プロセッサCore i5-10210U
Core i5-10310U
Core i7-10510U
Core i7-10610U
RAM8~16GB
ストレージ256GB~1TB
画面サイズ14インチ
GPU内臓グラフィックス
USB-PD対応
モバイル通信対応モデル有
重量1085g
Cinebench R201323pts

※スペック情報は執筆時のものです。現在の情報は以下から公式サイトでご覧ください。

ThinkPad X1 Carbon Gen8の商品情報

現在の価格は以下の公式サイトで必ずご確認ください。

本記事ではメーカーより貸し出しを受けて、テストを行っています。

特徴

ここではThinkPad X1 Carbon Gen8の一般的な特徴について解説しています。実際に筆者が使った感想、レビューについてはメリット・デメリットの項目をご覧ください。

公称値1.09kgの軽量PC

ThinkPad X1 Cabonはシリーズの中でも軽量クラスのノートパソコンで1.09kgしかありません。モバイルで持ち運ぶ人にとっては魅力的な一台となっています。

ThinkPadらしい快適な打鍵感

軽量ノートパソコンはそれだけがウリになりがちですが、ThinkPadの魅力は打鍵感にあります。1kg台でキーストロークが1.9mmもあるモデルは他には無い魅力で、深いタイピングをしたい人にとっては大きなメリットとなります。

LTEモデルにも対応

ThinkPad X1 CarbonではWANNの搭載を選ぶことができ、LTEモデルを追加することができます。ただし、4Gモデルのみとなっています。

前モデルとの違い

プロセッサが刷新されたのみでデザイン、重量に変更はありません。最新プロセッサにこだわりが無いのであれば型落ちモデルを選んでも良いでしょう。

価格とコストパフォーマンス

2021年4月27日時点において、価格は全て税込20万円を超えており全体的に高めになっています。プロセッサのパフォーマンスから考えれば、相対的に価格メリットはありません。

ただし、このPCにおいてはThinkPadブランドや打鍵感に重きをおくモデルのため、しょうがない部分でもあります。LenovoのPCは型落ちモデルも販売継続するケースがあるので、型落ちモデルを狙う方法もあるので、Gen7(2019年モデル)も参考にしてください。なお、パフォーマンス的にはあまり変わりありません。

ThinkPad X1 Carbon Gen8の商品情報

現在の価格は以下の公式サイトで必ずご確認ください。

スペック

今回レビューしたThinkPad X1 Carbon Gen8のスペックは以下の通りです。

マシンスペック(技術仕様)

発売年2020年
サイズ217×323×14.95mm
重量本体1085g
アダプタ245g
CPUCore i5-10210U
GPU内蔵グラフィックス
メモリ(RAM)8GB
ストレージ1st256GB
2nd
ディスプレイサイズ14インチ
解像度1920×1080
アスペクト比16:9
形式液晶
リフレッシュレート60Hz
フロントカメラ画素数720p
物理シャッター有り
リヤカメラ画素数無し
Wi-Fia/b/g/n/ac/ax
bluetoothv5
モバイル通信非対応
光学ドライブ非搭載
バッテリーサイズ4セル
公称値最大19.8時間

レビュー機種以外にも詳細のカスタマイズが可能です。細かなスペック内容についてはテーブル下の公式サイトのリンクからご覧ください。

公式サイトで他グレードを見てみる

ベンチマーク結果一覧

CINEBENCH

CINEBENCH(シネベンチ)のベンチマーク結果は以下の通りです。R20は1回の測定、R23は10分間の連続測定結果を掲載しています。

バージョン測定モード測定値[pts]
Cinebench R20マルチ1323
シングル345
Cinebench R23マルチ3052
シングル952

Crystal Disk Mark

Crystal Disk Mark(クリスタルディスクマーク)の測定結果は以下の通りです。

Read[MB/s]Write[MB/s]
SEQ1M Q8T13219.691711.73
SEQ1M Q1T12135.001677.54
RND4K Q32T16835.51370.56
RND4K Q1T148.31121.06

ゲームベンチマーク

FF15

ファイナルファンタジー15のベンチマーク結果は以下の通りです。全てフルHD品質でテストを行っています。

モードスコア評価
最高品質
高品質
軽量品質825動作困難
※基本的にグラフィックボード搭載モデルのみ高品質以上のテストを行います。

通信環境(Wi-Fi)のテスト

測定環境

Wi-Fiの通信環境テストを行いました。テスト環境は光1Gbps(IPv6対応)でWi-FiにはArcher 10 Proを用いました。

テスト環境は以下の通りで戸建て環境の1階、及び2階で測定を行っています。幅方向約10.5m、奥行き方向8.2mの環境です。

1階部分

2階部分

ルーター前:590.76Mbps
ポイント②:559.28Mbps
ポイント③:615.45Mbps
ポイント④:582.38Mbps
ポイント⑤:492.1Mbps
ポイント⑥:335.58Mbps
測定項目ダウンロードアップロードPING
単位MbpsMbpsms
ルーター前590.76433.6210
ポイント②559.28429.588
ポイント③615.45371.129
ポイント④582.38423.987
ポイント⑤492.1341.199
ポイント⑥335.58316.027

通信スピードテストの評価

USB-C(PD)による充電テスト

USB-Cの充電テストを行いました。「〇」は通常通り充電、「△」は充電されるものの低速表示、「×」は充電できないことを示します。

W数充電の可否検証に用いた機種
20WPowerPort Ⅲ Nano
30WPowerPort Atom Ⅲ Slim 30W
45WPowerPort Atom Ⅲ Slim 45W
61WRP-PC133
100WAUKEY PA-B7

外観

天板はマットな質感となっています。一時期カーボン調になっていたこともありますが、現在はシンプルな天板になっています。ThinkPadロゴはブラックになっています。

背面も天板同様にマット調の素材となっています。

下部にはThinkPad X1 Carbon Gen8のロゴがあります。

開いた様子です。ThinkPad X1 Carbonは旧モデルからデザインアップデートされていないこともあってか、ベゼル幅は広めになっています。

最大角は180°です。

上部ベゼルです。

下部ベゼルです。

フロントカメラです。物理シャッターも付属しています。本機はIR非搭載モデルですが、搭載モデルを選ぶこともできます。

キーボード全体です。昨今のテレワーク事情に合わせてファンクションキーに電話対応キーが割り当てられています。

ミツトヨのデジタルノギスで2点間のキーを測定し割り返してキーピッチを算出したところ、1.9mmとなりました。また、SINWAのデップスゲージでキーストローを測定したところ、18.1mmとなっています。

タッチパッド幅を計測したところ、100mmとなりました。

本体右側にはケンジントンロック、通気口、USB-A、電源ボタンがあります。

本体左側にはUSB-C(充電)、ドッキングステーション、UDB-A、フルサイズHDMI、ヘッドフォンジャックがあります。

スピーカーは4基(背面2つ、ディスプレイ下に2つ)搭載されています。音質は並み+α程度です。低音が弱いのでこだわる人はスピーカーを購入して下さい。

本体の重量を測定したところ、1085gとなりました。

充電器込みの重量を測定したところ、1330gとなりました。充電器単体では245gとなります。

メリット・魅力

軽量かつUSB-PD対応でモバイル性が高い

ThinkPad X1 Carbonは発売当初からカーボンの名を冠する通り、軽量コンパクトな14インチモデルというコンセプトを貫いています。USB-PDに対応しているため、付属の充電器を持ち運ぶ必要がなく、窒化ガリウムの充電器を用いることによってより手荷物を減らすことができる点も魅力と言えます。

軽量PCとしては珍しい4スピーカー

1kg前後のノートパソコンでは軽量性が重視されるため、スピーカーは軽視される傾向にありますが本機では4スピーカーを搭載しています。スピーカー機能を重視したモデルには敵いませんが、軽量PCとしては魅力的な装備となっています。

ThinkPadらしい打鍵感は魅力

ThinkPad X1 Carbonはシリーズ全てで見ても、最も魅力的といっても過言では無いほどの一台。当サイトではより軽量なThinkPad X1 nanoもレビューしていますが、打鍵感が浅くなっており、入力性ならこちらのモデルに分があります。

タッチパッド感度が良い

あまり知られていませんが、ThinkPadはシリーズの中でタッチパッドの質感は異なり、上位モデルの方がサラサラとした質感になっています。ThinkPad X1 Carbonにはもちろん質の高いタッチパッドが搭載されていて、マウスが無い環境でもより快適に使うことができます。

デメリット・欠点

軽量PCとしてのコスパが悪くなってきている

2016年前後では軽量PC、USB-PD・LTE対応といえばThinkPad X1 Carbonと言えるほど突出していましたが、LTE対応・USB-PD対応がトレンドになっていることや軽量PCの価格帯が下がってきたこともあり、相対的にコスパが悪くなってきている感は否めません。同じレノボにしても、Yoga Slim 750i Carbonなど軽量で価格の安い魅力的なPCが発売されてます。

ベゼル幅が大きめ

ThinkPad X1 Carbonは過去から本体デザインが更新されていないこともあり、ベゼル幅が大きめで少し古さを感じるデザインとなっています。

おすすめなタイプ

外でタイピング作業が多い人に

ThinkPad X1 Cabonの魅力はなんといってもタイピング性能の良さによる生産性アップです。外で資料作成などが多い人におすすめしたいモデルと言えるでしょう。ThinkPadの打鍵感は一度使うと虜になります。

LTE通信したい人に

ThinkPad X1 Carbonは軽量PCでもまだまだ数の少ないLTE対応モデルです。外で単独通信をしたい人にはおすすめのモデルと言えるでしょう。

おすすめできないタイプ

軽量性と価格を両立したい人

デメリットでも述べた通り、軽量PCの価格が世の中一般的に下落傾向にあることもあり価格メリットが薄れています。そのため、軽量性と価格を両立したい人にとっては旨味が少ないので、型落ちモデルを検討したり、タイピングを犠牲にしても良ければYoga Slim 750i Carbonなどを検討しましょう。

カスタマイズ・モデルの選び方

ThinkPad X1 Carbonのカスタマイズはほとんどなく、プロセッサとしてCore i5を選ぶかCore i7グレードを選ぶこと、そしてSSD容量を選択することが基本になります。これらは好みで調整してください。またLTEが必要な場合はWANN項目を選択して変更する必要があるので注意してください。

公式サイトで他グレードを見てみる

実機レビューのまとめ

ThinkPad X1 Carbonは軽量PCの中では随一と言ってもよいほどのタイピング性と軽量性を持ったパソコンです。

価格ではメリットを感じ無いかもしれませんが、このPCから得られる効率性は目には見えない大きなメリットを持っています。外での作業効率を最大化したい人に選んで欲しいモデルです。

ThinkPad X1 Carbon Gen8の商品情報

現在の価格は以下の公式サイトで必ずご確認ください。

安く買う方法・コツ

ThinkPad X1 Carbon Gen8に限らず、Lenovoのパソコンを安く買う方法については以下の記事でまとめています。購入前に必ずご確認ください。

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